香りのある生活~storia profumo~

私にとって、香りは生活の中に欠かせないもののひとつです。好きな香水や香りについて、少しずつ綴ってゆきたいと思っています。

Vol.3 ランコム Tresoar<トレゾア>

2004-10-29 | 香水
<トレゾァ>~幸せに輝く香り、トレゾァ~
 このようなコピーの雑誌広告に20歳の私はまだ確かめたことのないこの香りに淡い憧れを抱いていました。
 この香水~トワレとパフューム~を一度に手に入れるきっかけとなったのは韓国へのゼミ旅行でした。私にとっては初めての海外旅行で、コンタクトレンズ使用の私は海外の水道水でレンズを洗っても良いものか心配し精製水を持参する始末でした。しかし滞在はソウル、宿泊先も清潔なホテルで不便なことは何ひとつありませんでした。要らぬ心配ばかり先立ちましたが、2泊3日のソウル滞在でゼミ生や教授との交流も深まり、幹事をしてくれた先輩の韓国人留学生のコーディネートで楽しい旅行となりました。
 さて、最終日には買い物の時間も設けられました。初めての免税店、化粧品や香水の香りが入り混じるあの香りには強烈さを感じましたが、いつもは手のでなかったフレグランスが、免税価格では手頃な価格になっているではありませんか。いくつかのフレグランスの香りを確かめながら、私はトレゾァがあるのを見つけたのです。
 幸せに輝く香り、トレゾァ・・・その香りを想像してみることしかできなかった私の胸は高鳴り、いざ本物の香りを鼻いっぱいに嗅ぎ込みました。すると、どうでしょう・・・!何という、花々が咲き誇るような甘く華やかな香り。女性の幸せな瞬間を表すような甘く、バラ色の香り・・・!ひと嗅ぎで、私はその香りのとりこになってしまいました。「この香りを身につけて、幸せに輝く女性になりたい・・・!」
 ボトルも宝石のような、素敵なフォルムです。箱からボトルを取り出す時は、ジュエリーを取り出すようなドキドキ感と同じよう。その時は、トワレを購入したのですが最後にまだウォンが残っていたので、最後にトレゾァのパフュームを追加で買ったのでした。
 このフレグランスが、私が初めて購入した本物のフレグランス(イミテーション以外での)になるのでとても思い入れが深い香りです。その頃好きだった彼との初めてのデート(まだ付き合う前だったかしら?)にはりきって付けていったのですが、加減がわからずに実はつけすぎていたという苦い思い出も、今となっては懐かしくちょっと笑ってしまう出来事です。

 最後に、この”トレゾァ”についての解説を少々ご紹介しましょう。
 「私を抱きしめて」の名を調香師であるソフィア グロマン氏によって授けられたトレゾァは、繊細で魅惑的な香りでいっぱいのブーケのようで、優しく調和のとれたノートが気持ちを輝かせます。トップノートには新鮮なバラの香りのパウダー、その豊かさは芳しいブレンドに溶け込んで、その香りを身につけた瞬間に自身の心身をとろけさせてしまいそうな程です。また、ピーチ~白い花のブーケにかかる純粋なオーラの輝きは優しく空気を包み込みます。そしてラストノートには、アンバーの官能的な香りにバニラ、白檀、ヘリオトロープ、そしてアイリスが調和して溶け込み、トレゾァを身につけた人を最後まで包み込むのです。

Vol.2 おいしい香りの講座

2004-10-26 | 香り
 先日、タイトルのようなイベントに参加してきました。
 パリと日本を拠点に活躍されている調香師 新間美也さんが、静岡県藤枝市にあるお洒落な雑貨店『ことり』さんの三周年をお祝いして、同じく藤枝市にあるイタリア料理レストラン『スプーンフル』にて行った講座です。
 私は新間先生が講師をつとめるSBS学苑の香りのデザイン講座を受講していました。静岡を離れた等の理由で、現在は講座の受講を継続していませんが講座の発表会などには参加させていただいています。調香師としてはもちろん、色々な話や身のこなしなどが素敵で私が尊敬する女性のひとりです。調香の勉強は、東京近郊に住む現在いくつかの選択肢もありますが”新間先生の講座で勉強したい。”という思いがあるので、いずれまた講座の受講も復帰したいと思っています。
 さて、今回は先生が来日して講座や色々なイベントをされる時に私も静岡に行くことになったので”おいしい香りの講座”のことを知り、申し込んだのでした。
 当日は秋の味覚をシェフのスペシャルメニューで堪能し(本当に厳選された素材にシェフのすばらしい腕前、暖かい愛情のこもった料理の数々でした)、メニューで使われたハーブについて新間先生からフランス料理、イタリア料理での使われ方からそれぞれの香りの話を伺いながら実際のハーブも見せていただき、五感をフル活用したタイトル通りの”おいしい”ひとときをすごすことができました。また、講座に参加されている方たちとも再会できて、楽しい話もでき嬉しかったです。もちろん、先生ともとても久しぶりにお目にかかれて感激でした。
 微発砲の”LAMBRUSCO(ランブルスコ)”という食前酒は初めて知りましたが、スプマンテほどの刺激もなく、心地よく食前の胃腸を刺激してくれるものでした。
 先生が訪れたイタリアはカプリ島での話、お土産の”レモンチェロ”という食後酒はその甘いフレッシュなレモンの香りからは想像できないようなアルコール度(36度くらいでした)で、一口飲んでみんなビックリ。実は、私も新婚旅行でシチリア島で買ってみたものの、一口飲んでのあまりの強さにあとは手付かずで冷蔵庫に入れっぱなしのものが1瓶あります・・・。氷をもらい、ロックにしてようやくチビチビ飲みました。あれ・・・?でも、だんだんおいしく飲めてくるワ。
 先生は、「フランスではね、食後のデザートが終わってからこうやって食後酒を飲みながらの長い夜が始まるのよ」というようなことをおっしゃっていました。レモンチェロを片手にお話しする姿は自然そのもの。う~ん、食後酒を楽しみながら集う大人たちってなんだかカッコイイじゃありませんか。私としては”デザート=最後の締め”という図式ができあがっていたのですが、”食後酒”が浸透している文化も素敵だわ、と思ったのでした。そうそう、食後酒には胃腸の消化活動を助けるという効果があるということは言うまでもありません。
 デザートの前に、テーブルになにやら小箱が配られました。初めは、「この中にデザートが?」と思ったのですが開けてビックリ!なんと、今回の講座のために特別に用意された”おいしい香りのお土産”だったのです。予期せぬ出来事に一同大感激。
 写真にあるものがそのお土産ですが、『エストラゴン』『セージ』『レモンの葉』の香料セットでした。帰りの電車では嬉しくて何度もふたを開けて中を見、帰ってからはその夜枕元に置いて寝たのでした。

