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休日は観劇に

さくの観劇メモランダム

ジプシー男爵/Rhapsodic Moon

2010年11月23日 | 宝塚月組2(霧矢大夢)

2010年10月30日(土)11:30開演 東京宝塚劇場 A席 2階10列10番台 月組公演

 今回の旅の最大の敵は「台風」だった。ニュースでは、今シーズン最大級の台風が本州に接近していて、関東地方に上陸するかもしれないので、この週末はなるべく外出は控えるようにと警告していた。そんなぁ…そんなぁ…。この週末を楽しみに、仕事を頑張ってこなしてきたのに…。暴風で新幹線がストップしたらどうしよう、豪雨で地下鉄が水没したらどうしよう。台風は怖いけど、舞台は観に行きたい!台風が本州から逸れてくれることをひたすら祈りつつ、新幹線に乗り込んだ。幸いなことに新幹線は通常通り運行していたので、東京まで無事にたどり着くことができた。外は雨。独特な熱気を帯びた空気が、確実に台風が接近していることを示していた。劇場まで無事到着し、窓口でチケットを受け取った。今回初めて宝塚webを利用した。窓口を利用したのも今回が初めてだったので、ちょっと緊張した(笑)。今回の席はA席でも、出入口階段上の最前列だったので、前に人がいなくて、とても見晴らしがよかった。さて、今回はどんなお芝居&ショーなのかなぁ~♪

◆ミュージカル『ジプシー男爵 Der Zigeuner Baron -ヨハン・シュトラウスⅡ世 喜歌劇「ジプシー男爵」より-』(脚本・演出:谷正純)

 幕開きはトップコンビによる息詰まるようなダンス対決。舞台の上手に霧矢さん、下手に蒼乃さん。見つめ合う(睨み合う?)二人を照明が四角く切り取っていた。こういうライティングを楽しむことができるのも2階席ならでは。2階席で正解だったかも(笑)。「デュエットダンス」というよりは「ダンス対決」という感じ。キレキレでカッコよかったです。

 上手花道セリから、オトカー(明日海りお)を始めとするジュパン家の使用人の方々がわんさか出てきた。セリからあんなにいっぱい人が出てきたの初めて観た(笑)。セリが地下へ通じる穴の入口なんですね。

 シュテルク・バリンカイ(霧矢大夢)は皆の前で、「ザッフィ(蒼乃夕妃)と結婚する!」と突然の結婚宣言。寝耳に水のザッフィはびっくり仰天。しかし、主役の二人は初めて会ったその瞬間から恋に落ちていた。シュテルクとザッフィの城跡デート。お互いの気持ちを確かめ合った二人は、じゃれ合いながら城跡を巡る。盆が回る。盆が回る。回る回る回る!ちょっ、ちょっと回りすぎじゃありませんか!?とこちらが動揺し始めた頃に、城跡セットがセリ上がり始めた。おおっ!セリ上がった城跡の下には、なんとシュテルクの父親が密かに隠した財宝が眠っていた。だからあんなに盆が回っていたのかと妙に納得(笑)。しかも、ジプシーの説明によると、この隠し場所を開ける鍵は「真実の愛」なのだという。魔法だ(笑)。

 ザッフィが実はトルコ軍総督の娘だったという秘密が明かされ、ザッフィのトルコ行きが決まる。シュテルクは徴兵に応じて戦場へ行くと宣言。この辺りからこのお話の展開は私の想像の範囲を超えた(笑)。ジプシー軍団の中で最後までシュテルクに反発していたパリ(龍真咲)が、「一度忠誠を誓ったら、死ぬまで守り通すのがジプシーだ!」と言ってシュテルクの後に続いた。まさか主役を含めた男達が皆徴兵されて戦場へ行ってしまうとは思わなかった。しかも、すぐに皆で帰ってくるし(笑)。でも、銀橋にずらり勢揃いした赤い軍服の集団は壮観で、すごくカッコよかったので許す!(笑)

 今回のマリア・テレジア(花瀬みずか)は、粋で話の分かる女性だった(笑)。マリア・テレジアからシュテルクに褒美が3つ与えられた。①領地と爵位、②返還された財宝を再びシュテルクに与える、③トルコ軍総督令嬢ザッフィとの再会。自由を愛するシュテルクは①と②は辞退した。シュテルクが一番喜んだのはもちろん③!はい、めでたしめでたし。ヒューヒュールルラー/ヒュールルラ/風が歌っている/苦しさの分だけ/朗らかに/朗らかに/君への愛の歌を~♪

◆グランド・レビュー『Rhapsodic Moon ラプソディック・ムーン』(作・演出:中村一徳)

