潮待小屋

アウエイの洗礼

 
金曜日。
職場の新年会。
いまどき週末に宴会をセットするセンスはいかがなものかと思うが、若い幹事さんの苦労に敬意を表し、ニコニコ笑顔で参加。
これでも一応、大人ですから(笑)。

ただし、宴会中、アルコールは一切口にせず。
大人にも譲れない一線というものがある。
「今夜釣りにいくから」と言うとさすがにカドが立つので、「これから奥さんと子供を実家まで車で迎えに行かなくちゃいけないんだよね~」と当たり障りのない言い訳をする。

ちなみに、全くの嘘ではない。
日曜日に迎えに行くのである。
「これから」の意味するところが当日中でなければならないなんて決まりはない(爆)。


そんなこんなで、なんとか今年の初釣りに出発。
家を出るのが少し遅くなってしまったので、いつもより少なめのコマセを買い、南房某磯へ向かう。

このエリアでは何度か日中にルアーを投げたことはあるが、夜のカゴ釣りは初めてだ。
地形の把握はしているものの、カゴ釣りで釣果が期待できるかどうかは不明。
私にとっては「アウエイ」のフィールドである。
初釣りは恒例の外房ホームで手堅くキメるという選択肢もあったが、毎年同じ釣りをしていても面白くない。
今年は新しいフィールド、新しいターゲットにどんどんチャレンジするのだ。


午前4時、期待と不安を胸に、南房地磯に到着。
駐車スペースを見る限り、先客が居る気配はない。
背負子を担ぎ、ロッドケースとチャランボを手に、いざ突入!

無人の磯を少し歩いて、目指すャCントに到着。
足元から10~20m程の根があるが、その先の海底は砂地である。
背後の崖が風よけになって、目の前にはベタ凪の海が広がっている。
少し沖には潮目らしきものもあり、なかなかいい感じだ。
さっそくいつものカゴフカセ仕鰍ッで釣り開始。

しかし・・・・期待に反し、アジの反応は渋い(汗)。
こまかいアタリは頻繁に出るものの、これは全部ウミタナゴだ。
タナを変えたり、仕鰍ッを流すラインを変えたり、あれやこれや試行錯誤しながら夜明けまでにキャッチしたアジはわずかに2匹。
このャCントのパターンをつかめていないだけなのか、それとも、そもそもアジが寄る場所ではないのか・・・。

やばいやばい、と少々焦りながら、カゴ仕鰍ッから泳がせ仕鰍ッにチェンジ。
果たして、一発逆転のドラマはあるのか?


と、ここで、とんでもない事態が発生。

グループでやってきた釣り人が、私の左右にどやどやと入ってきた。
荷物が少ないところを見ると地元の釣り人だろう。
そして、遠投竿に胴突きサビキをセットして、私を間に挟んですぐ両隣でばしばし投入し始めた。

げげげ、まじですか?
私、ここでウキ釣りしてるんですけど?
そんなことされたら、私は釣りができないんですけど?
仕鰍ッ、流せないでしょ。絡むでしょ。わかってます?
わかってるよね?確信犯だよね?
このャCントの先釣者は誰?私でしょ?
あなたたち、後から入ってきたでしょ?
後から入った者は先釣者の釣りの邪魔をしてはいけない、釣りのスタイルが違えばなおさら気を遣うべし、というのは全国共通のルールでしょ?
違うの?南房では違うの?
ねえねえ!

内心はらわたが煮えくり返る思いだったが、ここは多勢に無勢。
こんなところでもめ事を起こすわけにもいかないので、くやしいけれど今日の釣りは諦めざるをえない。
バケツのアジはリリースして、せっかくセットした泳がせタックルも片づけた。

さらに頭にきたのは、私が荷物を片づけ始めたと見るや、グループの一人が背後の高い岩の上に立ち、私の頭越しにキャストを始めたこと。
なな、何をするのだ!失敬な!
まるで「早くそこをどけ」と言わんばかりの振る舞いである。
この人たちは、こうやって日々「よそ者」を排除しながら釣りをしているのだろうか・・・





こんなとんでもない釣り場からは一刻も早く立ち去りたい!
車に乗り込み、とりあえず心落ち着く外房ホームに向かう。

海岸沿いの道のすぐ横には、人間同士のくだらない軋轢などまったく関係なく、いつも通りの雄大な太平洋が広がっている。
朝日に照らされきらきらと輝く海を見ながら走るうち、ささくれ立った心も次第に落ちついてきた。
そして、ふとこんなことを考えた。

「間違っていたのは、どっちなんだろう?」

あの釣り場が混雑するということは、地元では当然の前提なのかもしれない。
だから、地元師もあえてウキ釣りはせず、大勢が一度に竿を出せる投げサビキスタイルで釣りをしていたのかもしれない。

確立されたローカル・ルールは、ゼネラル・ルールに優先する。
郷に入れば郷に従え、である。
もしも、あの釣り場で釣りをする常連さん全員の合意事項として「ウキ釣りはNG」というルールがあるのであれば、迷惑行為をしていたのは、実は私のほうかもしれない。
ルールも知らずに闖入し、一人よがりの理屈で勝手に不機嫌になっていただけの、とんだ無作法者だったのかもしれない・・・。


