ここ一週間、
ずっと前からなんとなーくぼんやりと在ったモノクロの感覚に色彩の弾丸を放たれた気がして。
穴が開いたように、
花が咲いたように、
こころの淵で暴れまわる幾千の野良猫をピストルで威かして飼いならす心地で、
ほぼ毎日、
写真のことを考えている。
僕の場合、その対象が人やモノでない場合が多く、
目の前で起きているその"瞬間"を逃さないように忘れないように消えないように、
という意識でシャッターを切ることはそう多くない。
目の前の"瞬間"じゃなくて、
その景色がぼくの内側にある何かしらの感覚に触れた"瞬間"を撮っている。
なんつって結局、言葉では説明できないし、伝わりづらいから
たぶん撮ってんだろうなーと、思う。
幸い、
恵まれた環境に身を置けているおかげで機材知識、撮影技術、歴史云々を書籍から手探りしながら、
思想や哲学、自分の中の衝動を、かき混ぜて、整理している。
ここ10年くらいほぼ毎日、
目の前の在りのままを気のまま撮ってるから、
写真ってもの凄く身近に在るものなのだけど、
それが普通すぎて当たり前すぎて"考える"対象に成りえなかった。そんなこと、
思ってもなかった。
その中から以下、「壁」シリーズ。
たぶん、撮りたかったのはバランス&アンバランスからくる違和感、
ぶっきらぼうに、或いは偶発的に、完成してしまったデザイン。















「だいたいさー、普段みんな歩いてるけど気付いていないような、気付かないような、
なんの変哲もない壁を、壁だよ?壁。壁をね、
うーんとか、うわあとか、嗚呼ぁ、なんつってソワソワしながら撮ってる君を見てあたしは最初、ナニこのひと?
絶対頭おかしいよ、と思ったよ。いや、たぶん、頭おかしいっていうのは間違いないと思うの、うん、
あなた、その辺もちょっとイカれてるとこよね」
カフェーで珈琲飲みながら鈴木から言われた「僕と壁について」
なんというか、それは僕にとって気持ちのいい褒め言葉以外の何でもなかった。