goo blog サービス終了のお知らせ 

EASY-GOING

始まりと終わりを繰り返し、繰り返すコトで回る地球

もどかしい花を待つ日々

2010-01-23 | 本や映画やDVD

ここ数年、
咲いて散るのを見届けている白木蓮だが今年もそろそろ小さな芽が出てきた、
こっから毎年、咲きそうで咲かないもどかしい花を待つ日々が続くのです。



★DVD
「KAMACHOP/監督:松本庵路」観る
草野球の助っ人をしながら生計を立てていたKAMACHIとCHOPの二人は試合中に落雷で死んでしまう。その後、天国に行くための査定を受けながら「成仏」前の期間を新宿の街で過ごす。物語はそこで紡がれる。二人を査定する死神役に大森南朋、主演のKAMACHIとCHOPは映像集団・革命トマトの看板役者。この映画は「革命トマト」初の自主制作長編映画だそうで、映画への愛と、演技への情熱と、社会への叫びと、新しいことに挑戦する意思が、作中の至るところに散りばめられていた。鈴木庵路監督・脚本の、ユニークな世界観や設定に、感動、脱帽しました。面白かったス。なんでこんなにも自分の中に響くのかと思えば、映画のコピーに「負けっぱなしのボンクラどもにささげる」の文字。そんなワケでなんつーか、俺の。やはりボンクラな部分に深く突き刺さったのでした。もっと、しっかりと「生きよう」と思った。





★DVD
「チェンジ・リング/クリント・イーストウッド」観る
事実を基にした秀逸な脚本、上質なカメラワークとBGM、精密な時代背景。
映画を良く知る一流監督の傑作。
最初から最後まで飽きさせることのないサスペンスドラマ、
主演のアンジェリーナ・ジョリーを初め、役者陣の演技はすべて完璧。
演じることへの魂と、その魂の美しさに観客は魅了される。

舞台は1928年のロサンジェルス、
誘拐後、警察に保護されて送り届けられた「息子」はまったくの別人だった。
そこから、物語は大胆にも精巧に、複雑なドラマを展開させてゆき辿り着く場所が、
ありきたりな「HAPPY」ではなく、
ささやかな「Hope」というのも個人的に面白かった。
でも、確かに。「幸福」よりも「希望」が、
絶望の淵を経験した人の胸の中には響くと思う。







★読了・のぼうの城/和田 竜
数年前、あらゆるメディアや本屋のpopで絶賛されていた新感覚時代劇エンターテイメント。

読んでみて率直に、
エンターテイメント過ぎるわ阿呆か。と思った。

歴史上に存在したマイナーな城や、
その城に関わる個性豊かな人々を歴史の淵から現代に蘇らせた手腕と趣向は見事でしたが、
その世界の描き方が拙い。
大衆のバカにわかりやすく作ることを目的に書かれた小説なら納得がゆく気もするが、
歴史小説好きには強烈に物足りない作品。
これを入り口に、
色んな作者のレキシモノを読んでみるか、という読者の捕獲には役立っている。
この小説を「面白い」という人は、
もっと面白い時代劇小説に出会う可能性に充ちていると思う。


今年は、より多く様々な人の「作品」に触れて、
吸収できるとこは全て学んで、パクって、何らかの形でオリジナルにして解放するつもり










合掌



しゃくれたアパッチと寺島進似の悪夢

2009-12-20 | 本や映画やDVD

東京に来て早幾年、あっちこっちのらのらと出歩いてはいるつもりだが
吉祥寺という町ではロクに遊んだことがなかった。
近頃、夕暮れ時から勤労させていただいている古本屋の、
同い年の、
薄赤ぶち眼鏡の、
痩せ型の、
そのくせ元高校球児だって言い張る、
とても素敵な店長が薦める、粋な本屋や、
爆音シアターなる興味深い諸々が吉祥寺にある。

