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EASY-GOING

始まりと終わりを繰り返し、繰り返すコトで回る地球

ツヨシを俺たちの元に取り戻すんだ

2009-04-23 | 読み物

いつになく真剣な面持ちの中居くん
「いいな、ツヨシを俺たちの元に取り戻すんだ」

大きく頷きながらシンゴちゃんが続く「ツヨポンは、悪くない」

ゴローちゃんが繰り返す「うん、何も悪くない」


キムタクは少し離れた場所に居て、黙って下を向いている・・・
長い髪を夜風に揺らしながら、、、何かを決意したように、


「アイドルだって脱ぎてぇんだよ鳩山ぁ!」と叫んだ。



その声を合図に一斉に着ていた服を脱ぎだすSMAPのメンバーたち、



小高い丘の上、騒ぎながら唄う全裸のSMAP、




公園の入り口でたまたまそれを目撃した僕は、
仲間想いのSMAPの姿に猛烈に感動した。

「僕も入れてください!」思わず声が出た、

「4人じゃどうしても、なんか足りないと思っていたんだ。来い!
今日はツヨシの代わりにお前が踊ってくれよ」と、キムタクは言った。



「Shake,Shake♪
ブギーな胸騒ぎチョベリベリサイコー,ヒッピハッピShake」


夜空に声を枯らして堂々と唄った、

SMAPの「SHAKE」をあんなにも一生懸命熱唱したのは、

数学の授業をサボってカラオケに行った高校二年の夏以来だった。




仲間って、なんだかいいなぁ


心からそう思った夜だった。













ぴーす



運命の赤いバケツ

2009-02-19 | 読み物

生まれたときからずっと赤いバケツを被っているせいで子供は学校でイジめられている。石やペットボトルを投げられる毎日。毎晩、学校に行きたくないよおと泣く息子、或る日、父親が息子の部屋の扉をノックした。

「ジョナサン、入っていいかい?」

「・・・うん」


扉を優しく開けて中に入る父親


「また泣いていたのかい?」

「パパ、もうヤだ。こんなの被りたくないよ」

「そうか、実はな、パパも昔はよくイジめられたものだ」

「パパもイジめられたの?」

「そうだよ、石やペットボトルや、ゾウガメをよく投げられたものだよ」

「ゾウガメは投げられたコトないや、当たったら痛そう」

「ああそりゃ痛かったさ、なんてたってゾウガメだからな」

「なんでバケツを取ったらダメなの?」

「それはな、パパもパパのパパもパパのパパのパパもそのパパも
ずっと昔から変わらずにこの赤いバケツを被ってきたんだよ」

「パパのパパもパパのパパのパパもそのパパも?」

「そうだよ、だから君が急にそのバケツを取っちゃったら
パパも、パパのパパもパパのパパのパパもそのパパも、悲しむはずだ」

「でも、ママは?パパと出会う前のママは?」

「うん?ママか、そうだなぁ、
アレはパパがまだ子供の頃で、夏休みだった。
今のジョナサンよりはもう少し大きかった気がするなぁ、
パパは町におつかいに出ていたんだ、
何を買いに行ったかは覚えてないけど、それはそれは暑い日だった。
蜃気楼の中に知らない街が出来上がるほど暑い日でね、
パパはおつかいを済ませて、公園の木陰で休憩をしていたんだ」

「おつかいが終わったら早く帰らないとママに怒られちゃうよ」

「はは、そうだな。ひょっとしたらその日も怒られたかもしれない」

「覚えてないの?」

「あぁ、その日はパパにとってもっと大切なことが起きた日なんだ、
パパが木陰で休憩をしていたら、いつものイジメっ子グループがやってきて
パパがアイツらに気付いた時にはもう遅かった、
ゾウガメが飛んで来た」

