shinuma de cinema (映画ネタバレの部屋)

こちらは、shinuma de cinema の映画のネタバレができるお部屋です。
大好きな映画を語りましょう~♪

○亡国のイージス/無敵の盾

2005-08-19 | はひふへほ
国防の楯てとなるべき海上自衛隊イージス艦いそかぜは、イージス艦副長・宮津二佐(寺尾聰)と亡国の工作員であるヨンファにより乗っ取られる、要求を聞き遂げない場合は東京を壊滅できる秘密兵器グッソー(毒ガス)を打込むと・・・。先任伍長・仙石(真田広之)と如月行(勝地涼)はたった2人で船を奪い返そうとするが。
映画のムードや会話にいくつか心に残るものがあります。自衛隊が協力していると思うんですが、戦艦とかも迫力ありました。かなりがんばって作っている印象で好感が持てるんですが、説明不足とツメが甘い感じがしました。船上での爆発場面、相手の船の撃沈場面とかを予算の関係なのか飛ばして言葉でつなげたり、人物の背景とかの説明不足とかが目立ちました。役者さんをとてもいい人たちを使っているので、もう少し練り込んだらもっといい映画になっただろうと思えてとても残念です。一番の肝だと思うんですが、平和ボケの日本人、ハジの文化を失った日本人。反旗をふりかざした人たちのもっと奥深い心の葛藤とか、悲しみとかが見たかったです。
ラストが急に感傷的な作りになってくるのも気になりました、せっかくクール(硬質)な印象で作ってあるので最後までそう言う雰囲気をつづけてほしかったです。
佐藤浩市と岸辺一徳の会話、真田広之と勝地涼の「打つ前に迷うのが人間・・」の会話がいいです。
それと中井貴一 の演技が迫力あります。
監督は阪本順治、この監督さんの映画では「KT」って作品が好きです。
願作は、「ローレライ」「戦国自衛隊1549」福井晴敏
出演は真田広之・寺尾聰・ 佐藤浩市 ・中井貴一 ・ 勝地涼 他

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映画のムードは好きだったんです。とくに最初のころとかーー。でも、説明不足が多すぎてのめり込めなかったです。たぶん本を読んでいる人はこの点は問題ないのかも知れないです。
仙石(真田広之)は前の奥さんを亡くし、子供はおじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮しているみたいです、そして新しい家族もいるようにみえました。それなのに船しか居場所がないようなことを言ったり、船に対して執着して戦います。映画を見ているかぎりではそこまでなぜ船を守る気持ちになれるのかわかりませんでした。如月行(勝地涼)の母親がなぜ死んだのかもはっきりしません。(父親のせいだろうってことはわかりますけど)ヨンファ(中井貴一 )が殺し屋の少女を失って悲しみを感じているのはわかりましたけど、どんな関係なのか写真では明確にわからなかったです。ダイスの存在もイマイチわかりずらいし、すべてのことがあいまいで中途半端で、ひとつひとつの事柄に対して感情移入ができませんでした。そのため盛り上がるべきところで盛り上がれなかったような気がします。秘密兵器のグッソー(毒ガス)にも凄みがありませんでした。

平和すぎる日本で、自分勝手ばかりしている日本人に対しての警告って内容は新しくはないですが、切り込みたいところはわかりました。でもやっぱり突っ込んだものを感じることができませんでした。船のクールたちの政府に対する怒りも感じることができませんでした。寺尾聰演じる副船長が反旗ををひるがえした理由も、国家レベルのことなのかなーーと思ったんですが、結局は息子を失った私怨ってことで、自分の息子の恨みのために東京の人々を犠牲にしようとしているのかと思って、それがわかったとたんに私はテンションが落ちました。そしてラストで急に改心して船とこっぱみじんになってしまうところも、感傷的すぎてまたテンション落ちました。

爆発の場面も、ごまかされている感じで、爆発を直接見せずに次の場面に飛んでしまうところも気になりました。★3.5の評価は実はちょっと甘めなんです・・・ただ役者さんと、会話が好きなところがあったことと、映画を作った人たちの努力を感じられたのでこの評価にしました。

