木に縁(よ)りて魚(うお)を求む
――縁木而求魚
『孟子』
木によじのぼって魚を取ろうとすること。手段方法がまちがっていたのでは目的を達することができないというたとえである。
孟子が斉(せい)の宣王に遊説したときのことである。宣王は武力による天下の統一を夢見て野心満々であった。その宣王に向かって、武力によって統一をはかろうとするのは、 木に縁って魚を求めるような愚策ですぞと、このことばを引いていさめたのである。宣王としては納得がいかなかったらしい。「武力を使うのは、それほどバカげたことであろうか」と反論したところ、孟子はこう答えている。「いや、それ以上です。木に縁って魚を求める、これはまだいい。魚が取れないだけで災難は招きません。しかし、武力を使って野望を果たそうとすれば、全力を尽くしたあげく、手ひどい目にあうのがオチです」
せっかく立派な目標を立てても、手段方法をあやまったのでは、こんな結果になるのである。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
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