一夜花

宇多田ヒカルの母ちゃんでギャンブル好きのケイコさんが昔歌ってましたね。
♪白く咲くのはユリの花、黒く咲くのもユリの花、
♪どう咲きゃいいのさ、このオイラ～
♪花は夜ひらく～

という訳で今回は里山で咲いたサボテンの花のお話しです。
ベランダの片隅に観葉植物とかシンピジュームとかシクラメンとかごちゃごちゃと置いてある所に、
一緒にサボテンも置いてありました。
色々な植物に囲まれて分からなかったのですが、
数日前にふと気がついて見ると、サボテンの頭の付近からニョキッと突起物が出ておりました。
突起物の先にはなにやら蕾のような物が見られました。

それから二、三日して見るとさらに蕾がはっきりとしてきました。
そしてその夜帰って来て見ますと花が６～７割り方ひらいていました。


さてそれからは、えらいこっちゃとばかりに大撮影会を行なったのでした。
このサボテンはご近所さんに頂いた物で殆どほったらかしでいたものですから、
よもや花が咲くとは思いもしませんでした。
鉢も小さくそのままでしたのでヒョロヒョロと細長く育ちこの状態では花など考えられませんでしたからね。
早速オイラも興味津々で匂いを嗅いでみたり食べられるかどうか口を付けて見ました。
しかし匂いも全くありませんし、
味もしないようだったのでオイラの鼻とどちらが綺麗か勝負してみました。


確か月下美人とか言う花もサボテンの一種で一晩だけ咲いて終わりだとか聞いていましたので、
ひょっとしてこの花も今日限りかも知れないと思って、夜中午前零時頃見にいきました。
もう満開に近い状態だと思われます。
室内の光を浴びて、白い鳥の羽の様な花弁が本当に月下美人と思わせる趣で咲いていました。


何時までも月下美人サボテンさんと夜を一緒に過ごす訳にはいきませんので、
朝またお目にかかりましょうねと寝てしまいました。
朝もう八時頃には、昨日の花弁は何処にも見られませんで、
すっかり口を閉ざして、さも何も無かった様にダンマリを決め込んでいました。


そしてその日も、その次ぎの日も、
花は昼も夜もひらきませんでした。