だから、
あたい!キチジョージなら知ってるわよ!と鼻息を荒くするコブタを脇に、
キチジョージに行ってきた。せっかくだから映画でも観ようと、

ここでようやくタイミングが整い、
クエンティンタランの新作、イングロリアスバスターズ、観賞。




感想。★4つ

弾丸飛び交う戦場ではなく言葉の弾丸撃ち合う戦争映画の登場。

勧善懲悪物語ばかりで育った日本人には、
簡単には受け入れがたい両悪とも呼べるキャラ構図。
会話と会話の間に充満するヒリヒリとした緊張の空気、
躊躇のない銃撃戦、ところどころで垣間見れる斬新なカメラワーク、
何よりも音楽、脚本の完璧な出来は当たり前なのだがこの人の映画、
まるでBGMが先にあって、その後で場面をはめ込んでいるんじゃないの?って程、
場面に対する「音」のノリがCooool。

しゃくれたアパッチ、
ブラッドピットの残忍性とおとぼけ具合も非常に乙でヴォンジョルノ、
スパイ女優の足にめり込んだ銃弾をぐんぐん押えながらの尋問には、わたくし、
背筋に怖さとエロさの汗をだーだー流しました。
それにしてもナチ役のクリストフ・ヴァルツの怪演が凄まじかった、
最初から最後までその存在感をスクリーン上から垂れ流しにしていて、
純粋な恐怖を抱きまくりました、わたくし。寺島進「似」の。

ユダヤ系じゃなくとも、
ラストシーンには右腕を挙げて「イェー」と叫びたくなった。
あのラストーシーンには、
ユダヤ系の人なら子供からお年寄りまで立ち上がって喝采だな。
逸脱と逸脱を重ねながら、
悪夢と笑いを積み重ねて最高潮のテンションで最後に燃えて、
刻まれた額の鉤十字。


クエンティンタランの映画はいつも残酷描写がふんだんに盛り込まれているが、
その中に散りばめられた極上のユーモアを拾うのも楽しみ方の一つだと思う、





その後、けむり酒場で焼き鳥を食べて帰宅して泡風呂。

今夜はM-1、僕は勤労。嗚呼、この不幸を呪う術を僕はしらない。







peace


音のとまったファンク。ガダラ

2009-09-24 | 本や映画やDVD

ガダラの豚が、止まっていた。

そわそわしていた、

音のとまったファンク。ガダラ、





ぎりぎりの「際」がすごく巧い、らも先生。



ガダラの豚、


この物語は禁忌を破壊しながら進む、




怒りながら、にたり。

笑む著者の顔が文字に滲む。




メガネをかけた古本屋の兄ちゃんはいいヤツで、
わざわざ仕入れて、電話かけてきてくれたほどいいヤツだった。
豚は通常3巻セットで置いてある場合が多く、バラで売っていることはそうない。
僕は「そこをなんとか仕入れてもらえませんかね」と懇願し尽くした。

「じゃ、仕入れることが出来たら連絡しますっす」といいヤツは言った。


そこからきっといいヤツは、自分の足で東京中の古本屋を見て周り、
北はブックオフから南は商店街のしょうもない古本屋まで一軒一軒見尽くして、
結局案の定セット売りばかりでバラで売っている店など関東近辺にはなく、

いいヤツはamazonでそれを購入したのだ。きっと新品で購入したけど、

「ああヤバイ、このままじゃ新品の値段で売らなければならない、お客様に悪いなあ、よし一回僕がこれを読んでしまおう、そうすればこの本は「古本」になる、お客様も喜んでくれるに違いない。よし、お客様の笑顔が僕の元気の秘訣です」と呟いて、「三巻」なのに読んだ。ぜんっぜん意味がわからなかった、「三巻」だからだ。

それでいて特にそれまでに掛かった電車代の請求もして来ないし、
もちろんamazonで仕入れてくれたことは僕も知らんプリを決めた、



価格は古本価格のお値ごろだった、








ガダラの豚が、騒ぎ出す。











peace






ダークナイトと、おくりびと

2009-05-15 | 本や映画やDVD

宣伝文句に「アカデミー賞うんたらかんたら」使われている映画はほとんどの場合が個人的な趣向に合わないどころか、ぷペっと唾を吐きたくなるほど退屈な場合が多くて観らずにスルーしている場合が多いが(もちろん中にはそんな野暮な価値観をズタズタにさせられるほど素晴らしい映画もある「ゴッドファーザー」はモチのロン、「グラディエーター」にだってポっとくるシーンは在る。「ノーカントリー」も捨て難いけどコーエン兄弟の作品は毎回楽しませてもらっているのに、この映画は完全にアメリカ人向けの映画であり日本人である我々がダイレクトに理解出来る映画ではない気がした。)

