2010年10月30日(土)11:30開演 東京宝塚劇場 A席 2階10列10番台 月組公演
今回の旅の最大の敵は「台風」だった。ニュースでは、今シーズン最大級の台風が本州に接近していて、関東地方に上陸するかもしれないので、この週末はなるべく外出は控えるようにと警告していた。そんなぁ…そんなぁ…。この週末を楽しみに、仕事を頑張ってこなしてきたのに…。暴風で新幹線がストップしたらどうしよう、豪雨で地下鉄が水没したらどうしよう。台風は怖いけど、舞台は観に行きたい!台風が本州から逸れてくれることをひたすら祈りつつ、新幹線に乗り込んだ。幸いなことに新幹線は通常通り運行していたので、東京まで無事にたどり着くことができた。外は雨。独特な熱気を帯びた空気が、確実に台風が接近していることを示していた。劇場まで無事到着し、窓口でチケットを受け取った。今回初めて宝塚webを利用した。窓口を利用したのも今回が初めてだったので、ちょっと緊張した(笑)。今回の席はA席でも、出入口階段上の最前列だったので、前に人がいなくて、とても見晴らしがよかった。さて、今回はどんなお芝居&ショーなのかなぁ~♪
◆ミュージカル『ジプシー男爵 Der Zigeuner Baron -ヨハン・シュトラウスⅡ世 喜歌劇「ジプシー男爵」より-』(脚本・演出:谷正純)
幕開きはトップコンビによる息詰まるようなダンス対決。舞台の上手に霧矢さん、下手に蒼乃さん。見つめ合う(睨み合う?)二人を照明が四角く切り取っていた。こういうライティングを楽しむことができるのも2階席ならでは。2階席で正解だったかも(笑)。「デュエットダンス」というよりは「ダンス対決」という感じ。キレキレでカッコよかったです。
上手花道セリから、オトカー(明日海りお)を始めとするジュパン家の使用人の方々がわんさか出てきた。セリからあんなにいっぱい人が出てきたの初めて観た(笑)。セリが地下へ通じる穴の入口なんですね。
シュテルク・バリンカイ(霧矢大夢)は皆の前で、「ザッフィ(蒼乃夕妃)と結婚する!」と突然の結婚宣言。寝耳に水のザッフィはびっくり仰天。しかし、主役の二人は初めて会ったその瞬間から恋に落ちていた。シュテルクとザッフィの城跡デート。お互いの気持ちを確かめ合った二人は、じゃれ合いながら城跡を巡る。盆が回る。盆が回る。回る回る回る!ちょっ、ちょっと回りすぎじゃありませんか!?とこちらが動揺し始めた頃に、城跡セットがセリ上がり始めた。おおっ!セリ上がった城跡の下には、なんとシュテルクの父親が密かに隠した財宝が眠っていた。だからあんなに盆が回っていたのかと妙に納得(笑)。しかも、ジプシーの説明によると、この隠し場所を開ける鍵は「真実の愛」なのだという。魔法だ(笑)。
ザッフィが実はトルコ軍総督の娘だったという秘密が明かされ、ザッフィのトルコ行きが決まる。シュテルクは徴兵に応じて戦場へ行くと宣言。この辺りからこのお話の展開は私の想像の範囲を超えた(笑)。ジプシー軍団の中で最後までシュテルクに反発していたパリ(龍真咲)が、「一度忠誠を誓ったら、死ぬまで守り通すのがジプシーだ!」と言ってシュテルクの後に続いた。まさか主役を含めた男達が皆徴兵されて戦場へ行ってしまうとは思わなかった。しかも、すぐに皆で帰ってくるし(笑)。でも、銀橋にずらり勢揃いした赤い軍服の集団は壮観で、すごくカッコよかったので許す!(笑)
今回のマリア・テレジア(花瀬みずか)は、粋で話の分かる女性だった(笑)。マリア・テレジアからシュテルクに褒美が3つ与えられた。①領地と爵位、②返還された財宝を再びシュテルクに与える、③トルコ軍総督令嬢ザッフィとの再会。自由を愛するシュテルクは①と②は辞退した。シュテルクが一番喜んだのはもちろん③!はい、めでたしめでたし。ヒューヒュールルラー/ヒュールルラ/風が歌っている/苦しさの分だけ/朗らかに/朗らかに/君への愛の歌を~♪
◆グランド・レビュー『Rhapsodic Moon ラプソディック・ムーン』(作・演出:中村一徳)
【第1章 プロローグ】 出演者総出。フォーメーションを変えながら、これでもかこれでもかと主題歌を歌い継ぐ。ここで主題歌をマスターする(笑)。
【第2章 月の輝く城】 囚われの姫を旅人(霧矢)が救い出すというストーリー。黒ずくめの衣装に身を包んだ兵士A(明日海)が姫を翻弄する。なぜか私は「姫」を蒼乃さんではない人だと思い込んでいた。月組は2番手娘役も踊れる人なんだなぁ。ところで2番手娘役って誰?…しばし観劇…蒼乃さん?蒼乃さんじゃん!とんだ勘違いでした(笑)。
【第3章 Moon Dance】 龍真咲さん、青樹泉さん、星条海斗さんを中心としたスーツダンス。
【第4章 LUZ・月の光】 銀橋にスター勢揃いの華やかな中詰め。娘役さん達の白ののれんドレスと胸にデカデカと輝く星マークが強烈な印象を残した(笑)。
【第5章 CARAVAN】 蜃気楼の男A・桐生園加、蜃気楼の女A・美鳳あや。
【第6章 砂漠の月】 砂漠の男S・霧矢大夢、砂漠の女S・蒼乃夕妃。
【第7章 フィナーレ】 ロケットのセンターソロと、エトワールは同じ人だった。花陽みらさん。今回の新人公演ではザッフィ役を演じる。期待の新人さんなのだろう。大階段黒燕尾群舞。白ドレス娘役群舞。一糸乱れぬ群舞は宝塚最大の魅力です。主演コンビによるデュエットダンスも素敵でした。すでに落ち着いた熟年カップルの風格が漂っているような気がするのは私だけだろうか?(笑)