ここ数年、
咲いて散るのを見届けている白木蓮だが今年もそろそろ小さな芽が出てきた、
こっから毎年、咲きそうで咲かないもどかしい花を待つ日々が続くのです。
★DVD
「KAMACHOP/監督:松本庵路」観る
草野球の助っ人をしながら生計を立てていたKAMACHIとCHOPの二人は試合中に落雷で死んでしまう。その後、天国に行くための査定を受けながら「成仏」前の期間を新宿の街で過ごす。物語はそこで紡がれる。二人を査定する死神役に大森南朋、主演のKAMACHIとCHOPは映像集団・革命トマトの看板役者。この映画は「革命トマト」初の自主制作長編映画だそうで、映画への愛と、演技への情熱と、社会への叫びと、新しいことに挑戦する意思が、作中の至るところに散りばめられていた。鈴木庵路監督・脚本の、ユニークな世界観や設定に、感動、脱帽しました。面白かったス。なんでこんなにも自分の中に響くのかと思えば、映画のコピーに「負けっぱなしのボンクラどもにささげる」の文字。そんなワケでなんつーか、俺の。やはりボンクラな部分に深く突き刺さったのでした。もっと、しっかりと「生きよう」と思った。
★DVD
「チェンジ・リング/クリント・イーストウッド」観る
事実を基にした秀逸な脚本、上質なカメラワークとBGM、精密な時代背景。
映画を良く知る一流監督の傑作。
最初から最後まで飽きさせることのないサスペンスドラマ、
主演のアンジェリーナ・ジョリーを初め、役者陣の演技はすべて完璧。
演じることへの魂と、その魂の美しさに観客は魅了される。
舞台は1928年のロサンジェルス、
誘拐後、警察に保護されて送り届けられた「息子」はまったくの別人だった。
そこから、物語は大胆にも精巧に、複雑なドラマを展開させてゆき辿り着く場所が、
ありきたりな「HAPPY」ではなく、
ささやかな「Hope」というのも個人的に面白かった。
でも、確かに。「幸福」よりも「希望」が、
絶望の淵を経験した人の胸の中には響くと思う。
★読了・のぼうの城/和田 竜
数年前、あらゆるメディアや本屋のpopで絶賛されていた新感覚時代劇エンターテイメント。
読んでみて率直に、
エンターテイメント過ぎるわ阿呆か。と思った。
歴史上に存在したマイナーな城や、
その城に関わる個性豊かな人々を歴史の淵から現代に蘇らせた手腕と趣向は見事でしたが、
その世界の描き方が拙い。
大衆のバカにわかりやすく作ることを目的に書かれた小説なら納得がゆく気もするが、
歴史小説好きには強烈に物足りない作品。
これを入り口に、
色んな作者のレキシモノを読んでみるか、という読者の捕獲には役立っている。
この小説を「面白い」という人は、
もっと面白い時代劇小説に出会う可能性に充ちていると思う。
今年は、より多く様々な人の「作品」に触れて、
吸収できるとこは全て学んで、パクって、何らかの形でオリジナルにして解放するつもり
合掌