先日、薬物過剰摂取パッパラパーで他界したヒース・レジャーが最優秀助演男優賞を受賞した「ダークナイト/バットマン」を観て、その面白さに私は口をパクパクさせて、おててをパタパタさせて、おめめをパチパチさせた後でお家芸のヒゲダンスを踊った。

まさに痛快だった、

別にアレやコレや得意面で解説や感想を述べても良いのだが、
時間が掛かりそうだからヤメておきますん、
観てない人は是非観てください。
始まりのシーンからすでに新しい匂いがするから、
銀行強盗が公務執行中に秘密裏に仲間を殺しあって分け前の取り分を増やす企みなんて「悪い」発想、チンケな脳味噌しか持ち合わせていない僕には衝撃的でした。
「うわ、うわん、それってとても「悪人」じゃ~ん」と思った、
銀行強盗する時点で「悪人」なのだが、
基本的にエンターテイメントの中の「銀行強盗」は悪人ではなく、
主人公一味だったりする場合が多いでしょ。



それにくらべて噂の「おくりびと」は全然おもんなかった。

あれが米国アカデミーの外国語部門を獲ったのは映画の中に描かれた日本の四季の美しさと日本人のワビやサビの尊さと、人の死に対する日本人の純粋で信仰深い「想い」と、納棺師という日本独特の職業にカルチャーショックを受けた審査員のお戯れでしょう。物語じたいはフツーの映画、万人からワーのキャーの言われるほど上質な作品ではなかった(からこそ、大半の阿呆はその乗っかりで観て、バカだからそれに染まりワーのキャーの言うのか)主人公だってチェロ奏者という上品な裏書きがなければただのうだつの上がらないイケメンリストラ葬儀人だ。主人公と父親の「繋がり」もアレやコレやの「伏線じみた」仕掛けを匂わせておきながら単純な終末を迎えるし、私的には★二つ。唯一、良かったのが「石文(いしぶみ)」という、ローカルの美しい伝統の存在を知れたコト。


【石文】とは人が言葉をもたなかった頃、
その想いを石に託して相手に渡し、
相手もその想いを石で返すという原始的だが究極に美しい行為。

渡すものが「石」であるため、
コミュニケーションツールとしては「粗」だが、
そのスカスカの余白を自身の想像力で補う為に逆に、
通常では伝わりにくい「想い」も充分に伝わるのだ。

汚い文字で長々と綴られたラヴレターより、
素朴で単純な石レターの方が、その愛は伝わりやすいのかもしらん。




それにしても最近の日本アカデミー賞は、しょーもない。
2009年のホントのアカデミー賞は間違いなく「マジックアワー」でしょう。

あれはマジで面白かった、三谷幸喜は日本コメディの宝だ。

03年に受賞した「たそがれ清兵衛」は大好き。それ以降は大半が茶番スね。



関係ないけど「たそがれ」とか「まどろみ」とか、
そういう「もにゃん」とした言葉の中に宿る凛とした日本語の奥深い味わいや慎ましさに、僕は毎々悶えているのです。



TOP画は昨日の新宿の「たそがれどき」

以下数枚、そんなたそがれご覧あれ




















モノクロの中に描かれる「光」は、いつも優しいんスよ。







one love.





