晴れ渡った奈良の今朝は、霜折れで0.3℃だが平年よりも暖かいように思う。
日中は昨日に引き続き気温が上昇し15.3℃と、三月中旬の陽気です。
東の春日奥山は昨日同様、黄砂の影響で霞み、山稜が黄みがかる。
12時
さて今日は奈良に縁のある俳人『橋本多佳子』、1899年(明治39年)の誕生日
東京生まれ、19歳で結婚後小倉の自宅「櫓山荘(ろざんそう)」 で、高浜虚子
『落椿投げて暖炉の火の中に』この句に感動し、 杉田久女に師事する。
この当時、詠まれた句は『窓の海今日も荒れゐる暖炉かな』
???
義父の死で大阪・手塚山に転居、1935年から山口誓子に師事し「馬酔木」の
同人に。だが1937年(昭和12年)39歳で夫と死別する。
『月光にいのち死にゆくひとと寝る』
師と共に「馬酔木」を離脱し1948年誓子創刊の「天狼」の同人になる。
その後の活躍で、星野立子、中村汀女、三橋鷹女、そしてこの橋本多佳子が
昭和を代表する女流俳人「四T」の一人に数えられるほどに。
1963年(昭和38年)5月29日 享年64歳
奈良には1944年(昭和19年)奈良のあやめ池に疎開、それ以後住み続けられて
おり、戦後昭和21年に奈良俳句会を始められた。
美人で気が強いとされた多佳子、女性の哀しみ、不安、自我などを女性特有
の微妙な心理によって力づよく表現された句が多い。
昭和21年に奈良の日吉館の句会で詠まれた
『いなびかり北よりすれば北を見る』
北という言葉の持つ暗いイメージに「いなびかり」をあえて見ている
辛いことから目をそらすのではなく、あえて見据えようとする決意を
『老いよとや赤き林檎を手に享くる』
多佳子50歳の句で、リンゴの赤は盛りの色を示し、負けてなるものかと
人生の盛りを生きていくんだと表されているのかも
小正月ですから、私は柳の様に老いていきたい。
皆様は?