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休日は観劇に

さくの観劇メモランダム

My Dear New Orleans/ア ビヤント

2009年04月29日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

①2009年4月1日(水)13:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階24列50番台 星組公演

②2009年4月1日(水)18:30開演 東京宝塚劇場 S席 2階2列30番台 星組公演

③2009年4月2日(木)13:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階15列30番台 星組公演

 安蘭けいさんが退団する。…寂しい(泣)。初めて観たのはアイーダだった。次に観たときはオスカルだった。その次に観たときはアンドレだった。私は「安蘭けい」にハマってしまった。そして安蘭さんは「星組主演男役」になった!あの日の驚きと喜び、感動と興奮は今でも忘れない。あの日から今日まで、ヅカファン街道まっしぐら(笑)。自分でもびっくりするようなハマりっぷり。私は「宝塚」という名の「生きる喜び」を知ってしまった。もう知らなかった昔に戻ることはできない(笑)。安蘭さんに興味を持ち始めた頃、安蘭さんの主演作品を見てみたくて『龍星』のDVDを買った。部屋を暗くして劇場にいるような気分で見た。ストーリーが面白い、戦闘シーンのダンスがカッコイイ、ラブシーンに胸キュン(←自分に驚いた。笑)、歌詞も曲もイイ、そして何より安蘭さんの鬼気迫る演技が凄かった!私は「安蘭けい」に完璧におちた(笑)。だから私にとって『龍星』は特別な作品。その後、南海まりさん・柚希礼音さん・陽月華さん・彩海早矢さん・夢乃聖夏さん・紅ゆずるさんなどの『龍星』チームの若手メンバーが舞台で活躍している姿を見つけるとうれしくなった。

 遠野あすかさんが退団する。…寂しい(泣)。リビィ、ジェニファー、ギルダ、レナール夫人、マルグリット、ロザリー。遠野さんは演じる役によって毎公演ガラッと雰囲気が変わる。どんな女性も的確に魅力的に演じていて凄いと思った。安蘭さんと遠野さんは二人とも歌も芝居も上手なミュージカル俳優同士。相乗効果でどんな芝居もドラマティックな作品になった。ファンとしてこれ以上の喜びはない。安蘭・遠野コンビの出会いに感謝。

 立樹遥さんが退団する。…寂しい(泣)。あのスマイルと立樹さんから伝わってくる穏やかであったかい空気が大好きだった。『ヘイズ・コード』のラルフ役がとても良かった。ラルフは親友レイモンドを尊敬し信頼し優しく見守っている。その関係性が立樹さんと安蘭さんの関係性と重なって見えた。立樹さんの歌で安蘭さんがタップを踏むシーンが新鮮だった。立樹さんが悪者達に襲われる一連のタップシーンがものすごくカッコよかった。

 朝峰ひかりさんも、紫蘭ますみさんも、涼乃かつきさんも、星風エレナさんも、和涼華さんも、一輝慎さんも、麻尋しゅんさんも退団する。…寂しい(泣)。一気に10人も大切な大切な星組メンバーがいなくなってしまう。皆それぞれ個性的で星組に欠くことのできない存在だった。

 サヨナラ公演。なんとか3回分のチケットを確保することができた。今の星組の夢舞台を観劇できるのは、泣いても笑っても、あと3回。大切にしっかりと観てこよう。2009年4月26日。一つの時代が終わる。

◆musical『My Dear New Orleans』-愛する我が街-(作・演出:植田景子/作曲・編曲:甲斐正人)

第1場 序 ニューオリンズ・1928年夏

 舞台中央にぽつんと置かれた一台のピアノ。スポットライトに照らされている。「すべてはそこから始まった」「音楽こそ人生」、そういうメッセージなのかな、と思った。やがて舞台中央奥の扉を開けて安蘭さんが登場。客席から自然と拍手が沸き起こる。ドラマの始まりだ。彼の名はジョイ・ビー(安蘭けい)。ブラックミュージックの先駆者であるジョイは、水害で被害を受けたニューオリンズの復興チャリティーコンサートのため、故郷の街へ戻ってきた。ジョイは音楽プロモーターのアルバート・ジョーダン(涼紫央)と共に、スティーヴン牧師(汝鳥伶)とシスター・サラ(美穂圭子)がいる黒人教会“St. Peter's Church”を訪ねた。ジョイは少年時代にそこの聖歌隊で歌っていたのだ。10年ぶりの再会を喜ぶ3人。取材のため待ち構えていたニューヨークの音楽ジャーナリストのエリック・ジョンソン(紅ゆずる)と恋人のアイリーン・ハート(妃咲せあら)は、ジョイを成功へと導くことになった名曲「♪Sweet Black Bird」に歌われている女性について尋ねた。ジョイはそれには答えず、静かにピアノに向かった。困った様子のエリックにアルバートが教えた。ジョイがピアノに向かったとき、それはOKという意味さ!

第2場~第15場 ストーリーヴィル・1917年晩夏

 南部一の歓楽街といわれるストーリーヴィルには酒場や娼館、ダンスホールが立ち並んでいた。アンクル・ジェリー(紫蘭ますみ)とフローラ(朝峰ひかり)が営む安酒場“Jelly's Saloon”に、ジョイの弾くラグタイムのピアノが響く。人々はジョイのバンド“ストーリーヴィル・キッズ”の演奏に酔いしれた。バディ(和涼華)はトランペット、ゲイブ(夢乃聖夏)はドラム、オリヴァー(彩海早矢)はコントラバス、マーティン(麻尋しゅん)はクラリネット、ピート(美弥るりか)はギター、かな?大勢で歌って踊るラグタイムの場面は前半最大の山場だったなぁ。安蘭ジョイの歌声は人々の心を魅了してやまない。ところで、安蘭さんは本当にピアノを弾いているのだろうか?2階席から観劇した時に、ピアノの演奏はオーケストラピットでやっているんだな、と確認したつもりだったのだが、やはり安蘭ジョイを観ていると、安蘭さん本人が弾いているとしか思えない!もしも弾く「フリ」なのだとしたら、安蘭さん上手過ぎ!

 高級ダンスホール“Elysian Hall”での演奏を依頼された“ストーリーヴィル・キッズ”の面々は、一張羅を着て意気揚々と出かけていく。贅を尽くした装いの招待者達が最新流行のタンゴを楽しんでいると、ダンスホールの女主人ジョセフィン(万里柚美)の娘、“ニューオリンズ一美しいクレオール女”と評判の美女ルル(ルイーズ・デュアン/遠野あすか)が現れる。ルルの豪華な衣装はどこか着物風でゴージャスオリエンタルとでもいう感じ。当時の流行だったのかな?ストーリーヴィルを牛耳る実力者ジュール・アンダーソン(立樹遥)のエスコートで踊るルルを見て、ジョイは驚いた。彼女こそ10年前の事件でジョイが助けた少女だったのだ。ジョイはかつて彼女のために歌ったバラードを歌う。そのメッセージにルルが気づいた。そこへルルの弟のレニー(レオナード・デュアン/柚希礼音)が酔っ払って乱入してきた。追いかけてきた男達はアンダーソンを見ると恐れをなして退散していったが、この騒ぎでパーティーは台無し。ジョセフィンの提案でパーティーの続きは場所を変えて行われることになり、人々は出て行った。ルルから小遣いをもらったレニーも出て行き、ジョイとルルは二人きりになった。10年ぶりに言葉を交わす二人。突然ルルはジョイにキスをした。10年前のお礼よ。

 銀橋芝居。ゲイブとメイ(蒼乃夕妃)、スタンリー(壱城あずさ)とセリー(琴まりえ)は教会へ向かっていた。大きなお腹を抱えたメイの手を引いてゆっくり歩く優しいゲイブ。もうすぐ赤ん坊が生まれることを心待ちにしているゲイブが、メイのお腹に向かって大声で語りかける場面が微笑ましかった。黒人教会の集会所には“ストーリーヴィル・キッズ”の仲間や家族が集まっていた。貧しい暮らしではあったが、彼らは信心深く、労わりあって生きてきた。大きな一つの家族のように。ジョイの母エマ(英真なおき)は逞しくて優しい肝っ玉母さん。ネティ(夢咲ねね)はジョイの幼なじみで元恋人。どんな理由で破局したのか分からないが、ネティのほうは未練タラタラのよう。

 10年ぶりに再会したルルの面影がジョイの心から離れず、ジョイはルルのアパートを訪ねていく。よくここが分かったわね。驚くルル。10年前。白人の金持ち男(にしき愛)に襲われそうになった少女ルル(稀鳥まりや)を助けた少年ジョイ(天寿光希)は、クレオールであるという理由で理不尽な人種差別を受け留置所に送られてしまう(確か3年間と言っていたような…)。実父に金で売られたことを知り、生きる望みを失いかけた少女ルルに、少年ジョイは言った。「生きてて良かったと思える時が必ず来る!」それから10年。ずっとお互いの存在が気にかかっていた。ジョイはルルの部屋に置いてあったピアノの前に座り、ルルのために即興のラブソング「♪Sweet Black Bird」を口ずさむ。甘く誘惑的な黒い小鳥。歌をくれた男は初めてだわ…。

 レニーはネティに、ジョイがルルにこれ以上接近しないように警告した。ネティはジョイに、ムッシュ・アンダーソンの女に関わるのは良くないと忠告した。もちろん自分の方を振り向いてもらいたいからだ。しかし、ジョイの目はルルしか見ていなかった。レニーの嫌がらせは“ストーリーヴィル・キッズ”にも及び、バンドの仕事が次々とキャンセルになる。ジョイは“Elysian Hall”へ走った。

 自分の娘や姉を金持ちの愛人にして、その収入を当てにして生活しているなんて、恥ずかしくないのか!?ジョセフィンとレニーに怒りを爆発させるジョイ。しかし、自らの生活を維持するためアンダーソンの庇護を必要とするジョセフィンは、それがルル自身の望みだとジョイを一蹴。アンダーソンと共に現れたルル本人も、ジョイに冷たい態度を見せる。

 貧しさから家族が離れ離れになってしまうことを嘆く聖歌隊の少年ビッグノーズ・ジョー(如月蓮)、リトル・サム(優香りこ)、メリー(華雅りりか)の兄妹達。貧しさから家族が離れ離れになってしまうことは、幼い兄妹達にもジョイにもどうすることもできない現実だった。自分も子供の頃には辛いことがいっぱいあったけれど、決して諦めることなく頑張った。「3人で一緒に頑張れ」ではなく、「それぞれの新しい場所で頑張るんだ」というジョイの励まし方が印象的だったな。僕知ってるよ。金を稼ぐならミュージシャンか女のヒモだって。僕はジョイみたいなミュージシャンになりたいなぁ!無邪気なビッグノーズ・ジョーの台詞に思わず泣いた。

 海軍の圧力によりストーリーヴィルに閉鎖命令が下される。生活の糧を奪われた人々はニューオリンズを離れていった。身重のメイはインフルエンザにかかり命が危ないが、医者に診てもらうこともできない。黒人を診てくれる医者なんかいないんだよ!ゲイブの悲痛な叫びが胸に刺さった。そんな時、音楽プロモーターのアルバート・ジョーダンがジョイを訪ねてやってくる。ニューヨークでミュージシャンとして活動してみませんか!

