『シャイニング』 2009-07-22 | 本 『シャイニング』 スティーヴン・キング(深町真理子 訳) 文春文庫 やっと古本を手に入れて読む。 映画も怖くておもしろかったけど、 本も怖くてめちゃおもしろい。 今まで読んだキング作品の中で、いちばん夢中になったかも。 ふぅ~
『食べものちょっといい話』 2009-07-16 | 本 『食べものちょっといい話』 山縣弘幸 新潮文庫 料理関連の本といえばブリア・サヴァランの『美味礼賛』が必読書なんですよね。 っていうのを教わったのも何年か前ですけれども 日本の方が書いた別の『美味礼賛』を間違えて買ったり ブリア・サヴァランのほうを買い直しても単行本(苦手)だったりでまだ手つかず。 岩波から文庫本が出てるんですな。そっち買うかなー。 で、今回の本、 食に関する名言や逸話のほかに いろいろな食材や料理などの歴史が簡単に紹介されていて、 なかなかにおもしろかった。 解説を書いているのが芳村真理っていうね。 龍虎さん元気かな。
『幻想の未来』 2009-07-13 | 本 『幻想の未来』 筒井康隆 角川文庫 幻想の未来 ふたりの印度人 アフリカの血 姉弟 ラッパを吹く弟 衛生第一号 ミスター・サンドマン 時の女神 模倣空間 白き異邦人 中編の「幻想の未来」と、あとはショート・ショートな作品。 全体的に硬派な雰囲気。 「幻想の未来」は小松左京先生的行くとこまで行く話で『火星年代記』的でもある。 よかった。
『人間のなかのX』 2009-07-08 | 本 『人間のなかのX』 遠藤周作 中公文庫 人間のなかのX 人間のなかのX 信長と西洋 フロイス 『日本史』第一巻 偽りの宗教使節 切支丹大名蒲生氏郷の生涯 石仏の里国東 五日間の韓国旅行 <対談>小西行長をめぐって 豊田武・遠藤周作 彼等と西洋 彼等と西洋 西洋人 米国で私のわからなかったこと 救いと文学と 基督教文学について 次々と友人が受洗するのを見て <対談>埋もれ火のような信仰 -正宗白鳥論 山本健吉・遠藤周作 <対談>救いと文学と 高橋たか子・遠藤周作 鏡をみると 鏡をみると 新たな決意 本のこと 日記から 娘思いの父親 山本さんのこと 対談について あとがき 10歳で洗礼を受けてカトリックになった遠藤周作。 淡々とした語り口ながら人間を見る目が鋭い。
『虚人たち』 2009-07-01 | 本 『虚人たち』 筒井康隆 中公文庫 妻と娘が誘拐され、それを助けに行かんとする男の話なわけですが、 出てくる人は自分が小説の中の登場人物であることを知っていて、 しかしながら主人公は自分がどういう設定の人物なのかわからない状態で 作者の意図を探りながら進んでいくという。 「今のところまだ何でもない彼は何もしていない。何もしていないことをしているという言いまわしを除いて何もしていない。」 というのに始まり、 主人公の家の向かいの金網製品屋の主人が電話で 「……おれの役割か。オブザーバーの鏡だ。猫のゆりかごの中をよく見ておけ。必ず役に立つことがあるはずだ。事態は自動ピアノのように進行しつつあるが最後のクライマックスにどんな副次的な主題があらわれるかはまだわかっていない。もしかするとチャンピオンたちの朝食にタイタンの妖女がまぎれこんだりするかもしれないからな。角笛の音の響く時に世界の中心で愛を叫んだけだものが死ぬだろう。……同伴者文学としては恰好のサブ・テーマだ。アクチュアリティがある。フォニイにはならないよ。……」 なんてボネガットやらハーラン・エリスン的なことを話していたり、 人物同士の会話も 「うっかりしてあんたの時間処理のしかたがおれと違うことを忘れていた。あんたのはミューズ的でおれのが想像仮象的と言えぬこともないな」 って調子で、 風景も文章として書きやすいように主人公が説明的に描写したりするのだけど、 物語の進行に関係ないものは主人公の目にもぼやけて見え、 関係あるものは逆に強調されていたりする。 まあとにかく、実験的というか、時間や話の進行、物事の描写が複雑になっていて、けっこう難解。 興味深くはあるけど、まともにとりかかると時間かかりそうなので、さらっと読んで済ます。 またいつか読もう。
『カリギュラ』 2009-06-22 | 本 『カリギュラ』 ウイリアム・ハワード(中上守 訳) 富士見書房 私が読みたかったのはどうやらカミュのほうだったわけですけども、 著者も出版社もろくに見ずに古本屋で買って読んでみれば、これがまぁーエロいエロい。 こんなバージョンの『カリギュラ』があるとはつゆ知らず。 この本のもとになった映画(164分!!)があるそうですけれども 出演した役者さんたち(ピーター・オトゥールやらヘレン・ミレンやら)は あんなポルノ的作品になるって知らずに出たとかそうでないとか。 この本読んだときの私も同じ気分。っていうか本のほうがだいぶキツいな。たぶん。 それにしても映画のほうもすごいな。 主役は『時計仕掛けのオレンジ』の人か。 塩野七生の『ローマ人の物語』の18をもう一回読むかな。
『カメレオンのための音楽』 2009-05-29 | 本 『カメレオンのための音楽』 トルーマン カポーティ(野坂昭如 訳) ハヤカワ文庫 カメレオンのための音楽 カメレオンのための音楽 ジョーンズ氏 窓辺のランプ モハーベ砂漠 もてなし くらくらして 手彫りの柩 会話によるポートレート 一日の仕事 見知らぬ人へ、こんにちは 秘密の花園 命の綱渡り そしてすべてが廻りきたった うつくしい子供 夜の曲がり角、あるいはいかにしてシャム双生児はセックスするか アンファン・テリブルと言われたカポーティの晩年の作品。 何かを乗り越えたかのような、格別の味わいがあるような気がする。
『キラー・オン・ザ・ロード』 2009-05-22 | 本 『キラー・オン・ザ・ロード』 ジェイムズ-エルロイ(小林宏明 訳) 扶桑社ミステリー文庫 とてもフィクションとは思えない、真実味のある一人称小説。 いままで読んだエルロイ作品の中で(数冊だけど)、いちばんスゴかったのではないかと思う。 そのぶん人には薦めにくいけれど。 たしかに、一時の世のシリアルキラーもの流行りとは別次元にある感が。 こんな作品を書くエルロイその人にやっぱり興味があるな。 『わが母なる暗黒』を読まねば。 『内なる殺人者』もな。
『時間飛行士へのささやかな贈物』 2009-05-17 | 本 『時間飛行士へのささやかな贈物』 フィリップ・K・ディック(浅倉久志 ほか 訳) ハヤカワ文庫 父さんに似たもの アフター・サーヴィス 自動工場 人間らしさ ベニー・セモリがいなかったら おお! ブローベルとなりて 父祖の信仰 電気蟻 時間飛行士へのささやかな贈物 著者による追想 堪能した。「父さんに似たもの」に出くわすのは3回目くらい。 何度読んでもおもしろい。 「人間らしさ」でじゅんときた。 ほうじ茶粥。