大変な賑わいであったろう前日の伝統の石神井高校体育祭の喧騒の爪痕を残すのは体育館脇にずらりと並べられた各団のマスコット・マスゲームで使用された様々な色彩に塗り上げられた木材の構築物の残骸であった。きっと昨日はこの残骸⁉たちは体育祭の盛り上げに大きく貢献したであろう。
晴天の下、コロナ禍以来初の観覧制限無しで現役生、卒業生、家族、見物の人々を感動と興奮の坩堝に巻き込んだ体育祭の会場であった広大な校庭、校内はちょっと弛緩したような静寂に包まれていた・・但し、体育館を除いて
体育館では2024(令和6)年度インターハイ予選3回戦の熱戦が繰り拡げられていた。
石神井高校は第4試合で小平西高との対戦がある。
前日の体育祭でメンバーが気力、体力を使い果たしていないか心配をしながら体育館のフロアーに上がった。
2024年6月2日(日) 3回戦までの石神井高校の経過。
石神井高校は2回戦からの出場
2回戦 2024年5月26日
石神井高校vs立正大附立正高校 会場:石神井高校
戦評
中大附属高校を1回戦で破った立正大附立正高校が対戦相手。スピードあるガード陣が特徴であったが、リバウンド力、ディフェンス力で圧倒し大差の勝利。
○都石神井高校86:44●立正大附立正高校
1P 21:12
2P 25:12
3P 20:8
4P 20:12
2024(令和6)年度インターハイ予選3回戦 2024年6月2日
都石神井高校vs都小平西高校 会場:石神井高校
小平西高校
ここ4年で急速に力をつけてきた新進気鋭校。
2020年度新人戦から2024年関東大会予選までの4年間、延べ11大会中8大会Best32に入っている。目を見張る躍進ぶりである。
直近の関東大会予選でも3回戦でBest16なった早稲田実業高校に僅か3点差で敗れている。スコアーを見ると3P終了時16点差を最終ピリョウドで3点差まで追いつめて惜敗している。侮れない難敵である。
近年の躍進ぶりからどのようなチームか一度観戦してみたかったが、5月26日2回戦の対都三田高校戦を石神井会場で観戦する機会を得た。
○小平西106:77●三田高校 小平西の勝利。
スコアーが示す通り、サイズは無いが、ベンチメンバーを含め全員シュートスキルに優れており多彩なシュートを繰り出しスコアーしてくるオフェンシブチーム。ディフェンスもオールコートプレスを操りアジェリティに優れたチームだった。
サイズが無い青山高校とは組みやすかったのかもしれない。前半で大勢を決め後半はベンチメンバーを繰り出しチーム全体で盛り上がっていた。
1P 石神井27:17小平西
小平西ゾーンディフェンス。石神井インサイドでサイズを生かし連続スコアー。小平西ドライブインからスピンターンでスコアー。テクニシャンぶり発揮。
石神井強度あるマンツーマンディフェンスでシュートミス誘い、リバウンドから速攻。サイズがある石神井リバウンドが安定している。残り5分14:8
石神井キャプテン№4スリーポイントシュート、ミドルシュート。安定感抜群。小平西スリーポイントシュートで対抗。1P最後小平西のスリーポイントシュート決まる。
2P 石神井50:30小平西
同様にリバウンドから速攻。2年生№9ミドルシュート、レイアップシュート冴える。石神井足が動いている。2年生センター№10インサイドプレーでスコアー。№4,5ミドルシュート決まる。
チーム内でコミュニケーションを図り意思統一を図る円陣を組むことが多くみられた。このような場面は少しナイーブなチームには珍しい。
見渡せば体育館上部の通路にも立ち見の石神井生がずらり並んで声援を送っている。体育祭の片づけに来たのか、昨日の体育祭で生まれた一体感か。
そういえば3年生が母校のコートで戦う公式戦は本日が最後。クラスメイトも駆け付けたか。
3P 石神井61:41小平西
石神井、順調だったミドルシュートが入らなくなる。
両チームスタミナ切れか足が止まってくる。両チームベンチメンバーを繰り出し必死の攻防。
石神井のスリーポインター№6やっと2本連続でスリーを決める。
4P 石神井91:74小平西
小平西ゾーンプレス。スリーポイントを多投し必死の追い上げ。気鋭のチーム、プレスディフェンスは強度があり鋭い。
石神井もプレス気味のディフェンス。タフショットを誘いリバウンドからの速攻繰り出すも決めきれない、ミスが多い。
両校一進一退の攻防が続いたが、決定的な差は生まれなかった。
小平西後半持ち味を発揮するも、石神井終始安定した試合運びで勝利。
○都石神井高校91:74●都小平西高校
1P 27:17
2P 23:13
3P 11:11
4P 30:33
3年生,ホームコート最後の公式戦を勝利で飾れて安堵しているだろう。
小平西高校のチームカラーはアメリカの裏通りで見かけるようなストリートバスケを彷彿させるノリ⁉でバスケットを楽しんで戦っていた。ちょっとヤンチャ感が強い。最近増えた3x3のコートで見かける遊び心に富んだプレーぶり。
通常であれば、1、2名の選手がテクニにおぼれ自滅してしまうチームが多い中、小平西はチームとして破綻することは無かった。ディフェンスも一定の強度を保っていた。不思議な感じがした。
一方対象的に石神井はリアクションが少ない地味なイメージが付きまとう。硬派がチームカラーか。
試合後、観戦の父兄や友人たちに勝利を祝われてやっと笑顔が溢れだしていた。
昨年の体育祭の頃には来年のチームは大丈夫かと危惧したのを覚えている。
良くここまで成長したと思わずにいられない。順調にいけばBest16決めの対戦校は新人戦で圧倒された豊島学院。Best8決めは関東大会予選で苦杯をなめた日大豊山戦が想定される。次、4回戦、聖学園戦を勝利し新人戦と関東大会予選の雪辱を期し難敵に向かって欲しい。