自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『疾走』 重松清

2011-10-06 07:17:51 | 児童文学
いろんな本を読んでいるけれども、辛くて重たくて苦しくなるような小説があります。


確かブログにも書いた記憶があるけど、天童荒太の『永遠の孔』


児童虐待の話で、とても読むのはつらかったけど、結局最後まで読まずにはいられなかった。


小学生や中学生と言った多感な年ごろの子どもの心理が、とてもよく語られている。


それも、特殊な環境にいるわけだから、作家自らの体験か、よほど取材をしていかないとわからないようなことが描かれています。



そんな一編が『疾走』 重松清

『きよしこ』が、この作家を読み始めた最初の本だったので、せつない中にも希望にあふれる好きな作品です。


何冊か読みましたが、一貫して思春期の子どもたちの輝いた日々が描かれていた・・・・のに、のに、のに・・・・



なんだかすごい表紙です




この『疾走』は、読み始めて中盤あたりから、せつない、苦しい、でも目が離せない・・・ネガティブな描写にはまってしまった。



上下巻になっているのだけれども、瀬戸内の小さな町に起きる、でもどこにでもあるような偏見やいじめ。


金で人生が一転二転してしまう親たち、それによって翻弄される子ども・・・・



そんな暗闇の中で、この作品をより奥深いものにしている、ちりばめられた聖書(キリスト教の)の詩篇。



息が詰まるほどの描写が何度もあったけれども、いのちが輝いて、新しい命にバトンされていく感動はたまらなかった。



でも、ボクの中学3年生のころは、もっともっともっとガキだったなぁ。






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