しらほぶろぐ

ブログタイトルはニックネームが由来。
日記代わりに身の回りの出来事を綴ります。

藤沢周平作品所感13

2007-05-18 06:47:28 | 08.山形探訪

2007.05.18(金)

【風の果て(上巻・下巻)】を語る…
 
片貝道場の同期5人の辿る数奇な運命を描いている…ある者は非業の死を遂げ,ある者は友を斬り運命を変えてしまう…ある者は友と政敵同士になり,権力闘争に巻き込まれていく…そして,ある者は平凡な人生を送る…
物語は軽輩の子である上村隼太が首席家老「桑山又左衛門」となったところから始まる…この「桑山又左衛門」が「野瀬市之丞」から果し合いを申し込まれ,その果し合いに向かうまでの間に,昔のことを回想するという風に話しが進んでいく…

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【ストーリー】
家老の「桑山又左衛門」のもとに「野瀬市之丞」から果たし状が届いた…市之丞は娶らず禄を喰まずに,髪に霜を置くに至った野瀬家の厄介叔父である…果たし状を届けに来た野瀬の態度は依然とかわりがなかったという…
又左衛門はようやく最後の政敵を屠り,権力を一手に掌握したばかりである…その政変の意味を野瀬なりに考え,その結果「果たし状」を送りつけてきたのだろう…
野瀬市之丞とは,桑山又左衛門が「上村隼太」といっていた頃からの付き合いである…二人とも片貝道場の仲間であった…
この片貝道場の仲間には,「杉山鹿之助」,「三矢庄六」,「寺田一蔵」らがいた…この仲間達は,「杉山鹿之助」が元執政の嫡子というのを別格としても身分が様々だった…その仲間達と,隼太(桑山又左衛門)は道場での稽古が終わると,杉山鹿之助に付いて楢岡図書の屋敷に行くのを楽しみにしていた…
楢岡図書は杉山鹿之助ら若者が来ると、様々な藩政の話などをして聞かせた…隼太はそれを聞くのが楽しみであった…その話の中で「太蔵が原」の開墾の話が隼太を強く捉えた…藩の財政が苦しい中,「太蔵が原」が開墾できれば財政を好転させることが出来るという…だが,「太蔵が原」に水を引く手段がないという…
そうした時を過ごした中で,寺田一蔵が先ずは婿入りをした…だが,この婿入り先の女が後に一蔵の運命を大きく変えていく…また,隼太にも婿の話が来た…相手は桑山孫助の娘で醜女だという評判である…が,この話を隼太は断った…
そして,杉山鹿之助が家督を継ぐことになり,楢岡図書の娘を嫁にすることになった…この杉山鹿之助の家督相続は隼太らとの関係が無くなることを意味していた…杉山鹿之助は藩の名門で,将来は執政に進むであろう家柄…住む世界が違うのだ…一つの時代が終わったのだと隼太は思った…
杉山鹿之助の祝言が終わってから暫くして隼太は「太蔵が原」を訪れた…その「太蔵が原」で隼太は桑山孫助と出会う…そして,それが縁で桑山家に婿入りすることになった…
…家老になってからの桑山又左衛門が思い出すのは,野瀬市之丞が変わらざるを得なかった事件である…
桑山家に婿入りしてから二年半ほど経った頃,宮坂一蔵(寺田一蔵)が人を斬って逃げたという…そして,その追っ手に野瀬市之丞が選ばれた…藩では太蔵が原の開墾に着手しはじめ,隼太をはじめとして藩士が開墾にかり出されているときのことだった…この時の「太蔵が原」の開墾は失敗に終わったのだが,時を同じくして野瀬市之丞が戻り,宮坂一蔵を討ったという…
桑山又左衛門は,あれ以来野瀬市之丞は変わったと思っていた…その野瀬市之丞が送りつけた果たし状とは別に,又左衛門を狙っているという話がある…それはさきに政変で屠った杉山忠兵衛(杉山鹿之助)が絡んでいるのかと思っていたが,そうではないらしい…その暗殺者の手は現実的に又左衛門を襲ってきた…
この暗殺者の攻撃をかわした又左衛門は,昔から抱いていた野瀬市之丞に対する疑問を思い出した…それは野瀬市之丞が誰かから陰扶持を貰っているという噂である…それは一体誰なのか…それが今回の果たし状と関係があるのか…


【本日の体重】 : 90.5
kg(ダイエット開始から1年と107日目:-14.2kg)

コメント
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