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花にまつわる幾つもの話

子供時代の花にまつわる思い出や、他さまざまな興味のあることについて書いていきたいと思ってます。

天然石標本~クリソベリル~

2010年08月16日 | 天然石標本
変わった形状の天然石第三弾は
クリソベリル――金緑石をご紹介します。
名前の由来は、ギリシア語で黄金を意味するkhrusosと
beryl=緑柱石の造語から。


クリソベリルの名称よりもむしろ
変種としての『アレキサンドライト』(=1842年ウラル山脈で発見。
時のロシア皇帝“アレキサンダーⅡ世”に因んで命名。
太陽や蛍光灯の光では緑、ランプや電球の光では赤く見える。
変色効果はこの宝石で始めて見出された現象)の方が有名かと思います。


クリソベリルは、多くの宝石鉱物の中で産出はかなり稀で
産出地自体も少ない天然石です。
同様に、宝石名でもあるアレキサンドライトも
非常に稀少なため、とても高価な宝石の一つとなっています。
また、クリソベリルの方は
双晶することにより星形となった美しい結晶は
コレクター垂涎の的です。
斜方晶系の鉱物なので、本来六角形にはなりませんが
“輪座双晶(りんざそうしょう)”と呼ばれる
三つの結晶が互いに貫き合い重なった結果
六角星の形となるそうです。


このクリソベリルの輪座双晶タイプは
私にとって長年の憧れでした。
まだ一度として完璧な結晶形としての実物を見たことはなく
唯一、ネット上でコレクターの方が公開しているのを
目にした限りです。
値段は恐らく標本としては
目が飛び出るぐらい破格かと(苦笑)


『Chrysoberyl』





輪座双晶の半欠片です。
いわゆる三つの結晶部分ですね。
購入したのは、以前ブログに載せたアパタイトボールと同じ
ジェムアート展にて。
ひっそりとさりげなく店頭に並んでいて
名称の記載もなく(アートに力を入れているせいか
標本カードや産地名の明記がされていない石が多かったです)
店主も白人男性だったので
あえて尋ねる勇気もなく(たまたまだったのか
通訳の方もいなくて)
それでも、名前のとおり金色がかった色合いと
宝石質の独特の結晶形でクリソベリルだと判りました。






星の結晶部分がよく見て取れます。
これがもうあと半分あれば完全な
輪座双晶になるのですが(苦笑)
画像では小さすぎてわかりづらいですが
透明度が高く、とても美しい一品です。





反対側から見た画像です。


実はこのクリソベリル
サイズが米粒程度でかなり小さめですが
思いがけずも安い値段で入手できました。
恐らく、通常のミネラルマーケットでしたら
これだけの結晶なら倍以上の値段がついても
おかしくないはず。
そこがやはりジェムアート展なわけですね(笑)


次回更新は木曜日を予定しています。
コメント
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