画像はいわゆるバックスピンキックというやつですが空手などで見受けられるこの種の蹴りは体のひねりを利用した水平回転を利用して蹴りますが正和流は違います。
横回転ではなく縦回転。
基本の動作原理に合うように技が構築されているため縦回転なのです。
正和流ではツギハギを嫌います。
流行りの技をあれもこれも取り入れるという考えはあまりありません。
一つの動作原理を基軸としてそこから葉を茂らせ独自の実を結ばせるのです。
バックキック一つとって見てもその原則をしっかりと適応させている訳です。
大師匠は「際立った個性」をとても重視していました。
そのため我々が他流派の技について話してもあまり興味がなかった。
そんなにその技がすごいならその武道をやったらいいじゃないかぐらいに思っていたのでしょう。
若かった我々は流行りの派手な技や強烈なノックアウトシーンを見て盛り上がっていましたが・・・
だからと言って他流の技に無知なのかと言えば柔道4段、空手4段の大師匠は打撃も組技も知識が豊富。
脳が活性化している天才脳とでも言うべき頭脳の持ち主でしたので理解も早い。
一を知れば十を知るの見本のような方でした。
技術的には際立った個性を重視しておられましたが技の真ん中にあるのは中庸の教え。
一つの切り口に居つく事なく鮮やかに枝割れする技。
人生哲学もこだわらず偏らずが大師匠の信条。
正に中庸の人。
技と人生、その両面の真ん中には中庸の精神がいつでも貫かれていました。
極論に走らず抽象的な視点で高い見地から物事をありのままに見つめること。
空之会では武道修練の成果の一つはそのようでありたいと考えます。