「うわ、痛そう」

「そのゾウガメがちょうどパパの頭に当たってパパは泣いたんだ、
その時、イジメっ子グループの背中の方から声がしたんだ、

【やめなさい!】聞いたコトのない女の子の声だった、

パパは泣いていたし、ちょうど逆光だったしよく見えなかった、

その後で、イジメっ子グループと女の子が取っ組み合いの喧嘩を始めたんだ。

ほんの数分で決着がついた、
イジメっ子グループのヤツらはみんな泣きながら帰って行ったよ」


「へぇ強い女の子だね」


「パパは泣き止んだ後で、
立ち上がって服の埃を払ってから女の子にアリガトウを伝えようとしたんだ、

その時、はじめて女の子の顔を見て、驚いた。


その女の子もパパと同じ赤いバケツを被っていたんだ」



「え?」



「パパも驚いたよ、まさか同じようにバケツを被っている子が居たなんて、
しかも女の子で、しかも強いんだ。」



「・・・まさか、それが・・・ママなの?」



「そうだよ、ママはパパより二つ年上で隣り町に住んでいたんだ、
ちょうどママもおつかいを頼まれてパパの町に来ていて、
イジめられているパパに出逢った、
運命を感じたのはパパだけじゃなかったんだ」

「へえ、なんかママかっこいい」

「あぁ、いいかい、ジョナサン?
どんな境遇に居ようと、いくら傷つけられようと、
【なんで自分だけ】という風に自分を呪ってはいけない。

同じような環境で、ひょっとするともっと酷い状況の、

仲間はきっと何処かに居るんだ。

そしてそんな仲間を救えるのは、同じ境遇を味わった「仲間」だけだ。

わかるかい?

