将門ブログ

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高橋直樹著『平将門』

2007年12月11日 | レビュー
平将門―射止めよ、武者の天下
高橋 直樹
角川春樹事務所

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 基本的なストーリーが、将門記(しょうもんき)に沿っているような気がします。将門記に書いてある出来事が、どういう心理的背景から起こったのかということを、理詰めで納得がいくように書かれている小説だという印象が残りました。それゆえか、将門記前の記述が描かれていません。
 将門はどこまでも『鋼の魔王』であり、貞盛はどこまでも『卑怯な貴族』として、デフォルメした感じで描かれています。が、私の感覚では、将門公はもうちょっと人情味があり、『愛』のユートピアを創りたかったのだという『理想』があったような気がしますので、その点では物足りない感じがします。『人情味』では、吉川英治氏に軍配が上がるでしょうか。
 しかし、女性の描き方では、高橋直樹氏の勝ちでしょう。『桔梗』がなぜ裏切り者として後世に名を残すことになったのか、なぜ将門が桔梗にこだわったのか、「なるほど」と言えるような描き方をしています。その点ではお勧めできますね。

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/文:シュバン/平将門関連書籍将門奉賛会


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