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カギは血糖値 脳のパフォーマンスを上げる食事術

2021-08-09 15:30:00 | 日記

下記は日経グッディオンラインからの借用(コピー)です    記事はテキストに変換していますから画像は出ません

脳のパフォーマンスは血糖値によって左右される
おなかが空くと、イライラして不機嫌になり、普段なら気にならないようなことでもカチンとくる――こんな経験はないだろうか? これは空腹で体内の血糖値が下がりすぎ、脳にエネルギーが回らなくなるために起こる現象だ。仕事のパフォーマンスを左右する集中力、想像力、そして感情のマネジメントには、血糖値のコントロールが大きく影響している。
血糖値とは、血液に含まれるブドウ糖の量のこと。食事によって摂取した炭水化物が分解されてブドウ糖になり、このブドウ糖が小腸から吸収されて血液によって体中に運ばれ、エネルギー源となる。
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体の各器官の中でも、最もブドウ糖を必要とするのが「脳」だ。脳をきちんと働かせるためには炭水化物を摂取しなければならない。しかし、炭水化物をとりすぎると、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが大量に分泌される。インスリンはブドウ糖を全身の細胞に送り込んで血糖値を下げる働きをするため、インスリンが大量に分泌されると血糖値が急激に下がり、ブドウ糖が脳に回らなくなってしまう。
「脳のパフォーマンスを保つためには、単純に炭水化物をたくさんとればいいというわけではなく、血糖値を一定にコントロールするような“炭水化物の戦略的な摂取”が必要となります。血糖値が急激に変動するようなとり方をすると、脳にブドウ糖が回らないだけでなく、毛細血管を損傷することにもなりますから」(西本さん)
血糖値を左右する要因(1)どれだけ欠食しているか(食事のタイミング)
→ 戦略的な間食のススメ
血糖値を一定にコントロールするために気をつけたいことの一つが、食事のタイミングだ。
たとえば、朝食を抜いて空腹の状態で昼食を食べると、血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌される。すると血糖値が今度は急降下し、昼食後、集中力が低下したり、眠くなったりする。欠食が多く、食事と食事の間が開くほど、このような血糖値の変動が激しくなることが明らかになっている。
「朝食抜きはもちろんですが、夕食を食べる時刻が遅い人も多いと思います。昼は12時に食べて夜は21時というのでは開きすぎです。4時間くらいの間隔で間食を上手に取り入れることをおすすめします」(西本さん)
間食には、脂質が多く血糖値が上がりにくいナッツなどがおすすめだという。ただし、間食をして1日にとるカロリーの合計が増えれば太りやすくなるので、間食した分、朝・昼・晩の食事で炭水化物の量を減らす工夫を。例えば、自宅で使う茶碗を小さいサイズに替える、ランチのご飯は先に2口分取り分けて残すなど、自分なりの方法を見つけよう。
血糖値を左右する要因(2)炭水化物の量と種類
→ 糖類は抑え、食物繊維を多めに
摂取する炭水化物の量が多いほど、血糖値が上がりやすくなるのは言うまでもない。ただし、炭水化物にもいろいろな種類があり、どんな炭水化物をとるかも重要だ。
炭水化物から食物繊維を除いたものを「糖質」、糖質のなかでも単糖類・二糖類などの吸収されやすい糖を「糖類」と呼ぶ(図)。「糖質+食物繊維」という形で存在している「食物繊維が多い炭水化物」(玄米、大麦、ライ麦など)は吸収が緩やかなのに比べて、食物繊維があまり含まれていない糖質や糖類は容易にブドウ糖に分解されるため、吸収されやすく、血糖値の変動が大きくなりやすい。
精製された白米・小麦や、清涼飲料水、甘味料など、現代の食環境はただでさえ糖質や糖類が多く、意識してコントロールしなければ、糖分摂取が過剰になりやすいので、とりすぎには注意が必要だ。
炭水化物の賢いとり方
では、食生活の中で、どのように炭水化物をとればよいのだろうか。
まず朝食では、パンと卵、ご飯と納豆などのように炭水化物と一緒にたんぱく質もセットで食べると、血糖値の急激な上昇を抑えられるうえ、腹持ちもいいという。
【朝食】
・朝食は抜かない
・炭水化物だけでなく、必ずたんぱく質も一緒に