君は強くならないといけない、そしてその足とその心で、
何処かで同じように妨げられている仲間たちを君が助けに行くんだ、



運命は偶然のフリをして世界中に転がっている、

人間は残酷だから目に見えるものだけで全てを判断する、

その内側の輝きや純粋さをなかなか見ようとはしない。

いいか?強くなるんだ、そして君が誰かのヒーローになるんだ。


そしていつか君もきっと君の運命に出逢うはずだ」


「わかった、僕強くなる」


「そうか、いいぞ。さ、そろそろママが待っているはずだ、

おいしいシチューも食卓で待っている。いこうか」


「うん、ママのシチューおいしいもんね」


「あぁ、ブロッコリーが入っていなかったらもっとうまいけどな」


「好き嫌いはダメだよパパ、強いママに叱られちゃうよ」


「でも今なら勝てる気がする」


「そしたら僕がパパをやっつける、僕がママのヒーローになるんだ」


「ハハ、いいぞ。その調子だ」












peace









7つの海を越えてあの子に逢いにいく

2009-02-03 | 読み物

人「やっぱ海はいいねえ、景色が違う。
あんなに真面目に飛ぶ鳥、久しぶりに見た」


ペンギン「たまに居んじゃん?鳥は自由だから羨ましい、なんて言う人間」


サイ「ふざけんなって感じよね、なんて身勝手な発想かしら」


人「うわ、それ、俺だ。中学の卒業文集で書いた」


サイ「うわ、気マズっ」


ペンギン「はは、でも僕もいちお鳥の仲間らしいよ」


サイ「はは、私の祖母の若い頃はオードリーヘップバーンに似てたらしいわ」


ペンギン「おかしなコトを言うサイだ」


サイ「お黙りなサイ」




人「・・・いっつもそれやるよね、何それ?」


ペンギン「つかみ」


サイ「そ、そ。これやらなきゃキンチョーすんのよね」


人「舞台前の芸人さんみたいだね」


サイ「あら、最近じゃ芸人にも「さん」をつける時代なのね」


ペンギン「はは、今じゃあのタケ坊が御三家とか呼ばれているらしいしね」


サイ「あの子なら、新宿のジャズ喫茶にいたころからセンスはあったわよ」


ペンギン「知ったようなことをしゃあしゃあと言うサイだ」


サイ「お黙りなサイ」




人「勘違いして欲しくないけど、僕は別にテロリストじゃないんだ」

ペンギン「そうだ、海賊とテロリストを同じにしてもらっちゃ困る」

サイ「それは違うわ、
海賊には海があるじゃない、テロリストには銃しかないわ」

人「海賊の夜には月の光がある」

ペンギン「テロリストでも、月くらい見上げるさ」

人「それはどうだろう?ビルが絶対邪魔をする」

サイ「だから、君は海に来たのだろう?」

人「違うよ。波の音が聞きたかっただけだ」

ペンギン「どこでも一緒だと思うよ、ケツの綺麗なサイなんていないようにね」

サイ「お黙りなサイ」




人「人はいつだって勝手だよ」


ペンギン「そんなことみんな知ってるよ」


サイ「お逝きなサイ」




人「じゃ、またどっかの海で」

サイ「どーせまたすぐに逢えるわよ」

ペンギン「その気になれば空も飛べるさ」


人「それは君の願望だよ」


サイ「願望じゃないわ、捨てきれない自尊心よ」


ペンギン「この羽根を邪魔だと思うよりマシさ」











peace



朝の海とボクの海を

2009-01-27 | 読み物

夜。風が吹いている、
幼い男の子が二人、防波堤に立っている、
外灯の明かりが寂しそうに二人を、真上から照らす。



★「なぁこうちゃん、見えるか?海に出ちゃったのだ」


◎「これが海か。へぇ~、そいえば兄じゃ、オレ海見るの初めてだわわ」


★「そっか、そうだっけ?そういうのを初体験って言うんだな」


◎「はつたいけん?」



★「そ、こうちゃん、君はこれから幾つもの初体験を越えてゆくのだ」

◎「ほぅほぅ、兄じゃも越えたのか?はつたいけん」

★「ああ、越えたさ。ヤなことも楽しいことも、初体験はカラフルなのだ」



◎「ほぅほぅ、それよっかさ、兄じゃ、海って黒いんだな」

★「そぉだな、でもこうちゃん、それは夜だからだと思うんだな兄じゃは」

◎「ほえ~、海は夜と朝と昼とで色が変わるのか?すっごい仕掛け♪」

★「朝はね、すっごいよ。う~ん、赤とピンクの真ん中の色?名前がわかんない」

◎「ほえ~、じゃあ昼は?昼は?昼の海はなに色か?」



★「青だ」



◎「・・・れれ?それだけ?一個だけか?」

★「うん、でもこうちゃんな、「色」は「個」では数えないんだな」


◎「それって大事なコト?」


★「う~ん、いや、兄じゃはそれよっか海の色の方が大事だと思う」


◎「じゃあ「個」でいい?」

★「大人になる前にはちゃんと覚えるんだぞこうちゃん」


◎「は~い」



★「あ、笑ってる」


◎「ん?笑ってないよ」


★「こうちゃんじゃナイよ、月だよ」


◎「つき?」



★は右手の人差し指をピンと立てて、真上に伸ばす、その指先を追う◎



◎「んあぁ、泣いてんじゃないの?おつきさま」

★「おぉ。こうちゃんにはそう見えるのか」

◎「んあ、泣いてると思う」


★「いいぞ、いいぞ。それでいいぞ、物事は一つでも解釈は永遠に無限大なのだ」


◎「・・・兄じゃ、むずかしい。今の全然わかんないみゃあ」



★「こうちゃん、学校じゃないんだから、「答え」なんてナイのだよ世界には」


◎「じゃ簡単に100点取れちゃうじゃんね、へへ、ラッキー、世界♪」


★「そぉだな、こうちゃん。せかいの100点取れるといいな」




◎「う~ん・・・そろそろ仲直りしたかな、父さんと母さん」

★「う~ん、もうちょっと、・・・朝まで待とうか」

◎「おっ♪赤とピンクの真ん中の色になる朝か」


★「そうだよ、こうちゃん。でも、
たぶん、いつか、君もその景色を忘れてしまうかもしれないのだ、
それでも心臓がグっとなる感覚だけは忘れちゃダメなんだ」


◎「グっとなるの?」


★「うん、そしてそれがこうちゃんの中にも海が出来たって証なのだ」


◎「ほえ~!!何色だろうね!!ボクの中の海って♪」


★「何色だろうねえ、綺麗な色だといいね」


◎「うん、早く見たいなあ、朝の海とボクの海を」








君は覚えてるかい?

はじめてみた海と、その日、自分の中に生まれた海を。





peace


カモン,地獄ベイビー.

