晴晴ブログ

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東京オリンピックは開催か中止か 

2021-05-31 14:51:14 | 日記
東京オリンピックが、いよいよ瀬戸際に追い詰められています。
公式スポンサーの朝日新聞は、中止を求める社説を出し、世論調査でも「中止」を求める意見が8割を超えた。IOCは「再延期は認めない」としているので、日本政府の選択肢は開催か中止かの二択である。

そんな中でIOCの委員が、無神経な発言を繰り返してきた。
「緊急事態宣言が出ても大会は決行する」とか「首相が中止するといっても開催する」という発言は、日本の国家主権を侵害するものだ。新型コロナの感染が収まらず、緊急事態宣言が出される状況で、今年7月23日に開催できる条件がそろうとは思えない。普通ならそれに対して、日本国民の健康に配慮して協力を求めるのが常識だが、IOCのコメントは常識外れ。
5月21日の記者会見で、IOCのジョン・コーツ副会長は「緊急事態宣言が出ていてもオリンピックは開催できるのか」という質問に「absolutely yes」と答えた。
24日には、IOCのトーマス・バッハ会長が、ビデオメッセージで「東京大会を実現するために、われわれはいくつかの犠牲を払わなければならない」と述べたが、この「われわれ」は「日本国民のことではない」と後に説明した。
そして27日発売の文春オンラインでは、ディック・パウンド元副会長が「菅首相が中止を求めたとしても、それは個人的な意見に過ぎない。大会は開催される」と答えた。
これらの一連のIOC幹部の発言で特徴的なのは「開催に日本政府の協力をお願いする」というのではなく、「われわれが開催する」とIOCを主語にして語っていることだ。
更に、28日IOCのバッハ会長が唐突に、東京五輪の参加選手らに対し、新型コロナウイルスや猛暑による「健康被害」のリスクは自己責任とする同意書の提出を義務付けた。

IOCはなぜこのように強気になれるのだろうか?
この背景には、“開催都市契約”という特殊な契約にあると見られる。ここでは大会の開催はIOCが各都市に「委任」するもので、主催者はIOCだけである。したがってその中止を決定する権限をもつのもIOCだけだ。
しかし、開催都市契約は国家間の条約ではないので、日本政府はそれを履行する国際法上の義務を負わない。IOCは国際機関ではなく、放映権料やスポンサー料などの収入で運営される民間団体なので、この契約を執行する権限は日本政府にある。
最終決定権はIOCではなく、日本政府と東京都にある筈。
それなのにIOCが無神経な発言を続ける背景には、IOCが日本政府に報復する手段をもっているからだ。
東京都がIOCから委任されたオリンピックを中止したら、日本は二度とオリンピックを開催できないだろうし、IOCは今後の大会で日本の選手団を拒否するかも知れない。
更に、IOCはオリンピックの放映権料を各競技団体に配分する権限をもっている。これはサッカーやバスケットボールなどのプロスポーツでは問題ではないが、大部分のアマチュアスポーツはIOCの分配する放送権料が最大の資金源。日本オリンピック委員会も、なんと年間112億円を受け取っている。また、オリンピック開催地を決めるとき、賄賂でIOC委員を買収しないと当選できないことは、周知の事実である。
要するにIOCが企業から集めた放映権料が各国に分配され、それが賄賂としてIOCの「五輪貴族」に環流する腐敗のサイクルができている。 

IOCが異常に強気の発言を続けるのは、このような歪んだガバナンスを利用して、日本政府や東京都が中止したら、今後オリンピック利権は分配しないと脅しているのだ。

菅政権は世界から「IOCのようなヤクザに屈服したのか」と笑い物になるかも知れない。
緊急事態宣言の中で、オリンピックだけを特別扱いしたら、国民は自粛要請にも従わないだろう。 
開催するなら政府は緊急事態宣言を解除し、国民生活を正常に戻すべきだ。
それと同時にIOCと交渉して暴言を撤回させ、ガバナンス改革を要求すべきだ。法的正統性のない五輪貴族に私物化されている組織を、法にもとづく国際機関に変える必要がある。

全国医師ユニオン代表で医師の植山直人氏は日本外国特派員協会で会見し「全く新しい変異株ができる可能性も否定できない。〝東京五輪株〟と呼ばれて、この先100年にわたって東京五輪は人類の大きな愚行であったと非難されることになる」と強い警鐘を鳴らした。
これに対して、開催国の医師が発した悲痛な叫びを欧米メディアが一斉に報道。
英紙「サン」は「何千もの病院が崩壊し、致命的な恐怖の東京五輪コロナウイルス変異種が大会で発生する可能性がある」と大々的に報道。
米紙「カリフォルニアニュースタイムズ」は「植山医師は、五輪の潜在的な危険性について国際社会に警告し、五輪に対する世論の喚起を呼びかけた」と指摘した。

東京五輪発の〝最恐ウイルス“の発生が専門家から不安視される状況が各国で報じられる中で、菅政権は国民に対して「英断」を下すことが出来るでしょうか?

名宰相になれるかどうか、残された時間はありません。


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