ナイン・ソウルズと別れの手紙

2009-02-06 | 本や映画やDVD

ヘロー,ブラダー&シスター

イカした邦画のオープニングシーンを紹介したい。



「ナインソウルズ/監督・豊田利晃」

揺らぐ、水たまりに映る月から始まり
暗闇を疾走する9人の脱獄犯とそれを追うギターのリフが強烈にイカしているのです
(観にくいなら部屋を暗くして観ればいいのだよ、羊さんたち)

そして、疾走するそのシーンのままキャラクターの紹介が始まるとこも、
僕はすごく気に入っている。

ナイン・ソウルズ


映画の内容説明は今回の趣旨とは異なるために省かせていただくが、
物語も面白い、
板尾の怪演もいいけど松田龍平の存在感をガツンと知るコトになるはず。



そいえば昨日、チェ・ゲバラ38歳の別れを観てきた。

もともとは前編と後編で1本の作品らしいが、
ホントか?と思うほど毛色の違う後編に思えた。

前編であれほど使われていたBGMがごとき銃声は影を潜め、
その場面場面にあった「映画らしい」音楽が使われていた、
オーシャンズなんちゃらを撮った監督だけあって、
「画」もところどころスタイリッシュだった(スタイリッシュって言葉カッコ悪)

後から知ったことだがソダーバーグ監督は、
ボリビアでの出来事(つまり後編)を映画にするために、
前編(キューバ革命前)を描いたらしい。

なんだか、とても納得。


彼(ソダーバーグ)はラストシーンに想いを込めたはずだ、

エルネストは死ぬときに、

フィデルのコトを想い出したのか。



僕なら、どうだろう・・・

母親や恋人や、家族ではなく、命の最期に友人を思い出す「想い」

友情とか愛とか、そんな言葉なんてちっぽけなんだ、


「祖国か死か」に込められた想いは、

込めた者にしか触れられない絆を生むのだろう。



この映画の本音は「革命」ではなく、

「友情」を叫びたいのではないかと思ってしまった。











合掌


冬が来たのだ。つまり

2008-11-12 | 本や映画やDVD

摂氏10度とほんの少し,しかも雨で風は冷たい。夜が来るたびに億劫になる、外よりも寒く感じる自分の部屋。気象予報士は「12月上旬の気温です」を強調している、冬が来たのだ。つまり映画が観たくなる季節だ、

さっそく週末から立て続けに何本か観た、


「ミスト/スティーブン・キング原作×フランク・ダラボン監督」

ショーシャンクの空に、グリーンマイルを文字から映像へと昇華させたイマジネーションと商業力を併せ持つ監督。
ショーシャンクの空には10年以上前に観て以来観てない映画、
未だに人気が衰えていない名作の一つ。素敵映画だった記憶はある、
ジィさんの首吊りが心に残っている、
ジィさんの抱いた絶望の味が、苦かった記憶。

グリーンマイルは、金曜ロードショーで一度観た、
デカいおっさんが吸ったり吐いたり、都合良く具合悪い映画だった覚えがある。
別におもろいとは思わなかったけど。

ほんで「ミスト」はというと、途中で観るのをヤメて寝た映画だった、
いちいち物語のつなぎ目が雑で、荒かった。
込められたメッセージの箇所が違うのはわかっているが、俺には無理。
細部にまでストーリーの粒子を散りばめてある映画と、
そうじゃない映画の、底の深さ浅さが致命的。
結局あのタコみたいなイカみたいな足の持ち主の正体も何もわからないまま、
どーでも良くなって寝た。
これだから「大ヒット御礼」とかなんとか自分で自分を称えたDVDはおもんない。

「これが観たい」といってミストを借りてきたチシキ君は、俺よりも先に寝てた。
この野郎、


二本目、

「迷子の警察音楽隊/エラン・コリリン監督作品」

行き先を間違えてイスラエルに着いてしまった、
エジプトの警察音楽隊のお話。
エジプトとイスラエルの因縁や黒歴史には
まったく触れずに淡々と進んでいく心地いい物語。
随所に散りばめられた「笑い」はシュールな後味も醸し出す。

