何か言ってる

さらに適当好き放題

デュダと赤い鎧一気流し読みでどうですか

2009-12-17 22:52:48 | 何か言ってる
タグ打つのもなんだかツライかんじなのでとりあえずこちらで一気に。

●ドワーフ村殺人事件

○ドワーフ村殺人事件
  (安田均・高井信)

 いや、あれ?あれれ?
 SW短編の1冊目っていったら
「レプラコーンの涙」
 …と、記憶してたんだけど、見あたらない??
 よぅく本を眺めてみると、「デュダ」と「赤い鎧」だけ選んで残してある…くさい(笑)!今になって、先に処分してしまったらしき分を読んでみたいと思うのは未練ですかね。いつか、全集を発刊してくれること希望。ほら、ケータイのDLとかで良いですよ~。そりゃ青空文庫が一番読みやすい電子辞書で読めて理想ですが…。

 とりあえずドワ村から読み始めますか。
「わっかりましたあ!」
 初っぱなから、デュダとリュークのやりとりが懐かしい感じです。安田氏の、あるいは高井氏の柔らかい文章と作品全体のゆるくて細かい設定の数々、好きだなぁ~~。デレデレしながら一気に読んでしまいました。
 事件の内容は、親戚の家で起きた自殺騒動に居合わせたデュダの迷推理が暴走していくうちに黒パイ(笑)のせいで本物の名探偵になってしまうという「おおっと!」な展開。
 もっとほのぼのロクでもない事件ばっかりだと思ってたんですけど、けっこうシッカリ「事件」が起こるシリーズだったんですねぇ…。いや、なにがすごいってデュダがデュダなところが(笑)。


○オラン連続失踪事件
  (安田均・高井信)

 オランに事務所を構えたデュダの初仕事は金持ちのペットとついでに金持ち家の庭師の失踪事件。なりゆきでそれらを無事に解決したデュダらは、偶然再会した巡察官ギリアムより今度はラーダ高司祭の失踪事件の話を聞きつけ、捜査開始。
 進まない捜査。謎の挑戦状。ミス・コン(笑)で偶然得た手がかりから悪の親玉の正体を確信したデュダ達が敵のアジト?へ乗り込む──まあ、そんなあらすじです。

 やばい、スラスラ読めてしまう~~。文体も内容も好きすぎる!うっかり読み始めると夢中になっちゃうし、ちゃんと手放せるかな…。



●失われた狂気を求めて
○失われた狂気を求めて
  (安田均・高井信)

 前回登場した「狂気の目」教団の暗躍とまったく無関係に(笑)、脳天気に小説ファン仲間達と冒険に出ていたデュダ達が全く偶然に事件に絡んでしまい、ついには対決、雌雄を決します。

 相変わらず文庫一冊分というボリュームを感じさせない軽妙な文章、ストーリー。このストーリーだからこそまたデュダも活きます。何より作品そのものの安定感がたまりません。
 後書きの、両氏のキャピキャピした感じがまた何かかわいらしいですなぁ。
 ギリアムの愛され方にしっとです。



●魔法の豚足
○魔法の豚足
  (安田均・高井信)

 今回も強引に引き受けた依頼の内容は「魔法の豚足」紛失事件。犯人は依頼人にアイテムを売りつけた商人だといつも通りの勢い任せの捜査で解明するまでは良かったんですが、犯人達と戦闘が始まるとアッサリ、バタバタと…死人が!!サラリと書かれていましたがこれはビックリ。前回のエピソード中の対スフィンクス時より危機的状況。デュダ達がピンチに焦って呼び出した豚足の精霊、これもちょっと強力すぎました…よね。これまたサラリと書かれていましたが。このあたりがサラリと流されるのも「デュダ」らしいのかもしれませんが…?
 最期にもう一悶着あり、いつもの彼らの冒険がひとつ終わったのでした。
 今回収録の3作品は、後書きによれば「デュダRPG」のリプレイからおこした話のようです。流石にそれは記憶にないなあ。…読んでみたい!


