2020年は戦後75年を迎える年でした。
新発寒教会に集うわたしたちは、
「キリストの平和を証し実現する教会として成長する」ことを
宣教の一つの目標としています。
この宣言文を作成するにあたり、半年以上、何度も学びと話し合いを重ねてきました。
時には、口角泡を飛ばし、けんけんがくがく、熱く意見交換をして
一生けん命に考えてきました。
(しかしコロナ下にあって、これはまずいかもしれませんね。一応、マスクをして飛沫防止
をしてはみたのですが。今のところ、コロナ感染者はおりません)
子ども達とも平和についてわかちあうために、子ども版を作りました。
この宣言文は、あくまでも進行形です。
これからも学びを深め、キリストにあって平和をつくりだすことをめざしたいと願っています。
戦後75年を迎えての新発寒教会平和宣言
「正義が造り出すものは平和であり、
正義が生み出すものはとこしえに安らかな信頼である。」
イザヤ書32:17
新発寒教会に集うわたしたちは、イエス・キリストにおいて現わされる平和が、
世界中に実現するために常に祈り希求する群れでありたいと願います。
日本が戦後75年を経て、二度と戦争をしないと明記した日本国憲法が
あるにもかかわらず、軍備を拡張し戦争のための武器を捨てることが未だにできていません。
今日、この国が国内外にもたらした戦禍を知る人も年々少なくなり、
都合の悪い歴史の事実をなかったことにし、
改ざんする動きが勢いを増しています。
さらに日本の植民地支配と侵略戦争の歴史は美化され、
歴史の真実は記録と記憶から消されようとしています。
しかしその動きを見逃すわけにはいきません。
日本軍「慰安婦」として性奴隷にされた人々、
強制連行・強制労働を強いられた人々に
対する人権侵害は筆舌に尽くしがたいものがありますが、
日本政府はいまだに加害と責任を認めず、
心からの謝罪と賠償をしてこなかったことを憂慮します。
わたしたちは、かつて日本のキリスト教会が戦争協力したことを心に刻み、
おかした罪を反省します。
そして再び戦争を繰り返さないために行動することをめざし、
聖書に聴き何が真理であるのか追求します。
そのような観点から、過去の清算の課題にしっかり取り組むとともに、
軍事力の増強と日米同盟による覇権国家への道を否定し、
平和教育を徹底していくことが大切であると考えています。
明治初期から敗戦にいたるまで、天皇を神とする天皇制国家がつくられ、
信教の自由や思想良心の自由が抑圧されたことが戦争への道につながりました。
日本はアジア太平洋戦争という無謀な戦争によって残虐の限りを尽くしましたが、
その一方で、多くの兵士たちが、天皇のために死ぬことが最高の美徳と教え込まれ、
絶対服従の軍規の下で、飢えに苦しみながら死んでいきました。
わたしたちはその歴史と誠実に向き合い、
再び戦争を起こさないために、祈りつつ行動します。
2011年に起きた東京電力福島原発の事故は未だ復興の兆しは見えず、
事態はさらに深刻化しています。
また日本では、在日米軍基地面積の70パーセントが沖縄に置かれ、
おびただしい自然破壊と、
日常的な軍事被害が続いています。
さらに、新型感染症の脅威と不安の中で差別と分断が生じ、
わたしたちの社会が脆弱であり、
とりわけ社会的に弱者とされている人々に不寛容であることが明らかになりました。
わたしたちはイエス・キリストが示された平和と愛と正義を
常に求めて歩みたいと願います。
その実現に向けて人々が安心して生活できるように道を探ります。
人の罪と欲望にさいなまれるこの世界に生きるわたしたちは、
どんなに平和への道が遠く険しくとも、
暴力を用いず、権力にこびず、
信仰の導き手である平和の主イエス・キリストを信じて従います。
わたしたちはこの社会にあって神から託された見張りの役目を担い、
信仰の証として平和をつくりだす人々と連帯し、
世界と日本の未来を拓くために努力します。
神にあって共に生きる社会を築くために、
あらゆる差別や人権を脅かすものをゆるさず、
正義に基づく平和へのわざに参与いたします。
わたしたちは以下のことを実現するために、祈りつつ行動します。
・聖書に聴き、正義に基づいた平和をつくります。
・日本国憲法第9条を守り、武力によらない世界の平和を築きます.
・天皇制の歴史を検証し、個人が尊重され、信教の自由、思想・良心の自由が守られる社会をつくります。
・しょうがいを持つ人や社会的に弱い立場にいる人々を支えます。
・子どもの人権を守り、豊かな育ちを支えます。
・新型感染症によって明らかにされた経済的・社会的格差、分断と差別をなくすために行動します。
・ジェンダー平等の視点から、あらゆる性暴力や性的搾取、性差別、性的少数者差別を撤廃します。
・戦争被爆国の責任として核兵器を廃絶し、核兵器につながる原発の廃炉を目指します。
・環境破壊を伴う利益優先や物質至上主義に陥らないように努力します。
※ジェンダーとは、生物的ではなく社会的・文化的につくられた性、性別、性のありようを表します、
2020年12月25日 クリスマス
日本基督教団新発寒教会
戦後75年をむかえての新発寒教会平和宣言(子ども版)
わたしたち新発寒教会は、
世界中から戦争という国と国のけんかがなくなることを強くねがっています。
日本も仲間入りして、世界の国々がたたかっていた
第二次世界大戦という大きな戦争が終わって75年たちました。
その間、日本は戦争中におこなったたくさんの悪いことを、
今まであやまってきませんでした。
また、国の一番大切な憲法という決まりに、
「もう二度と戦争はしません」と、はっきりちかっているのに、
毎年たくさんの武器を売買し、軍事予算が増え、
沖縄に新しいアメリカ軍基地がつくられています。
沖縄には、日本のアメリカ軍基地の3/4があります。
そして基地があるために、沖縄の人々は危険を感じ、安心して生活することができません。
2011年におきた福島の原子力発電所事故は、いまだに解決していません。
この事故によって、はっきりしたことは、今の日本の社会は人のいのちをそまつにしているということです。
新型感染症の流行で、多くの人々は不安をおぼえ、
いまの日本社会は、人を差別し優しくないことがよりいっそう、はっきりしました。
わたしたちは、世界中のすべてのいのちが大切だと教えてくださった、
イエス・キリストの言葉を忘れずに、暴力を使わず、
みんなでなかよく平和になれるように、考え行動していくことをめざします。
・日本国憲法9条をまもり、武器や暴力を使わずになかよくします。
・歴史を学び、過去におきた出来事を正しく未来に伝えます。
・しょうがいを持つ人や、生きていくための助けが必要な人たちを手つだい、応援します。
・新型感染症の流行でおきた差別や不公平をなくします。
・男だから、女だからと決めつけず、ひとりひとりの行動や考えかたを大切にします。
・だれかのいいなりになるのではなく、自分の考えを自由にあらわすことのできる社会をつくります。
・人類をほろぼす武器にもなる原子力発電にたよらない社会をつくります。
・自分だけが楽をし、とくをしたいと考えるのではなく、
すべてのいのちや自然を守り、だれもが安心して共にいきる社会をめざします。