作曲家や演奏家、画家など、長い間、女性がそういった職業に就くことは世間が認めなかった時代があったらしい。
シューマンの妻、クララ・シューマンもピアニスト、作曲家であったが作品を発表していくことに困難を覚え37歳で作曲はやめてしまったし、メンデルスゾーンの姉ファニーも自分の作品をメンデルスゾーンの作品集に入れさせてもらったりした。
1755年に生まれたルイーズ・ヴィジェ・ルブラン。
18世紀最も有名な女流画家。
でも未だ本国フランスでは回顧展が開催されたことはないという。
マリー・アントワネットの肖像画と言えば、やっぱりルブラン夫人の作品に目が行ってしまう。
とても可憐だ。
でも、同時にルブラン夫人自画像の美しさにも目を見張る。
ルブラン夫人、美人…
画家ルイーズ・ヴィジェの娘として生まれたが、当時女性は美術学校に入れずパステル画家の父や友人の画家から手ほどきを受けた。
天賦の画才で10代から家族を支えた。
画商の男性と結婚し上流階級に顧客を広げた。
だが、9歳の娘を連れて逃避行に旅立った時、初めて自分の作品が高額で取引されていることを知る。
マリー・アントワネットのお抱えとなり作品を多数残す。
王家が逮捕されると亡命し12年を海外で過ごす。
嫁いだ娘は冷たく、筆一本で一人で暮らした。
ナポレオンの時代になるとフランスに戻るがナポレオンと不和になりイギリスへ。
その後、王制復古で再びフランスへ戻り、フランスに眠った。
墓碑には次のように刻まれているとか。
「Ici, enfin, je repose」
ここでやっと私は休みます
660の肖像画、200の風景画があるという。
上の絵はマリー・アントワネット
下の絵はルブラン夫人