○ユーベルの壺
  (安田均・高井信)

 またまた行きずりに事件に巻き込まれたデュダと仲間達。さんざん繰り返してきている「仲間」という単語、これは冒険の仲間ではなく「ロック・ワームズのファン」というつながりの仲間の意です。
 デュダの破天荒さがこのエピソードではやや不消化な感じも残るし、エピソード的にももうひと波乱欲しいところ。まぁ、リューク君にこれ以上面倒掛けるのも悪いか(笑)。


○古代の呪い
  (安田均・高井信)

 これまた単刀直入なタイトル。
 いつものたまり場「ひとつ目ドクロ亭」の看板娘、メリンダから妙な客を紹介され、遺跡の発掘の仕事を引き受けるも、翌朝デュダの事務所にやってきたのは依頼主ではなく巡察官のギリアム。用件はなんと、依頼人だったダイレッセンの殺人容疑。ギリアムをその場から追い払い、デュダと仲間達は嫌疑を晴らすため、古代遺跡の謎を解くために墜ちた都市遺跡遺跡へと向かう。
 めずらしくギリアムが災難を受けただけ(笑)で、遺跡探索エピソードとしては若干物足りない…というより、今回収録の3作品はみんなこのサイズのエピソードなのかな。

 この本の後書きはなんと村川氏。なんで???ひょっとして、キャンペーン中にプレイヤーとして参加されてたのかしら…。
 まさか、まさか……デュダ………………??



●まぼろしの女
○遅れてきた鍵
  (内藤渉)

 実家の商家が火災から借金を作り、返済の為に古代の遺跡が眠るという孤島に挑む主人公のチャ・ザ神官、その「良いお友達」の冒険者、取り立て屋さんから監視役兼サポートに付いてきた魔術師の3人組。
 魔術師君には期待させて頂きましたが、期待以上でした。すげーー世話焼き君だなオイ!


○誰が為の記憶
  (西奥隆)

 仕入れた情報を元にやってきた遺跡には、不思議な棺の中で眠っている女性がいるのみ。そして目覚めてしまった女性を連れて堕ちた遺跡都市に向かうことになり、そこで鉢合わせした男から事の真相を明かされることに。
 なかなかキャラクターがしっかりしていて良いです。妙に上品なファイターのオーグル、そして「らしくない」盗賊ウォルフ(笑)。2人だけで遺跡はキッツイんじゃないですかねえ。彼らの物語はもういくつか読んでみたいですねえ。


○幻の女
  (清松みゆき)

 本編は漢字表記でございます。
 「赤い鎧」の1作目…それで手元に残っていたらしいです(笑)。
 面倒くさいしがらみを生きている自称衛士のポール、彼とコンビを組んでいるというバンドール、そして成り行きからポールの従者扱いとなるグラスランナーのランプ。まだ主要登場人物は揃ってないですね。
 本筋はデュダとは異なり、シリアスタッチなミステリー。事件の成り立ちも暗い情念に満ちた感じです。

 「赤い鎧」の正体は一応存じているつもりなんですが、この年になったからでしょうかね、いろいろ考えてしまいます。まず、ポールが赤い鎧に抱く苦い怒り。これはものすごく分かるような気がするようになりました。
 …そこに、バンドールのセリフ。
 あれ、めちゃくちゃイラっとくる(笑)!
 自分の好きな作品で、ルナル・サーガの「虹の影」がありますが、ムークさんは少なくともアンディとちゃんと友達でしたが~バンドールの真意はどうにもわからん…と、いうより、彼は現時点では「馴れ合っていく」気はサラッサラないんじゃないのかなー。少なくともポールと「悔しさ」は分かち合えないしそのつもりはないんだろうな、と。そりゃーイラっとするっての。
 シリーズの今後が気になります!



●果てしなき宝島
○果てしなき宝島
  (安田均・高井信)

 とにかく表紙の「してやったり」顔のデュダがたまりません。
 嵐の晩に現れた謎のドワーフ依頼人に託された、謎の…じゃなくて某海賊王の宝の地図。何のかんの理由を付けてデュダとイーグル遊撃隊は宝を求めて地図に書かれている島へ。果たして、見つかったのは汚い数珠と新たな地図!謎が謎を、地図が地図を呼ぶ(笑)展開です。
 地図の暗号を見事に解き明かしてみせるデュダ、海に怯えるムーンなど微笑ましいエピソードからバジリスク、サイクロプスにデュダが勇敢に立ち向かう、手に汗握るエピソードまで盛りだくさんの矢継ぎ早で、あっという間です。
 オチは「デュダ」らしい、ゆるーい引きで終わるのですが、困ったことに今回の黒幕である「ロジェ」さんを全然知らないんだなーこれが。続きも気になるし、ロジェさんも気になります。



