皆さんと一緒に考えましょう

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

形が均一で美しい野菜ほど農薬が多い…化学肥料でメタボに

2020-12-25 08:00:00 | 日記

下記は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です

最新の農薬には神経毒性という見えない毒性があると書いたが、そんな怖い農薬をどうして使うのだろうか。農家だって好き好んで使うわけではない。形が均一で美しい野菜を消費者が求めるからである。

 戦後、スーパーマーケットを中心に大衆消費社会が誕生すると、棚に並べやすいサイズの野菜が作られるようになった。例えばキュウリは21センチ、ホウレンソウは30センチという具合である。これがいつの間にか、工業製品のように奇麗な農作物が高級品というイメージになっていく。そういう消費者に、虫食いの跡があるようなものは売れない。

 ところが、有機で栽培すると、大きさがバラバラで、昆虫に食べられた跡が残り、既存の流通ルートに乗せると規格外になって値段が下がる。農家もそのことが分かっているから、残留基準値を超えないように、マニュアルに沿って何十回と農薬をまくのだ。農薬が危ないと分かっていてもやめられないのである。

そもそも論になってしまうが、なぜ昆虫は人間が栽培した作物を食べるのだろう。昆虫が野原一面の草を食べたというのはあまり聞かないが、畑の野菜は、軒並み食べられることはよくある。なぜ?

 慣行栽培では水溶性の化学肥料をまく。通常、植物は土壌の微生物が分解した養分をもらい、代わりに光合成でできた産物を提供するという共生関係にある。ところが化学肥料をまくと、植物はそんな苦労をしなくても養分をもらえるのだから、微生物を無視して、ひたすら化学肥料の窒素、リン酸、カリウムを吸収する。現在の農作物は、養分を与えれば与えるほど収穫が期待できるように品種改良されているから、あっという間に農作物はメタボになってしまう。スーパーでよく濃い緑色のホウレンソウを見かけるが、これも窒素分を吸収し過ぎてメタボになったからだ。

 植物は動けないからさまざまな危険にさらされる。紫外線に対して抗酸化物質をつくるのもそうで、自分を食べる昆虫に対して忌避する物質を出しているともいわれる。植物の免疫システムである。自然界では、昆虫は健康な植物を食べず、不健康な植物を食べるようで、実際にある有機農家はそれを利用して、一画の野菜をメタボにして、それを昆虫のエサ場にしている人もいた。昆虫が食べるのは不健康な野菜が多いのに、それを人間が喜んで食べているというわけである。


いまの農薬は作物の内部に浸透 洗っても落ちないから怖い


農薬を使わず、牛糞や鶏糞などの有機肥料を使う農法を有機栽培という。

 それに対し、農薬や化学肥料を使うのを慣行栽培というが、では農薬の何が問題なのだろう。

 前回、有機農産物を食べることで残留農薬による健康被害を避けることができると書いたが、本当に健康被害なんてあるのだろうか。

 農薬がついているんだったら、洗えばいいじゃないかと思うが、今の殺虫剤は作物の内部に浸透しているので洗っても落ちない。

 今世紀に入ってよく使われるようになったネオニコチノイド系農薬(ネオニコ)は、例えば根元にまくと、植物がそれを吸収して全身に浸透していく。つまり、茎も葉も実も、どの部分にも農薬が浸透していって、害虫はどこをかじっても死んでしまうという、農家にとっては実に便利な農薬なのだ。

もちろん国は、食べても問題がないように、食品ごとに農薬の残留基準値を設定していて、それを超えると販売できないようにしている。

 だったら問題ないんじゃないの? そうかもしれない。でも、最近の研究から、残留した農薬がさまざまな病気をつくり出しているのではないかといわれているのだ。

 2008年の中国製毒ギョーザ事件のように、食中毒症状が出るなら分かりやすいが、現実にこんな事件はめったに起こらない。かつて、お茶を飲んで痩せるダイエットがはやったとき、飲みすぎて中毒患者が出たこともあったが、今はそんなケースもなくなった。

 では何が問題かというと農薬の本当の毒性が目に見えないことである。

 脳から出た情報は、シナプスというところで神経伝達物質に変換されて飛び出し、その先の受容体にくっついて伝達が完了するようになっている。このネオニコは、昆虫の受容体にくっついて神経を興奮させて殺す。実は人間にもこの受容体はあるが、形が違うので影響がないといわれていたのに、少ないが人間の受容体にもくっつくことが分かってきたのだ。これが神経毒性である。さらにこの農薬、分子が小さいから、脳に脳血管関門というバリアーがあるにもかかわらず、簡単に中へ入ってしまう。これらがどんな結果をもたらすかは、最近、少しずつ分かってきたところだ。

 もっとも、その毒性があらわれたとしても、10年先、あるいは30年先ともいわれていて、分かったところで、農薬が原因かどうかは調べようがないし、たとえ裁判を起こそうにも、20年を過ぎたら訴えることもできない。これが農薬の怖さだ。


健康志向には衝撃 「全粒粉」入り食パンは残留農薬まみれ


食欲不振の時期にさらなるバッドニュースだ。

 山田正彦元農相が共同代表を務める「デトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)」が8日、衆院議員会館で緊急の記者会見を開いた。

 テーマは、世界トップシェアを誇る除草剤「ラウンドアップ」の規制だ。

 旧米モンサント社製のラウンドアップに含まれる「グリホサート」は、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関が「おそらく発がん性がある」と指摘している化学物質。日刊ゲンダイ(5月23日付)は、DPJが国会議員23人を含む計28人の毛髪を検査したところ、全体の7割にあたる計19人からグリホサート関連の残留農薬が検出されたと報じたが、問題はこれだけではない。ナント、普段何げなく食べている市販の食パンからも次々に検出されたのだ。

会見に同席した一般社団法人「農民連食品分析センター」の八田純人所長によると、検査した食パン15商品のうちグリホサートが検出されたのは10商品。小麦製品からグリホサートが高頻度で検出される理由は、日本が小麦を輸入する外国において、収穫直前に除草剤を散布する「プレハーベスト処理」が行われているからだ。小麦を乾燥させたり、収穫時期を調整したりする目的があるという。

 とりわけ、グリホサートの残留値が高い傾向にあるのが、小麦の表皮や胚芽が含まれる「全粒粉」入りの食パン(4商品)だ。

 八田所長は、全粒粉でのグリホサートの検出が目立つ理由について「プレハーベスト処理をした小麦の外皮を多く含んでいるから」と説明。全粒粉は食物繊維やビタミン、ミネラル類が豊富で「健康にいい」と言われているだけに、健康に気を使っている消費者にとっては衝撃の結果だろう。会見後、八田所長に改めて聞いた。

「専門家の間では最近、グリホサート関連物質の残留濃度の評価の仕方について、これまで日本や世界が行ってきた方法だけでは測り切れないとの考えが増えています。残留濃度の数字に関して、どのように評価し、分析するかがこれからの課題です。9月から国内向けの検査の窓口を設置し、希望する人の毛髪を検査して残留濃度のデータを集めたいと思います」

 DPJは、カップ麺やハンバーガー、ビールなどについても残留農薬の調査を進めているという。安心して小麦製品を口にできる日は来るのか。



コメントを投稿