自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

さぶの被災地からのアートセラピーレポート-7 「生きる姿勢」

2011-04-05 06:23:36 | さぶの被災地からのアートセラピーレポート
さぶの被災地からのレポート。


ボクたちは「場づくりをする」ことを大切にしています。


アートセラピーをやるにも避難所の環境はなかなか適してはいませんが、さぶの奮闘が続きます。


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2011年4月5日 1:02



皆さんこんばんは


今日は嬉しい日でした。



避難所に着いてすぐ、子供達に手を引っ張られ歩きます。



マットの上は今日もグチャグチャです。


元気なしるしでしょうか。。


片付けをしようとした時、お花ちゃん(アイドル)がダンボールの端切れを持って来ました。



髪を縛るシュシュが3つ並んでいます。

お花ちゃんが言います。


『これねーシュシュねー、さぶちゃん欲しいの選んでー』


良くわからないので詳しく聞きます。


『お母さんが作ったのー。あげるから選んでー』


ダンボールに3つ貼り付けられたシュシュの上に何やら文字が書いてありました。





『娘といつも遊んでくれてありがとうございます。私が作りました。良かったらお好きなのをどうぞ』


お花ちゃんの家の名字も書かれています。



『本当に私が貰っていいの??』


と不安になり、お花ちゃんにもう一度確認します。


『いいよーどれがいいー?』


嬉しくて涙が出そうになりました。


いつも、お花ちゃんのお母さんは私に優しく声をかけてくれます。


顔を合わせれば、


『今日も宜しくお願いします』とか


『いつもありがとうございます』とか…


『ありがとうございます』はこちらのセリフです。


その優しさにどれだけ勇気づけられているか…。


白のシュシュを選びました。

優しい色合いが嬉しい。

さっそく髪に着けます。

お花ちゃん、

お母さん、

ありがとう!


さて片付けです。


毎日片付けから始まる私。


ここに来るようになってから自分は意外と几帳面なんだということが判明しました。


今日は物資で届いた絵本が沢山ありました。


本の入ったダンボールがいくつか無造作に置いてあります。


テレビ周りも大人の読む小説や漫画、雑誌でいっぱいです。


そこには絵本も混ざっていて、本が溢れている状態です。


散らかるのも分かります。


収納する場所がないのです。


本の整理から始めます。


が…


やはりそう上手くはいきません。


今日は結構な人数の子供達がいます。


小さい子が多いようです。


9人くらいいます。


『折り紙やろー』

『算数教えて』

『ビデオみよう』

『ブロック作るの手伝って』

『絵描きたい』


もー

これは


聖徳太子も真っ青です。


あちらこちらから声が聞こえます。


出来るだけ、一人一人に対応するように心がけていますが、どう収拾をつけたらいいのか。



順番を決めて、言ってくれた順にやっていく事にしました。


始めは折り紙。


これはマイルド君の希望です。


しかも上級者向けの折り紙本を持って来て恐竜を折ると言い出しました。


折る工程が60くらいあります。


途中で混ざって来た高校生のお兄ちゃんですらギブアップです。勿論子供たちも。


断念しました。
(飽きた様子)


次は算数

たし算のドリルです。

オシャマちゃんと一緒に考えます。


ブロックを使いながら問題を解いていきます。


一ページを終え、算数は終了です。


次は…。

と周りを見ると、みんなそれぞれ遊んでいました。


それに出遅れ、ついて行けない私です。


絵を描くにも汚くては描けません。


本を入れる棚もありません。

ふとクレヨンを見ます。。

そうだ!
クレヨン募金があったじゃないか!


ドラえもんを見ている子供達にすぐ戻る事を伝え、出かけます。


着いた場所は近くのホームセンター。


カラーボックスを二つ買いました。





角が危ないので細長いスポンジも買います。


急いで避難所に戻ります。


棚を置いて本を片付けます。


子供達も嬉しそうに片付けを手伝ってくれています。


今日はそれだけで1日が終わりそうな予感がしました。


でもそれも大事!