所々に、監督の「映画好き」が垣間見れて楽しい。
音にも画にも、上質な映画の雰囲気が漂っている。

ローラースケート場での3人のシーンは最高。

アレだけでもこの映画が、最高に素敵に思えた。
地球の隅で起こった「とある特別な一日」
ユルい幸せに満たされたいのなら、オススメです。



三本目、

「マルコヴィッチの穴/チャーリー・カウフマン原作×スパイク・ジョーンズ監督」

同居人のマー坊が何ヶ月前に「観れば?」と置いていった「マルコヴィッチの穴」をようやく観賞。チャーリーカウフマン脚本だから面白くないわけがない。アダプテーションやエターナルサンシャインを作り出した奇想天外頭脳の持ち主。
「観よ,観よ」と思いながら手元にあるからなかなか観ないのは人間の性(さが)、
長い間放っておいたせいか熟成されたのかコレめっちゃくちゃ面白かった。

終始、好奇心の目で物語を追えた、
設定も状況も散りばめられた粒子も、上質だった。
やっぱチャーリーの頭ん中はバカ。丁寧に片付けられて計算されたバカ。
何度も笑わされた。




映画は、夏よりも冬がいい。冬よりも夏に似合う「音楽」があるように、
コーンポタージュ代わりに、たまにはいいよ。






peace


エルトポの夜、

2008-08-11 | 本や映画やDVD

「あからさまに人が少ないやないの港区」と思った、朝の通勤途中オン・ザ・路上

まるで俺が知らん間に政府緊急避難放送か何かがあって、
みんなして「わあわあ」とこの街から逃げ出した後じゃないかって程、
人が少なかった。子供は裸のまま馬にまたがり、両腕だけが異様に太くて短い女がいて、聖人もウサギもウナギもガンマンも、みな往々に逃げ出した後だ。

ほんでこの奇天烈な妄想は、昨日観たDVD「エル・トポ」のせいなのです。

静岡在住の元・細腕のベーシスト(son of a bitch若松)は子供の頃から映画が好きで、中学の頃から一人で片道1時間もかけてダウンタウンまで映画を観に出掛けていたのを覚えているが、あれから変わらず10年経った今も、生粋の映画好きでそこいらの「映画?よく観るよ」と言って好きな俳優の名前を聞かれて「う~ん、やっぱウィル・スミスだね」と応えるポコチンとは一線を画す男だ。わかるか?坊や

ほんでその細腕の親殺しコト若松が今回は「オススメのDVD」をわざわざ持ってきてくれていたから、早速昨晩、シネマ・ヤマシタで観賞した。エル・トポは、強烈だった。細腕の水野晴郎ことワカマツは「この映画はジョンレノンやウォーホールもハマった!」と興奮気味に話していたが、さすがジョン・レノンやウォーホールやワカマツは違う。僕はこの映画を受け止めるコトは出来たが「理解」するコトは出来なかった。映像は綺麗だが残酷で、言葉は詩的だが退廃的なカルト・ムービィの至宝エル・トポ。たくさんのフリークス(障害者)がマシンガンで撃ち殺されるラストシーンに、監督は何の想い込めたのか、、、

でも1回観ただけじゃなくて、もう一度いつかのタイミングで観たいと思った。
細腕の淀川長治ことワカマツが「おもろい!」というのなら、
面白くないワケがないのだ。俺に何かが足りてないだけだ、

しょ~ゆ~こと。


だから、ありがとう。また何か持ってきてよ、
ノー・ジャンルで、生粋の映画DJのチョイスは何度でも味わいたいから。


というわけで、今日は映画の話を続ける、
なんだかんだ言いながら未だに僕の中の映画ランキングの上位から揺らがないドイツの名作「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」がリメイクされるそうだ。
何ヶ月か前の古い記事に今日気付いて嬉しくて「マジっすか!マジっすか!マジっすか!」を繰り返したところで、リメイク先の国は「日本」主演はTOKIOの長瀬智也だということを知り、へたる。グニャっとへたる。以下どこからか抜粋↓

