ザ・インタープリター
3人の男たちを乗せた車、アフリカ、マトボ共和国。錆びれたサッカー場に降り立った2人、カメラマンらしき男は車に残された、無邪気なはずの少年たちは死体置き場に2人を連れて行き、そののち2人を打ち殺す。カメラマンの男は逃げることしかできなかった。
ニューヨーク、国連本部。シルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)はマトボ生まれで、その土地のクー語を話すことができる国連通訳だった。会議の終了後に忘れ物を取に、通訳ブースへもどったシルヴィアだったがマトボ共和国の大統領ズワー二の暗殺計画を聞いてしまう。元首の暗殺計画と聞いて乗り込んできたシークレット・サービスのトビン・ケラー(ショーン・ペン)は、シルヴィアの話しの中のうそをかぎとってしまう、彼女は何を隠しているのか、本当に暗殺計画はあるのか事件は混迷をきわめていく。
この映画結局2回見ました、2回見ると1回見た時よりより映画がわかってよかったです。一番の見どころは物語もありますが、ニコール・キッドマンの美しさですこの映画の中のニコール・キッドマンは輝くほどきれいだと思いました、ストレートの金髪、グレーぽい青い瞳、薄化粧のせいなのか、何でもないファッションが、ゴムでひとつにしばるだけでもきれいに見えてしまいました。ショーン・ペンは人生に打のめされた中年男性をしぶく演じています。同僚のケラー役キャサリン・キーナーもなかなかいいです。淡々とした映画ですが息を飲むような緊張感のあるシーンが何ケ所かありました、硬質ですがいい映画です。社会派がお好きな方の方がより面白く見れるかもしれないです。
監督は「ザ・ファーム/法律事務所」「シャンプー台のむこうに」のシドニー・ポラック
出演は「ムーラン・ルージュ」「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン
「ミスティック・リバー」「21グラム」ショーン・ペン、
アカデミー主演女優賞・アカデミー主演男優賞をとった名優です。
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●ここからネタバレです
ニコール・キッドマンとショーン・ペン2人の演技はすばらしかったです。ケラー役キャサリン・キーナーも出番は少ないんですがいいです。ストリッパーのシーンは笑った。始めて撮影を許された国連の内部も重厚な感じがしました。
一番心に残ったシーンは、「バスのシーン」と、「最後の国連での対決のシーン」です。
バスのシーンは「三竦み(さん‐すくみ)」 じゃないんですけど、3人が同じところに居合わせてしまった緊張感が何かがおこるという緊張感でピリピリしてきました、このシーンの作り方はうまいですね。シルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は勇敢で行動力のある女性だなーーと思えました。クマン・クマンに対して一歩も引いていません、この映画の中ではむしろ男性の方が弱く繊細に見えました。
【三竦み(さん‐すくみ)】
《「関尹子」三極から》蛇はなめくじをおそれ、なめくじは蛙(かえる)をおそれ、蛙は蛇をおそれること。
転じて、三者が互いに牽制し合って、それぞれが自由に動けない状態。
最後のシーンはかつては皆に信頼され敬われたマトボ共和図の大統領ズワー二が自分の力を行使するために、人々を裏切ったとことがよくわかる様子が描かれていました、橋の上で大統領は始めての国連の演説の時に(20数年前に)この橋を渡ったと語り、その時の華やかな人々の歓迎の様子を話します。でも20数年後の今の車の外に広がるのは、罵りと非難の叫び声でした、自分の権力の為に多くの人を苦しめ殺してきた結果です。シルヴィアの家族は、大統領ズワー二がが仕掛けた地雷の犠牲になり、兄は、ズワー二の保身の為の犠牲になりました。シルヴィアはズワー二の前でいいます、あなたを信頼していたと、国連の演説の時に(20数年前に)家族で尊敬の念を持って見ていたとーーシルヴィアは、ズワー二の本を暗記するほど読んでいました。(たぶん家族も読んでいたんでしょう)
ズワー二に銃を向けながら、シルヴィアがズワー二の本を読ませるシーンがとても心に残りました、本に描かれていたズワー二は理想に燃え、民衆を心から愛する人だったはずです、でも権力を持つことによって変わってしまいました。シルヴィアを通して彼に裏切られた人々の悲しみや怒りが見えるようでした。
トビン・ケラー(ショーン・ペン)のシルヴィアの諌めるシーンも好きです。9.11以降、軍事力を使って自分達の正義をとうそうとしてきたアメリカで、やっぱりこういう考え方の人たちが多くいるんだと映画を見て感じました、シルヴィアは言葉によって戦争を無くしたいと思ったけれど兄の死によって銃によって解決しようとします、でもトビンは愛を感じているシルヴィアに、復讐では何も解決しないと叫びます、銃を捨て未来を考えようと。
最後に死のリストを淡々と読み上げるニコールの声がとても悲しいですーー。
ズワー二が飛行場に降り立ってからラストまでの映像や展開とか緊張感とかとってもよかったです
久しぶりに本格的な社会派を見た気分でしたーー。
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