自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『ともしびをかかえて』 ローズマリ・サトクリフ

2011-04-17 14:19:28 | 児童文学
久しく、「被災地ニュース」が続きました。


その間も、移動の際や空いた時間に少しずつ読み進めてきた児童文学です。



塩野七生の『ローマ人の物語』をずいぶん前に、何巻か読み進めたことがあります。


ハンニバルの戦いや、ユリウス・カエサルの話に引き込まれたことがありましたが、あまりにも長く続く小説に知らないうちに飽きてしまった記憶があります。


当時は、ハードカバーしか出版されていなかったのもその理由かもしれない。




ヨーロッパの歴史には疎いので、読んでいてもわからないことがたくさんあったのですが、この『ともしびを抱えて』は、一人の青年の成長物語として読む進めると、とてもよくわかる物語なのでした。


サトクリフと言うと、『太陽の戦士』を読んで片腕の利かない少年ドレムが、戦士になるために試練を乗り越えていくお話に、普遍性を強く感じた事を覚えています。

青銅器時代ですから、石器時代の次の時代のお話。


紀元前1500年前までがそれに当たるようです。


そして今回の『ともしびをかかげて』は、ローマ時代の終焉。




あのブリテンが、ローマの支配下に置かれていた事すら、ボクはよく知らなかった。



大英帝国と呼ばれるくらいですから、昔からずっと大英帝国だったような気がしていましたが、ローマのもとにおかれていたわけです。



そのローマが衰退し始めて、ブリテンから数百年の支配を諦めて撤退する頃の、ブリテンの兵士だったアクイラ青年の話。



歴史的な背景は、なじみが無いためによく理解しきれないこともたくさんあったのですが、このアクイラがブリテンの王としてその時を待っていたアンプロシウスのもとで、けなげに働く様子が描かれている名著です。


衰退するものと、振興いていくもの。


世の中は常に中庸を求め、バランスを保とうとしている。



だとしたら、この震災は、どのようなバランスをもたらすために起きたこと何だろう。




答えはない。



でも、探さなければならない。



アクイラが妹のフラビアを、探し続けたように。











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