 ジョイ、ルル、アンダーソン、ネティ。4人の交錯する想いを歌い上げる場面。どうして私じゃダメなのさ!ネティはジョイへの想いを未だに捨てきれない。おまえは私に相応しい女だ。ストーリーヴィル閉鎖を受けて、サンフランシスコで新事業を始めるアンダーソンは、肺病にかかっているルルに共に来ることを求める。立樹さんが銀橋を渡りながら、ストーリーヴィル~♪と歌うのはこの場面の最初だったかなぁ。立樹さんにスポットライトが当たった瞬間に拍手が起こるんだよねぇ。あったかい拍手が。

 ルルへの想いを抑えきれないジョイは、ルルのアパートを訪ねた。ジョイはルルの本心が知りたいと詰め寄る。心のままに生きることなんて許されない。貧しさの中で生きる意味を見出せなかった少女時代、ジョイの励ましで、惨めな暮らしを抜け出そうと誓ったけれど、方法を間違えてしまった…。そう打ち明けるルルをジョイは抱きしめた。今からでもやり直そう…。

 ここから出入りの激しい二元中継になる。クスリの横流しに手を出したレニーが警察に逮捕された。→ゲイブはメイの診察を拒否した医者の許へピストルを手に乗り込んでいく。→レニーを救うため、ルルはアンダーソンに助けを求めた。そして、サンフランシスコへ同行することを承諾した。

 アンダーソンの力で命拾いし、帰ってきたレニー。ルルは黙ってレニーを抱きしめた。レニーはたぶん怒られると思ったんだろうな。それなのにギュッと抱きしめられたから、一気に素直な弟モードになっちゃったんだと思う。大金が手に入れば、姉ちゃんの病気も治せると思ったんだ!外からこの二人がどう見えていようと、ルルとレニーの間には、貧しい中、姉弟肩寄せ合って生きてきたなかで育まれた確かな絆と愛情があるんだなということが、ひしひしと伝わってきた。

 黒人であるメイを助ける必要はない、と言い放った医者の家へ押し入ったゲイブが警官に射殺された。ゲイブの死への哀悼や人種差別への憤りが、神の救済と希望を求める歌声となって人々に湧き上がる。なぜゲイブは射殺されなければならなかったのか?人種差別という理不尽な問題を目の前に突きつけられて、私は泣くことしかできなかった。シスターの美穂さんが静かに歌いだし、やがて人々の救いを求める声は大合唱へと発展する。ジーザスの大合唱に涙が溢れた。音楽には力がある。神は与えてくれた/俺に音楽を/音楽こそ生きる喜び~♪ ジョイは、ニューオリンズに生まれた自分達の音楽を肌の色や国の違いを超えて人々に届け、音楽の力で自分の道を切り開きたい、と決意する。

 ジョイはルルのアパートを訪ねた。ニューヨークで一緒に生きて行こう。「♪Sweet Black Bird」を歌ってちょうだい。俺の腕の中/震えてる黒い小鳥/琥珀色の肌/マグノリアよりも甘い/魅惑の香り~♪ ジョイはルルを想って歌った。うっとりと聴くルル。歌はまだ途中までしかできていなかった。いつか完成させてね。あぁ。ちょっとそこまで外出するという雰囲気でルルは部屋を出た。ついに別れの言葉を交わすことができないまま、ルルはアンダーソンと共にサンフランシスコへ旅立っていった。ルルの帰りを待つジョイの許に現れたのはレニーだった。ジョイはルルがこの部屋には二度と戻ってこないことを知った。レニーは、自分の保釈のために姉が恋を諦めたことを知っていたのだろうか?いや、それを知っていたか知らなかったは別にして、ルルにとってはレニーを護ることの方が自分自身の恋よりも大切なことだったのかもしれない。それとも自分の命が長くないことを知っていて、別れる道を選んだのだろうか。いずれにしろ、ルルはジョイの許を去った。ルルはアンダーソンを選んだ、おまえのことなんか愛しちゃいなかったのさ。レニーは、ルルがジョイのことを本当に愛していたことを知った上で、ジョイに嘘をついた。俺の方が彼女を愛してしまったのさ…。ルルを失った喪失感と尽きせぬ想いを歌に込め、ジョイは「♪Sweet Black Bird」を完成させる。

第16場 エピローグ ニューオリンズ・1928年夏

 故郷ニューオリンズへの想いを込めたジョイの曲「♪My Dear New Orleans-愛する我が街-」が、ジョイと街の人々によって歌われ、ラジオで放送される。時は流れ/全ては想い出に変わり/愛しい日々/遠ざかっても/My Home/ここが故郷/My Dear New Orleans/My Dear New Orleans~♪ チャリティコンサートは無事に終わった。スティーヴン牧師が最後に一言ジョイに言う。また帰っておいで。これはダメだ。泣く。聴衆の中からレニーが現れ、ジョイに1枚のレコード手渡した。ルルは最期の瞬間まで、そのレコードを聴いていたよ。手渡されたレコードは「♪Sweet Black Bird」だった。ジョイがレコードをケースから出そうとしたその時、1枚の紙片が床に落ちた。それはルルからジョイへ宛てた短い手紙だった。歌、完成させてくれたのね…。ありがとう…。私、生きてて良かった…。ジョイは、数え切れない想い出と故郷への尽きせぬ想いを胸に、さらなる音楽の道を目指して旅立っていくのだった。

◆レビュー・ファンタスティーク『ア ビヤント』(作・演出:藤井大介)

序 アミューズ・グール(ようこそ)

 古びた一軒のレビュー劇場。壊れたシャンデリア、破れたカーテン、中央には1本の常夜灯。老掃除夫シェリール(英真)が掃除をしていると、そこへ突然、時間の妖精モントル(柚希)が現れる。午前零時の鐘が鳴り、モントルが魔法をかけると、常夜灯の灯が消える。星風エレナさんの役はエスプリブリーズ。モントルの子分みたいなものかな?カゲソロの人のフランス語の「r(アール)」の発音がやたらとイイなぁと思ったら、音花ゆりさんだった。

第1章 オードブル(午前零時)

 薄暗がりの中、劇場のあちこちから、レビューの妖精・エスプリオム、エスプリファム達が集まってくる。いわゆる「チョンパ」のオープニング。舞台は一瞬にして輝かしいレビューのステージになる。エスプリファムのふわふわとしたスカートがとっても可愛かった。ゴールドのド派手な衣装に身を包んだレビューの王様ル・ロワ・レーブ(安蘭)が一夜限りのレビューの開幕を告げると、歓喜に満ちたエスプリ達が踊りだす。はい、もう号泣です。キラキラと光輝く舞台を観ていたら、キラキラ笑顔で踊る皆を観ていたら、キラキラ笑顔で歌う安蘭さんを観ていたら…ただもうそれだけで…どうしようもない感情が溢れてきて…涙涙涙涙…。

 大女優エトワルアムール(遠野)が現れ、高らかにカデンツァを歌う。エトワルアムールのドレスはシルバー。スカートは輪っかのドレスの足がみえちゃうバージョン(『宙ファンタジスタ』の金星の場面でジャンボ3が穿いていたスカートと似ている)。遠野さんは、頭の形がはっきり分かるようにピタッと被る鬘(『レビューオルキス』の極楽鳥の場面で頭に被っていたような鬘)がよく似合うと思う。エスプリオムA(立樹、涼)、エスプリファムA(琴、夢咲)、エスプリシャン(美穂)達が華やかに歌い踊る。続いて、名ダンサー(エスプリオムS)に扮したモントルが、命の喜びを踊る。

 ル・ロワ・レーブが再び登場、賑やかなパレードが繰り広げられる。エトワルアムールも、モントルも、エスプリ達も皆、手にハープ型のシャンシャンを持っていて、まさに宝塚のフィナーレそのもの。そう、コレなのよ、コレ。宝塚にあって、外部の舞台にないもの。それは「フィナーレ」!これがないと「宝塚を観た!」っていう気がしないんだよねぇ。

 ボードビリアンに扮したル・ロワ・レーブとエスプリオムAが銀橋でコミカルに歌う。安蘭さん、立樹さん、涼さんの息の合ったやりとりが楽しかったなぁ。若い頃はただのアラン~♪ とかいう歌詞があったような…(笑)。

第2章 サラード(午前1時)

 地下の稽古場。シェリールが掃除をしていると、一人の若手ダンサー、フロワ(和)が稽古場に現れ、いつかレビューの王様ル・ロワ・レーブのように、ライトを浴びてスターになりたいと歌う。振付師ルミエール(朝峰)の厳しいレッスンに失敗ばかりのフロワは落ち込むが、恋人のフルール(夢咲)が彼を励ます。朝峰さんが大活躍。ドンドンドン!(笑)

 稽古場の鏡が割れると、ライトアップされた輝かしいダンスステージが広がる。一流の若手ダンサー達がエネルギッシュに踊る。お、センターでもの凄くカッコよく踊ってる人がいるぞ。はて、誰だろう?と思ってオペラを覗いたら、壱城あずささんだった。スターダンサーとなったフロワは、相手役フルールとダンサー達を引き連れて激しく踊る。

第3章 ポタージュ(午前2時)

 スターダンサーのモントルが現れ、一人静かに踊りだす。すると鏡の中から妖しげな声が聞こえてくる。鏡の中からモントルに恋した影・オンブル達(彩海、一輝、鶴美、夢乃、麻尋、碧海、美弥)が浮かび上がり、モントルを誘惑する。踊り続けるモントルだが、誘惑から逃れられず、鏡の中に連れ去られていく…。このショーの中で最大の衝撃場面(笑)。今最もホットな星男・彩海さんが場面2番手(オンブルA)として柚希さんに妖しく絡むというだけでもたまらない(笑)のに、あの「ファンタアァァァァァアスティィィィィィック!!!!!」の不気味な連呼(笑)。もう、衝撃以外の何物でもない。後からプログラムに目を通したところ、「カゲソロ」ならぬ「カゲ台詞」の文字が。「カゲ台詞」!アレか!アレなんだな!アレに違いない!稀鳥まりやさんの声だったのか…(笑)。

第4章 ポワソン(午前3時)

