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春夏秋冬

特掃隊長のひとり言

独り立ち

2009-06-20 07:49:31 | 日記
現場近くの道路で待機していた、ある日の午後。
私の車の近くを歩く、一組の母子。
母親は若く、子も小さい。
その姿を微笑ましく見ていると、母親と離れてヨチヨチ歩いていた子が、足をからませて転倒。
母親は、すぐに駆け寄って子を抱き起こすかと思ったら、そうはせず。
一歩も動かず、アスファルトに腹這いになって泣く子を見つめた。

私が、〝虐待〟を心配する中、膠着状態はしばらく続き・・・
自分で立ち上がるしかないと諦めたのか、子は一人で立ち上がり、泣きながら母親に向かって駆けだした。
一方の母親は、地面にひざまづいて、駆け寄ってくる子に向かって両手を広げた。
そして、「一人で起きて偉かったね」と言って、子を強く抱きしめた。

抱き起こしてやるだけが、親の努めではない。
一人で立ち上がる力をつけさせてやることも、また親の努め。
前者は、親も子も楽。
後者は、子も辛ければ親も辛い。
大切なのは、愛に根ざした生きる力と知恵を持つこと・・・

「子供の頃は不満に思ったことが多々あるけど、一人で立つ力は自分一人でつけたものじゃないんだよな・・・」
この歳になって、やっと感じる親の恩である。






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