2009-01-23 | 読み物


「またお前か」ってそれはこっちのセリフだバカ野郎。


転がったアスファルトの上、
僕は水たまりに尻餅をついている、
チカチカと点滅するハザードランプの赤い光が目に刺さる、
最高にケツが冷たい。10mくらい先の方で、僕のバイクは転がっていた。




三年連続三度目の交通事故、いずれも相手はタクシー、

しかも三年連続で同じ運転手。

「またお前か」は正確に言えば「またまたお前か」なのだ。


「まあ乗れよ兄ちゃん、雨、寒いだろ、中で話しよや」
もはや顔見知りとなった運転手のオヤジがそう言って僕はタクシーに乗り込んだ、

「で、名前なんだっけか?何とかゴローだったよな?」
「セイイチロー。覚え方が雑過ぎんだよ、山田」
「山崎だ」
「山崎か」
「それにしてもお前、頑丈だよな。今年も去年もその前も無傷だろ?」
「受身がうめーんだよ、つーかオッサンいい加減にヤメろよ運転手、
下手過ぎるんだよ」

「はは、どーせヒマだろ、ドライブでもするか?」

タクシー野郎・山崎は僕の答えを聞かずにアクセルを踏んだ、
ブロロロロロと間抜けな音を立てたタクシーが小雨の夜を進む。

「悪りぃなタバコは我慢しろよ、禁煙なんだ」
わざわざそう言ってから口元のタバコに火をつける山崎、
「そっか、禁煙なんだ」と返して僕もタバコに火をつけた。

【3年連続】という奇特な偶然が奇妙な安心感を生むのか、
二人分のタバコのケムリと雨の日独特の湿気が充満した車内、
不思議と(ケツが濡れて気持ち悪い以外は)嫌な居心地ではなかった。

盛り上がりと沈黙を繰り返しながら宛てのない右折と左折を繰り返し、
青山通りを渋谷方面に向かっている途中で山崎が呟いた、

「なあ、呑んでいいか?」
「は?何を?」
「ビヤー」
「運転しながら?」
「当たり前だろ、俺の職業はドライバーだ」
「だから事故んだよ。お前すげーな。久しぶりに本物のバカを見た」
「そりゃ光栄だ、昔のプロ野球選手みたいでカッコいいだろ」
「あぶさん世代の?」「あぶさん世代の」

山崎は右手でハンドルを握りながら左手で缶ビールを取り出して呑み始めた。
細かく踏まれるブレーキがリズムを刻んでプップップー、
絶妙のタイミングでビートするクラクションが愉快痛快。

「お前も呑むか?」「呑めないからいらない」
「情けねえヤツだな」「その価値観じゃ俺とは喋れないぜおっさん」
「口だけは達者だよな」
「俺は頭じゃなくて口でも物事考えてっから」
「お前、嫌われもんだろ?」
「誰からも好かれるヤツは、ウソつきなヤツだろ?」
「ああ、殴りたくなるほどな」「はは」