 ル・ロワ・レーブの青年時代(アラン)の回想。劇場前。一人のジゴロ、アランが登場し、歌手ジザベルを想い、恋心を歌う。夜の女パピヨン達が情熱的にアランと絡む。3人ずつスポットライトを浴びて、夜の暗闇に9人のパピヨン達(涼乃、美穂、音花、百花、梅園、花愛、純花、白妙、南風)の姿が浮かび上がる。暗闇の中、一際セクシーなダンスをしているパピヨンがいて目を奪われた(笑)。灯りが点いたら、美穂さん(パピヨン歌手)だった。流石だ…。アランは女達を振り切って劇場に入っていく。

 名歌手ジザベル(遠野)がアダルトに歌っている。パトロンのメトル(立樹)がガード(紅)を伴いBOX席で舞台を観ている。ステージが最高潮に盛り上がったとき、アランがステージに割って入り、強引にジザベルの腕を取る。二人の狂おしいアパッシュダンスに嫉妬するメトル。ジザベルは次第にアランに惹かれていく。メトルとアランのジザベル争い。アランを庇ったジザベルは、メトルの銃弾に倒れた。この場面、芝居の設定と似てるね(安蘭と立樹の遠野奪い合いの図)。

 再び劇場前。傷心のアランを夜の女が慰めるように誘うが、アランは一人孤独に去っていく。安蘭さんの後ろを一人通り過ぎる赤ドレスの涼乃さん。どういう意味なんだろう?と思って観ていたのだが、そういう意味だったのね。だから「パピヨンA」なんだ。

間奏曲 グランテ

 劇場前。二人のドアボーイ(シャザー/十碧、麻央)が扉を開けると、可愛い道化ピトル(大輝、華雅、早乙女)が現れる。「百年ぶりの新作レビューが始まるよ!」大貴族ヴィオレ(涼)を筆頭に、エスプリムシュー(にしき、紫蘭、美稀)、エスプリマドモワゼル(万里、朝峰、毬乃)ら豪華に着飾った客達が劇場へ入っていく。紫蘭さんと朝峰さんがソロを歌っていたなぁ。

第5章 ビアンド(午前4時)

 華やかなレビューの開幕!現代風にアレンジされたシャンソンを次々と歌い継いでいく。

  1. 太陽の章:オランジュ男S(立樹)&女A(琴)
  2. フルフルの章:スリーズ女S(夢咲)&男(美城、天霧、天緒、水輝、如月、海、芹香、漣)
  3. シャバダバシャバダバの章:ポム男S(和)&女S(蒼乃)
  4. 星男星娘の章:バナヌ男S(涼)&女A(百花)
  5. 若者達の章:シトロン男(麻尋、紅、壱城、美弥、真風)
  6. マドモアゼルの章:マドモアゼルフレーズ(遠野)&ポム男S
  7. 黒鳥の章:ミルティル男S(柚希)&歌手(美穂)&女(彩海、夢乃)

 紳士達が迎える中、究極に美しいレビューの華、ベル・アマント(安蘭)が舞台中央にセリ上がり、魅惑的に歌う。一夜限りのレビューが盛り上がる。ベル・アマントの鬘は赤髪と金髪の2パターンあるんですね。1回目は赤髪、2・3回目は金髪だった。どちらも素敵。

 その素敵な鬘をベル・アマントは不敵な笑みを見せながら脱ぎ捨て、究極の色男、オム・デラ・ニュイ1(安蘭)に変わる。オム・デラ・ニュイ2(柚希)が現れ、男二人きりのアダルトな駆け引きとなる。安蘭さんが柚希さんの肩をポンッとたたく振りとか、安蘭さんが柚希さんの身体を不意にグッと抱き寄せる振りとか、バトンタッチを思わせる泣かせる演出アリ。

 レビューの華、フレンチカンカン。カンカンS(遠野)がセリ上がり、賑やかなカンカンへと発展。8人のカンカンボーイ(立樹、涼、和、彩海、鶴美、夢乃、麻尋、真風)を含む総勢72人によるフレンチカンカンは壮観!こういう場面、大好きだなぁ!

第6章 フロマージュ(午前5時・午前6時)

 時の妖精モントルが、午前5時の鐘を鳴らす。シェリールがどこか寂しげに掃除をしている。一夜限りのステージももうすぐ終わる。楽屋にガウン姿のアランが現れ、鏡台の前に座り、静かに歌いだす。舞台への想い、情熱、苦しみ、悲しみ、喜び、幸せ…様々な思いを重ねて。モントルが静かに踊り始めると、アランの心、クール達(彩海、鶴美、夢乃、美弥、海、天寿)が現れ、アランの気持ちを踊る。

 午後6時。アランは何かを決意して立ち上がる。ステージに電飾が甦る。アランは最後の力を振り絞るかのごとく力強く歌い、ステップを踏み出す。ありがとう/このひとことしか/やっぱり出てこないけど/伝わると信じてる/いつも暖かく見守ってくれたね/熱い気持ちを忘れない~♪ モントルがカーテンを開けると、そこには再びレビューの妖精エスプリ達が集まっていた。やがて全員の大合唱に。またね/またね/きっと必ず出逢える/信じているから/だから言える/さようならと/いつもそばにいるから~♪ ダメだ…涙がとめどなく流れる…。

 大女優エトワルアムールが花束を持って駆けつけるが、時すでに遅く、アランの姿はもうない。アランを想って銀橋で歌うエトワルアムール。エトワルアムールが舞台に花束を置いて去ろうとする時、シェリールが「もう一度だけ…」とモントルにせがむ。

第7章 デセール

 レビュー劇場に再び明かりが甦る!華やかな前奏で黒燕尾姿のル・ロワ・レーブが大階段に登場。感激したエトワルアムールは大階段を駆け上がり、ル・ロワ・レーブと強く抱き合い、永遠の愛を誓う。優しく見つめ合う二人。手に手を取ってゆっくりと大階段を降りてくる。デュエットダンスは、美穂さんが歌う「♪愛の賛歌」で。出逢えた喜び、互いへの感謝と労いの気持ちが伝わってくる、優しい優しいデュエットダンスだった。

 アムールオムとアムールファムが両手に白い羽根扇を持って登場。ル・ロワ・レーブと共に、優雅に小粋に、美しく神聖に踊る。羽根扇って、とっても宝塚らしいですよね。私、大好きです。やがて男役による大階段黒燕尾群舞となる。柚希さんの歌で、安蘭さんが踊る。

 ル・ロワ・レーブが一人残る。心からありがとう/愛と夢を~♪

 鐘が鳴り響き、究極のエトワルシャンテ(遠野)が大階段に登場。ア ビヤント/いつかまた/ア ビヤント/巡りあう/約束の合言葉~♪ 遠野さんの高らかなカデンツァが劇場中に響き渡る。遠野さんの歌唱力を遺憾なく発揮した素晴らしいカデンツァ。最後のエトワール、そして最高のエトワール。

 華やかなパレード。もはや涙腺決壊です。あぁ、皆の姿をしっかりと目に焼き付けておきたいのに、涙に目が霞んで、はっきり見えない…。涙でぼやけた視界の中、大階段にエトワルグランデ(安蘭けい)が登場した。あぁ、これが最後なんだ。「宝塚男役・安蘭けい」の見納めなんだ。本当に本当に最後なんだ…(号泣)。素敵な舞台をありがとうー!

◇千秋楽

 千秋楽を観に行きたかった。サヨナラショーを観に行きたかった。サヨナラパレードを観に行きたかった。でも、それは叶わなかった…。ラスト3daysはCSを見て過ごした。どの時間帯にテレビを点けても、必ず退団者が映っていた。

 千秋楽当日。「一瞬でしたが、とっても素敵な笑顔でした。」サヨナラパレードを観に行った友人が、そう報告してくれた。そうか、麻尋さんも、一輝さんも、和さんも、星風さんも、涼乃さんも、紫蘭さんも、朝峰さんも、立樹さんも、遠野さんも、そして安蘭さんも、笑顔で宝塚を卒業したんだなぁ、と一人感慨に耽っていたのでありました。

 翌日。CSのニュースで千秋楽・サヨナラショーの映像を見た。退団者の挨拶を聴きながら、楽しかった公演の数々を思い出し、涙した。最後に安蘭さんが緑の袴姿で大階段を降りてきた。安蘭さんの挨拶を聴いていたら、涙した、どころではなく、嗚咽した(笑)。告白します。何度も何度も繰り返されたアンコールの末、緞帳前に一人で姿を現した安蘭さんが客席に向かって「皆さん、いっぺんに叫んでください。『とうこさん、愛してる。』」と振った時、私はテレビの中の安蘭さんに向かって、泣き笑いしながら言ってしまいました。「とうこさん、愛してる。」と(笑)。

 宝塚に、星組に、安蘭けいさんに出逢えたことは、私にとって宝物です。「安蘭けい・第1章」の終わりは、私の観劇生活においても1つの節目だな、と感じています。2006年から突っ走ってきて本当に良かった。背中を押してくれた師匠に、共に突っ走ってくれた友人に感謝感謝です。それでは、「新生星組」と「安蘭けい・第2章」に出逢えるその日まで…ア ビヤント!(←お決まりです。笑)


外伝ベルサイユのばら-ベルナール編-/ネオ・ダンディズム!Ⅲ

2009年02月01日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

2008年11月29日(土)18:00開演 神奈川県民ホール S席 1階24列20番台 宝塚歌劇星組全国ツアー横浜公演

 安蘭・遠野コンビ初の全国ツアー!しかもベルばら!しかもネオダン!観たい観たい観たい!博多座は遠くて観に行けなかったけど、今度の全国ツアーは絶対観に行く!しかし、今度の全国ツアーは西日本中心。となると、観に行けるのは横浜しかない。スカピンの奇跡よ再び!祈りを込めて、友の会先行抽選に申し込む。結果は…なんと…なんと…「当選」!!!キターーーーー!!!信じられない!本当に当たるなんて!ミラクル!スゴイ!ヤッター!

