映画 ■■アバウト・タイム～愛おしい時間について～■■

観るつもりなかったんだけど
評判が良かったので行って来ました



映画　■■アバウト・タイム～愛おしい時間について～■■



Yahoo映画の評価　4.17（５点満点　2014年10月20日現在）



知っている役者さんは全然出てこない
地味ーな映画だけど

ガツンとくるものとか
心躍る、ドキドキハラハラするものとか
全然ないんだけど

じわじわと感動して
観終わった後も
思い出してはじわじわと
「良い映画だったな～」という気持ちが湧いてくる
そんな映画でした



過去にだけ戻ることができる
タイムトラベルの能力があるのだと
父親から教えられたティム

現実にはあり得ない
おとぎ話

でも、そのおとぎ話の中に真理がある

荒唐無稽な作り話が
生きることの意味を教えてくれる



















ネタバレ感想



過去をやり直すことができると知って
ティムがやり直したいと思ったこと

それは女性との駆け引き

若い男性の頭の中はそれだけか！？
と、思うくらい
何度も何度も過去に戻って
失敗をやりなおして、また失敗してを繰り返す



結果的にはとても魅力的な女性と結婚できたけど
タイムトラベル出来なかったら
無理だったかな？

誰と誰が結ばれるかは
運命ではなくて
些細な出来事や
些細な一言の積み重ねで
微妙に変わっていくのだ

人は運命を切り拓いて
未来を変えていく力があるのだと言っているよう



でも普通の人にはタイムトラベル出来ないから
未来を変えることは難しい

うまくいかなかった未来は
そのまま受け入れて生きていくしかない



未来を切り拓いていくことができるというのも真実で
切り拓いていくことはできないというのも真実

いつだってチャンスはあるが
それを活かせないことも多い



他にも
お世話になっている脚本家の
芝居が失敗することを未然に防いだり
結婚パーティの失敗をやり直して
素敵な思い出の日に書き換えたり

結構都合よく能力を使う



しかし結婚して子どもが出来てからは
ティムの関心は
「利己的な満足を得ること」から
「家族の幸せ」へと移っていく

自分の子どもたちに．．．だけでなく
両親や妹にも

とりわけ
同じ能力と秘密を共有する父親に



何度も何度も
父親との楽しかったひと時を
ビデオテープを巻き戻すように
繰り返しリプレイする

父親が亡くなった後も
自分の気持ちをきちんと伝えられなかったと
最後の時をやり直す



父親に会えなくなってからは
父親のアドバイスに従って
なんでもない一日をもう一度やり直してみる

そして
些細な気遣いや笑顔や一言が
いかにつまらない一日を
楽しく活き活きした日に変えられるか
悟るのだ



それが分かってからは
ティムはあまり過去に戻ってやり直さなくなった

わざわざ過去に戻らなくても
今、自分の手で
良く変えることが出来ると分かったから



最初から
「今日という日は一回限り」と言い聞かせて
大切に大切に過ごしてみると
もうそれで満足出来る
「戻りたい」とか「やり直したい」とか
思わなくなった

逆に
家族と一緒にいられる今という時間に感謝して
一緒にいて自分を愛してくれる人たちのことを
この上なく愛おしいと感じるようになる



ティムがこの結論にたどり着いたことで
タイムトラベルの能力がない私も
なんだか嬉しくなる

過去に戻る力なんてなくていい
ティムと同じように
一日一日を大切に
家族や友達と一緒にいられる時間に
感謝して生きていけばいい



それが幸せに生きるコツ

とてもシンプル
そしてそれがとても難しい…