楓荘日記

米女優サンドラ・ブロックの情報を中心に、洋画、日米ドラマ、本など、思いつくまま書いていきます。

Gravity - 映画祭などの批評

2013-09-25 14:22:26 | サンドラ・ブロック映画

 ヴェネチア映画祭で絶賛の嵐! あと2時間ほどで公式上映ですが、サンディーたちにはぜひ、最後に観客からの拍手を浴びてほしいです。この後、テルライド映画祭、トロント映画祭と続きます。最初絶賛でも、徐々に評価が落ち着いてくるものだとは思いますが、とにかく、これで作品の質、サンディーの演技に対しては高い評価を得て成功と言えますね。商業的にもヒットしてほしいですが、これでヒットしなくても、また別の問題となるのでひと安心です。

 とにかく批評がたくさん出ていて、あちこち読んでるうちに時間がなくなってきたので、とりあえず、リンクだけ載せます。あとは、少しずつ、簡単にでも要約していこうと思います。

 UPDATE: 2013年9月25日 - 日本人ジャーナリストの批評

小西未来さんは、LA在住の映画ジャーナリスト(プロフィールには「フィルムメーカー」となってますね)で、確か、GG賞選考のHFPAのメンバーだと思います。日本人は3人ぐらいしかいないんですよね。トロント映画祭で試写をされたときの批評です。(日本語) - とてもポジティブ!

http://eiga.com/extra/konishi/238/

UPDATE: 2013年9月21日 - オーディオ・レビュー

Hitfixの"In Contention"のクリス・タプレーと、Indiewire の"Thompson on Hollywood"のアン・トンプソンは、その公平で冷静、しかも、映画への愛情が感じられる批評で、私は必ずチェックします。この2人(アンのほうはおそらく40~50代のベテランで、オスカー・ランチョンやオスカー後のガバナーボールにも出席したりする人。クリスのほうは30そこそこぐらいの若者なので、バランスのいい意見が聞けます。)は、毎年、“Oscar Talk"という、オーディオ・レビューを秋~オスカーまで何度かおこなっていて、今年も始まりました。今回は、映画祭3つが終わった段階での各映画に関して話しており、冒頭から"Gravity"の話になります。

映画とサンディーに対する評価は2人ともほぼ完全に一致で、すごく高く評価しています。

- この映画自体がすばらしい達成。

- ストーリーがない、とか、映像だけ、という人がいるが、あえてシンプルにした脚本であり、その奥にあるものはとても深い。

- サンドラの演技はまさにキャリア最高であり、実際、あれだけのことをやれる女優はそういない。セリフは少なく、肉体表現と感情表現をとてもうまく融合させている。

- 今の段階で断言するのは早すぎるが、あの視覚効果と撮影を上回れる作品があるとは考えにくく、オスカー受賞はほぼ間違いないのでは。

- 主演女優賞は、ケイト・ブランシェットとサンドラが現段階ではツートップ。

私は自分が尊敬する映画ジャーナリスト2人がこれだけ高い評価、というのが、ものすごくうれしいです。

他の作品の話ももちろんしています。

http://www.hitfix.com/in-contention/oscar-talk-ep-110-telluride-venice-toronto-wrap

 

UPDATE: 2013年9月2日 - テルライド映画祭での批評

 Awardsdaily - ポジティブ

http://www.awardsdaily.com/blog/telluride-review-the-welcome-pull-of-gravity/

これまた時間がないのですが、サンディーについては、「今年最高の演技のひとつ。ケイト・ブランシェット、ジュディ・デンチとともに、賞レース最前線に位置づけられる」と言っています。その他の点については、時間がある時にまた。

 Hollywoodreporter - ポジティブ

ヴェネチアとはまた別の人が書いています。批評というよりは分析に近い内容で、作品賞、監督賞、主演女優賞など、数部門でノミネートされなければショック、とまで書いています。

http://www.hollywoodreporter.com/race/telluride-gravity-stars-bullock-clooney-618850

 

UPDATE: 2013年9月1日 - テルライド映画祭の批評

コロラド州の山地で開催されるテルライド映画祭は、ヴェネチアとトロントに挟まれて小規模で手作り感のあるいい映画祭らしいです。両映画祭で正式上映されるような作品がここでも上映されることが多く、ヴェネチアに行かないアメリカの批評家や映画ジャーナリストはテルライドからトロントへ移動、というのが定番になってきたようです。

"Gravity"は、8月31日夕方に上映され、つい先ほど、上映が終わったばかりで、ツイッター上に感想が投稿され始めています。いずれ、フルの批評も出ると思いますので、追加していきます。

これはツイッター上で見つけたコメント。すごくジーンときたので紹介します。HITFIXというサイトのライターさんです。

https://twitter.com/HitFixGregory/status/373999535707525120

"Sandra Bullock will be nominated for best actress. whether she wins or not no one will ever question that she's Oscar winner again. "