 2008年10月15日、星組主演男役・安蘭けいさんの退団が発表された。スカピンの次の大劇場作品が発表された時から、もしかしたら…と覚悟はしていた。だって、芝居の題が『My Dear New Orleans-愛する我が街-』で、ショーの題が『ア ビヤント』なんだもん。ニューオリンズ=愛する我が街=宝塚、という連想がすぐに思い浮かぶ。(春野さんの『アデュー・マルセイユ』と同じだ。)ショーに至ってはもっとストレートで、「『ア ビヤント』は、フランス語で『またね!』という意味。」と解説までしてあった。ある程度覚悟していたこととはいえ、やはり公式に発表されると衝撃を受ける。なんとも表現しようのない寂しさ。安蘭さんは退団後もきっと舞台に立ち続けるだろう。だから、これから先も安蘭さんの舞台姿は観られるはず。でも、寂しい。理由は分かっている。「宝塚の安蘭けい」を観られなくなる…そういう寂しさなんだ…。

 2008年11月5日、星組主演娘役・遠野あすかさんの退団が発表された。同時退団になるのかな…という気はしていた。安蘭・遠野コンビは最高の組み合わせだったと思う。毎公演、楽しくて楽しくて仕方がなかった。結果的に、この公演は安蘭・遠野コンビの最初で最後の全国ツアーになってしまった。横浜公演のチケット、友の会先行抽選で当たっていて、本当に良かった。(今までの経験からして、一般前売で勝てる気が全然しない。笑)

◆宝塚ロマン『外伝 ベルサイユのばら』-ベルナール編-(原作・外伝原案:池田理代子/脚本・演出:植田紳爾)

《第1場 プロローグA ~ 第2場 プロローグB》

 ライトが点く前のドキドキ感がたまらない。花組のオープニングが一瞬頭をよぎる。しかし、ライトが点いた瞬間、「やったー!『ベルばら』だぁー!」と大感激(笑)。なぜこんなに胸躍るのだろう?不思議だ。終始ニヤニヤしていたと思う。プロローグAは、ベルばらの役柄とは関係なく、白とピンクのフリフリ衣装に身を包んだ紳士淑女達が、歌とダンスで、華やかなベルばらの世界へと観客をいざなう。安蘭ソロ→安蘭&遠野→メンズ→遠野&立樹&涼、という感じで進む。プロローグBは、ベルナールの衣装に着替えた安蘭さんが登場。ベルナール編の主題歌「♪永遠のオベリスク」を歌う。

《第3場 仮面舞踏会 ~ 第4場 ユリカーテン① ~ 第5場 宮廷の控室》

 ベルサイユ宮殿の仮面舞踏会で、貴婦人達が身につけていた宝石が何者かに盗まれるという事件が発生。宮殿内の警備を任されている近衛隊長のオスカル(涼紫央)は、黒い騎士の犯行に違いないとにらんだ。アンドレ(立樹遥)の目が、ジャルジェ邸に忍び込んだ黒い騎士によって傷つけられた事実もここで語られる。今回は、立樹さんがアンドレとアランの二役をやるので、観客に分かりやすいように、アンドレは眼帯を着けることにしたらしい。眼帯アンドレ…なんだかちょっと海賊みたい(笑)。どちらも重要な役どころなので、立樹さんに割り振るのはよく分かるが、やはり一人一役にして、誰かにチャンスをあげてもよかったのでは?例えば、立樹さんにはアランをお願いして、アンドレは彩海さんとか、夢乃さんとか、麻尋さんとかにやってもらう…なんていうのはどうでしょう?

 カロンヌ夫人(朝峰ひかり)とランバール夫人(百花沙里)の見栄の張り合いは、正直一体いつまで続くのだろうと思ってしまった(苦笑)。このまま永遠に終わらないのではないかと思われた対決も、コンティ大公妃(万里柚美)の「オスカルの責任になっちゃうわよ発言」により収束。結局、何もなかったということで押し通してしまった。それでいいのか!何の問題解決にもなっていないと思うぞ!(笑)

 黒い衣装に黒い羽根付きマスクの男。顔は隠せても、その声までは隠すことはできまい!オスカルは仮面舞踏会の客の中に紛れ込んでいた黒い騎士(安蘭けい)を見破る。観念した黒い騎士はマスクを投げ捨てた!ジャーン!安蘭さん…どうしよう…すんごくカッコイイんですけど!(笑)ポスターやプログラムの写真より、実物の方が数倍カッコイイ!黒髪がイイのか、長髪がイイのか、髪型がイイのか?適度に乱れた感じなのがイイいいのかもしれない(笑)。

《第6場 ユリカーテン② ~ 第7場 オスカルの居間①》

 貴族は何も生み出さないのに、のうのうと贅沢な暮らしをしている!貴族こそ庶民に寄生するダニだ!黒い騎士の言葉に何かを感じたオスカルは、捕まえた黒い騎士は人違いだったと言い張って、黒い騎士を家に連れ帰ってしまう。一体俺をどうするつもりなんだ!?オスカルの不可解な行動に、戸惑いを隠せない黒い騎士。そこへ登場したロザリー(遠野あすか)は黒い騎士の顔を見て驚いた。ベルナールさん!昔、ロザリーの母親が貴族の馬車に轢かれて死んでしまったとき、悲嘆にくれるロザリーを慰め、励ましたのが、新聞記者のベルナール・シャトレだったのだ。そうと分かるとオスカルは、ロザリーにベルナールの傷の手当と見張り役を任せるのだった。

《第8場 ユリカーテン③ ~ 第9場 オスカルの居間②》

 ユリカーテンの前を行ったり来たりするベルナールと、その後にピッタリくっついて片時も離れないロザリー。この場面がとーっても面白かった(笑)。困り果てた安蘭ベルナールは、ついにロザリーを後ろから羽交い絞めにして脅した。お前を人質にして逃亡するぞ!しかし、ロザリーに怯えた様子は全くない。あいつはそんな卑怯なことをするヤツじゃないって、オスカル様がおっしゃっていらしたもの。遠野さんの、めちゃめちゃブリっ子だけど決して憎めない、少女っぷりに完敗です(笑)。ロザリーに無邪気にそう言われ、力が抜ける安蘭ベルナール(笑)。オスカル…やはり女だな…侮りがたし…。

 「おいっ、オスカル!いつまでこいつに俺の見張りをさせるつもりなんだ!寝室まで一緒なんだぞ!(かえって)眠れないじゃないかー!」(byベルナール) オスカルはそんなベルナールにはお構いなし(笑)。オスカルはパリの実情を自分の目で確かめたいと考えていた。オスカルがトランプ占いをしていたのは、この場面だったかな?宮殿内(職場)ではなく、屋敷内(プライベート)での、リラックスしたオスカルを描いた新場面。涼オスカルは、男過ぎず女過ぎず、中性的で爽やかなオスカル様で、グッドでした!

《第10場 ユリカーテン④ ~ 第11場 オスカルの居間③》

 パリ行きは危険すぎる。どうしても行くのなら俺も一緒に行く。アンドレはそう言ったが、オスカルは自分一人で行くと言って譲らない。オスカルはベルナールに案内役を頼み、パリへと出かけて行った。残されたアンドレはオスカルを思って「♪愛の墓標」を歌う。残された日々も/抱きしめる愛/私の愛に墓標はない~♪ 私の愛に墓標はない。つまり、この熱い想いは、誰にも(オスカル本人にさえも)知られることなく、自分の胸の中に抱えたまま死んでいく…と、そういう解釈でいいのかな?

 オスカルが一人でパリへ行ったと聞いたジャルジェ将軍(箙かおる)は、マロングラッセ(美稀千種)とアンドレ相手に、驚くやら怒るやら心配するやらで大騒ぎ(笑)。今までのジャルジェ将軍は真面目で厳しい人物として描かれることが多かったので、今回の喜怒哀楽の激しい箙将軍は異色だと思う。でも、観ているうちに慣れた(笑)。考えてみれば、原作でもそういうコミカルな場面は結構あったしね。しかし、私の中では、箙さんといえばファラオ。聞けぇ~♪(『王家に捧ぐ歌』より)

 興奮したジャルジェ将軍が居間を出て行くのを見計らって、下手からひょっこり顔を出す、おちゃめな涼オスカル。パリから戻ったオスカルは、黒い騎士ベルナールをパリに逃がすことにする。ただし、一つだけ条件がある。ロザリーと一緒に行くんだ!突然のことに驚いて声も出ないベルナールとロザリー。「マザコンのベルナールは、優しいロザリーの愛情が必要なんだってさっ!」(byオスカル) 仲人オスカルの登場によって、にわかに互いを意識する二人。実際ベルナールは、献身的な介護を受けるうちに、ロザリーに対して好意を抱くようになっていた。ベルナールは思い切ってロザリーに結婚を申し込む。ロザリーの返事は…YES!二人は手に手を取って、パリへと旅立っていった。「とうとう行ってしまったな…私の春風…。」(byオスカル) この台詞、絶対言ってほしかったの~。嬉しい(笑)。

《第12場 ユリカーテン⑤ ~ 第13場 パリ市民 ~ 第14場 革命》

 二人とも生い立ちは恵まれていなかったけれども、そんな二人だからこそ、嘘偽りのない信頼し合える夫婦になって、協力して幸せな家庭を築いていこう。「信頼し合える」ということろが、結末に向けての伏線だったんですねぇ~。ベルナールが戻ってきたぞ!しかも花嫁を連れて!どうやって花嫁を皆に紹介したものかとモジモジしているベルナールを横目に、自ら一歩前に進み出て自己紹介するしっかり者のロザリー(笑)。反王宮派のロベスピエール(にしき愛)もベルナールの帰りを大歓迎。ロベスピエールに促されて、ベルナールも壇に上がり、市民に向かって演説を始めた。そこへ、チュイルリー宮広場で市民が軍隊に投石をしたとの情報が飛び込んでくる。自由・平等・友愛。団結した市民たちは、バスティーユ牢獄に向かった。

 涙拭け~友のために~/立ち上がれ~父のために~/武器を取れ~母のために~/いざ進め~我が子のために~/愛する者のために~我らは~戦うのだ~♪ この外伝ベルばらシリーズで、革命の中心にトップスターが立つのは、星組バージョンだけ。安蘭ベルナール、にしきロベスピエール、遠野ロザリー。役者が揃った革命シーンは見ごたえ十分。民衆のコーラスも迫力があったし、拳を突き上げる戦闘ダンスも良かった。最後にロザリーが、一際立派なサーベルを大切そうに捧げ持って、ベルナールの傍へとやってくる。それを見たベルナールは、一瞬で何が起きたのかを理解したようだ。あぁ、オスカル様…(号泣)。

《第15場 ユリカーテン⑥ ~ 第16場 執務室》

 革命から数年後。ベルナールとロザリーの夫妻は、元衛兵隊士のアランを訪ねた。将軍となったアラン(立樹遥)は、戦災孤児を引き取って面倒をみていた。共和制設立を目指したはずの革命は醜い権力闘争に陥り、今はナポレオンがフランスを掌握しようとしていた。新皇帝の誕生はオスカルの遺志に反する。アランは、元近衛隊長のジェローデルと共にナポレオン暗殺計画を立てていると打ち明けた。ベルナールは、ぜひ自分も仲間に加えてほしいと懇願した。やはり、ロザリーの変貌ぶりは見逃せないポイント。ピンク色が似合う純情可憐な少女から、深緑色が似合うしっとりとした落ち着きのある大人の女性へと、見事に成長していた。もちろん見た目だけではなく、声のトーンもしっかり変えて。うまいよね~、遠野さん。

