オランダから緊急帰国したのは、父が亡くなったからでした。あれから1年2か月。気持ちも落ち着いたので、今の心情を明かします。
本家の長男で跡継ぎなのに、「家を守る」ことの意味や責任も分からないまま、若さに任せて実家を出てしまった自分。そのうちに家庭を持ち、仕事が安定し、ようやく跡継ぎの自覚が芽生えた頃には実家に帰るのが困難になっていました。
そんな風に実家を出ていながら、いい加減な仕事をしているようでは両親や親戚を裏切っているようで申し訳ない。両親達を犠牲にしてまで働いているんだから、一生懸命に働かないといけない!そんな気持ちを原動力として頑張ってきたけれど、海外出張中に父親を亡くしてしまうという結果になってしまった。 何のために働いているのか、自分がしていることはなんなのか、悩みました。
出張中にそんな結果になるかもしれない・・・不幸な可能性も感じながら、結果的に出張の話を受け入れたことへの後悔は大きかった。
オランダで共に仕事をした同僚に、心配を抱えながら出張したことを吐露した時に、「受け入れたんなら今更そんなこと言うな」と言われた時には、殴り倒したいほど許せなかった。これだけは今も許せない。
仕事への誠心は各段に衰えました。 それでも責任感だけは残るようで、ただやみくもに頑張り続けるだけです。
海外出張の話はまたあるんだろうな。 今置かれている立場や周りを見回すと、たぶん近いうちに。
海外で仕事する自分のことを、父は誇りに思ってくれていたと思う。頑張れと応援していたと思う。でも、これからも海外出張を受け入れるかどうか、今でも答えが出せません。どうしても前向きな気持ちにはなれません。