外房に到着後は、マトウダイ堤防やクロアナゴ岸壁で少しルアーを投げてみたが、当然のごとく反応なし。
水温低下の影響か、少し前まで濁っていた港内の水もきれいに澄んでいた。

これからしばらくは厳しい季節になりそうである。

  

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コメント一覧

管理人
>シーバカさん
例の磯、行かれましたか。
どうやらカマス狙いの投げサビキのようですね。
先々週までは水温が20度近くあり、カマスも好調だったようですが、この週末は一気に15度前後まで水温が低下してしまい、魚もいなくなってしまったようです(泣)。

>門番さん
投げサビキ、評判よろしくないみたいですね(爆)。
私も時々やりますので、気を付けたいと思います。
あと、糾pも評判良くないです。
これも私の好きな釣りの一つですが…(汗)。

>izuさん
房総半島は広いです。
いろいろな釣り場があり、いろいろな釣り人が居ます。
気持ちよく釣りのできるャCントもあれば、そうでないャCントも・・・
まあ、仕方ないのでしょうけどね。
izu
お疲れ様でした・・・
まだこんな場所があったんですね。
無用なトラブルを避けるには身を引いた方が手っ取り早いんでしょうが・・・こういうのって内心は腹立たしいですよね。
今までに何度味わったか・・・(泣
・・・・次に行きましょう!次に♪
門番
お疲れ様です
実に腹立たしいですね、地元だから許されることでは・・・、実は最近私も同じく・・・ダンゴでャCントを作ったのに、投げサビキをし始められ、泣く泣く移動をしたことがあります、まさに地元に人でしたが・・・
趣味で釣りをしているので、諍いは避けたいです。
一言挨拶が有れば随分違うと思いますが
シーバカ
大人の対応、お疲れ様でした!

私も今朝、かめやまこさんが入ったとおぼしき磯で
ルアー投げましたがやはり投げサビキ師多かったです。
中には完全に陽が昇ってからサーフで投げるつわものも(笑)
あの場所は投げサビキが主流なのかもしれませんね。

私の釣果ですか…
大威張りのボ、です(笑)
もちろんヒラヒラ狙いですが。
鳥山フィーバも終わって、冬の海へと衣替えした様です。
管理人
>潮崎さん
グループで気軽に入れる磯は、こんなものなのかもしれません。
潮崎さんが出没するような難易度の高い磯は、気合いの入った単独行動の釣り人がほとんどでしょうから大丈夫なのでしょうね。
初釣りは、もちろん次回です(笑)。
今回のは、単なる偵察です。

>キャロルさん
不愉快になるのは、自分の意に反するから、理解できないからです。
外房の堤防も相当混んでますが、一応一通りのお作法はわかっておりますので、不愉快になることはめったにありません(笑)。

>釣れちゃTAKAさん
大変失礼いたしました。
TAKAさん違いでしたか。
そういえば、「あれ?初めましてだったっけな~?」と思ったんですよね(汗)。
申し訳ありません。

>すーさんさん
私も基本的に単独行動ですので、グループの釣り人は天敵です(笑)。
目指すャCントに先客がいたとき、自分一人であればすぐに諦めて他のャCントへ移動できますが、グループ行動の場合そうした臨機応変の対応が難しく、また集団ということで気が大きくなって、少々無理をしてしまうということもあるのではないでしょうか。

>めっきさん
典型的な千葉県民・・・・私も千葉県民です(汗)。
確かに悪意はなさそうでしたね。
仲間内では楽しそうに「今日はアタリねえなあ~」なんて会話してましたから。
地域性というより、むしろ「おっさん」世代の特徴なのかもしれません。
場の空気を読むのが得意な若い皆さんは、決してこんな振る舞いはしないでしょう。
現場で会う若い釣り人は、全般的にマナーがいいと思いますよ。
めっき
>頭越しにキャスト
典型的な千葉県民ですね(汗)
悪意は無いのでさらに性質が悪いです(天然でやってます)
ローカルルールって訳でも無いと思います
釣りだけならまだしも車の運転とかもそういう感じです
都道府県別交通事故死者数ワースト3の常連ですし
まあ近寄らないのが一番ですね
わかるなぁ
初めまして。
すーさんです。
こういうのって、よくありますよね。
孤独に楽しみたいのに、多人数の団体に邪魔にされる。
大学とかの学食では、不文律的に「~グループ専用席」
みたいなのもありますし。
まぁ、それも人間らしいっていえば人間らしいんですけどね。
逆に、自分だけはそういう行動をしないっていうャ潟Vーを持つしかないですよね。
同じレベルに落ちちゃダメですもんね。
釣れちゃ板での“TAKA”です
管理人さん、こんばんは。

すいません、「 2011/1/9 10:32 投稿者:TAKA 」さんのコメントは“釣れちゃ板”での「TAKA」ではありません。
たまたま同じハンドルになったと思います。