仙石(真田広之)と如月行(勝地涼)の会話で、なんの躊躇もなく拳銃を打った如月行に対して、人間だからこそ打つのを迷うと言う会話がありました。そして迷うことが人間だと、ここの会話が好きでした。
佐藤浩市と岸辺一徳のトイレの会話(ハンカチを佐藤浩市から何げに借りる場面とかいいです)窓ガラスのそばで岸辺一徳が60年の平和が戦争のはざまであり、それでいいと思う。と言っている会話のシーンも的を得ているような感じに思えました。そういう場面はよかったです。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (bakabros)
2005-08-19 23:55:03
お久しぶりです! 引っ越し先のブログからTBさせて頂きました。

私はウィスキーでほろ酔いだったせいか、映画も楽しく見られて御機嫌でした。

確かに突っ込み所多かったですけどね。

また寄らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します。
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こんばんは (カヌ)
2005-08-20 00:01:40
何もかも中途半端な感じでしたね。

でも原作を絶賛する声が非常に多いので、読みたくなって、友人に借りました(^^; リベンジできるか。

返信する
レスありがとうございますーー(^^) (rika)
2005-08-21 02:46:17
bakabros様

お引っ越しされたんですね。

そちらのブログは調子いいですか、私もgoo

いいとも思ってないんですが、イマイチ引越

する決意はつきませんーー。



楽しく見れてよかったですねーー。

私はだんだんテンションが下がってしまって

悲しかったです。俳優よかったのにな~。



カヌ様

はいそうなんです。中途半端な感じをうけて

残念でした。予算がないのはしかたがないとして

もう少ししっかりとした脚本だったらなんとかなった

かも知れないと残念に思います。(><)



この監督さんの「KT」って作品あったんですが

この時はスゴクよかったんですけどねーー

原作のしがらみでしょうか?
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私は大好きです(詰めの甘さまで) (mahito)
2005-08-21 13:19:41
rikaさん



 原作トラストが全然違うのと、とにかく映画は描き切れていない事と人物設定からして原作とは別物だと思ったほうが良いです。



 宮津は副長ではなく艦長だし、風間は原作では死にません。説明不足と言うか描く切り口が違うんではないかと思います。



 佐藤浩市さんと岸辺一徳さんの会話はなごみます。そして勝地くんと真田さんのやり取りもとてもよかった。ただ、ラストがああなったために今イチ…という面は否めないのではないかと思います。無理に2時間10分に収めたなという感じです。



 なのに、私はこの映画、大好きです。詰めも甘いしいそかぜ爆破の最後のシーンのあのしょぼさと来たら…でも、先任伍長の暑苦しさが私は大好きです。



 機会があったら原作、お勧めします。面白かったです!



余談ですが「ローレライ」には感動しませんでした・・・同じ原作者だし、こっちも原作と違うらしいのでこれから読みます^^
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佐藤浩市と岸辺一徳の会話 (chishi)
2005-08-21 14:16:16
私も一番ガツンときたのは

迫力のあるシーンではなくて、この二人の会話。

すごく考えさせられますよね。

自分がいつも心の隅で思ってたわだかまりが言葉になってる!って、すごくハマリました(笑)
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コメントありがとうございます (rika)
2005-08-22 04:28:24
○mahito様

私は大好きです(詰めの甘さまで)←笑いました。

嬉しいです、来て下さってーー。

なんとなく、たぶん原作の方が深くって面白そうだな~とは思いました。

切り口まで違うんですか・・殆ど別物なんですね。



佐藤浩市さんと岸辺一徳さんの会話←なんか好きだったんですよねーー。ラストが失速した感じがしました、ラストをもう少しなんとかしてあったら印象が違っていたかも知れないです。



>先任伍長の暑苦しさが私は大好きです。

思わずウケて笑ってしまいいました。面白いキャラでしたね。私もこの映画嫌いじゃないです~雰囲気ありましたよ~。



原作・・長そうなので最後まで読めるか心配なんですけど、一度本屋さんで手にとってみます。

「ローレライ」は役所で持ってた感じでしたけどベタベタでしたね。

「亡国のイージス」は間(ま)とか空間とか映画の中のシーンの雰囲気がよかったです。もう少し説明があると入り込めたと思うんですけど、この映画は原作読んでからの方がよかったかも・・・残念です。



○chishi様

いつもありがとうございます~~~

>佐藤浩市と岸辺一徳の会話

空気がよかったんです。この2人の会話シーンは間(ま)とかスゴク好きでした。はい!この2人の言葉、なんか確信ついているようで、考えさせられましたよね~。

なんか共感して貰えて嬉しいです。
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