マニラの邦字紙「マニラ新聞」では編集デスクが交代で執筆する「ハロハロ」というコラム欄がある。題材は筆者の自由で、中身はタガログ語でいう文字通りごじゃまぜのかき氷である。その23年間続いたコラム欄が先月で終了した。紙面拡充の一環として月曜版に設けられ、週1回、編集デスクが気ままに書き綴ってきた。昨年、退任するまで15年近くかかわっていただけに、終了を知ってちょっぴり懐かしさと寂しさが込み上げてきた。
最初のコラムは2002年11月に孫が通うマニラの「多国籍幼稚園」を取り上げていた。園児の国籍はフランス、ドイツ、アメリカなどさまざまだが、孫が2歳十カ月にして幼稚園では英語、自宅では日本語を使い分けているのを聞いてびっくした話を書いた。以後、1カ月1回のペースで書き綴り、保存ファイルを調べると、総計115本に上っていた。現職時代に書いたさまざまな部署でのコラムなども含めて、自分史の一コマとして冊子にまとめ記憶にとどめておきたい。