猿山政治論

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聖マラキの予言の終焉~最後の法王ペトロ・ロマーヌスの登場~

2013-02-17 22:39:25 | 国際情勢
 2月11日に「ローマ法王ベネディクト16世が2月28日をもって法王を辞任すると表明」とのニュースが配信された。
 諸事情のため、本ブログを長らく更新できていなかったが、このスーパーヘビー級の歴史的事件について、少し私見を申し述べておきたい。

1.聖マラキの予言について

 既にご存知の方も多いと思われるが、有名な「聖マラキの予言」によれば、ベネディクト16世の次の法王が、予言に記述されている最後の112人目の法王となる。
 「聖マラキの予言」では、各法王の属性を連想させる短い言葉が記されている。たとえば現法王のベネディクト16世は「オリーブの栄光」と記されており、オリーブの枝をシンボルとする「ベネディクト会」が連想させられる。また、先代のヨハネパウロ12世は「太陽の労働」と記されており、彼が元鉱山労働者であり、即位当時、東欧民主化の象徴であった独立自主管理労働組合「連帯」が存在していたポーランド出身であったことが連想させられる。
 「聖マラキの予言」の111人目の法王(ベネディクト16世)の次の行には「ローマカトリック教会への究極の迫害の内に即位する」とあり、いかにも最後の法王にふさわしく、さらに次の短文が付け加えられている。
「ローマ人ペトロ(ペトロ・ロマーヌス)。彼は様々な苦難の中、羊たちを牧する。そして、七つの丘の町(ローマの異称)は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり。」

2.「ベネディクト会」「テンプル騎士団」そして「フリーメーソン」

 もっとも「聖マラキの予言」は聖マラキ没後約400年を経た16世紀末に突然出現したものであり、偽書との評価が専らであって、その正統性には疑問符が付く。
 しかし逆に、イエズス会(イルミナティの中核組織のひとつ)によるローマカトリック教会の偽ユダヤ支配化の流れの中で、意図的に「聖マラキの予言」の記述に沿った法王が代々選出されてきたと考えれば、「聖マラキの予言」が持つ意味には計り知れない重みがある。
 ここではキーワード「ベネディクト」に注目すべきであろう。
 まず、現法王はドイツ出身であり、過去の経歴から特に「ベネディクト会」と関係が深いとも思えないにもかかわらず、なぜかベネディクト16世を名乗った。
 また「聖マラキの予言」に始めて言及した「生命の木」の著者アルノー・ヴィオンは、現法王ベネディクト16世がその名に用いたベネディクト会の修道士であり、「生命の木」はベネディクト会の歴史を綴ったものである。
 さらに聖マラキはアイルランドで活躍した人物であるが、晩年はベネディクト会の分流であるシトー会に属し、クレルヴォー修道院で死去した。
 さらにさらに、クレルヴォー修道院で聖マラキの死を看取ったクレルヴォーのベルナール(聖ベルナール)は、テンプル騎士団創立の立役者である。そのテンプル騎士団は、14世紀にフランスのフィリップ4世に壊滅させられたが、その生き残りが教皇庁と対立関係にあったロバート1世(ロバート・ブルース)治世下のスコットランドに落ち延びスコティッシュライト系フリーメーソンの祖となったことで有名である。
 つまり、後にフリーメーソンと融合したイルミナティが、その支配を強めていったローマ教皇庁における歴代ローマ法王にまつわる神秘性付与の手段として「聖マラキの予言」を利用してきたと解釈できるのである。