昼食や間食では、できるだけ血糖値が上がりにくい低GI食品を選ぼう。血糖値の上がりやすさは「GI値(=グリセミック・インデックス)」という指標で表され、ブドウ糖を100とすると、炭水化物、たんぱく質、脂質の順に低くなる。炭水化物のなかでも、白米より玄米、うどんよりそば、普通の小麦粉よりパスタに使われるデュラムセモリナ粉のほうがGI値が低い。
「午後の眠気や空腹感、集中力の低下が頻繁にある人は、昼食や間食で高GIの食品を食べた結果、一時的に血糖値が急上昇した後に急降下しているのかもしれません」(西本さん)。
ランチで外食する際は、白米と玄米を選べるなら玄米を選ぶ、午後の眠気を避けたい日はうどんよりそばを選ぶ、といったことを心がけよう。
また、白米などのGI値の高いものでも、食物繊維を一緒にとると血糖値は上がりにくいので、たとえば牛丼大盛りを単体で注文するのではなく、並盛りでお新香やサラダ、野菜や海藻の入った味噌汁をつけるようにしよう。
「午後の眠気や空腹感、集中力の低下が頻繁にある人は、朝食を抜いていたり、昼食や間食に高GIの食品を食べて血糖値が乱高下していたりするのかもしれません」(西本さん)
【昼食】
・なるべく低GI食品を選ぶ
・食物繊維を一緒にとる

夕食も基本的には昼食と同じだが、寝る直前に食事をすると、睡眠中に胃腸が働いて疲れがとれにくくなるので、夕食は就寝の2~4時間前には済ませよう。
また、「食べる順番」によっても血糖値の上がり方は変わってくる。野菜など食物繊維が多いものから先に食べると、糖質の吸収を緩やかにする効果があるため、「サラダなどの野菜料理→たんぱく質中心のおかず→ご飯・パン・麺類などの炭水化物」の順番で食べよう。
【夕食】
・就寝の2~4時間前までになるべく済ませる
・野菜→たんぱく質中心のおかず→ご飯・パン・麺類などの炭水化物の順番で
さらに、ひと口20~30回とよくかんで、ゆっくり食べることも大切だ。消化の効率がよくなるだけでなく、時間をかけて味わうことは、集中力を高め、味覚などの感覚を磨くことにもつながる。「ゆっくり食べるのを実践するのは結構難しいので、ひと口ごとにいったん箸を置いて会話を楽しむ、といったことを意識するのもいいでしょう」(西本さん)
「普通の状態」を知り、変化に敏感になろう
慣れてくると何時間おきに間食すれば血糖値が一定に保たれるか、何を食べると調子が悪くなるか、などが分かってくるという。
「自分自身の場合、糖質をとりすぎると口の中が甘くなってきたり、心拍数が上がるような不快感があります」(西本さん)
人それぞれに調子の良い感覚は異なるが、空腹でイライラしたり、次の食事を食べるときに箸が進みすぎてしまうようなら、食事の間隔が開きすぎて血糖値が下がっていると考えられるという。
また、朝起きたときに食欲がわかないのは、前日の夕食の時間が遅すぎたか、量を食べすぎたということ。こうした日々の状態を、自分で敏感にモニタリングできるようになろう。不調が多すぎたり、変化に鈍感になっていると、それがデフォルトになってしまい、本来あるべき状態が分からなくなることもある。
「まずは自分の“普通の状態”を知る努力が大事です。多くの人はいつもより不調になると、なんとなく気づきはするのですが、自分の普通の状態を知らないため、好調なときの自分を思い起こして、いきなり好調な自分を目指そうと高いハードルに挑戦してしまいがちです。そして、結局うまくいかずになかなか調子が戻らないとガッカリすることが多いんです」(西本さん)
自分の普通の状態を自覚したうえで、「今日は何かいつもと違うな」という微妙な変化を感じ取れる能力が、疲れない脳をつくり、パフォーマンスを上げるためには決定的に重要なことなのだ。
(ライター 塚越小枝子)
この人に聞きました
西本真寛(にしもと・まさひろ)さん
Campus for H リサーチマネージャー・公衆衛生学修士。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は組織における健康づくり、特にメンタルヘルス(精神保健)。



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