読売新聞によると、米太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官は16日、オーストラリアで講演し、「(第2次世界大戦から)70年以上を経て、『力は正義』という考えが復活している」と述べ、中国が南シナ海の人工島で進める軍事拠点化を批判したそうです。
今、クリミヤ併合のロシアプーチン大統領、中国の習近平主席、北朝鮮の金正恩第1書記等世界は独裁者が正に世界を動かしています。上記司令官の言葉ではありませんが力が正義を実践してる政治指導者が自国内で人気を博したり、また政敵を粛正する恐怖政治を行っています。
またアメリカ大統領選では、強いアメリカを標榜するトランプ氏が脚光を浴びています。世界各国は国内向けのみならず国外にも強い国家を目指しているように見えます。
一方日本は、いまだに安保法制やらを参議院選挙の争点にしようとして野党が共闘を発表してるようです。今日のNHKのクローズアップ現代で安保法制反対のシールズの奥田さんを取り上げていました。戦争の悲惨さを訴え、非戦を誓えば平和が保たれるするような集団的自衛権容認反対論の人たちは世界政治の現状をどのように見ておられるのでしょうか。本音をお聞きしたいものです。精緻な議論は私にはできませんが、北朝鮮の核・ミサイル問題の国連決議だって広義の集団的自衛権ではないのですか。世界の現実は「力は正義的な覇権国家ないし同盟国家群」が必要ではないのでしょうか。力を前面に出しすぎるのは日本人的には嫌悪を感じるのは理解しますが、戦後の日本の政治は憲法がらみの安全保障政策論争から脱却ることなく、不毛の議論を重ねてきた結果が、現在日本の国力を低下させてるのではないでしょうか。
戦後日本は国益だな国力などという言葉は禁句のように扱われてきましたし、仮想敵国なども同じに扱われてきたことは私は肌身をもって体験してきました。国会で「国益」という言葉を使い議論できるようになったのはごく最近のことではないでしょうか。
今の世界でどの国行けば、安保法制が議論になるのでしょうか。日本のように集団的自衛権が議論になる国は本当にあるのでしょうか。日本だけが崇高な理想を掲げて実験国家を目指すのでしょうか。アメリカ大統領選のトランプ氏ではありませんが、日米安保条約の片務性やTPP反対が現実になってからでは遅いのではありませんか。
シールズの奥田さんも韓国やアメリカの若者と意見交換されてみてはどうですか。私のような田舎者には、「戦い」の悲惨さを訴え、遠ざければ「立憲主義」だの「民主主義」に基づく民主国家日本が維持されると到底考えることができません。