いやあ、IE8はそんなに速くないですよね。
しかし、IE7でできなかった。CTRL+履歴クリックで履歴を別タブで開けるようになったのはちょっとだけ偉い!と思いました。(笑)
それはさておき、昨日の道すがら考えたのですが、やはり今回100クリック記念で新しいレビューをあげるのは見送ろう、と。
無理してアップするのはやはり本筋を外れています。
スタージョン応援という意味ではちょっと残念ではありますが、やはり「きみの血を」を躊躇しながらレビューするというのは正しい行為とは言えないでしょう。
あくまでも僕のお薦めは現在アップしてあるレビューが最大公約数(レビューを書ける状態にあるもの)なのですから。
しかし、この作品が他で見られない作品であるのは事実なので、この場を借りて色々と起承転結も考えずに書いてしまおうかな、と思います。退屈な方は読み飛ばしてくださいませ。(笑)
本来書こうと思っていた概要のうち、タイトルはほぼ決まってました。それは「何よりもテーマありき」というもので、まさに本文を要約したものになるはずでした。
そもそもこのテーマを作品にしようと考えること自体が非常に特異であり、このテーマが小説化されたというだけで完結してしまうと言っても良いのではないかと思います。さすがに「考え方」を書いた作者だけのことはあると唸らせるものといえるでしょう。
Amazonのレビューを読めば書いてあるので、ここでも書いてしまいますが、「きみの血を」は「吸血鬼もの」と言われています。文庫としては元々ハヤカワ・ミステリで出ていたもの(現在はハヤカワ文庫NV)なので、ミステリとして扱われてもいます。
一応主にSF作家にカテゴライズされるスタージョンですが、彼の作品にはジャンルが良く分からないものも少なくありません。(「Wham Bop!」とか「死ね、名演奏家、死ね」とか「墓読み」などどれもジャンルから少しずつずれている印象)
この作品も主人公の行動の理由を医師の立場から追っていくという内容がミステリと言えばミステリですが、「吸血鬼もの」という見方をすればホラー。しかし、そのどちらとも微妙に違う印象を受けます。
そう。スタージョンにジャンルなど不要なのでしょう。
彼はこの異色のテーマを書きたかったのであり、なんらかのジャンルにはめ込まれるものを書きたかったのではないのですから、それで良いのでしょう。
スタージョンらしく、社会的に黙殺される立場にある哀しい人々を描きながら、最後に明らかにされる主人公ジョージが恋人アンナに寄せた手紙に書いた言葉にはかり知れない孤独を感じさせられる。
僕としてはそれがすべてだったのですが、今回また読み直してみて、恐ろしさの方が先に立ってしまいました。
主人公ジョージの隠された獣性がやけに印象に残ってしまったため、当初予定していたレビューを断念したのです。
スタージョンは圧倒的な文章力とか派手な飾り立て、キャラクターの魅力などで無理矢理最後まで読ませてしまうような作家ではありません。けれど、語り尽くされたテーマを奇抜な展開で読ませる小説と、これまでにあり得なかった奇抜な発想で書かれた地味な小説、どちらを読むのが価値があるかを良く考えてそれぞれの立場で手に取るかどうかを決めるのが良いでしょう。
やはり、それでもこの本は誰よりも孤独な人に薦めたいと思います。
付記
(1)ところで、僕は(好きな人には申し訳ありませんが)純文学的SF小説作家と言われるバラードが嫌いです。それを期待して「結晶世界」と「強風世界」を読みましたが、むかつきました。
その逆に、純文学を謳っていないし、SFから外れてもいないですが、スタージョンは純文学的価値がある作家だと思います。
(2)以前にも感じたのですが、「きみの血を」を読んでキングの「キャリー」を思い出しました。
回想録や書簡などを使った展開、同じ血をモチーフのひとつに使っていること。
主人公の抑鬱された環境や心理学的な掘り起こし方などがとても似ているように感じました。
そういえば、本書の主人公はジョージ・スミス(仮名)、「デッドゾーン」の主人公はジョン・スミス。
もしかして、キングはスタージョンファン?(笑)