その時、
「アっ!変なヤツだ!」といって山崎が指差した先に変なヤツが居た。



【WORLD ENDS TODAY】

【HELL IS COMING】


黒地に白でそう綴られたプラカードを持って交差点に立つジィさん。


「アリャなんて書いてあんだ?」ホロ酔いの山崎が聞いて僕が答える、


「WORLD ENDS TODAY【今日で世界が終わる】

HELL IS COMING【地獄はすぐそこにある】って書いてある」


そして山崎は言った、


「今日が終わって地獄が来るなら、
今日とそんなに変わらないってコトじゃねえか」


僕は笑う「ははっ、でも言うほど悪くないよな、この地獄も」


「ああそうだな、今夜のビヤーもうめぇしな」




僕はこの下手くそな運転のロクでもない酔いどれタクシーに乗って、

もう少し雨の夜のドライブを楽しみたいと思った。



来るなら来てもいいよ代わり映えのしない地獄よ、

いつだって遊んでやるから。









peace




グランマのアップルパイが食べたいわ

2009-01-21 | 読み物

ニューヨーク在住のジョーンズ一家、
毎年、年末年始は祖父母が住むアリゾナまで家族で出掛けます。

ところが今年は世界恐慌の影響もあり、
父親のマクドナルド・ジョーンズ(56歳)が、
家族13人分(父親、母親、娘11人)のエアチケット代に頭を抱えています。



台所での夫婦の会話を盗み聞きしてみましょう。

マクドナルド・ジョーンズ
「どうしようか・・・娘たちに言おうか、今年も楽しみにしてるのだろうなぁ」

リサ・ジョーンズ(妻52歳)
「だってお金がないのですもの、仕方ないじゃありませんか」

マクドナルド・ジョーンズ
「・・・そりゃそうだけど、面と向かって「今年は中止だ」なんて言いづらいよ」

リサ・ジョーンズ
「だってお金がないのですもの、仕方ないじゃありませんか」

マクドナルド・ジョーンズ
「二度も言うなよ」

リサ・ジョーンズ
「だってお金がないのですもの、仕方ないじゃありませんか」

マクドナルド・ジョーンズ
「わかった、わかったから」

するとそこに、姉妹の中でも一番要領の良い三女の【エマ・ジョーンズ】がやって来て言いました。

エマ・ジョーンズ(18歳)
「まぁパパママったらそんなコトで悩んでいたの?らしくないわねえ」

マクドナルド・ジョーンズ
「エマ!いや違うんだ、これは、いや、行くよ行くよアリゾナには必ず」

エマ・ジョーンズ
「ふふ、無理はしなくて結構よパパ、それよりあたしにいい考えがあるわ」

マクドナルド・ジョーンズ
「いい考え?」

エマ・ジョーンズ
「そうよ、まあケイト姉さんは嫌がるかもしれないけど、
グランパに会えないよりかはマシよ、あたしが説得してみせるわ」



そして当日、

マクドナルド・ジョーンズ
「さぁ私の可愛い娘たち、このスーツケースの中に入りなさい」

クリスタル・ジョーンズ(七女・14歳)
「what a cooooool,なんて楽しそうなの!パパ!素敵!」

ジェーン・ジョーンズ(十女・11歳)
「ちょっと、わかったからもっと奥に詰めなさいよクリスタル」

サラ・ジョーンズ(長女・20歳)
「こら、ジェーン、いきなり喧嘩はヤメなさい」

エマ・ジョーンズ
「いいでしょコレ?あたしが考えたのよ。
コレでチケット代はパパとママの分だけでいいのよ」

キャサリン・ジョーンズ(五女・16歳)
「なんてエキサイティングなのかしら!さすがエマね!グッジョブ!」

ケイト・ジョーンズ(次女・19歳)
「フンッ、こんな狭いとこ、あたしはネズミじゃないのよ」

メラニー・ジョーンズ(四女・17歳)
「何言ってんのよケイト、グランパに会えないよりマシでしょ?
そんなことよりも早くグランマのアップルパイが食べたいわ!」

ジョディ・ジョーンズ(六女・15歳)
「ちょっとぉジェーン!あたしのスカート踏まないでもらえる!」

リブ・ジョーンズ(九女・12歳)
「そう言うアンタこそあたしのスカート踏んでんのよ!」

アンナ・ジョーンズ(八女・13歳)
「アンタが太り過ぎなのよ、そんなコトもわかんないの?」

キーラ・ジョーンズ(十一女・10歳)
「よくそんなこと言えるわねアンタも、
こういうのを目クソ、鼻クソを笑うって言うのよ」

サラ・ジョーンズ(長女・20歳)
「キーラ、お願いだからあたしの前でそんな汚い言葉使わないでちょうだい」

ケイト・ジョーンズ(次女・19歳)
「わかったから早くして!
こんなとこディビットに見られたらどうするのよ!」

メラニー・ジョーンズ(四女・17歳)
「あ、ディビットだ!」

ケイト・ジョーンズ(次女・19歳)
「え!?マジで!?やっばいどうしようどうしよう!」

メラニー・ジョーンズ(四女・17歳)
「ウソ、ウソ」

ケイト・ジョーンズ(次女・19歳)
「テメーぶっ殺すぞマジで!」

サラ・ジョーンズ(長女・20歳)
「ケイト!それはナシ!その言葉はいくら何でもカゲキング!」

ジョディ・ジョーンズ(六女・15歳)
「カゲキングって何?」

エマ・ジョーンズ
「過激の王様ってコトでしょ」

クリスタル・ジョーンズ(七女・14歳)
「ふふ、ケイトは女なのに【クィーン】じゃないとこがcoolね」




リサ・ジョーンズ(妻52歳)
「はい、じゃあそろそろみんなこっち向いてちょうだい、写真撮るわよ」





それで撮れた一枚が今日のTOP画、
題して「ジョーンズ式スーツケース大作戦」
さすがはアメリカ女たち、
シャッターのタイミングに合わせてみんな絶好のsmileです。

