That's the Way I Am

私の好きなものについて

映画 ■■シベールの日曜日■■

2012年12月05日 08時44分36秒 | 映画
日比谷みゆき座の『午前十時の映画祭』
観に行ってきました
1000円は嬉しいですね。



映画 ■■シベールの日曜日■■





yahoo映画の評価(2012年12/4現在) 4.27(5点満点)



ううううううーむ。

怪しい。
危ない。

ピュアな心を持った若い男性と

おませで、表情がくるくる変わる
大きな瞳が魅力的な女の子



心に穴が空いて
すきま風が吹き抜ける
寂しい気持ちを持った者同士
どうしようもなく惹かれ合う



「ただの友情」とか
「ただ、子どものように遊んでいるだけ」とか
微笑ましく見守るには「?」が残る

子どもが2人、無邪気に遊んでいるようにも見え
ある時は、父親と娘のようにも見え
またある時は、恋人同士にも見える



なんだか怪しい、危ない雰囲気を感じてしまうのは
私の心が汚れているから???



フランソワーズは
「ただの無垢な子ども」であるとは思えない
底知れなさ
摩訶不思議さを持っている

おませな女の子によくある小悪魔っぽさだけじゃない

身寄りが無く
父親にも捨てられた孤独から
「愛して欲しい
優しく包み込んで欲しい」と訴える瞳が
人を惹きつけてやまないのかな



ピエールの方も
フランソワーズが不憫で
放っておけなくなってしまうのだけど

それは純粋な
「大人の善意、いたわり」以上の気持ちになっている

フランソワーズに接近する男の子に嫉妬して
大人げなく叩いてしまったり
馬に乗った男性にフランソワーズが興味を抱くのが
落ち着かない

しっかりジェラシーを感じているではないか

フランソワーズに恋愛感情に似た気持ちを
抱いているように見えた

一緒に暮らしている成人女性のマドレーヌよりも
子どものフランソワーズの方に
心を奪われているのだ



二人が秘密の時間を楽しんで
子どものように追いかけ合っている所を見ると
なんとも言えず
危険な香りを感じて落ち着かない



成人女性より少女に惹かれているのは
大人の男性として不健全な印象を受けるし

この微笑ましい関係から
更に一歩進むことがないだろうかと
心配になってしまうのだ
(心が汚れているね!)



でも、ピエールの場合
性癖に突き動かされているのではなくて
あくまでも、フランソワーズへの愛情は
ピュアで素朴

戦地で、自分が殺したかもしれない小さい少女を
フランソワーズに重ねているのだ

罪悪感を晴らしたい
あの小さい女の子を
全力を挙げて守りたい...

そんな、戦争で負った精神の傷が
フランソワーズを守り慈しむことに
駆り立てているように見えた

だから、ピエールがフランソワーズに惹かれるのも
よく分かった
ピエールの心が弱いとか、病気だとかは思わない



あくまで二人は
汚れのない、悪意のない
無垢な遊びをしているだけなのだけど

周りの大人達は
私のように
どうも落ち着かない

なんだか怪しい、危ないと感じてしまう






この映画を観て思ったこと

「二人が出会わなければ良かった」とは思わない

心を切り刻まれるような
一生残る、大きな痛みを残したとしても

二人が出会った偶然は
二人が過ごした夢のような時間は
「無ければ良かった」
とは思わない...

つかの間だったけど
二人は確かに
世界で一番大切な人に出会い
宝石のような時間を過ごした

あの二人の時間は
何事にも代えがたい価値のあるものだったと思う


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