●虹の舞う海に
○祝福されざる杯に
  (水野良)

 「羽根頭」という連作の一編ですが、残念ながらこのシリーズを存じ上げません。もちろん、これ一編で楽しめる内容です…が、自分にはコメントしづらいストーリーで………。自分のPCを演じる時などに参考になるというか、あるあるーーというかGMのさじ加減というか。
 とあるチャ・ザ神殿のマジック・アイテムを巡る事件をあつかっています。


○虹の舞う海に
  (白井英)

 ここでいう「虹」はオーロラなんですね。素敵な解釈です。てっきりこの一冊は「虹」がテーマだと思っていたんですがテーマは「ライバル」とのこと。
 方やバイカル国王所の護衛を務めるまでになったリュシアン、方やバイカル国の有力貴族「海賊王」アルマ公の元で「久遠の虹」号を預かるゼラーブのいとこ同志が婚礼前の王女の護衛の任務で再会します。
 いろいろモヤモヤしてしまいますが(つっこむべきか・笑)とりあえずゼラーブおいしいですネー。リュシアンはロマサガ3のカタリナでイメージほぼそのままっていう印象です。魔法の小剣もキーアイテムとして登場するし。
 ──良かったね、ゼラーブ!とりあえずミカエル兄さんはいないみたいだよ!


○野獣死すべし(赤い鎧2)
  (清松みゆき)

 「赤い鎧」の2作目。レニ姐が登場、彼女の一人称で物語は進行します。
 彼女の昔の仲間から「ひと仕事」頼まれたレニは、依頼人本人の殺害現場を目撃してしまうことに。事態を把握しようと現場に戻ったのが運のツキ、ポール達に見とがめられてしまいます。
 彼女なりの理由からポール達の力を借りることも出来ず、貸すこともできないながら、ついに真犯人を突き止めるに至るレニの危機を救ったのは、彼女が憎む「赤い鎧」だった──まぁ、すっかりあらすじで埋めちゃいましたけど。
 レニの「自分が言いたいことを言う為に、相手の言いたいことも耳をふさがず聞かなくてはならない」という考え方から「人殺し」は卑劣な手段だと断じる結論は面白くもあるし「良い」なぁと思います。たいていの人間にとって、都合が悪くなった際に相手<<自分になってしまうこと自体はある程度仕方のないことだと思いますけどね。真面目な人なんでしょうね。
 イラストの彼女のデザインだけは異議を申し立てたく候。



●わらべうた殺人事件
○わらべうた殺人事件
  (安田均・高井信)

 この作品はとても印象深かったので、読み始めてすぐに内容を思い出しました。デュダシリーズにしてはやや趣が異なり、タイトルから連想されるようなおどろおどろしい雰囲気のミステリー作品となっています。
 イーグル遊撃隊の1人、パルマーの父親の葬儀に「事件が起こるかもしれない」という理由で、彼の里帰りに付いてきたデュダとリューク。
 なにやら悪印象の兄弟やおじ、優しい母や姉との食事を終えてベッドに付き──ふと夜中に目を覚ましたデュダの耳になにやら不吉な歌詞のわらべ歌が聞こえて来たのが事件の始まりで、パルマーの兄、弟と被害者は増えていきます。
 手に負えなくなったデュダの応援に、イーグル遊撃隊のメンバー、そしてあのロック・ワームズまでやってきて、事件は悲しい結末を迎えます。
 「ソード・ワールド」という世界観もミステリー要素のエッセンスとなっていて、いわゆる「正統派ミステリー」といったような味わいです。この「空想の世界観」をエッセンスとしてうまく取り入れたミステリー作品というと、上遠野浩平氏の「紫骸城事件」を含む「事件」シリーズを真っ先に思い出します!
 あとがきでが語られている、高井氏のウィザードリィのリプレイ、すごく読んでみたいです。



●女神よ、永遠に
○女神よ、永遠に
  (安田均・高井信)