***************
ヘブンズ・ドア
車工場で働いている青山勝人は、彼女にはフラれ、家賃も滞納し貯金もなく、会社もクビになる。そんなとき、自分が生きられる時間が残り少ないことを知らされる…。どん底の勝人は、病院の中で春海という少女と出会う。彼女も、先天性の疾患に骨肉腫を患い、長く生きることが出来ない。性別も年齢も違う2人だが、いつの間にか意気投合。2人は酔った勢いで、病院の駐車場から車を盗み、脱走する。それは、春海が生まれてから未だ見たことがなく、勝人にとっては思い出が詰まった“海”を目指す旅の始まりだった…。1999年に日本で公開されたドイツ映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』が原作。
***************

来春公開、
青年と少女が、まだ見ぬ海を目指すらしいッスわ。
ひとまずはノーコメントでいこう。それにしても、
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」を初めて観た時の感動は凄かったよ、
うわ、なんだこの感覚は!と身体中の全部の神経が夏祭だった、
ロードムービーは基本的に面白いけど、
目的が「海」なのと、それを目指す「理由」に痺れた。
まだ観たコトない人は、是非。じゃなきゃ、天国で、話に置いていかれても知らねーよ。


終末に観たDVD、もう一本「ナイスの森/石井克人, 三木俊一郎, ANIKI

別に何らナイスではないコント集、俺的★2つ
たまにフラっとこういうの借りて観終わって凹む。
次は、おもろい映画に出逢いたい、


そういえば、懐かしい夢をみたんだ。昨日の夜は、
カルト映画を観た夜に、まるで似合わない心地いい夢をみた、
アイツは元気でやってんだろーか、寝起き早々、そんなこと思った




peace


映画、あれこれ

2008-04-21 | 本や映画やDVD

同居人のチョリさんの部屋からプロジェクタを盗んだ。壁に映像を映し出すアレだ、犯行は白昼に堂々と行われた。「大画面で野球ゲームしようぜ」同じく同居人で失職中のウルフ青木と僕と、贅沢な遊びを満喫するべくその行為に及んだ。感覚的には「愉快な大人の小学生」でいいよ、俺らもその辺は派手に開き直っている。

我々の犯行は大胆だった、
(プロジェクターの)主は仕事で留守にしている。手際よく窃盗を完遂した。
事の提案から15分後、僕とウルフ青木は迫力の大画面で野球ゲームに没頭できた。

1試合が終わり俺の勝利。ウルフ青木が「もう1試合」と切実に懇願、
気前よく「ええよ、やったる」って時に電話が鳴るPM4:58、国際電話だ。

「ヘロー」スカした感じで電話に出る俺、「もしもし!」日本語だ、中国に居る友人からの電話だった、「5時のチャイムが聞きたくて電話した」なんて素敵な理由なのでしょう。思わず胸がトキめいた。

駆け足で屋上に向かう、風が強い、家の前の中学の校庭で木々が乾いた風の中で騒ぐ、そしてチャイムが鳴る。

結果的に5時のチャイムがゴング代わりで、哀愁に浸る間もなくしゃべった。
積もる話を選びながら崩し、近況を報告した、
そしてアイツは言った「つーか恋しろよ、恋。恋はすべての源だぜ」
数年前の韓国の空港内での一目惚れを現在に結びつけた男の言葉はいつも熱い、
なんつーか、格好良くしぶといんだよなお前は。つくづくガッカリさせない男だ。
年食うたびに誇りに思うわ。恋しろよ、なんて言われたのも久しぶりだった。

そして1時間に足らないくらいで電話を切って、俺はスタジアムに戻った。

ウルフ青木の「泣き」から始まったその試合に勝ったか負けたかは忘れてしまったが、夜は来た。

俺はそわそわとDVDをコンポにセットして音調を整えた、部屋が映画館の快感、
「物語」好きにはたまらない環境だ、
今夜は誰の、どんなストーリーに魂を浸すか、選んだ。
俺の指先がDVDのジャケの細い背中をつまむ「ナインソウルズ/豊田利晃」

