2009年8月7日(金)13:00開演 帝国劇場 A席 1階S列10番台
◆ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』(音楽・追補:ジム・スタインマン/脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ/演出:山田和也)
- クロロック伯爵(ヴァンパイア)…山口祐一郎
- サラ(宿屋の娘)…知念里奈
- アルフレート(アブロンシウス教授の助手)…泉見洋平
- シャガール(宿屋の亭主)…安崎求
- レベッカ(シャガールの女房)…阿知波悟美
- マグダ(宿屋の女中)…シルビア・グラブ
- ヘルベルト(クロロック伯爵の息子)…吉野圭吾
- クコール(せむし男。クロロック伯爵に仕えている)…駒田一
- アブロンシウス教授(ヴァンパイアを研究している)…石川禅
- ヴァンパイア・ダンサー…森山開次
【ACT1】 「♪オーヴァーチュア」「♪プロローグ」「♪ニンニク」「♪きれいな娘を持ったなら」「♪初めてだから」「♪神は死んだ」「♪すべて順調~人類のために」「♪あんたは素敵」「♪お前を招待しよう」「♪外は自由」「♪ヴシャ ブシャ」「♪死んじゃうなんて」「♪荒野1」「♪ACT1フィナーレ」
【ACT2】 「♪愛のデュエット」「♪夜を感じろ」「♪今日は完璧」「♪霊廟」「♪本だ!」「♪恋をしているのなら」「♪ワルツ」「♪永遠」「♪抑えがたい欲望」「♪舞踏の間」「♪メヌエット」「♪荒野2」「♪外は自由(リプライズ)」「♪フィナーレ」
私は思い違いをしていた。私は『ダンス・オブ・ヴァンパイア』はシリアスなミュージカルだと思い込んでいたのだ。でも…なんか違う…。その思いはミュージカルが進むにしたがって、どんどんどんどん私の心の中で膨れ上がっていった。しかし、途中でそのモヤモヤはふっきることにした。これはヴァンパイアの名を借りたコメディーに違いない。楽な気持ちで観て、ただ楽しめばいいんだ!そんなふうに観劇スタンスを変えたら、割と楽しめた(笑)。観劇後、プログラムの中に答えを見つけた。阿知波さんは「レベッカより、皆様へ一言」の欄にこう書いている。「おバカな物語を、大汗流して真剣に演る私達が見所でしょう。」やっぱり、そうか!
山祐節炸裂!あの声、あの声量、あのクレッシェンドは、いつ聴いても感動的(笑)。クロロック伯爵に激しい動きは無し。両手を広げてゆっくり動いているイメージが強い。天空にクロロック伯爵の大羽根がぶわっと広がるシーンは見世物的に単純に面白かった。
サラは風呂好きな美しい娘(笑)。父親は、美しい娘に変な虫がつかないように、常に見張っているらしい。サラはそんな親の干渉から逃れて、自由に生きたいと望んでいる。そこへアルフレートがやってきて、二人は恋に落ちる…と。知念さんの舞台を観たのは今回が初。何しろお風呂好きなので、入浴シーンが多く、ちょっとドキドキ(笑)。クロロック城での、赤いブーツを履いたダンスシーンが良かった!知念さんって、ダンスが上手いんですね!
アルフレートは気が弱い青年。冬の森で冷凍人間になってしまったアブロンシウス教授を背負って、シャガールの宿屋に辿り着く。そこで入浴中のサラと出逢い、恋に落ちる…と。泉見さんの舞台を観るのも今回が初。『レ・ミゼラブル』のマリウス役や、『ミス・サイゴン』のトゥイ役もやっているんですね~。泉見アルフレートは、見るからに気が弱そうだった(笑)。クロロック城でヴァンパイアに止めを刺せないところとか、見ていて本当にイライラした(笑)。
禅さんは本当に役者ですねぇ~。役に合わせて、毎回キャラがガラッと変わる。ファンです(笑)。アブロンシウス教授はヴァンパイアの研究をしていて、「ガーリック、ガーリック~♪」と歌う村人達の姿を見て、ヴァンパイアがいることを確信する。クロロック伯爵に操られて、クロロック城に行ってしまったと思われるサラを救出するため、アルフレートと教授はクロロック城に乗り込む。教授は本が大好き。サラ救出もそっちのけで、図書館探検におおはしゃぎ(笑)。教授が好きな言葉ベスト5は「真実」「論理」「動機」「根拠」「証拠」!
ヘルベルトは風呂好きなヴァンパイア(笑)。父親であるクロロック伯爵は女の子(サラ)がお好きなようだが、息子のヘルベルトは明らかに男の子(アルフレート)がお好きらしい(笑)。アルフレートは、サラを探して、間違えてヘルベルトのお風呂場に迷い込んでしまう。ヘルベルトの不必要なまでのセクシー衣装に衝撃を受ける(笑)。そして、その透け透け衣装のまま、バレエやら側転やらのダンスを繰り広げる。目のやり場に困るんですけどー!(笑)。吉野さんの新境地を見た思いがした。
南海まりさんが、女性アンサンブルとして参加し、村人・先祖・死者を演じていた。南海さんが出演するということで、星組ファンの私としては、とても楽しみにしていたのだが、舞台上で南海さんを探すのは至難の業だった(苦笑)。最後の最後で、下手側にいるすらっとした人が南海さんだと判別できた。あ~、見つけられて良かった~。
フィナーレは客席参加型。基本スタンディング。ヴァンパイア初観劇の私は、いまひとつ事情が飲み込めなかったものの、雰囲気に合わせてとりあえずスタンディングで拍手をしてみた。しかし、どうやらフィナーレで行うお決まりの手振りがあるらしい。明らかにリピーターと思われる隣の席のお姉さんは、フィナーレになった途端に迷わず立ち上がり、フィナーレソングを口ずさみながら、その手振りをしていた。さすがだ!舞台上では、吉野ヘルベルトが客席に同じ手振りをするように強要(笑)していたので、私も山祐クロロックの真似をして、手振りに参加してみた(笑)。こういう祭りには参加しないとね。
上演中、目の前の通路をたくさんのヴァンパイア達が通り過ぎた。ヴァンパイアのマントが私の足に触れるほどの至近距離だった。通路を駆け抜けるアブロンシウス教授と両手でハイタッチができた!A席最前列は、とてもオイシイ席だった。