自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

さぶの被災地からのアートセラピーレポート-12 「嵐が来ても・・・・」

2011-04-12 05:18:56 | さぶの被災地からのアートセラピーレポート
おそらく、小野町の避難所は、このレポートが最後かもしれません。


大半は、他の二次避難所へ移動してしまったようです。


そして、昨夜は、かなり大きめの余震が襲いました。



不安な日々がまだ続いています。

そんななかでのさぶからのレポートです。


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2011年4月12日 1:44


こんばんは。


今日はお昼から三時まで小野町の避難所に行ってきました。


体育館が広く感じます。


今日は誰も私の名を呼びません。


人がいないので、目立ちます。


「片づけに来ました」という雰囲気を作っている私です。。



マットの上には、今度高校生の男の子と、中学二年生の女の子の兄妹がいました。


二人はマンガを読んでいます。


片づけながら話しかけます。


男の子の方が話をしてくれました。


広野の高校に行くはずだったこと。


新しく行く高校がまだ決まらなく不安な気持ち。


友達と会えない寂しさ。。


彼は時折、ジョークを交えながら話をしていました。


二人は今日の二時に家族と、バスに乗っていわき市に移動します。


ハワイアンズの近くの宿です。



『夏に花火をしよう!』と約束しました。

メールアドレスを交換しました。


『仮設住宅にみんなで爆竹を仕掛けようか…』などとブラックジョークを言い合い、私達は笑いました。



笑顔が爽やかな彼。



広野のキラキラ輝く海が、彼の後ろに見える気がしました。


二時になります。


皆さんバスに移動します。


残った人は30人くらいでしょうか。


もっと少ないかな…


ペットがいて移動先が決まらない方、個人の事情があって残る方。


この2、3日で行き先は決まるのでしょうか。。



まだ本当に数人ですが、子供がいるのでクレヨンを少し残して置きました。



さり気なく、大人用の塗り絵も。



画材の箱を整理していると、何枚かの塗り絵が出て来ました。


絵手紙風にメッセージが入っています。


花の下に…アスファルトでしょうか?


灰色が塗られています。


力強くもあり、繊細な優しさも感じられる作品です。


誰かの想いが、画面に溢れていました。






私はその後、片づけを終え、早めに体育館を出ました。


その足でお花ちゃん達の二次避難先の「八幡屋」という宿に向かいます。


車を30分程走らせ、到着しました。


温泉地の大きなホテルです。


地元でも有名な。


お花ちゃんがお母さんと一緒にロビーに降りて来ました。


『さぶちゃん!』


可愛い声が私を呼びます。

私も思わず笑顔になります。


お母さんは一昨日、福山雅治のラジオに少し出たそうです。


『20年の時を経て実った想い』だと言っていました。


日本放送から携帯ラジオが100個程送られたそうです。


記念にと、私も一つ頂きました。


お花ちゃんのお母さんは言います。


『お部屋もあって、食事もきちんと出て、お風呂も毎日入れます。嬉しいです。でも、前みたいにみんなが近くにいないから少し不安だし、寂しいんです。心配になっちゃうというか…。またいつ地震が来るかも分からないし、ここも一時的なものでしょうし…。』


お花ちゃんが無邪気に言います。


『おばあちゃんと、かくれんぼしたの。でも広いからおばあちゃん、見つけれなかったんだ!』


本当に広いんです。

吹き抜けになっていて。

空中舞台のような所で、琴を演奏するスペースもあります。



でも、みんなが集まれる場所はロビーだけです。


後は食事の時くらい。


お父さん達も宿から二時間以上かけて、いわき方面に仕事に行っているそうです。


生活は徐々に始まっています。


ですが

そのギャップに、心や体が着いていくのは本当に大変で、苦労の多い事だと思います…。


お花ちゃんとお母さんに、また明日会う約束をして帰って来ました。


帰り道、また大きな余震が起こりました。


私は車だったので、あまり分からなかったのですが、コンビニに寄ると、その大きさが分かります。


棚の物は殆ど落ちていました。


割れた酒類の臭いも酷く、液も店に充満していました。



帰り道は渋滞が起きていました。


余震も大きい。

不安はまだまだ続きます。

たった今も揺れています。


震度3くらいは当たり前。


15分置きぐらいに余震が来ます。


地盤も緩み、一帯がまるで豆腐のようです。


ぐっすりなんて、とても眠れそうにありません。


でも


寝るしかありません。


寝て明日に備えます。。




私達は生きて行くのです。


一日一日を。


今日見つけた塗り絵にも描いてありました。



嵐が来ても負けずに生きる


アスファルトに咲く花のように



明日は東京方面から何者かが福島にやって来るそうです。

セレブか!?


有名人か!?


色紙買わなきゃ☆


では

また

明日!


‐さぶ‐








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