Vol.26 ＵＬＴＲＡＭＡＲＩＮＥ＜ＧＩＶＥＮＣＨＹ＞

　夏になると思い出す香り、それがジバンシィの『ウルトラマリン』です。
　その昔、ちょっと気になる彼がつけていたその香りはさわやかで、セクシーで、そして心地良かった。私はつけたての香りより、時間が経って空気や体臭と混ざり合った香りの方が好きです。実はこの香り、私の弟や街ですれ違う人、知っている人・・・使っている人が結構いた割とポピュラーな香り。けれど、ウルトラマリンをつける人、つけ方によっては薄っぺらでなんとも下品な香りにもなるように感じます。
　その彼の使い方は、量もつける場所（これは確かめたわけではないので、推測です　笑）も本当に絶妙で、この香りを自分のものにしてたと思います（これも、確かめたわけではないので、本人がどう思っていたかは知りませんが）。バリバリの営業マンで、日本で海外で活躍していたそんな彼。尊敬もしていたし、その内に秘めたパワーと向上心（或いは、野望？）に大いに刺激を受けていた私です（ずっと前に、過去形ですが）。

　夏のけだるい蒸し暑さの中で、ふと、この香りを思いだすこともあるのでした。

　◇ジバンシィ　ウルトラマリンについて。
　紺碧の海をそのまま閉じ込めたような、マリンブルーのボトル。フレッシュで透明感のある爽や　かなこの香りは、1995年にジバンシィより発売されました。
　どんな束縛にもとらわれない、自由で開放的な魅力で、日本中の若者の心をつかみ、現在のトレ　ンドであるマリンノート「ユニセックス」を日本に定着させた、パイオニア的な存在です。