「サンドラ・ブロックは主演女優賞にノミネートされる。受賞してもしなくても、彼女がオスカーを獲ったことを疑問視する者はもう誰もいなくなるだろう」

後半がもううれしい。ノミネートはどうでもいい(まあ、されたほうがいいけど)んです。「しあわせ~」ので獲ったときに散々言われた批判を封じ込められる、映画スターではなく、「俳優」としてほんとに認められると思うと、ほんとにうれしいです。たった一人のコメントというのではなく、"Gravity"でのサンディーの演技に対する称賛はほかでも見られるので。

 

UPDATE: 2013年8月30日 - 英「Empire」誌 の批評

サンディーについて、とてもよく書かれているので、要約します。

http://www.empireonline.com/empireblogs/words-from-the-wise/post/p1393

「3D映画である以上、あらゆるものが飛び出して見えるわけだが、ブロックの演技はその深みにおいて傑出している。彼女が人気だけでオスカーを獲ったと思った人は、この映画を観ればその考えを捨てることになるだろう。この映画で彼女は、強さと優雅さのある、計算された演技を見せ、いったいどうやってやったんだろうと頭をひねるようなシーンであっても、決して観客の関心を映画から逸らさない」

 UPDATE: 2013年8月30日 - ヴェネチア映画祭 批評のまとめ

 次の映画祭の批評が出てこないうちに、ヴェネチアでの批評を少しまとめたいと思います。前に書きましたように、どの批評も長めで、私も流し読みがほとんどです。批評の大部分はキュアロン監督や撮影監督の手腕を称えていて、技術的な面に踏み込んでいるのも多く、正直、字面だけ追っても意味がよく分からないものも(笑)。ということで、ごくごく簡単に全体をまとめたいと思います。ちなみに、現時点で、"Rotten Tomatoes"では100%の"Fresh"で、平均で10点満点中9点を獲得しています。とはいえ、まだ12点の批評だけですが、ヴェラエティ誌やハリウッド・リポーター誌、英ガーディアン紙など、有力批評家のものもあります。これは今後、下がっていくでしょうけど、「評価が分かれる」というような作品ではなさそうです。

Rotten Tomatoes のサイト:http://www.rottentomatoes.com/m/gravity_2013/

 批評から分かった点(ネタバレなし)

a)91分という短い上映時間、アクション満載。エンターテインメント性に富んでいる。そのため、商業的にも成功するのではないか。

b)冒頭13分ぐらいが長回し。

c)最初はジョージ扮するコワルスキーのほうが前面に出て、その後、サンディー扮するライアン博士が中心になる。

d)ストーリーは極めてシンプルで直球。

c)全編を通して、具体的・抽象的に、衝撃が与えられる。宇宙の静止状態と、突然襲ってくる危機の対比が効果的。

d)視覚効果、3Dが絶品。ヴェネチアでは3D上映。これこそ、3Dで観るべき作品で、IMAXではおそらくさらにすばらしいだろう。観客は完全に宇宙空間に没頭できる。

e) サンディーとジョージの相性は抜群。

 意見が分かれている点

 記者会見で監督は、この作品は「逆境」のメタファーだと言っていますし、これまでにも「再生」がテーマだと言っていました。批評の中には、「メタファーとか哲学的な意味を押し付けようとはしておらず、それがいいという観客もいれば、物足りなく感じる観客もいるだろう」と言っている人もいる一方で、「これまでの3D映画は技術的なすごさに対して、心理的な表現がないものが多かったが、この映画にはそれがたっぷりある」「ブロックのキャラクターの再生を描いている」と言っている人もいて、これは個人的な主観によるんでしょうね。

マイナス点 - 批評に共通する点

a)ライアン博士の過去について明かされる部分で、感傷的になりすぎるきらいあり。これはサンディーの演技に対する批判ではなく、ストーリーとしての批判。

b)ある時点で、さすがのキュアロンでも、ハリウッド的な要素を出してしまっている点。

c)全体的に効果的な音楽が、ある時点で、強すぎる点。

 サンディーの演技について

a)キャリアで最高の映画で一級の演技。(Hollywood Reporter)

b) ストーン博士に深い威厳を与え、過去の悲劇を繊細かつ巧妙に暗示。完全に一人芝居になった後も、楽々と映画を進めていっている。肉体的な演技がものすごく必要な場面でも、充分に感情表現をし、もろさ、知性、決意を見事に描いている。それによって、観客の心をつかむだけでなく、最後まで興味を引きつけつづける。(Variety)

c) 容易に観客の共感を引き起こし、宇宙服でほとんど見えない状態でさえ、その断固たる決意を表現。見事に抑制の利いた演技をし、ストーリーが必要としたときに、キャラクターのやや不機嫌なもろさからそれることなく、また、無意味な虚勢を張ることなく、前に出ていっている。これは映画スターを必要とする役であり、また、演技のなかでは、スターであってはいなけない役で、それをきっちり達成。(Hitfix)

d) セリフよりも演技を通して、頑固さ、もろさ、ときとしてユーモアを表現し、ドラマチックな役としてはキャリア最高。(indiewire/playlist)

e) ブロックのスムーズでシワのない顔、少年のような短い髪、鍛えられた肉体は、ストーリーにピッタリで、その演技は、感情面の要の役割を果たしている。(indiewire/toh)

f) これはサンドラ・ブロックの映画。知性と、まっすぐな魅力の組み合わせがこの作品にはピッタリで、肉体的にも説得力がある。(screendaily)

