とりあえず、一番好きな男子個人の高飛び込み(技も高難度が多くダイナミックで見ごたえあるんです・・・女子は男子に比べて難易度が低いのでちょっと迫力少なめ)を振り返ります。
世界水泳などで決勝に進出した選手たちが今回のオリンピックの権利を獲得して登場しました。(去年の世界水泳で決勝に進んだブラジルの選手がいないのがいまだに不思議なんですが)、私は決勝に確実に残ると思ったのは日本の玉井陸斗の他にも(読み方違ってたらごめんなさい)中国の曹 縁(ソウ エン)・楊 昊(ヨウ コウ)、オーストラリアのカシエル・ルソー、ウクライナのオレクシー・セレダ、カナダのネーサン・ゾンボルマレー、ライラン・ウィーンズ、メキシコのウィラーズ・バルデズ、マレーシアのアナク・リセス、イギリスのノア・ウィリアムズ、カイル・コターリ。
個人的に入ってほしいと思ったのが韓国の金 栄沢(キム・ヨンテク)でした。
結果的に確実視していたマレーシアのアナク・リセスがまさかの予選落ち。世界水泳の時とコーチが違っていたのと何か関係があるのでしょうか。それともよくあるオリンピックに住む魔物に負けたのか。金 栄沢も残念ながら予選落ち。
準決勝は玉井陸斗は順調に勝ち進んだものの、他の決勝進出常連組のセレダやゾンボルマレーやノア・ウイリアムズがまさかの低空飛行。しかし、最後の6回目の演技でセレダやゾンボルマレーは高得点をたたき出し、見事大逆転での結集進出。ノア・ウィリアムズは逆に失敗したものの5回目までの得点に助けられ、ギリギリ12位で決勝進出。
代わりにかわいそうだったのが、イタリアのジョバンニーニ。6回飛び終えて総合点400.65をたたき出し、なんとかギリで決勝進出になるかと思いました。しかし、5回目まで絶不調だったセレダが6回目で非常にいい演技をして高得点をたたき出したことで、ほんのわずかの差で決勝を逃してしまいました。
多分、映像を見ている限り本人は決勝に残ったと思ったんでしょう。セレダが飛んだ時点では他の選手とハグをしているんですが、点数が出た時にジャクジー(体を温めるためにぬるま湯につかる場所)の縁で呆然としていたように見えました。その序盤にーにをしり目にひょうひょうとジャグジーにに入ってきたセレダとの天国と地獄を現したような映像は印象的でした。
イタリアは世界大会で決勝に進出したことがないので、今回、6回目の演技で失敗したノア・ウィリアムズの点数があとほんのわずか低かったら、そしてセレダが6回目でこれほどまでに高得点をたたき出していなかったら彼は史上初の決勝進出者としてイタリアの飛び込み史上に名を残したことでしょう。
この準決勝では前回の東京大会で決勝に進出したブランドン・ロシアーボが敗退し、代わりに東京大会で決勝を逃したドイツのティモ・バルテルが見事決勝進出。
で、決勝なんですが先日のブログの通りBSでの録画放送がまさかの33分に短縮されかなりがっかりしたんですが、この33分の中身は1~5回までの玉井陸斗の演技のみと5回目の曹 縁の演技(5回目で玉井は演技を失敗し、曹 縁は成功させたため)と、6回目のすべての選手の演技でした。
ここで面白かったのは、ノア・ウィリアムズが6回目でいい演技を見せて、コーチがかなりのテンションで大喜びするんですが、当の本人は浮かない顔。
というのも、6回目でいい演技をして94.35点をたたき出したものの、総合点は497.35。でも前回の東京大会・去年と今年の世界水泳でメダル圏内はすべて500点超えているんですよ。(東京大会や今年の世界水泳は銅メダルで520点越えでしたから)だから、本人からしたらこの点数ではメダルは取れないと思ったんでしょう。
でも確定するまでは彼は暫定席で待機し続けなければなりません。その後次々と演技が続きみんな高得点をたたき出すんですが、前半の点数が低かったり途中で演技の失敗があったりでノア・ウィリアムズの点数には及びませんが、この時点でまだ中国勢のふたりと(もっともこの5回飛んだ時点で楊 昊はまさかの最下位・・・曹 縁は1位です)5回飛んだ時点で3位の玉井、2位のウィラーズ・バルデズが残っています。
で、バルデズが高難度の技を残しているので、ここでそこそこの演技ができればバルデズが暫定1位、ウィリアムズは暫定2位となり、曹 縁と玉井が失敗しなければ、ウィリアムズは4位に落ちてメダルを逃します。
ところが、バルデズがまさかの演技失敗で点数が予想外に低くなり、総合点でウイリアムズを超えることができなくなり、ここでまさかのメダル獲得の確率が爆上がり。この時のウィリアムズの反応が、両手を口に当てて若干オネエみたいになっていてちょっと笑えました。とうぜんバルデスはがっかりです。
つぎにルソーが飛び、またしても90点越えを出しますがやはりウィリアムズに届かず。これでほぼメダル確定でウイリアムズは大喜び。
次に玉井が飛び、今大会最高得点の99.90をたたき出し、玉井はガッツポーズで大喜び、コーチと感動のあついハグをかわし、解説をしていた彼の先輩の寺内健さんも泣いてました。その後、まさかの最下位の楊 昊が飛ぶものの最後まで調子を戻せないまま最下位で終了。曹 縁は無難に技をこなして見事金メダル。
中国勢は、飛込競技全種目制覇のプレッシャーがあったせいか(実際全種目制覇したわけですが)、コーチ陣がみんな大喜び。最下位だった楊 昊は大丈夫かな、と心配しましたが、彼らと一緒に微笑んでハグしていたので、とりあえずよすったと。(国が国だけにひょっとして落ち込んでるんじゃないかと冷や冷やしました)まあ、かれもシンクロ高飛び込みでちゃんと金を獲得していますから、彼なりに役割は果たせているからいいのかな。
決勝は、この6回目の演技だけでもいろいろな悲喜こもごもがありかなり面白かったので、せめで見逃し配信でもいいから日本の解説付きの映像流してもらえませんかね。