《第17場 ユリカーテン⑦ ~ 第18場 パリ市内》

 愛する夫の身を案じるロザリー。しかし、ベルナールはロザリーの必死の説得にも、即位阻止への思いを抑えることができない。孤児達が、アランからの伝言メモをロザリーの許へに届けに来た。そのメモには、暗殺計画の決行時間と場所が記してあるらしい。愛しい人 私を許して/この嘘はたったひとつの/命を賭けた悲しい嘘なの/その朝は来ない/その朝は来ない/その朝は来ない~で~しょう~♪ 孤児達が決行時間と場所を歌っている(知っている)のに、わざわざメモにして託す必要があるのだろうか…と思ってしまったのだが、ロザリーの「その朝は来ない」の連呼で、ああ、ベルナールに嘘をついちゃうんだなぁ…と。それを強調するための演出だったんですねぇ。

《第19場 ユリカーテン⑧ ~ 第20場 市内》

 アラン将軍によるナポレオン暗殺未遂事件が起き、アラン将軍が射殺された。ルシアン(夢乃聖夏)からそれを聞いたベルナールは頭が混乱してしまう。アランが死んだ?決行は明日のはずでは?ロザリーから聞いていた日時と違う?どういうことだ!?俺に嘘をついたのか!なぜだ!?大切な仲間を見殺しにしてしまった!もう取り返しがつかない!誰よりも信頼していたロザリーに裏切られたと思ったベルナールは、憤りのあまり、ロザリーに手を挙げてしまう。平手打ちされたロザリーは、その場に倒れこんでしまった。ロザリーさんをぶっちゃだめ!どこからともなく孤児達がやってきて、ベルナールからロザリーを守ろうとする。

 実は全てはアランが望み、ロザリーに頼んだことだったのだ。ペンは剣よりも強し。新聞記者であるベルナールには、民衆の戦いの記録を、オスカルの遺志を、フランスの真実を、全てを記録し未来へ伝えてほしい…そう願ったのだ。ロザリーはベルナールの子供を身ごもっていることを告白した。ロザリーは訴える。明日を信じて生きた彼らの真実の物語を伝えることこそ、あなたの、生かされた者の役目ではないのですか!

 忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ日々/残されたものが 残すべきもの/思いを込めて ひとつひとつ/刻み込んでゆこう/永遠に~輝け~革命のオベリスク~♪ この歌、すごく耳に残る。いい歌だ…。「オスカル!アンドレ!」アランが天に向かって呼びかける。「王妃様!フェルゼン様!」ロザリーが天に向かって呼びかける。すると、ほんのわずかな時間、紗幕の後ろに、故人達の姿が浮かび上がる。ちなみに、王妃役は麻尋しゅんさん、フェルゼン役は夢乃聖夏さんだったらしい。全てを理解し、受け入れたベルナールは、オスカルとアランの遺志を受け継ぎ、残された思いのひとつひとつを歴史に刻もうと強く誓うのだった。

◇幕間

 ど~うしましょ!ものす~っごく楽しいんですけど!(笑)やっぱり星組観るとテンション上がるぅ~!いや~、主演コンビがベルナールとロザリーだと分かったときから、この企画は絶対にうまくいくと確信していたのですが、期待どおりの楽しくて感動的な作品に仕上がっていました。やっぱりベルばら大好きだぁ~。ベルばら万歳!

 お次は、これまた大好きな『ネオ・ダンディズム!』。博多座公演、どれだけ観に行きたかったことか…。生観劇していないのにプログラムを買ってしまったのは、この公演だけです。CSでネオダンⅡが放送されたときは、嬉々として録画して見ました。ネオダンを生で観ることは、もう叶わないのか…そう思っていた矢先、全国ツアーでネオダンⅢをやるとの発表が。キター!ついに来た!今度こそ絶対に観に行く!Ⅰ→Ⅱ→Ⅲと階段数も出演者数もどんどん減っている(笑)けど、パワーはどんどん増していると安蘭さんも言っていた。あー、楽しみだー!

◆ロマンチック・レビュー『ネオ・ダンディズム!Ⅲ』-男の美学-(作・演出:岡田敬二)

《第1章 オープニング》

 真っ暗な劇場内に「♪ネオ・ダンディズム」のメロディーが流れ出す。ドキドキ。緞帳が上がる。小階段には青チャイナの男達が板付きでスタンバイ。ハード・ボイルド風ダンス。ビシッと揃った振りがカッコイイ。むぅ~ねぇ~のぉ~傷が痛い/痛い/胸の~傷が~♪ 階段センターに白チャイナのドラゴン(安蘭)が現れ、歌いだす。続いて、紫チャイナのダンディS(立樹)が現れ、歌い継ぐ。上手から赤アオザイのレッド・ロータス(遠野)が登場し、ドラゴンとのデュエットダンスとなる。ドラゴンとダンディSのダンス共演。そして男達の総踊りとなり、安蘭さんの「ハッ!」で締め!

 「ダンディズムとは何でしょう?」序詞師は立樹さん。思わせぶりな台詞と晴れやかな笑顔で、観客をダンディズムの世界へといざなう。

《第2章 ネオ・ダンディズム ~ 間奏曲1 ダンディズムとは?》

 バラの花が鋳込まれた、鏡のサロン。そこに一人佇むカサノヴァ風の青年、ネオ・ダンディ(安蘭)がテーマ曲を歌い始める。安蘭さんの鬘、博多座のと違いますね?こっちの方が素敵。バラの乙女S(遠野)。乙女達が丸く輪になって、両腕をユラユラ動かす振りが好き。本公演のときは盆回りしてましたが、全国ツアーでは無理でしたか。ちょっぴり残念。ダンディSは、立樹さんのソロ、涼さん・夢乃さん・麻尋さんのトリオ。夢乃さんと麻尋さんは初参加の場面ですね。確か涼さんのロングストレートの鬘に目を奪われていたような記憶が…。

 下手から登場したイギリス紳士、エスカイヤ・マン(にしき)とヤング・ジェントルメン達(美稀、彩海、天緒、壱城)が「♪ダンディズムとは?」を歌う。チャームポイントはヒゲ。

《第3章 アディオス・パンパミーア ~ 間奏曲2 You and the night and the music》

 夕陽に照らされたアルゼンチンのパンパス(大草原)。ガウチョの男、アルフォンゾ(安蘭)は一人静かにタンゴを踊り始める。そこへロベルト(立樹)とビクトリオ(涼)も加わる。やがて音楽が変わり、荒々しいタンゴのリズムに乗って、アルフォンゾが踊る。ガウチョの男達、女達が次々と現れ、情熱的なダンシング・シーンへと展開。娘役さん達のスカートの内側がカラフルなのが、振ると綺麗で好き。掛け声もカッコイイのだ。フッ!3組のカップルは確か、アルフォンゾ&マルガリーテ(遠野)、ロベルト&クリスティーナ(琴)、ビクトリオ&カチート(百花)、だったような。遠野さんはこの場面初参加。サヨナラを控えたこの時期だけに、ファンとしては嬉しいキャスティング。

 ヤング・ガイ達(立樹、涼、彩海、夢乃、麻尋、壱城)が「♪You and the night and the music」を粋に歌い踊る。これはまさにピンパーネル団ですね(笑)。

《第4章 キャリオカ ~ 間奏曲3 恋する男はドン・キホーテ》

 はいっ!私、キャリオカ大好きっ子です!曲も好きだし、ダンスの振りも好きだし、場面の展開も好き。私も一緒に今宵一夜踊り明かしたくなる(笑)。舞台中央のキャリオカ階段にキャリオカの男S1(安蘭)が登場。歌いながら階段を降り、男達によるダンス・ナンバーとなる。女達によるダンス・ナンバー。男S2(立樹)&女A(琴)、男S3(涼)&女A(百花)というカップルだったかな。キャリオカの男S1と女S1(遠野)が登場。遠野さんの白ドレスが眩しい。男達と女達がカップルとなり、華やかに踊る。ここのダンスが本当に大好き!ウキウキとしたリズムに合わせた、弾むようなダンス。特に、スカートを左右交互に広げながら、男女がスクエアに移動する振りが大好きだ。(うまく説明できない。笑)

 はいっ!待ってましたー!「恋する男はドン・キホーテ」では、立樹さんと涼さんが客席降りをしてくれると聞いていたので、とーっても楽しみにしていたのであります!ドキドキワクワク。1階後方席でしたが、かなり近くまで来てくれました。あと2列前だったら、確実に手を伸ばして握手を求めていたと思う(笑)。

《第5章 明日へのエナジー ~ 間奏曲4 ネオ・ダンディズム テーマ》

 今回、一番観たかった場面が「明日へのエナジー」。博多座公演の映像をCSで観たときから、ずーっと生で観たいと思っていたのだ。明日を目指し走り出す、若者の強烈なエネルギーを表現して歌い踊るゴスペル風のシーン。甲斐正人先生のゴスペル風の音楽も迫力があって素晴らしかったし、謝珠栄先生の振付も溢れるパワーが感じられて素晴らしかった。まさに「明日へのエナジー」って感じでした。感動しました。安蘭さんの前髪がスゴイ気合入ってました!(他の皆さんもそうでしたが。笑)

 ゴスペルの余韻に浸っていると、下手に遠野さんが登場。テーマ・ソングを高らかに歌い上げる。

《第6章 エレガント・ロケット》

 ヴァイオレット・ローズ(琴)、ブラック・ローズ(毬乃、初瀬)。このロケットは本当に大好き。スーパーロケッツの役割がハッキリしているところと、隊形移動が面白いのが、私的ツボなのだと思う。今回は1階席から観劇したが、このロケットは2階から観たほうが絶対面白い。ヴァイオレット・ローズ役は、Ⅰ陽月華→Ⅱ涼乃かつき→Ⅲ琴まりえ、と毎公演違う人が担当していて、そこも注目ポイント。

《第7章 all by myself ~ ボレロ》

 上手後方席が一瞬ザワついた。何事?と思って右側を向くと、そこに安蘭さんが立っていた!オー!ノー!なんてこったい!「恋する男はドン・キホーテ」の客席降りに興奮して、ロケットの次が「♪all by myself」だということをすっかり忘れていたー!つい先程まで遠くの舞台の上にいた憧れのスターが、突然目の前に出現したことに動揺しながらも、客席の通路で「♪all by myself」をしみじみと歌う安蘭さんを見つめた。安蘭さんがだんだんこちらに近づいてくる。すると、舞台の方から客席の安蘭さんに向けられたスポットライトが眩しくて、後光が射したような状態になり、安蘭さんの顔が見えづらくなってしまった。しかし、そんなライトに負けるわけにはいかない(笑)。可能な限り目を凝らして、穏やかな表情で歌う安蘭さんを見つめ、その歌声に耳を澄ませた。あと2列前の席だったら、確実に手を伸ばして握手を求めていただろう(リピート。笑) 安蘭さんは私達の目の前を通り過ぎ、下手側の通路を通って、舞台へ戻っていった。不意に、安蘭さんが手の届かない遠いところへ行ってしまったような感覚に襲われ、ものすごく寂しくなってしまった。もうすぐ「サヨナラ」…なんだよね…(涙)。