3.今回の法王交代の解釈

 今回の法王交代は、ベネディクト16世存命中の「退位」によるもので、極めて異例である。既に報道されているとおり、「退位」による交代は、15世紀の教会大分裂期のグレゴリウス12世が最後で、その後の法王の交代は全てその死亡により発生しているのである。
 つまり、今回の法王交代は、今このタイミング(モーゼへの反逆を意味する「11」がつく「2月11日」)に人為的・作為的に行われたものであることは間違いないであろう。もし死亡による交代を、特定の日に実現しなければならないとすれば、自身イルミナティの大幹部であるベネディクト14世が死なざるを得ない。それを避けるためには「退位」以外に選択肢はないのである。
 巷では、これまでの偽ユダヤ支配の構図が大きく揺らぎ「聖マラキの予言」のプログラムを維持できなくなった(≒ベネディクト16世の追放)と解釈する向きもあるようだ。もちろん、そうであれば人類にとって望ましいことではあるが、私にはどうもそうは思えないのである。

4.最後の法王は誰か

 「聖マラキの予言」の「ペトロ・ロマーヌス」の記述もさることながら、多くはイタリア人が就いてきた法王の座に、これまで二代続けて外国人(ポーランド人・ドイツ人)が座ってきたことから、最後の法王にはイタリア人が就任すると考えるべきであろう。
 現在の枢機卿の中で有望視されているイタリア人枢機卿の名が数名挙がっているが、敢えて「聖マラキの予言」にこだわれば、「ペトロ」という名を無視する訳にはいかない。ただ残念なことに現役の枢機卿で、その名に「ピエトロ(イタリア語)」「ピーター(英語)」「ピエール(仏語)」「ペドロ(スペイン語)」「ピョートル(ロシア語)」を持つ方はいない。
(2013.2.24追記)「ピーター」を名乗る枢機卿として、ガーナ人の「Turkson, Peter Kodwo Appiah」氏を見落としておりました。彼は現在ローマ法王庁の幹部です。

(2013.3.05追記)「ピーター」を名乗る枢機卿として、ハンガリー人の「Erdő, Péter」氏を見落としておりました。彼は現在ブダペストの大司教です。

(2013.3.09追記)本記事をお読みいただいた方から指摘がありました。イタリア人で、バチカン・ナンバー2の国務省長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿もフルネームでは「Tarcisio Pietro Evasio Bertone」と、氏名の中に「ピエトロ」を含んでいます。
 もっとも聖マラキの予言が世に出た頃現在のイタリア半島には多くの諸邦が並立し、現在の「イタリア人」という意識は希薄で、「ローマ人」といえばローマ出身者の意味が濃厚でしたが、ベルトーネ枢機卿の出身地はトリノであってローマではありません。
 ただ面白いことに、さらにベルトーネ枢機卿の出身地を細かく追っていくとトリノ県ロマーノ・カナヴェーゼとなり、地名に「ローマ人」という意味の「ロマーノ」が含まれています。となると「個人」法王としてはピタリ「ペトロ・ロマーヌス」となりますネ。


 となると、素直に「聖ペテロ」そのものを体現した「サンピエトロ大聖堂≒ローマ法王庁」自体をイメージするのが筋である。
 少しブッ飛んだ見解で恐縮ではあるが、つまり枢機卿の中から数名のボードメンバーを選んだ上の「合議体」となる可能性もあると考えられるのである。「聖マラキの予言」を遵守するというこれまでのスタンスに立った場合、「生身の法王」を選んでしまうと、その方が最後の法王となり、近い将来にローマ法王庁がローマ市と共に滅びざるを得ないという理屈になってしまう。
 逆に合議制となれば、112代目は「合議体」であるので永遠に継続できる。つまり七つの丘の町(ローマ市)が天変地異か何かで壊滅でもしないかぎり滅びることはないということになるのである(前田敦子は卒業してもAKB48は不滅なのと同じ)。
 それに、これから噴出してくるバチカン銀行のマネーロンダリング等の不正に関する責任もあいまいにできるという「実益」もある。

 コンクラーベの結果が楽しみである。
                                            猿山太郎

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-03-08 12:46:56
イタリア人のタルチジオベルトーネもいますよ。
Tarcisio Pietro Evasio Bertone
ピエトロですね。
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