自分たちの場所は自分たちで片付けよう。

30分くらいの間、子供達は精力的に手伝ってくれました。

その後はエネルギー切れで、テレビを見始めました。


手伝ってくれてありがとう!


私も子供たちが気になりつつも片付けを続けます。


私の気を引こうと子供たちが目の前に来てくれます。


が、私もやると決めたらやらなければ気が済みません。


『退屈だよー』


などと言われます。


それでも私は片付けを辞めませんでした。

子供たちは自分達で遊びを見つけ出しました。

私が出したダンボールでお風呂ごっこを始めます。

あまりに可愛いので、カメラでパチリ。



お花ちゃんと三年生の女の子の妹ちゃんです。


二人とも楽しそうです。


オシャマちゃんがおもちゃの車を運転します。

その後ろにダンボールのお風呂をつけてお風呂電車を走らせます。


お風呂の電車ですよ!?


それで地震で被害のあった場所をまわるそうです。


優しい子供達です。


カラーボックスを横にして本を入れ終えると、机が出来ました。


マイルド君が嬉しそうにそこで絵を描きます。


折り紙を折るにも

絵を描くにも

勉強をするにも

マットの上では上手く出来ませんでした。


クレヨン募金がここで活躍しています!



みんなありがとう!



三年生の女の子は明日から学校ごっこが出来ると張り切っています。



今日1日、子供たちをホッタラケにしてしまう時間が多かったけれど、少しは意味があったのかな…


そう思う私です。


帰り際にまた、お花ちゃんのお母さんに会いました。


カラーボックスを本当に喜んでくれました。


私もシュシュが嬉しくて「早速つけました」と伝えます。


二人でニコニコ笑っていました。

間には子供達がいて…



温かいな…

そんな風に思いました。


棚、兼、机の上に塗り絵を置いて来ました。


高校二年生の女の子が塗り絵下さいと言って、持って行ってくれました。


少しずつ、本当に少しだけど、アートが広がっているのを感じています。



お花ちゃんはここ最近必ず、私が帰る時にこう言います。


『さぶちゃん今日も一緒に遊んでくれてありがとう』


お花ちゃんのお母さんの顔も一緒に浮かびます。


礼儀正しく、思いやりのある温かい言葉です。


感謝の気持ちが波紋のように広がります。


出口脇のタバコスペースのおじさんたちも(ぶっきらぼうな感じなのに)

こちらから『ありがとうございました』と声をかけると、笑顔で『ありがとね』と返してくれます。


そして

『明日も来てくれるんですか?』


と聞いてきます。


私は


『また明後日伺います』


と返しました。


そして笑顔で会釈をしてくれました。


避難所の人達は

大人も子供も、この地震を体験して辛いはずなのに、他人を思いやる優しさに溢れています。


そして、とても礼儀正しいのです。


誇るべき日本人の在り方、生きる姿勢


改めて
日本人て凄いなと胸が熱くなりました。


毎日色々な出会いがあります。

色々な想い、願いがあります。

そのひとつひとつが掛け替えのない大切なものです。


命を

想いを


大切に
生きようと思います。


明日はお休みします。

また明後日!


読んでくれてありがとう。

‐さぶ‐






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1 コメント

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Unknown (いっこ)
2011-04-05 23:35:27
さぶちゃんへ。
ブラッシュアップで初めて声をかけさせてもらったいっこです。
このレポートで、さぶちゃんの避難所での活動、思う事、を読むことができて、いつも惹きこまれています。

被災地ではない場所で自分がやれること、
陸前高田に行く時に自分がやれること、
などを色々考えさせられてます。

高田のいとこや伯父さん達も、家や会社も流されたけども、やはり、周りを思いやる優しさに溢れています。
そして、再建させる!と奮闘しています。
東北魂には本当に励まされる。
さぶちゃんの奮闘にもたくさん励まされています。

アートが広がっていることが、ジワジワと感じられて、私も嬉しいです。

コメントはさぶちゃんの携帯に送ってもらえると聞いて、書き込みました。
体に気をつけてね。思いを送っています。
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