 ボレロの紳士S(安蘭)が静かにボレロを踊りだす。次第に紳士達が加わり、やがて熱いボレロへと発展する。カゲソロは白妙なつさん。

《第8章 スーパー・デュエット》

 「♪真情真美」の曲に乗せて、愛の歌手〈男〉(安蘭)と愛の歌手〈女〉(遠野)が歌い、デュエットダンスを踊る。カゲソロは花愛瑞穂さん。「もし私(安蘭)が格好良く素敵に見えるのだとしたら、それは相手役(遠野)がそう見えるように努力してくれているからです。」いつどこで聞いたのか忘れてしまったが、そのようなことを安蘭さんが言っていたのを思い出した。デュエットダンスから伝わってきたものは、穏やかな信頼感、かな。

《第9章 フィナーレ》

 テーマ曲に乗せて、華やかなグランパレード。エトワールは琴まりえさん。大羽根を背負った安蘭さんが登場すると、パレードはクライマックスを迎える。鳴り止まない拍手。緞帳が半分ほど下りてきてストップ。スルスルーっと上がっていった。

 全国ツアー恒例のご当地出身ジェンヌの紹介コーナー。司会進行は安蘭さん。安蘭さんの声が小さくて(弱々しくて)お疲れなのかな?と心配してしまったのだが、このコーナーは大いに盛り上がった。なぜなら、立樹遥さんが神奈川県出身だから!幼少時代にピアノを習っていて、この県民ホールで発表会をしたのだとか。安蘭さんも、とても楽しそうに立樹さんに話をふっていた。ゆるゆるのトークコーナーでしたね(笑)。

◇終演後

 いや~、本当に楽しかった!できることなら、もう一度、いや、何度でも観劇したいくらいに楽しかった!29日(土)の夜公演は、どうやら星組総見だったらしく、客席は大いに盛り上がった。当然ながら私も拍手を頑張りました。気分は星組総見(笑)。

 夜公演の後だからバス移動が見られるよ、という友人の言葉を受け、なりゆきで出待ちをすることに(笑)。すごい人垣で、ハッキリ言ってよく見えなかった。しかし、安蘭さんが乗ったらしい車を見送ることはできた。よし。友人によると、立樹さんがまだ出てきていないという。ははぁ、するとあそこで待ち構えている人々は立樹ファンクラブの人達だな。地元神奈川での凱旋公演だから、ああやって待ち構えているのに違いない。というわけで、その後暫く待ったところ、本当に立樹さんが出てきた!しかも、帽子を被っていなかったので、立樹スマイルがハッキリ見えた!友人の粘り勝ちです(笑)。

 その後、私達は横浜中華街へと繰り出し、夕食にありついた。今日の公演がいかに楽しかったか、星組がいかに素晴らしいかを、熱く語り合いながら(笑)。そういえば、ショーのチャイナの場面で安蘭さんが言う「フッ!」の掛け声がアドリブだったようなのだが、私はそれを聞き取ることができなかったので、友人に聞いてみた。答えは「ベイブリッジ」。なるほど…(笑)。


スカーレット・ピンパーネル

2008年11月07日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

①2008年9月13日(土)15:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階9列30番台 星組公演

②2008年9月15日(月祝)11:00開演 東京宝塚劇場 S席 1階15列30番台 星組公演

◆三井住友VISAミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』THE SCARLET PIMPERNEL(原作:バロネス・オルツィ/脚本:ナン・ナイトン/作曲:フランク・ワイルドホーン/潤色・演出:小池修一郎)

 安蘭さん主演で一本物大作海外ミュージカルが観られる!よし、今度こそ友の会で当ててやるっ!抽選結果発表日。先に友人から連絡が来る。「15日11:00公演当選!」 ありがとう友人!よし、私も確認してみよう。しかし、過去星組のチケットが当たった例はない。期待半分、諦め半分で結果ガイダンスを聞く。「13日15:30公演当選!」 え?マジですか?ひゃっほーーい!!キタキタ星組キターー!!祝・初当選ーー!!エル・アルコンに続く、W観劇決定だーー!!やがて、見慣れたオレンジ色の封筒が届く。ドキドキしながら開封すると、目に飛び込んできたのは「1階9列」の文字。なんですとーーー!!!そんなに前で観ていいんですかーーー!!!良席だ良席だ良席だーーー!!!う、嬉しいよぅ(涙涙涙)。

【第1幕】

《第1場 PARIS 1794 ~ ひとかけらの勇気》

 1794年、パリ。広場にはギロチンの次なる犠牲者を待ち望む狂った民衆の声が満ちている。舞台中央にセリ上がってきたのは、アントニー・デュハースト(立樹遥)とドゥ・トゥルネー伯爵(紫蘭ますみ)。今回のミッションは、ドゥ・トゥルネー伯爵夫人(万里柚美)と娘シュザンヌ(琴まりえ)のパリ脱出。そして、スカピン軍団の最終目的はフランス王太子ルイ・シャルルの救出らしい。伯爵夫人と娘の救出方法は、ペスト死体を装って門外へ運び出すというもの。二人を乗せた荷車を引くのは、農夫に扮したアンドリュー・フォークス(涼紫央)。その荷車を押す、というか、後ろからヨタヨタと付いて行くのは、ボロをまとった老人に扮した、スカーレット・ピンパーネルことパーシー・ブレイクニー(安蘭けい)。こちらは安蘭さんだと分かって見ているのだが、背中と腰の曲がり具合とか、声の出し方とか、本当にボロボロでヨボヨボのジジイにしか見えなくて、感心してしまった。いかにも怪しい一団と見咎めて尋問を始めたピポー軍曹(美稀千種)もペストと聞いた途端に腰が引けてしまう。そして脱出計画は見事成功したのだった。そこへ公安委員ショーヴラン(柚希礼音)がやってくる。またしてもスカーレット・ピンパーネルを取り逃がしてしまったことを知り、怒り爆発。あいつこそスカーレット・ピンパーネルだー!追いかけて捕まえろー!

 そんなフランス人達を外側から眺めながら、パーシーが「♪ひとかけらの勇気」を歌う。この歌は宝塚版のために書き下ろされた新曲らしい。この世の中に欺瞞と不正溢れている/人が自由に歓び分かち/愛し合える至福の日々は来るだろうか~♪ 例えこの身傷付こうとも/僕は行く君の為に/ひとかけらの勇気が僕にある限り~♪

《第2場 コメディ・フランセーズ ~ コメディ・フランセーズ 舞台裏》

 女優マルグリット・サン・ジュスト(遠野あすか)は今日を最後に舞台を降りる。なぜなら、イギリス貴族のパーシーと結婚してイギリスに渡るから。「舞台に未練はないのかいっ!」百花沙里さんの声だったと思う。百花さんは民衆の中にいても目立つし、声ですぐ分かる。で、分かるとちょっと嬉しい(笑)。パリでは自由に演目を選ぶことができない。全てジャコバン党の許可が要る。ロベスピエール(にしき愛)の前でそう発言してしまったマルグリット。革命を批判したとして、ショーヴランは劇場閉鎖を命じた。

 劇場閉鎖の撤回を求めるマルグリットに対して、ショーヴランはサン・シール侯爵(英真なおき)の居所を教えろと交換条件を出した。そこへパーシーがやってくる。パーシーとショーヴランが直接顔を合わせるのはこれが最初。スカーレット・ピンパーネルVS公安委員であり、婚約者VS元恋人でもある。もっとも「元恋人」という点については、マルグリット自身が強く否定しているので何とも言えないが、ショーヴランは完璧に熱愛関係にあったと思い込んでいる感じ。劇場で働く人々の行く末を心配したマルグリットは、サン・シール侯爵の命を奪わないことを条件に、侯爵の居所を書いた手紙をショーヴランに渡してしまう。

《第3場 マダム・ギロチン》

 今回は観劇前から、実況CDもDVDも両方購入しようと決めていた(笑)。しかし、それらの発売予定日は観劇後。待ちきれない私は、ブロードウェー版CDを購入して予習してしまった(笑)。やっぱりミュージカルはいいですねぇ~。BW版のお気に入りナンバーは、

  1. ♪THE RIDDLE
  2. ♪MADAME GUILLOTINE
  3. ♪WHEN I LOOK AT YOU(margurite)

 「♪MADAME GUILLOTINE」は、ギロチンの餌食を求める群集の狂気が強烈に伝わってくるナンバー。歌詞をじっくり聴いているうちに、(あたりまえだが)とても考えられて単語が選ばれていることに気づいた。たくさん韻を踏んでいるのだ。このニュアンスを上手に日本語に訳すことができるのだろうか?などと思っていたのだが、それはド素人の余計な心配だった。実際に宝塚版を観劇してみると、何の違和感も感じないばかりか、掛け合いの歌が生み出す渦巻くような迫力に感動してしまった。「シュッ!」という歌詞がツボ。「そうきたか!」と思ったから(笑)。

《第4場 ブレイクニー邸・結婚式》

 マダム・ギロチンの熱狂はどこへいってしまったのだろう?舞台は一瞬にしてイギリスの教会へと変わる。純白の婚礼衣装に身を包んだパーシーとマルグリットが舞台中央にセリ上がってくる。神よ生まれたばかりの夫婦に祝福を与え給え~あなたこそ~我が家だ~♪ の掛け合いが大好き!またまた舞台は一瞬にしてブレイクニー邸へと変わる。パーシーの仲間達が二人を祝福する。その中にはドゥ・トゥルネー伯爵夫人と娘シュザンヌもいた。マルグリットとシュザンヌは同級生だったらしく、偶然の再会を喜ぶ。パーシーの友人達は新婦マルグリットに興味津々。まずはエルトン(夢乃聖夏)がダンスの相手を申し込む。パーシーが許可し、二人は踊りだす。その他の友人達も次々とダンスを申し込む。やっとオジー(彩海早矢)の番が回ってきたところで、ジ・エンド。そんなぁ~!オジーの役回りが分かった気がした(笑)。しかし、そのダンスシーンをしっかり見るには、かなりの強い意志が必要。なぜなら、目の前でパーシーとデュハーストの銀橋芝居が繰り広げられているから。1回目の観劇のときは、安蘭さんと立樹さんに目が釘付けだった。2回目の観劇のときは、なるべく舞台の方を見るように心がけた(笑)。それもこれもW観劇のなせる業。ありがたや、ありがたや。