ちなみに写真左上が三女のエマ、その右隣りが七女のクリスタル、

これだけ賑やかな娘たちに囲まれて、夫婦はさぞかし幸せでしょう。









peace


ヒカリナキセカイ,

2009-01-20 | 読み物

第3次世界大戦、通称【最終戦争】後、世界は核汚染された紫色の分厚い雲に覆われた。宙と陸を遮断したその雲は人々から【光】を奪った、僕らを包みこむ悲しい闇には月が浮かばないし星は唄わない、全ての鳥がカラスのようだ。「退屈な空ね」と呟く彼女の横顔はゆたゆたと揺れるキャンドルの灯に照らされている。




僕はラジカセの再生ボタンを押した、

僕らが子供だった頃の音楽が流れる、

この世界が光に充ちていた頃の記憶が蘇る、

目を閉じる、






僕らがもう一度青空の下で暮らせるかどうかは、今のところまるでわからない。


でも正直な話、そんなコトどーだっていいよ、





Love&peaceのpeaceは死んだ、

だからこのLoveだけは守るわ、




つまり僕が君の【光】になれるかどうかだと思うんだ。






One love.



涙を、獅子のたて髪に

2009-01-09 | 読み物

登場人物

一番前・セイイチロウ(27歳・独身)
二番目・次元大介(年齢不詳・独身)
三番目・浦島太郎(年齢不詳・独身)


セイイチロウ
「しっかし最近騒がしいね、浮世。よほど不景気らしいよ」

大ちゃん
「けっ、不景気だろうが好景気だろうがこっちは生まれつき貧乏だぜ」

浦島太郎
「あっれ~おっかしいなあ亀いないなあ」

セイイチロウ
「亀?」

浦島太郎
「うん、この辺で亀がイジメられてる段取りなんだ」

セイイチロウ
「段取り?」

浦島太郎
「あ、その辺は大人の事情だからほっといて」



大ちゃん
「俺の街じゃ【ホームレス】なんて呼ばないぜ」

セイイチロウ
「へぇ、なんて言うの?」

大ちゃん
「乞食。」

セイイチロウ
「・・・そっちの方が愛を感じるわ」

大ちゃん
「首切られ乞食予備軍のヤツらもよ、
せっかく束になってんならデモやビラ撒くだけじゃなくてもっと頭使えってんだ、
そー思わねえか?」

セイイチロウ
「まあな、でもそういう頭がねえから首切られたんじゃね?」

大ちゃん
「いやそういう頭がねえから使われてたんだな末端の工場作業者として」

セイイチロウ
「なるほど、確かにそーかもしれんね。欠落した想像力、奴隷の必須条件だ」

大ちゃん
「今の時代の若いヤツらもいずれはああなるぜ、
自分の頭で考えてないヤツが多すぎる、
流行を追って周りと同色に染まって安心してるバカが多すぎる、
死ぬほどくだらねえぜまったく。
人を人として扱わない心ないクソ企業に吸われて死ね。

・・・お、いい女がいるぜ見てみろよ、ヒューッ」

セイイチロウ
「加賀まりこの若い頃に似てんね、最高」

大ちゃん
「ヌキてえな」

セイイチロウ
「いや、俺は足りてる」

大ちゃん
「けっ、よく言うぜ」

セイイチロウ
「なあ、どうなると思う?」

大ちゃん
「何が?」

セイイチロウ
「世界」

大ちゃん
「どーなっても何も変わんねぇよ、
朝は来るし夜になるし雨は降るしいずれ晴れる」

セイイチロウ
「俺、雨、すっげー嫌い」

浦島太郎
「カメ?」

セイイチロウ
「アメ。

あ、虹だ!」

大ちゃん
「いいねえ、灰色の空に色だ」



浦島太郎
「あ、亀居た!」



大ちゃん
「ところで・・・俺らどこに向かってんだっけ?」




セイイチロウ
「どこでもねえよ、前に進むだけだ」













peace


ふるさとの友達、あの空の下で、

2009-01-08 | 読み物

懐かしい写真が出てきたので紹介します、
言うまでもなく一番左のお調子者が僕です。
これは幼稚園の頃ですから5歳くらいでしょうか?
家の塀のペンキ塗りをよくサボってはポリー叔母さんから怒られていました。
この写真に写っているメンバーとは特に仲が良く、
今でもたまに飯食ったり呑んだりしてます。