 ◆当日のメニューをご紹介しましょう◆
  <前  菜>      本日のカルパッチョ ハーブサラダ添え
  <Primo  Piatto>   ポルチーニ茸と栗の雑穀リゾット
  <Secondo Piatto>  豚ヒレ肉のインポルティーニ
  <Dessert>      紅玉の蒸し煮 栗のセミフレッド添え 
   *イタリア料理レストラン スプーンフルにて (ことり開店3周年記念 おいしい香りの講座)*
 なんとも香ってきそうなメニューです。本当に美味しかったです!実りの秋ですね。

 ◆新間美也さん Fines Fleurs のサイトはコチラです。

Vol.1 フレグランスは、私にとってのもうひとつのアルバム

2004-10-01 | 香り
 ずっとずっと前から、私は香りが好きでした。幼稚園の頃には”バラの香りつきティッシュ”が流行り、買ってもらったそのティッシュを香りが逃げないようにこっそりバラの香りを楽しみ、大事にだいじに使っていました。それと同じ種類で確か”レモンの香り”ティッシュもあり、それを持っていた友達と交換もしていました。
 小学生になると、”ニオイつき”消しゴムやペンが流行り、お小遣いの中やりくりをして1本50円のペンを買いに文具店に通っていました。中でも黄色のペン(レモンの香り)、紫のペン(グレープの香り)は大好きな香りで授業の板書は好きな香りにつつまれながら、それはそれはカラフルなノートを仕上げていたのでした。
 その頃、父にもらったお土産の”ランの香水”はとても濃厚で、小学生の私には”強烈”な香りでもありました。
 中学生になると、大叔母さんに買ってもらった”コロン”の香りをちょっとドキドキしながら学校に付けていくような子どもでした。それは、今思えばドラックストアなどで安く手に入るようなものですが、私にとっては”初めて身につけた”香りでもありました。
 高校生の頃は、街で量り売りをしていたフレグランス(有名フレグランスのレプリカ)を買って、デートや遊びに行く時に付けていました。気に入った香りがあって愛用していましたが、後にそれは”シャネルのクリスタル”のレプリカだったと知りました。
 大学生の頃に初めて”本物”のフレグランスを手にすることとなり、今にいたります。入学当初はバイトの金額も少なく、仕送りも最小限でしたので香水を買うなんてことはありませんでしたが、香水ショップを見てまわるのは好きでした。そのうちバイトで稼ぐようになり、ゼミの海外研修(親睦旅行を兼ねた)であこがれの『ランコム・トレゾァ』を購入したのが現在の香水への興味の第一歩となるのでした。
 世の香水好きな方達から見たら全然お話にならない程度だと思いますが、私も持っている数は少なくもないと思います。価格が高いので、国内でフレグランスを購入することは滅多にないのですが、海外旅行へ行くとつい手がのびてしまうのがフレグランス。有名ブランドのものは免税で安いし、その土地ならではのフレグランスに出会ったならば、何かひとつは買って帰ります。
何より、空港と聞いて思い出すのが免税店のいくつもの香水が入り混じったにおいです。また、海外では日本にいるよりフレグランスをまとっている人が多いように思えます。男性でもその人に合った、素敵な香りを身に付けている人が多いのも、印象にあります。
 なので、自分の持っているフレグランスが増えるときは海外旅行の後が多いですね。通貨があまった時にも手ごろなので3.4本は購入してきます。
 写真は私のフレグランス棚の一段です。たまにそれぞれのボトルを開いて香りを楽しむと、よく付けていた当時、購入した時の記憶もよみがえってくるので不思議です。私にとって、これらのフレグランスを楽しむのはアルバムを開くことと、同じようなことなのかもしれません。

はじめに。

2004-10-01 | 香り
 2004年4月に先行してUPしたままになっていた『Aromatherapy&Profumo』の中の香りページを、ようやく追加UPしていこうと思います。
 ”Profumo”とはイタリア語で”香水”とか”フレグランス”という意味の単語です。ここでは、フレグランスに限らず、広く”香り”についての話を綴ってゆきたいと思います。私の好きなフレグランスについての思い出話やミニ知識、日常では意識していないけれど香ってくるもの 等々・・・。
 あなたの好きな香りも出てくるかもしれません。また、”香り”について今までとは違った見方をするかもしれません。
 生活の中に香りを上手に取り入れて、いつもの日常を愉しめたら、素敵だろうなぁ・・・そんな風に思っています。

 また、感想やご意見をいただければ幸いに思います。どうぞよろしくお願いします。