その後Sは異動で部署を転々とし最後の2年位はほぼ休職したまま定年退職となった。
社内で時々見かける事もあり挨拶程度の会話は交わした。当時こちらは20代、Sは50代。一応表面上は気を遣って接したがあまり関わりたくなかった。
今自分が50近くになってみて彼女の事は多少理解できるようになってきた。Sの年齢だと更年期障害もあったろうし家では高齢の母親の面倒もみていたようだ。男性優位の商社で独身で一般職として長年働き、55で自分より社歴の浅い女性社員よりも給料が低くなってしまう。心身ともに疲れていたに違いない。
だが、若かった当事の自分には親身になって理解してあげる事はできなかった。仕事の負担の方が大問題だった。
今まで何社か転職もしているが、どの職場にも必ず休んでいる社員が数名いた。制度を悪用していると噂されている人も何人かは存在した。
そもそも鬱の診断基準って何だろう?あくまでもこれは個人的な見解だが自分の中の鬱のイメージは以下の通り。(ネットで調べたものも含む)
・眠れない、頭痛、その他身体的症状
・テレビの音がうるさく感じる。
・集中力がなくなり読書ができない。
・風呂に入れない。
・涙もろくなる。落ち込みがひどい。
・自分を責め死にたいと考える。
↓
・その様子を見た家族が無理矢理病院に連れて行き鬱病と診断される。
という感じ。
なので自ら病院に行き診断書を会社に提出し同僚にも症状を説明できる人を見ると違和感を感じてしまう。鬱症状があるので残業はできないけれど飲み会だけは行けるという後輩もいた。(新型うつ?)
社会人になり仕事、人間関係、恋愛、家族の事等沢山の悩みはあった。誰とも会いたくない、消えてしまいたいと思った事もある。大切な人との別れや入院も経験してきた。人によってストレスの感じ方は違うだろうが、誰でもそんな経験はあるのではないか。
鬱は病院に行っても腫瘍が見つかるわけでもないし、はっきりと数値に表れるものでもない。どうやって医者は診断するのか。
つづく
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