昨日は、約2年ぶりに新感線の舞台を観に行ってきました。
新感線での生田斗真と中村倫也の共演は約8年ぶり。
8年前の舞台は残念ながらチケットが取れなかったので、生田斗真の舞台を観るのは「Cat in the Red Boots(2007年)」以来。
中村倫也は、新感線ではない舞台(2009年の「流れ姉妹 たつことかつこ 獣たちの夜」)以来15年ぶり。
ちなみに、中村倫也に関しては本来ならば、2020年に彼の出演舞台のチケットが取れて、そこで初めてのはずだったんですが、コロナ発生で直前になって上演中止になり、その後も彼は新感線には参加していてその際もチケットは取ったんですが(2021年10月30日の舞台)、まだまだコロナが落ち着いていなくて遠出するのに躊躇していたのと公演日の少し前に父が寝たきりになるかも・・・という事態に陥りこの時も行くのを断念してしまいました。
https://blog.goo.ne.jp/sakuracat/e/f62b7f1f9b76541855b927037ca6da78
そういう意味ではようやく二人が観られる舞台でした。
ここからざっくりとした感想になりますがネタバレもあるので、見たくない人はここで終わっていただければ。
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生田斗真演じるヒュウガは自身の美貌と目力で人を魅了する不思議な人物だけど、自分の行いを邪魔するものはたとえ国といえどもつぶしても構わないと考える恐ろしい人物でもある。
中村倫也演じるカイリもともと幕府の隠密だったもののその生活に疲れ果ててその任務から足を洗おうとして幕府の将軍から命を狙われる羽目に。
カイリは狂い咲き桜下で自身に魅入られた女性たちとともに「バサラ」の宴にを催しているヒュウガに出会う。二人はここで手を組むことになるんですが、そこからはとにかく騙し・騙されの応酬。
はっきり言って登場人物のほとんどが悪人だし助からないし。
舞台を観た感想としては、久々の新感線らしさの詰まった舞台でした。
いのうえ歌舞伎ではあるものの、歌も盛りだくさんでRシリーズにも近い感じでした。(Rシリーズと違って生演奏はありませんが)
オープニングも狂い先の桜の木の華やかなセットの中、中吊りで登場するヒュウガやタイトルの演出なども、最近物足りなさを感じていた中、久々にいい感じの演出になっていました。
主演ふたりが歌がうまいので、歌唱シーンも聞きごたえばっちり。
殺陣もとてもうまいし見ごたえ抜群。
古田さんも非道な帝っぷりが見事。ただ、やはり寄る年波に勝てないのか殺陣の部分がかなりスローになっていて動きも小さいので、はたから見ると手を抜いているように見えてしまうのが残念。でも存在感はさすがでした。
西野七瀬さんはテレビで見ていると無表情で一本調子なせりふ回しの印象でしたが、この舞台ではせりふ回しも起伏が激しかったし、殺した男しか愛せずなおかつその男のどくろを首にかけているという変態っぷりもい違和感なく演じられていました。
りょうさんはあの顔立ちなので和装とそれに合わせたメイクがとてもよく似合っているし、さすがの貫禄。
30分の休憩を含めて3時間30分強の舞台でしたが、中だるみもなく最後までとても楽しめました。
ただ、最後の最後で一つ解せないことも。
そヒュウガがいよいよ念願のヒノモトノの王になる前日、今まで味方を装っていたカイリがヒュウガに牙をむくんですが、それはある復讐のためにヒュウガが王になる直前の気持ちが絶頂になっているときに絶望に突き落とすべく命を狙うんですが、その理由が(舞台の冒頭でヒュウガに魅入られた女性たちが、彼を守るために役人と戦い命を落とすんですが)ヒュウガをかばって死んだ女性の中ひとりが、カイリの村(ヒュウガが焼き払った・・・ちなみにヒュウガとカイリは同じ村の出身)にいた女性で、カイリはひそかにその女性を想っていたから(ちなみに名前は知らないんだとか)
ここまで綿密にヒュウガを殺す計画を立てた割にはその理由がかなり弱すぎませんか?例えば、ヒュウガが村を焼き払った際に家族が殺されたとかならまだわかるんですが。
ただ、ヒュウガが言うには子供の頃からカイリはヒュウガを睨んでいて、その時点でカイリはヒュウガを殺したがっていたというんですが、ではその理由は・・・・というと特に明かされることはなく、最後の最後で動機がぼやけたかなと。
ただ裏を返せば、子供の時からの嫉妬とか一目ぼれの名も知らぬ女性の死が理由とかでここまで手の込んだ復讐を・・・・て事は、カイリもかなりの悪いヤツってことになるのかな。
あと、もう一つ解せない部分。
これも最後の最後のシーンで、ヒュウガを狙ったはずのアキノ(西野七瀬)の毒矢が誤ってカイリに刺さり(アキノの目はヒュウガに切られ失明しているのでりょうさん演じるサキドに位置を教えられながら矢を放った)、その刺さった矢を抜きざまにヒュウガに刺したんですが、カイリがヒュウガに唯一の解毒剤を差し出すも、それは飲めば確かに解毒作用があるものの、代わりに顔が見にくく崩れていくという恐ろしい副作用付。
ヒュウガにさあどうすると詰め寄ると、ヒュウガはそれを口に含みカイリに口移しで飲ませる。
そして、民衆の前で自身は毒矢で死にカイリは助かり顔が醜くなり、多分王になる男を殺した男として認識される。醜い顔のまま罪人として生きろということなのかな?
ただ、その割には口移しで解毒剤を飲まされてもカイリの顔がただれるという演出がなくそのまま終わってしまった。どういうこと?
このふたつが楽しかった舞台で唯一の疑問符が付いたところでした。
ちなみに途中で何度か生田斗真が歌舞伎のような動作をするんですが、六方指導として尾上松也さんが参加してたんですね(メタルマクベスの縁?)妹もあの動きは格好良かったと絶賛でした。
で、いつも場転のたびにスクリーン映像が入っていつもだと映像に説明の文面がスクリーンに映るんですが、今回はそこに珍しくナレーションが入っていて、誰かいなと帰ってから配役表を確認したら、(生田斗真の)弟君でした。口調からしてアナウンサーさんかな?とは思っていたんですが、まさか弟君だとは。