ナインソウルズ/豊田利晃

巷の評判をザラリと見るにその評価はマチマチだが俺の中では★5つ、
文句なしに俺の中の邦画ランキングを変動させた、あのオープニングは格好良すぎる。あんなに格好いいオープニング久しぶりに観た気がした。なるほどコレがあの「青い春」と袂を分け合った【衝動】なのか、と一人で感心。松田龍平、遺伝子は受け継がれているよ、「新しい松田優作」なのかもしれない。格好いい役者だ。昔、大島渚監督の「ご法度」で競演したビートたけしが「親の七光りでイバってるガキがいたから背中から蹴ってやろうかと思った」とコメントしていて、それ以来彼のことをナナメからの目線で観てはいたが、改心して感心。恐れ入ります。

続け様に「Helpless/青山真治」を鑑賞。

あれやね、やっぱり画面がデカくて音響も心地いいと何本でも観れる。ヘルプレスはまさに救いようのナイ映画、浅野忠信の初主演映画ということで知ってはいたが、映画の雰囲気的に落ち着きのない俺は観ている途中で寝そうな気がして食わず嫌いしていた。最近思うのは、自分に幾らか「落ち着き」がついたコトで、映画でも何でも心底集中出来るようになったということ。ま、寝るけどね、眠たくなったらいつでもどこでも。ほんで、映画の感想は「すばらしい」こんなに破壊的な日常はない。まさに救いようのない物語。北九州サーガと称される三部作の一作め。近々、順に追おうと思う、遅ばせながら。脚本・音楽・監督を一人でこなす偉人がたまに居るけど、その才能を全身で尊敬します、俺は。青山真治氏、奥様とよた真帆。

あと「真説・タイガーマスク」って哀川翔主演のVシネマを観た、案の定トホホだった。その他「ナイト・オン・ザ・プラネット/ジム・ジャームッシュ」、81年に製作されたポーランド映画「偶然/クシシュトフ・キェシロフスキ」は観てナイ。これからなのだ、とても楽しみだ。我が部屋映画館。キネマ・セイイチロー。


週末、腹いっぱいになりました。


ありがとう




peace











カレーと母べえ

2008-01-28 | 本や映画やDVD

昼に某大手カレーチェーン店で豚しゃぶカレーを食べながら思った、
「僕があの不可解な日本語を使う暑苦しい中年の芸能人を嫌いになれないのは名前にカレーを感じるからだろうな、ルー大柴。それは置いといて、しかし僕は馬鹿かというくらい週に何度もカレーを食べてはいるがそもそもこのカレーはいつから日本にあるんやろか」気になって調べてみた、実は意外と古くて織田信長もカレーを好んでいました【天下統一にはカレーが不可欠!猿はおるか!猿よ!余にカレーを持って参れ!男らしいジャガイモをたくさん入れるんじゃぞ!】とか書かれていたらなんか嫌だなあとか妄想しながら調べてみた。

カレーの歴史は案の定浅く、明治の頃に文明開化の流れの中でイギリスから伝わったものらしい。つまり僕らのカレーはインド生まれでイギリス育ちなワケだ。そういえば、なんとなくユニオンジャックの気品漂う気もするなあ、なんて適当なコトをホザく俺。歴史には数々の分岐点があるが、関ヶ原の戦いや第二次世界大戦同様、カレーの伝来も、僕にとっては大きな「その時、歴史が動いた」なんです。カレーのある国に生まれてよかったなあ、と日々感謝しております。

話変わり、年明けからのマイブーム「男はつらいよ」週末が来るたびにDVDをまとめて借りて観ている。毎回笑い、毎回ウルウルさせられ、日本中の妹のお手本とも言えるサクラのヒトコト「お兄ちゃんは何も悪くないのにね」に慰められている。
そして週末、山田洋次監督の新作・吉永小百合主演の「母べえ」を同居人のマサべえに誘われて観に行ってきた@渋谷。

全てが今のように「自由」じゃない戦乱時代の物語なわけだが、
大女優吉永小百合の演技は手触りの優しい鋼の鎧。母の強さと女の弱さ、大画面でまじまじと魅せられた。浅野忠信はいつもとは違った役を相変わらずの自然体で難なくこなしているように観えた、僕らが知らない昔の銀幕に石原裕次郎や勝新太郎が居たように僕らの時代には浅野忠信が居た、きっとそういう存在になるんだろうな、もうすでにそんな存在なのかもしれない。
そして僕は初めて志田未来という小さな女優の演技を観たが、驚いた。言葉なしで人を釘付けにする存在感。劇中で流れる彼女の涙に強烈な才能と底無しの表現力を感じた。うわあ、あの子すっごい女優になるんだろおなあ、映画館を出て涙目のマサべえと僕は呟いた。その他のキャスティングも見事で役者の演技も素晴らしかった。

