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映画 ■■ヒューゴの不思議な発明■■

2012年03月24日 09時00分55秒 | 映画
マーティン・スコセッシ監督と言えば
「アビエイター」「デパーティッド」などの
ディカプリオ主演の男臭い映画しか見たことがありません。
今回は雰囲気が全く違うようです。
しかも、初めての3D作品。



映画 ■■ヒューゴの不思議な発明■■





日本の Yahoo ムービーの評価 3.36(5点満点)



すごく面白かったんだけど
観劇から日が経つに連れて
どんどん感動が薄れていきます...



「3Dが迫力あって良い!」という評判を聞いて
3Dで観ましたが
私としては、3Dでなくても良かったかな?と思っています。



駅の構内も
パリの町並みも
まるでおもちゃ箱のよう。

そしてこの映画全体の雰囲気も同じ。
雑多なものが、わいわいとひしめいていて
賑やかで美しい
心躍るおとぎ話の世界。



おもちゃ箱の中をガチャガチャ探して
欠けた歯車やバネを集めて組み立てていくように
少しずつ、少しずつ
謎を解いていく物語。



フランスの物語なのに
英語話しているのはご愛敬。
ブリティッシュ・アクセントが心地よい映画。



「キック・アス」で残酷な殺害シーンを熱演していた
クロエ・グレース・モレッツが出ていた!
彼女は独特の存在感があります。
柔らかい表情、ひたむきさが伝わる雰囲気。

ジュード・ロウ、気づかなかった!
私の中ではその程度の認知度なのだと分かりました。





























ネタバレ感想




物語の鍵を握る人物
あのからくり人形を作ったのは

駅構内のおもちゃ屋さんのオーナー

そして、映画がまだ産声を上げたばかりの頃
偉大なるパイオニアとして
数々のクリエイティブな作品を発表した
ジョルジュ・メリエスだったのだと分かりました。



からくり人形が描くのは
ジョルジュ・メリエスの代表作
「月世界旅行」の有名なワンシーン
映画に詳しい人なら絵を見ただけで、ピンときます。



私も見たことがあります。
「映画ファンなら抑えておかなきゃ!」っていう
映画の歴史上重要な作品を集めた上映会が
以前、オールナイトであったのです。

「ヒューゴ」の中にも出てきた
観客に向かって列車が走ってくるから
観客が慌てて逃げようとしたというエピソードのある映画
(というか、本当にワンシーンだけ)

同じく、男が観客に向かって銃を撃ったので
観客が慌ててよけようとしたという
エピソードのある映画などなど観ました。

上記2つは、今見ると
どうってことない、ありふれたシーンなのですが
「映画」というものを見たことがなかった人たちには
その臨場感は
今の3D映画以上に驚きだったんだろうな~
と、思います。



「月世界旅行」も
今見ると、笑えるくらいチープな作りなのですが
フィルムの中に想像上の世界を繰り広げてみせる
「映画」というものの可能性を切り開いた
革命的な作品だったのだと思います。



さあさあ、この
探していた謎は、ジョルジュ・メリエスだった!
という種明かし
納得出来る人と、出来ない人とがいると思います。



おとぎ話と
実在する歴史的人物の人生が
混ざったストーリーになっていること

私は納得出来なかった!

ジョルジュ・メリエスの人生と
斬新な映画作りに挑戦する日々と
戦争と、挫折は
彼だけにフォーカスを置いて
もう1本、別の映画が出来るくらい興味深いものなのに

「ヒューゴ」の映画の中では
実在する人物だと知らない人には
架空の人物とも誤解されるような扱い。

ジョルジュ・メリエスは
本当にあんなからくり人形を作っていたのか?
駅構内のおもちゃ屋さんのオーナーとして
働いていたのか?

いや、これらは多分
メリエスと「ヒューゴ」の映画とを
絡めていくためのフィクション

じゃあ、どこからが事実?

「ヒューゴ」というおとぎ話の中で描かれた
メリエスの人生そのものも
フィクションのように見えてしまう。

「月世界旅行」という映画を作ったことさえ
ふわふわとした夢物語のように。

リアリティがなく、真実の重みがない。
そこは残念。もっとちゃんとしっかり描いて欲しかった。



見終わってすぐは
「ニュー・シネマ・パラダイス」を見たときのような
懐かしい暖かい気持ちや
映像の美しさで、それなりに満足していたのだけど

日が経つにつれて
ジョルジュ・メリエスが物語の核心になっていること
だんだん、不満に思えてきました。

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