 後書きを読んで「…なるほど」と思うんですが、きちんと共著していたのは、「鏡」を除く初期3作までだったみたいです。あー、確かに安井氏は「○ン○レ」でお忙しかったでしょうから(笑)。振り返ってみて、そのあたりのデュダが一番可愛く書かれていると思います。
 作品全体として高井氏がほぼ単独で著作してあるもの、共著のもの合わせてどれもあたりはずれのないしっかりした作品になっているのは流石です。

 今回が「デュダ」シリーズ最後と言うことで、ラストのロジェとのやりとりなんかは格好良くすらあります。
 あらすじとしてはある種の王道みたいなネタですかね。例としては「魔境編」みたいな(笑)。
 途中、湖のほとりの村で村人達をちょっと懲らしめた時のエピソードは、「ミスタラ黙示録」で似たようなことをしてたなァ…なんて、ついしみじみしてしまいました。



●許されし偽り
○許されし偽り
  (北沢慶)

 妖魔をつれた黒衣のファリス神官、という面白い角度のキャラクターが主人公。
 村はずれの森に出没するようになった魔物退治の依頼を受けたら、謎の魔術師、巨人族の登場と単純な以来では済まないらしく…と、良い感じに2転・3転するのと、キャラクターがキャッチーでサクっと楽しめます。
 ファリス神官というのはとりわけ人物像を作るのに苦労しがちですが、こういう変化球が効くとは~。


○狙われた相続人
  (高井信)

 著者名が高井氏お一人なので、これは前作でいちおう終了させたけどちょこっと復活させたっていう体裁っていうことかしら。
 今回のデュダは「安楽椅子探偵」にチャレンジ。盗賊ラットの弟分、バットが受けた奇妙な依頼の謎を、デュダが華麗に解き明かします。
 そして、解き明かしてからデュダらしいオチが付くのでした(笑)。


○陽だまりの絵画
  (小川楽喜)

 これは一人称だからこそ主人公のかわいらしさが更に倍増するというか。文章全体の雰囲気が好きですね~。最後の「このやろう#」感がたまりません(笑)。
 この短編集のテーマが「異種族」ということで、ハーフエルフという題材を扱い、あらすじだけ拾おうとするとやはり重くなってしまうところなんですが…いや、かわいらしくてお見事です。


○(赤い鎧3)
  (清松みゆき)

 赤い鎧の3作目。いまウィキで調べたら、もう一作出ているようですね。しかも完結していない、と。言わずもがな犯人はバn
 ポール、レニときて今回はランプの一人称で物語がつづられています。
 ポールが一族の相続人となることが決まり、お披露目のパーティーが催されたその席で突然の暗闇、悲鳴、そして血だまりに倒れた男性──そこでのポールの少し不可解な行動、パーティーに紛れ込んでいた意外な人物の登場、そして2度目の惨劇が発生…。
 常と変わらず落ち着いた物腰ながら、当主としての揺るぎないものをどこか感じさせつつ、ポールが着実に謎を解き明かしていきます。最後の赤い鎧からのメッセージにまた苦い思いを抱くことになるわけですが、今回に限って言えば赤い鎧ちゃんが素直に「譲って見せた」という部分は評価してやっても良い(笑)と思います。い、痛そうでしたけどね…。まぁ、なんというか、私は見直しましたよ。
 とにかく何らかの「悪を憎む理由」がファリスがあーだーこーだ以上彼の中にあってそういう行為をするに至る人格なのかもしれませんが、「悪」と対決する存在として、自分とはまた異なる存在であるポールを知り彼にも変化があったのかもしれません。なかなか読み込むに足るボリュームの話数でないのがもどかしいところですが…。
 最後のレニとのかみあってるんだかあってないんだか(笑)なやりとりも可愛かったです。

 これで手持ちのSW短篇集は読み終えてしまったのですが(バブリーズは別として)、こうなってみるとちょっと…もうちょっと気になる…。せめて赤い鎧が……。



 ていうか、本当に「全集」作ってくれませんかね!
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メモメモ

2009-12-14 23:08:03 | うっかりしてました
掃除っていっても比喩じゃない掃除ですよー
え?デュダ読んでるだけだって?
それも掃除っちゃ掃除だと言ってみたい。

http://network.xii.jp/anthology/

メモメモー。
12/20から受付、と・・・。
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