川崎市内の精神障害者の家族でつくる「精神障害者家族会連合会」が、家庭訪問などを通じ、ひきこもってしまった精神障害者を支援する「窓の会」活動の報告会を3日、同市中原区役所で開く。障害者自立支援法の施行で、4月から精神、知的、身体の3障害の福祉サービスが一元化されるが、本人が公表を拒むことなどから、精神障害者のサービス利用率は著しく低い。小松正泰・同会会長は「精神障害について理解してほしい」と参加を呼びかけている。
市によると、市在住の障害者は昨年末で身体が2万7517人、知的が5399人。精神は約2万6000人と見込まれるが、本人や家族らが明かしたがらない場合が多く、特定できていない。
また対人関係が苦手という疾患の特徴から、福祉サービスの利用者も少ない。昨年4月1日現在、授産施設や作業所などの通所サービス登録者は520人。複数のサービスに延べ約1600人が登録している知的障害者とも大差がある。3障害のサービス一元化に伴い、他の障害者並みのサービスになると期待されるが、小松会長は「精神障害者がサービスを利用し、地域社会へ入っていくには、まず社会の根強い偏見をなくすことが必要」と指摘する。
94年にスタートした窓の会活動では、ひきこもってしまった精神障害者が少しでも地域とかかわれるよう、ボランティアで家庭訪問や外出同伴、フリースペースの提供などを続けてきた。
報告会は午後1時半から。白石弘巳・東洋大学教授が、精神障害の特性や、障害者が抱える問題について説明し、本人や家族も体験談を報告する。問い合わせは市精神保健福祉センター(044・754・4555)へ。【市川明代】