【第1章 プロローグ】 出演者総出。フォーメーションを変えながら、これでもかこれでもかと主題歌を歌い継ぐ。ここで主題歌をマスターする(笑)。

【第2章 月の輝く城】 囚われの姫を旅人(霧矢)が救い出すというストーリー。黒ずくめの衣装に身を包んだ兵士A(明日海)が姫を翻弄する。なぜか私は「姫」を蒼乃さんではない人だと思い込んでいた。月組は2番手娘役も踊れる人なんだなぁ。ところで2番手娘役って誰?…しばし観劇…蒼乃さん?蒼乃さんじゃん!とんだ勘違いでした(笑)。

【第3章 Moon Dance】 龍真咲さん、青樹泉さん、星条海斗さんを中心としたスーツダンス。

【第4章 LUZ・月の光】 銀橋にスター勢揃いの華やかな中詰め。娘役さん達の白ののれんドレスと胸にデカデカと輝く星マークが強烈な印象を残した(笑)。

【第5章 CARAVAN】 蜃気楼の男A・桐生園加、蜃気楼の女A・美鳳あや。

【第6章 砂漠の月】 砂漠の男S・霧矢大夢、砂漠の女S・蒼乃夕妃。

【第7章 フィナーレ】 ロケットのセンターソロと、エトワールは同じ人だった。花陽みらさん。今回の新人公演ではザッフィ役を演じる。期待の新人さんなのだろう。大階段黒燕尾群舞。白ドレス娘役群舞。一糸乱れぬ群舞は宝塚最大の魅力です。主演コンビによるデュエットダンスも素敵でした。すでに落ち着いた熟年カップルの風格が漂っているような気がするのは私だけだろうか?(笑)


スカーレット・ピンパーネル

2010年07月10日 | 宝塚月組2(霧矢大夢)

2010年6月12日(土)16:00開演 東京宝塚劇場 S席 2階4列60番台 月組公演

◆ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル THE SCARLET PIMPERNEL』(原作:バロネス・オルツィ/脚本:ナン・ナイトン/作曲:フランク・ワイルドホーン/潤色・演出:小池修一郎)

  • パーシー・ブレイクニー…霧矢大夢
  • マルグリット・サンジュスト…蒼乃夕妃
  • ショーブラン…明日海りお
  • アルマン・サンジュスト…龍真咲
  • ロベスピエール…越乃リュウ
  • ドゥ・トゥルネー伯爵夫人…花瀬みずか
  • プリンス・オブ・ウェールズ…桐生園加
  • アントニー・デュハースト…青樹泉
  • アンドリュー・フォークス…星条海斗
  • マリー・グロショルツ…憧花ゆりの
  • オジー…光月るう
  • エルトン…宇月颯
  • シュザンヌ…彩星りおん
  • ファーレイ…紫門ゆりや
  • ベン…煌月爽矢
  • ハル…珠城りょう

【スカピン再演!】

 霧矢大夢さんと蒼乃夕妃さんの月組新トップコンビお披露目公演は、なんと『スカーレット・ピンパーネル』!2008年に安蘭けいさん率いる星組で日本初演され、大ヒットしたミュージカルだ。こんなに早く再演されるとは思わなかった。驚きだ。でも、大・大・大好きな作品なので、再演は大変嬉しい!絶対に観に行くぞー!スケジュール的に、安蘭けいさんの『箱舟』とかけて観に行きたいなぁ。ということは、6月12日(土)狙いだ!友会会報をチェックチェック…と。お!12日の16:00公演は友会優先公演だ。これは当たる可能性が高いかもしれない。よしよし…。そして結果発表日。ケータイにメールが届く。ドキドキドキドキ。画面をスクロールして見えてきた文字は…「当選」!キャー!ヤッター!狙い通りに12日の16:00公演のチケットをゲーット!「スカピン&箱舟ツアー」!なんて完璧なツアーなんだ(笑)。楽しみ過ぎるぅ~。6月が待ち遠しいよぉ~。

【祝・新トップコンビお披露目!】

 月組主演男役・霧矢大夢さんの相手役に任命されたのは、星組の蒼乃夕妃さんだった。陽月華さんに続いて、また一人、主演娘役として星娘が旅立っていった。『太王四神記Ⅱ』の蒼乃カクダンはカッコよくて、好きだったなー。熱い星娘の一人として注目していただけに、星組からいなくなってしまうのは、とても寂しい。でも、蒼乃さんは、新人公演でも連続でヒロインを演じていたし、バウでもヒロインを演じていたから、もしかしたら…という予感はあった。実際、発表になった時も、ビックリした、というよりは、やっぱり、という感じの方が強かったし(笑)。霧矢さんと蒼乃さんは今まで一度も組んだことがないということだったが、私は何の根拠もなく、直感的に、合いそう、と思った。そして、その直感は間違っていなかった。

 霧矢さんは…スゴかった!まさに「満を持して」という言葉が相応しい。キャリアに裏打ちされた実力と自信。そして、そこから生まれる心の余裕。霧矢さんは、のびのびと本当に楽しそうにパーシー&グラパンを演じていた。主演というプレッシャーは当然あると思うのだが、そんなことは微塵も感じさせなかった。台詞の言い回しや笑わせポイントが、やはり初演とは少し違っていて、それが霧矢テイストなのだと思った。そして何より「歌」。霧矢さん、歌、上手いなー。聴きほれちゃったよ。ミュージカルはこうでなくっちゃね!

