ものをいっさい持たない、
一輪の切り花みたいな恋。
スタイルのある人と美しい
人。どちらかを選ぶとした
ら、私は迷わず前者を選
ぶ。
スタイルがある、というこ
とは美しさだけではなく
独自の美意識や個性や雰
囲気を持っているというこ
と。そして、その要素に魅力
があるというこだからだ。
美しさだけでは魅力につなが
らないし、それは徐々に消え
失せていく。
けれども、スタイルとして確立
した魅力は自分が投げださな
い限り、逃げていかない。
だから自分のスタイルを求め
ることこそが、本当の美しさへ
の追及になると、
オードリー・ペップバーンの深い
魅力を想うたびに確信するのだ。
茜色の朝焼け雲 ひとつ千切
れて
ほころんだ空に夢が紡がれる
あなたが
まぶしい
本当は
現実なのに・・・
夢の中のようにかなしい
あした
あなたをさらえたらいいのに
恋の終わりに置かれた
青林檎。どうしようも
なく終わってゆく恋へ
の、自分なりのピリオ
ド。それが青林檎だった。
人生を二色にわけるとしたら、
一人でいるか二人でいるか、
すなわち恋愛をしている時間か
そうでない時間かの二色だ。
希望は絶望を含み、絶望は希望
へと繋がり、幸福は不幸を含み、
不幸は幸福へと繋がる。
人生において対立するかのよう
に見えるものは、実は同じこと
の表と裏なのだ
砕け散ったガラスは、もう
役に立つ「器」ではない。
しかしその破片の、キラ
キラと、なんと美しいこ
とか。
器であった時には見えな
かった輝き、それは、内側
に秘められていた輝きな
のか、あるいは、壊れた
からこそ感じられる輝き
なのか。
人間は、生きていく途中で、
何度も何度も大切な器を
落して、割ってしまう。
友情の器、恋愛の器、
信頼の器・・・・・。
失ってしまってから気づ
いても、もうとり返しのつ
かない輝きは、私たちの
胸をせつなく痛ませる。
まるでガラスの破片が、
突き刺さるように。
深い夜に、レールの向こうで
たくさんの蛍が光る。
そのうちにそれが、紫の羽を
持った無数の蝶に変わり、
なぜか白いシーツをバックに
舞っている
それを小さな少年が、瞳をこら
して見ている。
横に、なぜかお下げ髪の少女に
なっている私がいて、怖くてそば
へ行けない。
「帰ってきて、帰ってきて」と、
叫ぶだけだ。
目覚めると、寝返りをうった彼
の寝息がかすかに聞こえる。
その体を、私はしがみつくように
抱きしめた。
朝、彼を送り出すときの、背中を
見るのがつらかった。
彼に妻子がいようがいまいが
どうでもよかった。
ただ、
いつも判然としない想いにおそわ
れる。
これが、最後ではないかと・・・・・。
背を向けて遠ざかる時、
一瞬、
カレの存在自体が消えるような
気がした。
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