私、今後あちらこちらに投稿する際は「釣れちゃ-TAKA」とします。
よろしくお願いします。
キャロル
 かめやまこさん
 大人としての対応、ご立派です。私も、かくありたいと、思います。親切な地元釣り師さんもいますし、いろいろなケースがありますよね。トラブルに巻き込まれないことを第一に、忍耐力が大切と。
潮崎
あれれ?
南房にまだそんなやついましたか(残念ですねぇ~
未だに、そのような方にはお会いできませんが
お手軽に入れる磯場の宿命でしょうかね

で、
初釣は、来週でしょうか(笑
管理人
>びっちゃさん
寒かったです。泣きそうになりました。
さらに、釣果も激寒で・・・・
でも、この程度ではめげませんよ(笑)。

>木曜日の釣り人さん
初めての釣り場へ行くときは、ちょっとした緊張がありますよね。
先釣者が居れば、その様子を見ながら大体の空気を読めるのですが、今回は不幸なことに当初私一人だけだったので・・・(汗)。
でもまあ、いい経験になりました。

>sotobouさん
結局、勢力のバランスなんでしょうね。
ウキ釣り師の圧涛Iに多いャCントでぶっこみやる人はいないでしょうから・・・
南房の某有名アオリイカャCントも、かつては泳がせ師が釣り場を独占していてエギを投げると怒られたそうですが、最近では圧涛Iに人数で勝るエギンガー勢力に押され、昨年私が様子を見に行ったときには完全に制圧されてました。

>mozmaさん
はじめまして、でしょうか。
人間って助けられたりうっとうしく思えたり・・・おっしゃる通りですね。
いつも無愛想でいけすかないなあと思っていた常連師が、実際話をしてみると実に親切で優しかったり・・・。

>Bサーフさん
あらら、見られてましたか。
1時間ほど爆睡しておりました。
新年早々、いい釣りをなさったみたいですね。
おめでとうございます。
私も次回は素直に外房でアジ狙います(笑)。

>rickeyさん
いえいえ、単に気が弱くて優柔不断な軟弱者というだけのことであります。
お恥ずかしい限りです。
次回は外房で、初釣りの「やり直し」をしたいです(笑)。

>TAKAさん
はじめまして。
「釣れごめ」の方でいつも書き込み拝見しております。
釣り場でのあいさつは大事ですね。
親切な常連さんであれば、その日の状況や狙うべきャCント、あるいは注意事項やマナーなどいろいろと教えてくれますしね。
一方で、挨拶さえすれば後から割り込んでも許されると勘違いしている輩がいることも事実。
なかなか難しいですね。

TAKA
初めまして。いつもブログ見させて頂いてます。
今回の件、私も何度か経験していますが
こういった時って多くの釣り人が解っていても中々出来ていない互いの挨拶からでは無いでしょうか。
そこから相手が何を釣るのか?どういった釣り方で
やるのかを知ることが出来ると思います。
まあ、地元連中は書いてあるようにこんな輩が
ほとんどですけどね(笑)
rickey
http://rickey-s.seesaa.net/
かめやまこさん、おはようございます、南房初釣お疲れ様でした。

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

アウエー状態の釣り場では地元師との勘違いによる軋轢よくあることですが大人の対応・流石です。
昨日もあるところで話題はちがいますが、どちらも正論如何に譲り合えるか・・・清濁併せ呑む器量が大事という話になりました。
難しいですが、これぞ大人の対応という事でしょうか。
大変共感いたしました。
PS
15日鍋Pでお会いできる事を楽しみにしています。
その時は宜しくお願いいたします。
B.サーフ
新年早々、大変でしたね!
でも確かに場所によっては地元の方が、「ここはわしの庭じゃ!」的な所もあるよね。

昨日、公園トイレ前で管理人さんが爆睡していたので起こさずに帰りました。
起きていたら釣りたて尺アジをあげたのになぁ!
mozma
あけましておめでとうございます。
何か複雑な気分ですね。
人間って助けられたりうっとうしく思えたり様々。
新しいャCントで楽しく遊べるといいですね。
画像と文面後半が何か共鳴するです。
sotobou
初釣りお疲れ様でした。
なんだか欲求不満な釣行になってしまったようですね。
釣り場によってはびっくりするような釣り方が常識となっている場所がありますよね。
私も泳がせやっている場所は本来石鯛釣場ですので、いくら先に釣っていてもウキの前に仕鰍ッ放り込まれてしまいます。
まあそんな時は回りの方が終わるまで昼寝して待ってますが。
でも朝の一発狙いの場合はちょっときついですね。
木曜日の釣り人
私も似たような経験多数です!!
内房のあそこ、外房のあそこ・・・

思うに千葉県人の特徴なのではないでしょうか。
ホント不愉快ですよね。
銚子、白浜など「端っこ」の人たちは
暖かいと思いますが?

ただ自分が初心者だったころ、同じことを
していたかもしれないし・・・。

まぁ無用なトラブルは避けるべし、って
とこですか?

びっちゃ
今週は寒さが半端ないのでお休みしました。
氷点下の釣りは遠慮します(笑)
そちらの内陸部も、氷点下5度くらいにまで下がったのでは。

そこの磯、お手軽だから釣れている情報があると混雑しますよね。
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