自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

さぶの被災地からのアートセラピーレポート-10 「はじめての水彩」

2011-04-10 06:20:30 | さぶの被災地からのアートセラピーレポート
さぶからのレポート二日分が届きました。


まず、おとといの分。


避難所最後のセッションです。


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2011年4月9日 23:41



昨日はすみませんでした。


二日分の報告をさせて下さい。



まず昨日の報告から…



‐‐‐‐‐‐


昨日は水彩をやりました。


来てすぐ、

『水彩をやるよ! 』


と言うと子供達が嬉しそうに声をあげます。


私が持ってきた絵の具やパレットを持ち出す子供達。


『片付けしてからだよ』


と言うと、子供達は素早く片付けをします。


いつもはしないのに!


シートを敷いてパレットを並べます。

お花ちゃんや妹ちゃんは絵の具が初めて。


お花ちゃんがよく使う肌色がありません 。


『さぶちゃん肌色ないー』


すると三年生の女の子が言います。



『肌色は混ぜて作るんだよ。茶色と白で。』


お花ちゃんが挑戦します。


色の配分が難しそうです。



上手く作れなくて、私に頼みます。


一度作って教えます。



お花ちゃんは嬉しそうに肌色を塗ります。


女の子の顔のようです。


そこに髪の毛の茶色、目の黒を描きます。



乾いていないので濁ってしまいました。



乾かす事を三年生の女の子が教えます。



お花ちゃん頑張れ!



彼女は一度失敗すると次の新しい紙を求めます。


何回も失敗します。



これが最後といっても、また紙をねだります。



逆に妹ちゃんの方は一枚の画用紙に何度も色を重ね、岡本太郎のような絵になっています。



楽しそうに笑っています。



お花ちゃんは紙が無くなるとバケツの中に入っている水で遊び始めました。


「あらいぐま」のようにパレットや筆をいつまでも洗っています。



その側でチューリップ君とマイルド君が描いています。


チューリップ君は消防車。


マイルドくんはスタンプを押すように、一つ一つの絵を小さく描いています。



二人ともイキイキと筆を走らせます。



三年生の女の子と、一年生のオシャマちゃんは似たような絵を描いています。

隣同士だからなのか…。





風景のようです。

左上の角に太陽、それから女の子を描いています。


何パターンか同じようなものを描いていました。


オシャマちゃんが疲れたらしく席を立ちます。


お花ちゃんは…


まだ「あらいぐま」です。



私が何度かバケツの水を変えに行きます。


三年生の女の子がいつも私に着いて来てくれます。


しばらくして戻るとみんな外に遊びに行っていました。


残っていたのはマイルド君とあらいぐまのお花ちゃんです。


どうやら私のいない間に、お笑い担当君達が来て汚していったようです。


シートの脇の床には絵の具が…


後でゲンコツの刑です。



あらいぐまお花ちゃんはまだ洗っています。


手が冷たくなっていたので、止めてもらいました。


そこにお花ちゃんのお母さんが来ました。



その時私は、以前、メールで紹介した車椅子の奥様と話をしていたので、お花ちゃんのお母さんには軽い挨拶しか出来ませんでした。


ふと見ると、親子二人で何か描いています。



出来上がった絵は虹の真ん中で女の子が笑っている絵でした。



子供達が集中して描いていたのは40分くらいでしょうか。


車椅子の奥様は言います。


『最近の子供達は落ち着きと集中力がないのよ。あなたがいない時、見ていたんだけど、気が散っちゃうみたいでダメだったわ。描いてる子の邪魔をする子もいたし…』


見ていないようで、奥様は見ていたのです。


…『家政婦は見た』?


他にも奥様は言います。


『ダンボールがホームレスみたいで情けないわ』

『色々な取材を受けるけど、しつこくて嫌になる』

など…。

NHKからは毎日取材の電話がかかってくるそうです。


今は電話が鳴るのがストレスとおっしゃっていました。

他にも昨日は、難病患者を対象としたNPO法人の人たちが来ていました。


その人たちに無神経な事を質問されたそうです。


無視していると、待ち伏せされてしまい、トイレにもなかなか行けないとの事。



彼らはカメラと音声を引き連れて避難所の中を回っていました。


避難生活の他に、外部からのストレスもあるようです。


そんな事は誰だって嫌ですよね…。


避難所の人達は見せ物ではないのだと感じました。



昨日は水彩で1日が終わりました。


その後は子供達のしたい事をしてもらいました。


私自身、疲れてしまって…。


水を扱うので気を使いました。

こぼさないように、服を汚さないように…。


皆さん、洗濯は近くのコインランドリーを利用しています。

洗濯一回400円

乾燥機400円

洗濯にもお金がかかります。


でも、子供達の楽しそうな様子を見ている大人達も和やかで、それを見ている私も嬉しくなりました。


子供達も、

『はっきりした色が出るから面白い』

『色鉛筆が好きだけど、やっぱり絵の具にしてみて良かった』

などと言ってくれました。


思いのほか、喜んでくれたみたいです。

水彩をやって良かった!


そんな感じで、昨日はみんなの作品を大事に抱えて帰りました。


帰り際に三年生の女の子が私に言います。


『明日は移動だから今日みんなで水彩が出来て良かった!』





私も『良かったね』

と返します。

『また明日ねバイバイ』と言って別れました。



温かい一日でした。




‐今日の報告へつづく‐





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