goo blog サービス終了のお知らせ 

セカイの周縁

世界の中心から遠く離れた縁っこで、細々と生きている―そんな日常の中でアンテナにひっかかったモノゴトを。

きみはペット 14(最終)巻

2005-12-15 17:19:55 | よもやま
終わった…………………………………………………………………………………………
……………………………………………(余韻)……………………………………………
……………………………………………………………………………………………………

スミレとモモが結ばれるシーン、一体どんな風に描かれるのだろう?と思ってたら、
なんと、巻頭の扉絵でいきなりキターーーッ!
もっと読者をじらす(?)作戦に出るかなと思ってたので意表を突かれた。
モモが大切な宝物を抱えるように、スミレを抱きしめてるシーンがすごくいい。

まだまだ「ヤリたい」モモに、ちゃんと「NO!」といえるスミレ。
蓮見先輩のときはそれがいえずに、オールナイトでつき合わされて、
ダルい腰を引きずりながら仕事に行ってたからねぇ…
ちゃんと「NO!」をいえる。それがまさにベストカップルだよ。

「男と女」のときは情熱のおもむくままに。
でも普段はこれまで通りのスミレとモモの関係。
何の破綻もなく名実ともに「恋人関係」になれてよかったね

「遺伝子」について、モモの印象深いセリフが。

家族になるってスゴイよね
もしふたりの子供が生まれたらさ
そっから先ずっと
オレとスミレちゃんの遺伝子が刻まれてくんだよ
愛し合った記録が残るんだよ

(「Rule77 家族の作り方」より)

遺伝子について、そんな風に考えたことがなかったので、
なんかロマンチック~と感動した。

遺伝子かぁ…。

私は、家族を持って、多くの人とつながって生きていく人生よりも、
一人で生きていく人生を選んだ人間だ。
つねづね、周りの人間が、みな結婚して子どもを生む人生を当たり前のように
選択していくことの方が不思議でならなかった。
自分にはそういう願望がなかったからである。

でもたぶん、生物としては、遺伝子を残していくために、
そういう生き方を選択する方が自然なんだろうなと今では思う。

自分は、ごく小さい頃に、人間関係でひどく傷ついて、人とつながるよりは、
自分ひとりでいる方が「安全」であると感じるようになった。
そのトラウマは、生物として本来持つ「遺伝子を残したい」という本能を
捻じ曲げるほどのパワーがあったのだと思う。

まぁ、トシもトシだし、自分が誰かと一緒に遺伝子を残すことは、
今さらもうないだろうと思うけど、モモのこういう感じ方っていいなぁ、と思う。

「Rule80 GIRLS」では、スミレとユリに似て非なる二人の女の子、
サクラとアヤメが登場。
この子たち誰?と思ってたら、スミレとユリの妊娠が発覚して、
しかもアヤメの姉の名が「ラン」だってぇ…
そうかぁ、彼女らの娘同士であったか!
サクラちゃんて、スミレとモモの子どもなんだぁと感動!

そしてLast Rule「きみとぼくの未来」。
結婚式直前にスミレが過去にタイムスリップ、という、
ちょっと不思議テイストなエピソードだったけど、これがまたよかった。

ペット時代のモモの切ない胸の内が明かされていて、
そして現在の二人が幸せの頂点で抱き合う、感動のラストシーンへ突入。
幸せになれてよかったね、モモ、スミレちゃん。
おめでとう!と、心から祝福したくなるラストだった。

ブラボォ!

最後の「作品終了のご挨拶」のところで、作者の小川彌生さんの言葉
「きみぺ」はわたしの遅れてきた青春☆です。
が妙に心に響いた。

私も実は心の中にあるんだ。終わらせたい青春が。
でもまだ時が至らなくて、今はまだ、今できることをやりながら、
その「時」をじっと待っている段階かな。

2年前のTVドラマ化がきっかけで読み始めたこの作品。
好きだった。そして、素晴らしいエンディングだった。
ありがとう! だけどお別れするのが寂しいな…

BGM TV「きみぺ」サントラ


最新の画像もっと見る