ラストシーンは、心をエグられて、エグられた箇所に激辛のチリソースを流された気分になった。涙するというより、僕には正直痛かった。


悲しみの感情の奥に「痛み」を感じたときに人は泣くコトも出来ないのか。

初めて知った。


僕はもう二度と観ないと思います、それくらいいい映画でした。
是非ご覧下さい。

http://www.kaabee.jp/
【母べえ】




peace


グミ・チョコレート・パインon the road.

2008-01-24 | 本や映画やDVD

昨晩は東京家族ミオ姉のバースディを祝い、ショウトケーキを食べる。
ショウトケーキを食べながらテレビに釘付け、長らく久しぶりにリビングでテレビを観た、スカパー観たのは、昨シーズンのジャイアンツ最終戦以来だ。それにしても観りゃおもろいんがディスカバリーチャンネル。毎日毎日世界中でディスカバリーしとるよ。飽きずに彼らは。昨日は洞窟探検隊が洞窟の中に書かれた2000年前の文字を発見していた、2000年前だぜ?日本では弥生時代くらいか?稲作が始まった頃だ、まさか2000年後に発見されるとは思わなかっただろうな、その文字も。俺もいつか死ぬ前にフラっと出掛けて、誰も知らない何処かに言葉を綴ろうと思った、誰の目にも触れず、時を越える言葉。どうせならラブレター書こう。拝啓みやざきあおいちゃん。

そいえば、今年の初読み。
念願の「on the road/Jack Kerouac」の新訳版をマイ・ファーストブック08にしようと思っていたのに、去年か一昨年に友人から借りたまま未読の「グミ・チョコレート・パイン/大槻ケンヂ」に浮気してしまい、これがこのまんま今年の初読みになりそうだ、だって読みやすいんですもの。バカだし。

【on the road】は言わずと知れたアメリカン文学の名作。
これを読んで覚醒し、ある者は音楽へ、ある者は映像へ、ある者は詩へ、ある者は快楽へ、それぞれのオンザロードを歩み始めたはずだ。日本でも何十年も前に翻訳され未だに愛され続けている「路上」
生粋の文学少年ではない僕にとって何十年も前に訳された「路上」の言葉使いや言葉選びに興味が騒がず、読んでみようかなあと思いながらもそのまんまだった、だから去年の末に半世紀ぶりに「on the road」の新訳が出たって聞いたときは「待ってました」と裸踊った。ありがとう翻訳者の青山南さん。ありがとう世界文学全集。未だ完読の道はボヤけてはいるが、本書の言葉のスピード感、ザラついた時代背景、脳裏に浮かぶのは40年~50年代の広大なアメリカの地平線と、狂乱な仲間たちとの宴。夜はとうぶん終わらんよ。読むというより読みながら「描く」珠玉の名作、真剣にCRAZYだ。

【グミ・チョコレート・パイン】読むときの気分とタイミングは当然大事になってくるワケだが、確かにおもろい。今はおもろい。【one the road】がなんせ分厚いヤツだから、部屋の本棚から気分転換のつもりで何気なく手に取ったこの文庫本。大槻ケンヂ氏の自伝的小説。童貞たちの青春グラフィティ。冴えない高校生が自分たちの世界の中で奮闘するお話。ひたすらに読みやすい言葉で、あの時期特有の悶々とした日常が踊るように綴られている。氏がこれを書いたのが93年、当時27歳。今年の俺の年か、なるほど。こういうとこからも、刺激を受けたりした。でも、確実に彼は変態で、天才なんだと思う。やっぱ変態に天才って多いよな。



今年も日本語を、
「言葉」を愛そうぜ俺よ、お前も。





peace