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[HRPニュースファイル526] 橋下劇場にみる「連帯責任」が個人責任を隠蔽し、無責任体制を助長する

2013年01月23日 11時47分45秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

[HRPニュースファイル526] 転載 大阪市立桜宮高校体罰事件

橋下劇場にみる「連帯責任」が個人責任を隠蔽し、無責任体制を助長する

         

昨年12月23日、大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の
男子生徒(17)が自宅で自殺し、その原因がバスケット部顧問の
体罰であったことが、年が明けた本月8日になり市教委の
記者会見で明らかになりました。

昨年クリスマスイブに執り行われた通夜式で、
「顔を見てやってください」と母親に促され、顧問が近づくと、
口のはれた生徒の物言わぬ姿があり、
「これは指導ですか、体罰ですか」と泣きはらした母親から
問いかけられ、顧問は「体罰です」と力なく頭を下げたという。
(1/14産經)

体罰に関しては、学校が見逃し続けた経緯が明らかになっています。

2011年9月には、大阪市の公益通報制度の窓口に電話で、バスケット部
で体罰があるとの通報が入ったにも関わらず、前校長は顧問だけに
事情を聴き「体罰はなかった」と結論づけました。

また同2011年に体罰で懲戒処分を受けたバレー部の男性顧問が
昨年11月、部員の男子生徒に体罰を再発させていたことを知り
ながら校長は市教委に報告せず、隠蔽していました。

校長は体罰を隠したことについて10日の記者会見で、
「2回目は厳しい処分になると思い、顧問の将来を心配した」
と釈明しました。(1/11 産經)

これら一連の不祥事を受け橋下大阪市長は、今月12日、
遺族と面会、謝罪しました。

橋下氏はもともと、府知事時代には「教育とは2万%、強制」と断言。

「口で言ってきかないなら手を出さなきゃしょうがない」などと
述べ、体罰容認の風潮をあおってきたという見方もあります。
(1/21 赤旗)

しかし、橋下氏は元巨人軍投手の桑田真澄氏が、今回の事件を受けて
自らも体罰を経験したことを明らかにし、
「殴られて愛情を感じた事は一度もない」「スポーツで最も恥ずべき
ひきょうな行為です」と、体罰を否定したインタビュー記事を見て
認識を大転換したといいます。

その後、橋下氏は「大阪の恥ですよ!」と体育科と
スポーツ健康科学科について入試を中止し、普通科に振り替えるように
市教委に求めました。

もし、入試を実施することになったら市長権限で予算を執行させない、
凍結するとまで宣言しました。(1/17会見)

市教委は21日、橋下氏の要請を受け入れる形で、同校体育系2科の
募集中止、普通科への振り替え入試を決定しました。

しかし、体育系2科と普通科では入試科目や配点が異なり、編入も
スムーズにいくか分からず、受験生だけでなく、在校生への
影響も大きく、橋下氏への批判が殺到しました。

橋下氏は「世間の『入試を継続しろ』という風に流されず、
教育的な観点から判断を」と市教委に対して最後まで強硬姿勢を示したました。

気に入らなければ今度の選挙で自分を落とせばいいと
いつもの啖呵を切りました。

入試中止の決定に関しては「本当に残念。言葉が出ない」
「納得できない」と同校の運動部を引退した元主将ら3年生の生徒8人が、
21日夜、市役所で記者会見して涙声で「入試の実施」を
訴えました。(1/21産經)

橋下氏の学校、市教委への不信感は充分理解できるとはいえ、
いつものマスコミを拡声器とした劇場型の強引な手法に
一抹の不安を感じます。

橋下氏は桜宮高のすべての教師の配置転換も指示しており、
さらには、橋下氏は「廃校もあり得る」とも口にしています。

今回の一連の措置は、全教員、受験生、在校生、保護者すべての
人に連帯責任を負わせているといってもいいでしょう。

直接関係していない教師、受験生、在校生、保護者も連帯して
責任を問われるべきでしょうか。

今、最も重要なのは、長年にわたって桜宮高校で体罰が
行われてきた実態を解明し、責任の所在を明確にすることです。

そして、顧問、そして直属の上司、校長、そして市教委の責任者が、
第一義的に責任を問われるべきであり、「自己責任の原則」を適用すべきです。

顧問、校長、教育委員長等が責任を取り辞任し、新しい
管理者(聖職者)で学校を立て直し、入試を実施すべきであると考えます。

連帯責任を取らせることが、かえって責任の所在を曖昧にし、
見て見ぬふりをするような日和見主義、隠蔽、無責任を蔓延
させると考えます。(文責・加納有輝彦)

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