しかし、IE7でできなかった。CTRL+履歴クリックで履歴を別タブで開けるようになったのはちょっとだけ偉い!と思いました。(笑)
それはさておき、昨日の道すがら考えたのですが、やはり今回100クリック記念で新しいレビューをあげるのは見送ろう、と。
無理してアップするのはやはり本筋を外れています。
スタージョン応援という意味ではちょっと残念ではありますが、やはり「きみの血を」を躊躇しながらレビューするというのは正しい行為とは言えないでしょう。
あくまでも僕のお薦めは現在アップしてあるレビューが最大公約数(レビューを書ける状態にあるもの)なのですから。
しかし、この作品が他で見られない作品であるのは事実なので、この場を借りて色々と起承転結も考えずに書いてしまおうかな、と思います。退屈な方は読み飛ばしてくださいませ。(笑)
本来書こうと思っていた概要のうち、タイトルはほぼ決まってました。それは「何よりもテーマありき」というもので、まさに本文を要約したものになるはずでした。
そもそもこのテーマを作品にしようと考えること自体が非常に特異であり、このテーマが小説化されたというだけで完結してしまうと言っても良いのではないかと思います。さすがに「考え方」を書いた作者だけのことはあると唸らせるものといえるでしょう。
Amazonのレビューを読めば書いてあるので、ここでも書いてしまいますが、「きみの血を」は「吸血鬼もの」と言われています。文庫としては元々ハヤカワ・ミステリで出ていたもの(現在はハヤカワ文庫NV)なので、ミステリとして扱われてもいます。
一応主にSF作家にカテゴライズされるスタージョンですが、彼の作品にはジャンルが良く分からないものも少なくありません。(「Wham Bop!」とか「死ね、名演奏家、死ね」とか「墓読み」などどれもジャンルから少しずつずれている印象)
この作品も主人公の行動の理由を医師の立場から追っていくという内容がミステリと言えばミステリですが、「吸血鬼もの」という見方をすればホラー。しかし、そのどちらとも微妙に違う印象を受けます。
そう。スタージョンにジャンルなど不要なのでしょう。
彼はこの異色のテーマを書きたかったのであり、なんらかのジャンルにはめ込まれるものを書きたかったのではないのですから、それで良いのでしょう。
スタージョンらしく、社会的に黙殺される立場にある哀しい人々を描きながら、最後に明らかにされる主人公ジョージが恋人アンナに寄せた手紙に書いた言葉にはかり知れない孤独を感じさせられる。
僕としてはそれがすべてだったのですが、今回また読み直してみて、恐ろしさの方が先に立ってしまいました。
主人公ジョージの隠された獣性がやけに印象に残ってしまったため、当初予定していたレビューを断念したのです。
スタージョンは圧倒的な文章力とか派手な飾り立て、キャラクターの魅力などで無理矢理最後まで読ませてしまうような作家ではありません。けれど、語り尽くされたテーマを奇抜な展開で読ませる小説と、これまでにあり得なかった奇抜な発想で書かれた地味な小説、どちらを読むのが価値があるかを良く考えてそれぞれの立場で手に取るかどうかを決めるのが良いでしょう。
やはり、それでもこの本は誰よりも孤独な人に薦めたいと思います。
付記
(1)ところで、僕は(好きな人には申し訳ありませんが)純文学的SF小説作家と言われるバラードが嫌いです。それを期待して「結晶世界」と「強風世界」を読みましたが、むかつきました。
その逆に、純文学を謳っていないし、SFから外れてもいないですが、スタージョンは純文学的価値がある作家だと思います。
(2)以前にも感じたのですが、「きみの血を」を読んでキングの「キャリー」を思い出しました。
回想録や書簡などを使った展開、同じ血をモチーフのひとつに使っていること。
主人公の抑鬱された環境や心理学的な掘り起こし方などがとても似ているように感じました。
そういえば、本書の主人公はジョージ・スミス(仮名)、「デッドゾーン」の主人公はジョン・スミス。
もしかして、キングはスタージョンファン?(笑)