 デュハーストからもたらされた情報は、スカピン軍団の協力者であるサン・シール伯爵がギロチン処刑されてしまったというもの。しかも、ショーヴランに隠れ家を教えたのはマルグリットらしい。パーシーとマルグリットの幸せな時間は、皮肉にも結婚と同時に終わりを告げた。ここから疑心暗鬼の偽りの夫婦生活が始まる。先に寝室へ行って休むようにと言って、マルグリットと二人きりになろうとしないパーシー。まだ、何も知らないマルグリットは、パーシーのよそよそしい態度に困惑するばかり。せめておやすみのキスを、と思ってマルグリットが近付くのだが、それすらもさりげなく拒んで手にキスをするパーシー。ここ、胸が痛い。

《第5場 図書室前の廊下 ~ 図書室》

 一晩まんじりともせずに図書室で過ごしたパーシー。訪ねてきた友人達は、花婿が婚礼衣装のままなのを見て驚く。「てゆうか、どうもしなかったのか!?」 オジー…。「頑張れよ」発言といい、オジーの天然炸裂ぶりには降参です。でも、そんな彩海さんが好きです(笑)。パーシーはその場で自分がスカーレット・ピンパーネルであることを明かし、オジー・エルトン・ファーレイ(麻尋しゅん)・ベン(紅ゆずる)・ハル(壱城あずさ)に共に活動しないかと呼びかける。マルグリットの弟アルマン(和涼華)は偶々その話を立ち聞きしてしまった。アルマンは自分も加えてくれと頼み込んだ。これでスカピン軍団は9人になった。

《第6場 デイドリーム号甲板》

 図書室がだんだん船になっていくのが、見ていてとても面白い。最初は9人がゴルフクラブでチャンバラ稽古(他の言い方が思いつかない。笑)をしている。だんだんセリ上がって行き、両サイドから板が出てきて中央で合体し船首部分が完成。上から布とロープが降りてきて帆が完成。デュハーストとフォークスがロープのはしごに乗って、ちょっとカッコイイ(笑)。デイドリーム号はパリに向かって航行中。着くまでに変装しなければ。歌いながらの変装作業。港に着く頃には8人の逞しい洗濯女ができあがった(笑)。

《第7場 パリ街頭》

 洗濯女に変装してパリ脱出を図ろうとする貴族の女ルネ(毬乃ゆい)とアンヌ(星風エレナ)。しかし、ピポー軍曹に見破られてしまう。そこへ、洗濯女に扮したスカピン軍団が乱入し、ピポー軍曹を翻弄(笑)。混乱に乗じて、まんまと二人を脱出させた。立樹さんと美稀さんの凸凹ぶりが本当に面白かった(笑)。そこへショーヴランがやってくる。でっかい洗濯女の反乱です!馬鹿者ー!再びスカーレット・ピンパーネルを取り逃がし、ロベスピエールに責任を追及されるショーヴラン。その二人の間に、革命政府の服を身に着けた小太りの不審人物が。彼の名はグラパン。ベルギーのフランス大使館から紹介されたスパイだという。勿論この不審人物はパーシーの変装。顔が安蘭さんじゃないので、上半分(頬と鼻のあたり)がマスクになっていて、帽子・鬘と一体化しているんじゃないかな?

 革命は成功した筈だ!/それなのに安らげる日は「来ない!」/生きる限り戦い続けてみせる/勝利収める日まで~♪ 強いものこそが正義なのだ/暗闇の奥深く爪を研ぐ/狙い定め舞い降りる鷹のように~♪ 銀橋でショーヴランが熱唱する。歌の最後を伸ばして、「にぃ~~~いぃあぁ!!!」(うまく文字化できない。笑)と歌うことろが迫力満点でツボ。

《第8場 王太子ルイ・シャルル》

 美城れんさんは、クセのある役を上手に演じる役者さんとして注目している一人。今回の役は、王太子ルイ・シャルル(水瀬千秋)を預かって市民に洗脳する、靴職人シモンの役。やっぱり上手い。本当に憎たらしかった(褒めてます)。そこへ公安委員(実はエルトン)が医者(実はグラパンに扮したパーシー)を連れてやってくる。パーシーは、ルイ・シャルルと二人きりになってから正体を明かし、必ずここから助け出すと約束する。勇気の歌をお教えしましょう。辛くなったら思い出して歌ってください。パーシーは「♪ひとかけらの勇気」をルイ・シャルルに教えるのだった。

《第9場 ブレイクニー邸・居間》

 娘役達が集って、噂のスカーレット・ピンパーネルの正体は誰か?という話題で盛り上がっているところへ、パーシーが帰宅する。結婚の翌朝から置手紙を残していなくなるなんて!マルグリットはパーシーをなじるが、暖簾に腕押し・糠に釘。パーシーは、本当のスカーレット・ピンパーネルが分かったら真っ先に教えてくれと女の子達と騒いだり、おちゃらけたポーズをとったりしている。マルグリットはその場から一人取り残されたように感じてしまう。ここでマルグリットが歌う「♪あなたを見つめると」が大好き!初めから私あなたを知らなかったの?/夢を見てたの?幻だったの?/記憶に閉じ込めるなんて出来ないの~♪ BW版を聴いていて、どんなふうに翻訳されるんだろうと楽しみにしていた部分。イイ!英語も日本語もイイ!名訳だ…(感動)。遠野さんの透き通った高音と、十分に間を取った歌い方がまたイイ!

《第10場 ブレイクニー邸・庭》

 恋人達の庭(笑)。ファーレイとシュザンヌ、アルマンとマリー(夢咲ねね)、デュハーストとケイト(蒼乃夕妃)、オジーとアン(華美ゆうか)、エルトンとジュリー(音花ゆり)、ファーレイとペギー(純花まりい)、ベンとポリー(妃咲せあら)、ハルとサリー(稀鳥まりや)。たぶんこんな感じの組み合わせだったと思う。

 庭に孤独なマルグリットがやってくる。そこへショーヴランが現れる。フランス共和国全権大使としてイギリスにやってきたのだ。目的はもちろんスカーレット・ピンパーネル探し。再びマルグリットに協力を要請するが、サン・シール侯爵の件で後悔していたマルグリットは完全拒否。そこへパーシー登場。王宮の仮面舞踏会にも黒い服を着ていくと言うショーヴランを、パーシーがからかう場面はどうやらアドリブ場面らしい。1回目は、パ:「三色旗の柄の服を貸しましょうか?」 シ:「持ってます」 パ:「持ってるのー!?見せてー!」という感じだったような。2回目は、パ:「全身青色で、この辺に大きなポケットがあって…」 シ:「ドラえもんはいりません」 パ:「ドラえもん知ってるのー!?」という感じだったかな。その後のショーヴランとマルグリットの台詞が面白い。シ:「あんな男のどこがいいんだ?」 マ:「予測がつかないところかしら」。思わず笑ってしまった。

 燃える瞳/俺を焦がし/悶えさせた少女/今はどこに消えたのか~♪ 今も君の中に生きる少女蘇らせば/夜明けに目覚め暖めあえる~♪ マルグリットはショーヴランとのことは、革命の熱に浮かされた若気の至りで本物の恋ではなかったと思っているのだが、ショーヴランは今でもマルグリットに未練タラタラ。ショーヴランの歌はどの歌も印象的だ。このミュージカルの中で実は最も個性的で魅力的なキャラクターなのかもしれない。あくまでも「このミュージカルの中で」という限定付き。なぜなら、原作本『紅はこべ』に登場するショーヴランは、お世辞にも魅力的な男性とは言えない(と私は感じた)から。

《第11場 図書室》

 パーシーは、ショーブランがスカーレット・ピンパーネルを探すためイギリスに来ていて、仮面舞踏会に出席することを仲間達に告げ、新しい作戦を発表する。題して「男はおしゃれをするものだ!」最もスカーレット・ピンパーネルらしくない、お馬鹿な格好をしようという斬新な作戦だ。パーシーは自慢のシマウマの上着と帽子を被って見せる。パーシーは全員分の衣装を用意していた。こういう事態になることを以前から予測していたということか。それとも実は全部自分用に仕立てたものだったりして(笑)。

《第12場 マリーのアトリエ》

 マリー・グロショルツは衣装と鬘のデザイナー。恋人のアルマンと共にフランスに渡ってきた。アルマンの目的は王太子の救出。アルマンは自分がスカピン軍団のメンバーであることをマリーに打ち明けていた。王太子を救出したら、マリーの甥としてこのアトリエに匿うことになっている。アルマンはパーシーへ、マリーはマルグリットへ、それぞれ手紙をしたためた。ところで、マリーのアトリエに飾ってある服の一つがあまりにも奇抜だと感じたのは私だけ?

 マリーが手紙を出しに行っている間に、公安委員がやってきて、スカーレット・ピンパーネルの一味としてアルマンを逮捕してしまう。拷問に耐えかねたドゥ・トゥルネー伯爵が、アルマンの名を漏らしてしまったのだ。

《第13場 パーシー邸》

 パーシーとマルグリットの銀橋芝居。仮面舞踏会当日。何食わぬ顔でシマウマの衣装で現れたパーシー。「私もシマウマのドレスを作るんだった」と応じるマルグリットが素敵です(笑)。このミュージカルは、初めから笑わせるためにつくられたと思われる台詞が、あちこちに散りばめられている。笑ったもん勝ち。笑わなきゃ損です。

 マルグリットは、アルマンとマリーから届いた手紙を持っていた。マルグリットは、アルマンからの手紙を見せてほしいとパーシーに頼んだが、パーシーは夫婦の間にも越えてはいけない一線があると言って断った。マルグリットは手紙の内容が知りたかったわけではないのだ。もし手紙を見せてくれれば、それは自分を妻として信用しているということ。もし見せてくれなければ、それは…。マルグリットは賭けたのだ。そして、負けた。今夜で終わりにしましょう…。見せかけだけの夫婦なんて苦しいだけ…。あなたのことを忘れましょう…。

《第14場 王宮の広間》

 英真さんは今回も一人二役。プリンス・オブ・ウェールズ(英真なおき)は、典型的なリンゴ型中年太り。今流行のメタボリックシンドロームですね(笑)。パーシーのシマウマの服をうらやましがる英真プリンスは、自分もスカーレット・ピンパーネルに入りたいなどと、とんでもないことを平気で言う。どうやらプリンスは非常にくだけた人物らしい。

 ショーヴランはマルグリットに、スカーレット・ピンパーネルの一味としてアルマンを逮捕したことを告げ、アルマンの命と引き換えにスカーレット・ピンパーネル探しに協力するように強要する。一方、アルマンが革命政府に捕まったことをデュハーストから聞いたパーシーは、スカピン軍団に全員集合の指示を出す。パーシー、マルグリット、ショーヴラン。三者三様の思惑が複雑に絡まり合いながら、仮面舞踏会は進んでいく。まだ僕を愛しているのか/復讐は終わらない/苦しみに身を焦がす/お前の為に~♪ 闇の中/一人迷い立ちすくむ/真実を探しながら~♪ 文句なしで一番好きな場面です!「♪謎解きのゲーム」の音楽も歌詞もスキ!歌の途中に芝居が挟まって、また歌が始まるという流れるような構成がスキ!仮面舞踏会全体の人々の動き(振付)がスキ!「だが、顔は隠して。今夜のルールだ」(byパーシー)がツボ!舞台正面・両脇花道・銀橋にオールスターキャストが続々と出てきて、畳み掛けるように歌を重ねていく終盤がスキ!あの豪華さ、あの迫力、あの高揚感は、絶対に生(観劇)じゃなきゃ伝わらない!!