とりあえず、こんなところです。オスカーノミネートのチャンスについては、英ガーディアン紙が、「ノミネートされるべきだが、SF映画に対してアカデミーがどう反応するか」と言っています。

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まず、いくつかの批評を部分的に一覧にしたサイトがこちらです。各批評がどれも長めなので、こちらでざっと読むのがいちばんいいかも。ネタバレがないし。

http://thefilmstage.com/news/first-glowing-reviews-of-alfonso-cuarons-gravity-arrive-from-venice/

 Hollywood Reporter 誌 - ポジティブ

http://www.hollywoodreporter.com/movie/gravity/review/615139

 Variety 誌 - ポジティブ

http://variety.com/2013/film/reviews/gravity-review-venice-film-festival-1200589689/

 HITFIX - 

*このライターさんは、サンディーをとても高く評価していて、"The Heat"でもサンディーのほうを高評価。今回も、ツイッター上で、「2013年は、サンドラ・ブロックが両極端な演技をすばらしくできるということが証明されたいい年」だとつぶやいています。

http://www.hitfix.com/in-contention/venice-review-sandra-bullock-dances-into-great-silence-in-alfonso-cuarons-astonishing-gravity/1

 CINE-VUE 5つ星

http://www.cine-vue.com/2013/08/venice-2013-gravity-review.html

 Indiewire (TOH) - ポジティブ

http://blogs.indiewire.com/thompsononhollywood/venice-film-festival-2013-gravity

 Indiewire (THE PLAYLIST) -

http://blogs.indiewire.com/theplaylist/venice-review-alfonso-cuarons-gravity-starring-sandra-bullock-george-clooney-20130828

 SCREENDAILY -ポジティブ

http://www.screendaily.com/reviews/the-latest/gravity/5059677.article

とりあえずここまでです。

 


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4 コメント

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感動 (104)
2013-08-30 15:11:36
英語の批評は拙い英語力でいくつも読みましたが、楓さんな日本語要約を読んでいたら感動して泣けてきました(笑)
やはり日本人なので日本語の方がいい批評なんだってグッと心に響きます。
楓さん、お忙しいとは思いますが今後もよろしくです!

期待は深まるばかりですが、あくまでもエンターテイメント作品なんだって自分に言い聞かせながら公開を待ちます。
これは3D酔い覚悟で沢山見なければ。
私も今のうちから宇宙飛行士並みに3D酔い克服訓練始めます。
パシフィック・リムでも見に行くか(笑)
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頑張ります ()
2013-08-30 15:28:13
104さん、

早速読んでくださって、ありがとうございます。
ものすごく大雑把ですみません。
"The Heat"の時に批評をほとんど紹介できていないので、この映画はちょっと頑張りたいなと思っています。

予想よりずっとエンターテインメントみたいで、楽しみですよね。
3D、頑張りましょうね。
パシリムは2Dのほうがいいという噂が・・・
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演技力 (104)
2013-08-31 02:13:22
連続コメントすいません。。

私もサンディの演技力って凄いと思う瞬間あります。
メリルやケイトs(ブランシェット、ウィンスレット)のそれとは違って、いつも完璧なわけじゃなく。
はっきりとした喜怒哀楽じゃない含みの演技は素晴らしい。
何ならロマコメでの演技で感動しますからね。
あな婿のおばあちゃんからネックレスもらうシーンとか最後の告白シーンでの「怖いの」と笑うシーンとか。
ブラインドサイドは。。探せばあるはずw
20年近くサンディのファンでいるのは綺麗で面白いだけじゃなく、ハッとさせられる瞬間があるからなんです。
あーグラヴィティでこんな評価もらえて良かった!
息づかい下手とか思ってすいませんでした。。

何にせよ、一人芝居は演技力が露呈しやすい、サンドラにつとまるか?と言っていた人たちにこそ見てもらわなくちゃな。

今後は厳しい批評もでてくるでしょうが、SAGあたりはいって欲しいという欲がw(個人的に一番嬉しい賞です)
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私も・・・ ()
2013-08-31 02:49:56
104さん、

私もサンディーの何気ない演技がすごく好きですね。
どの映画でも、何か所かあります。
「しあわせの~」だと、マイケルが「ベッドが初めて」と言ったあとの表情とか、コインランドリーに迎えに行った時の表情とか。

それでも、彼女の真骨頂は共演者に対する反応だと思っていたので、この"Gravity"は、ほんとにほんとに心配でした。

キュアロン監督のファンの人たちの中では、サンドラだから期待しない、とか、アンジーがよかった、とか言ってる人がたくさんいましたから、その人たちにしっかり見てほしいです。

SAGは期待したいですね!
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