 蒼乃さんは、星組時代に新人公演でマルグリット役を演じていた。霧矢さんの相手役として相応しく、かつマルグリット役を十分にこなせる娘役ということで、蒼乃さんが選ばれたのかもしれませんね。蒼乃マルグリットは…本当に腕っ節が強そうだった(笑)。「革命の女闘士」時代がはっきりとイメージできる感じ。私がカクダン好きだから、そう見えただけかもしれないが(笑)。特に、パーシー扮するグラパンに対して、「パーシーは、あなた達に騙されるような馬鹿じゃないわ!」と怒りもあらわに蹴りを入れるシーンは、グラパン(パーシー)もタジタジだった(笑)。

 フィナーレでの、霧矢さんと蒼乃さんのデュエットダンスも、とっても素敵だった!芝居の相性といい、ダンスの相性といい、二人はお似合いだ。月組は、彩乃かなみさん退団以降、主演娘役不在が続いていたが、やはり主演娘役はいてほしい、と一ファンとして思う。昔の宝塚は固定した主演システムはとっていなかったようだが、現在は固定主演システムをとっており、5組中4組には主演娘役がいるのに、1組だけいないというのは、どう考えても不自然極まりない。あるべきピースが無い、という思いが、不安感を招いたのではないだろうか。今は欠けていたピースがピタッとはまり、安定した状態が回復した。霧矢&蒼乃新トップコンビの今後の舞台が大いに楽しみですね!

【明日海ショーブラン…イイじゃん!】

 スカピンの中で実は主演級に重要な役どころのショーブラン。今回は龍真咲さんと明日海りおさんが役替わりで演じていた。私が観たのは明日海ショーブラン。明日海さんは、とても可愛らしい顔立ちをしているので、ショーブラン役はどうなんだろうなぁ…と思っていた。ところがどっこい、これがなかなかイイのである!可愛らしい顔には不似合いなアゴヒゲ(笑)。しかし、それもアリかな、と思わせてしまう、不思議な魅力があった。声も重心も低めに、眉間に皺を寄せて、暗く重々しく、ショーブランを熱演していた。銀橋に出てきて歌う「♪鷹のように」の最後の「にぃ~~~ぃあぁっ!!」も健在。この歌い方(演出)は必須なんですね。大好きです(笑)。

 本編が終わると、黒一色のショーブラン衣装からキラキラのフィナーレ衣装に着替えた明日海さんが下手花道にセリ上がりで登場して、銀橋を渡りながら、主題歌「♪ひとかけらの勇気」を歌うのだが、その声がガラガラ(カスカス?)に枯れてしまっていてビックリした。本編を観ている時は全然気づかなかったからだ。おそらくショーブランの低い声で叫んだり歌ったりを毎公演全力投球でやり続けてしまったためだろう。普通の男役の声の高さで歌った時に、声のかすれが際立つようだった。オペラグラスを覗きながら、「喉のケアをしっかりして、千秋楽まで頑張ってー」と心の中で声援を送りました(笑)。

【やっぱり曲がイイのだ!】

 やっぱり曲がイイのだ!星組版の実況CDを聴きまくったので、全曲ほぼ暗記してしまった。車を運転している時は熱唱タイムだ。それこそ声が枯れてもいいくらいの勢いで熱唱している(笑)。全曲大好きだが、特に好きなのは、「♪あなたこそ我が家」「♪マダム・ギロチン」「♪鷹のように」「♪あなたを見つめると」「♪君はどこに」「♪謎解きのゲーム」。「特に」と言いながら、結構たくさん挙げてしまった。どれか一つは…選べない。どうしてもと言われたら(誰もそんなことは言っていないが)、「♪マダム・ギロチン」「♪あなたを見つめると」「♪謎解きのゲーム」の三つを選ぶ。あぁ、それ以上は絞れない。そして何より、小池修一郎氏の宝塚ファンの心理を読みきった演出が素晴らしいのだろう。もう、修一郎バンザイ!である(笑)。スカピンは今後、『エリザベート』のようにハイペースで他の組でもどんどん再演されていくのではないだろうか。

【宝塚友の会優先公演】

 結局「貸切」公演になったようだ。お披露目&スカピンだからね。そりゃあ貸切になるってもんですよ。終演後に、越乃リュウ組長と霧矢大夢さんの挨拶を聴くことができた。最近、友会優先公演を当てることが多いので、組長&主演男役の挨拶を生で聴く機会が増えた。単純に嬉しい(笑)。しかし、抽選会とやらは、一向に当たる気配がない。1回くらい何かが当たってもいいじゃないか。実は、次の宙組公演『TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン』も友会優先公演を当てている。よし、今度こそは…。