僕の隣りの(左から二番目)佐々木君は都内の医大を卒業して研修医を経て去年の春から都内某所の大型複合病院で内科医を営んでいます、自分の彼女を他人の男と性交させて快感や愛を感じるという変態スワッピング馬鹿野郎です。でも仲間内で一番のリッチマンだし、羽振りもいいので、大切な友達です。

佐々木君の横でクールに笑う元村君は社内イチのセールスを毎月叩き出している優秀な営業マンです。売っている商品は電気毛布、主なターゲットは独り暮らしの老人、口ぐせは「印鑑つかせりゃ打ち出の小槌ッスよ」、最初にこれ聞いた時に僕は憤慨して一発ぶん殴って「俺の親んとこ行ったら殺すぞ」と忠告してからすぐに仲直りしました。普段は可愛い奥さんと二人の娘を大事にしている気立てのいい男です。

その隣りの(一番右)僕と同じくらいお調子者の遠藤君は韓国プロ野球の三星ライオンズ(サムソンライオンズ)でクリーンナップを打っています。昨シーズン、首位打者は取れなかったもののリーグ2位という優秀な成績を残しています。「今シーズンは狙いに行く」お正月にみんなで初詣に行った際に仏さまに宣言していました。チェ・ジウは意外と大胆だと言うコトを僕に教えてくれたのは彼です。

その隣りの(一番の右の右※見える人にしか見えない)松木小太郎君はこの写真を撮ってから5年後、台風で水かさの増した川に一人で泳ぎに行って案の定流されて河口付近に浮かんでいるのを発見された故人です。写真を撮った時には間違いなく映っていたのですが、今ではほとんど見えなくなってしまいました。残念ですが、僕らの心の中には今でもハッキリと写っています。SMAPの稲垣吾郎に似てます。



いやぁ懐かしいなあ、みんな若いなあ、若いというか子供だなあ、
次の飲み会のときはこれ持っていってみんなを喜ばせてあげよっと。





ふるさとの友達、あの空の下で、






peace




我輩は猫である、名前なんていらない

2009-01-07 | 読み物

★12月27日:昼頃

女は陽の指す方角からやって来て腰を屈めると携帯電話を取り出して写メ撮って僕の頭を撫でた後、足早に駅の方に消えた。



★12月29日:夕方頃

初老の男が僕の隣りに腰掛けてワンカップを飲みながらぶつぶつと呟く、何言ってんのかよくわかんないけど、顔の表情からして御機嫌ではなさそうだ。近頃そんなオッサンが増えた。人間も色々と大変らしい。



★12月31日:昼頃

女の子が僕の方に近づこうとして、女の子の母親がそれを制した。母親は汚いものを見る目で僕のことを見ていた。似たような目をした人に捨てられた昔を少しだけ思い出した。悲しくはなかった。飼い猫から野良猫になって、僕は自由の本当の意味を知った。



★1月1日:朝頃

人がいつもより派手な格好をして往来を行き交う。何か特別なことでもあったのだろうか、こんな日は誰も僕のことを気にしない、と思ったらタバコをくわえた変な髪型の男が来て僕の後ろから写真を撮ってまたどこかに行った。男が居なくなった後に、置いてあったアメ玉に気付いた。あ、このアメ僕の好きなヤツだ。



★1月3日:夜頃

寒い夜だった、派手なドレスを着込んだ酒くさい女に蹴られた。舌を噛んだ。死んだら呪ってやるからなクソアマ。猫の呪縛をナメんなよ、



★1月4日:朝頃

昨日の夜、僕を蹴った女が昨日の夜よりもずっと地味な格好でミルクを持って僕に謝りに来た。何か言いながら寂しそうな顔で僕の頭をずっと撫でてくれた。女の手のひらから感情が流れ込んでくる、そうか、君も独りなのか。切った舌の上、甘い甘いミルクが染みた。僕はこの女を許す。ミルクに釣られたからではナイ、女の涙にゃ猫も弱い。



★1月6日:夕方頃

そういえば、近頃雨が降らない。雨が降ったら寒くなるからイヤだ。でも雨上がりの水溜りに映る電車の窓の流れるようなヒカリは好きだ。ここは笹塚駅前、人の足音が優しい町、僕が捨てられた町、僕らが生きる町。












peace