【第2幕】

《第1場 王宮の広間》

 舞踏会はスカーレット・ピンパーネルの正体は誰かという話でもちきり。そんな中、フランス共和国全権大使としてショーヴランが紹介される。ショーヴランは劇中ことごとく名前を読み間違えられるのだが、この場面ではついに、部下のメルシエ(祐穂さとる)、クーポー(鶴美舞夕)と3人でズッコケ芝居まで披露してしまうのだった(笑)。

《第2場 王宮の廊下》

 「午前1時に控え室に集合」フォークスの下に届けられた手紙(スカピン指令書)。マルグリットは偶然を装って手紙の内容を盗み見る。陰からその様子を窺っていたショーヴランは、マルグリットがつかんだ情報を聞き、大いに喜ぶ。今度こそスカーレット・ピンパーネルを捕まえてやる。しかし、マルグリットは良心の呵責に苛まれる。いくら弟のためとはいえ、尊敬するスカーレット・ピンパーネルを革命政府に捕まえさせていいのか?自分はとんでもないことに手を貸してしまったのでは?取り返しのつかない過ちを犯してしまったのでは?やっぱりダメだ!スカーレット・ピンパーネルに危険が迫っていることを伝えなければ!とにかく控え室へGO!

《第3場 王宮の控え室》

 控え室にはパーシーがいた。マルグリットはここに来た事情を説明した。君は僕の友人の手紙を盗み見たのか?君は何を探っているんだ?痛いところをつかれて一瞬言葉に詰まるマルグリット。あなたは私のことを本当に信用していないのね。私にも越えて欲しくない一線があるのよ。裏切られたくないから言えない。嫌われたくないから言えない。互いの心が見えなくて苦しむ二人。

 午前1時。控え室に現れたショーヴランが見たのはパーシーだった。ここで何をしている?スカーレット・ピンパーネルが午前1時に控え室に現れるっていう噂を聞いたからさ!ここに誰か来たか?いいや、君が最初さ!…あー!分かったぞー!君がスカーレット・ピンパーネルだなー!すっとぼけた演技でショーヴランを煙に巻くパーシーなのだった(笑)。

《第4場 パリ》

 マダム・ギロチンは血を流しすぎた。終わらない粛清、一向に良くならない生活。パリの民衆は革命に疑問を抱き始めていた。危機感を感じたロベスピエールは、アルマンを拷問して一刻も早くスカーレット・ピンパーネルを捕まえるようショーヴランに命じた。さらに、スカーレット・ピンパーネルが王太子ルイ・シャルルの救出を目論んでいるとの噂を耳にし、王太子を別な場所に移送する計画を立てていた。

《第5場 タンプル塔裏口》

 パーシーらは、ロベスピエールに先んじて、ルイ・シャルルをタンプル塔から救出した。その方法は、またもや洗濯カート。貴族の救出には洗濯カートが一番でしょう!(笑)シモンとジャンヌ(朝峰ひかり)は、公安委員の指示に従って、ルイ・シャルルを洗濯カートの中に入れた。何かヘンだなと感じながらも、公安委員(実はオジーら)の命令には逆らえず、しぶしぶ命令に従うのだった。

《第6場 マリーのアトリエ》

 ルイ・シャルルはマリーの甥としてアトリエに匿われていた。そこへマルグリットが訪ねてくる。パーシーが当てになりそうもないので、自らアルマン救出にやってきたのだ。パーシーのことを悪く言わないで!隣の部屋から突然飛び出してきた男の子が叫ぶ。僕の母は最期まで父を愛していました!あなたもパーシーのことを愛してあげて!マルグリットに向けられた男の子の真剣な眼差し。この子は…誰?もうこれ以上隠し通すことはできないと観念したマリーは、マルグリットに真実を告げた。王太子ルイ・シャルル殿下よ!やがてマルグリットは理解する。パーシーこそスカーレット・ピンパーネルであると。勇気の歌は、パーシーからルイ・シャルルへ、ルイ・シャルルからマルグリットへと伝えられていく。

《第7場 ショーヴランの詰所 ~ マリーのアトリエの前》

 外交の切り札である王太子を奪われてしまった!またしてもスカーレット・ピンパーネルにしてやられた。ロベスピエールはカンカン。アルマンへの拷問が手ぬるいぞとショーヴランを非難する。側で話を聞いていたグラパンはロベスピエールに進言する。アルマンの身柄と引き換えに、マルグリットに劇場で革命を賛美する歌を歌わせてはどうか。そこには必ずスカーレット・ピンパーネルが現れるはず。しばらく泳がせ後をつければ、一網打尽にできるだろう。グラパンが「♪鷹のように」を歌っていた。

《第8場 コメディ・フランセーズ》

 「イギリス貴族の奥方に納まったんじゃなかったのかいっ!」百花さんですよね?(笑)マルグリットは毅然とした表情で語りだす。私は、フランスの明日のために戦わなければらない皆さんの為に歌います!「♪ひとかけらの勇気」という歌です!それに一番驚いたのはグラパン(パーシー)だ。なぜその歌を知っている?まるで初めて見るもののように、マルグリットを凝視するグラパン(パーシー)。一方のマルグリットは、愛する人と愛して欲しい人と尊敬する人が同一人物であったことを知り、心のモヤモヤが一気に晴れた。表情も歌声も幸福感に満ち、キラキラと輝いている。最初はそっぽを向いていたパリ民衆も、しだいにマルグリットの歌に惹きつけられていき、最後は大合唱。再びパリに平和を!

 宝塚版『スカーレット・ピンパーネル』における「♪ひとかけらの勇気」という楽曲は、宝塚版『エリザベート』の「ペーパーナイフ」に似ていると思う。ペーパーナイフは、エリザベートからトートへ、トートからルキーニへ、ルキーニからエリザベートへと引き継がれていく。そして、「♪ひとかけらの勇気」は、パーシーからルイ・シャルルへ、ルイ・シャルルからマルグリットへ、マルグリットからパーシーへと歌い継がれていく。ペーパーナイフの演出は、小池修一郎氏のオリジナルだと何かで読んだ記憶がある。「♪ひとかけらの勇気」はヅカ版のために書き下ろされた新作であり、これも小池氏のオリジナル演出と言っていいと思う。登場人物達の心の動きを目に見える(または耳に聞こえる)形で表現し、それが人から人へと伝えられていくことで、物語の中に一本の確かな流れを作り出す。物語を繋ぐ縦糸。そんな気がする。

《第9場 コメディ・フランセーズの楽屋》

 スカピン軍団は、この混乱に乗じてアルマンとドゥ・トゥルネー伯爵を救出した。スカーレット・ピンパーネルをおびき出す為の囮を逆に奪われてしまったショーヴラン。なぜ急に歌を変更したんだ!夫のメッセージだからよ!私はパリで彼の本当の心を知った。私は夫を心から尊敬し、愛しているわ!マルグリットは胸を張ってそう言った。俺のことをスカーレット・ピンパーネルだなんて言った、馬鹿なヤツを?俺がスカーレット・ピンパーネルになれるのなら、あの大馬鹿パーシーだって…。ショーヴランがそこまで言うと、音楽が急にストップ!客席からはすでに笑いが漏れている。どうして今まで気づかなかったんだ!?(うんうん。笑)パーシーがスカーレット・ピンパーネルなのか!?(そうそう。笑)パーシーがスカーレット・ピンパーネルだとしても、あいつを愛しているというのか!?愛しているわ!!俺のことを愛したことはないのか?…ないわ。この後のショーヴランの笑い方が印象的。ハッ!…ハッ!…ハハハハハハー!。BGMも無く、シーンと静まり返った劇場の中に、ショーヴランの自嘲的な笑い声だけが響く。柚希さん渾身の芝居だと思う。俺の愛は幻だった。マルグリット・ブレイクニーを処刑する!

 グラパン(パーシー)は、このやりとりの一部始終を側で見ていた。目の前で、妻が自分への真実の愛を告白している。グラパンの変装をしているので、嬉しそうなそぶりは微塵も見せないが、仮面の下は絶対ニヤケてると思う(笑)。

《第10場 栄光の日々》

 「♪栄光の日々」も宝塚版の為に書き下ろされた新曲。これもイイ!あの夏の俺たちは連帯していた/握り合った手の熱さ忘れない~♪ ショーヴランはまだ革命の夢を信じている。しかしパーシーは歌う。たくさんの血が流れ命が消えた/その後に残ったのは何だったのか~♪ そして民衆達は気づいた。栄光の日々は何処に行った/幻を見ていたのか/栄光の日々をもう一度/自分の手で掴むのだ/本当の自由手に入れる/今度こそ~♪

《第11場 ミクロンの桟橋》

 グラパンの提案で、マルグリットの処刑は、人が多いパリを避けて、ギロチンのある海岸の町で行うことになった。普通に考えれば、海岸が近かったら、すぐに船で逃げられちゃうじゃん、と思うところなのだが、ショーヴランはグラパン案に即賛成(笑)。ショーヴランが選んだのは、ミクロンという小さな漁村。今度こそスカピン軍団を一網打尽にしてやるぞ!

  • アルマンらしき4人づれが近くにいて、船を捜している。←怪しい。でも罠かも。
  • とりあえず捕まえて来い。→兵士達がいなくなる。
  • ショーヴラン、グラパン、メルシエ、マルグリットの4人が残される。
  • パーシーが現れたら、グラパンも戦ってね!
  • ヤダ。
  • なんで!?
  • スカーレット・ピンパーネルだからだよーん!

 チャンチャン(笑)。なぜ気がつかなかったんだー!ショーヴランは大いに悔しがる。そして二人は剣で直接対決。この殺陣のシーンは結構長かったような気がする。桟橋の上で勝負がついた。パーシー勝利。しかし、ちょうどその時、兵士達が戻ってきて形勢逆転。今度はパーシーが追い詰められてしまった。

  • 自分が捕まったことを今すぐロベスピエールに報告して欲しい。
  • 最後まで変わったヤツだ。→ショーヴランはメルシエに伝令役を命じる。
  • ショーヴラン、パーシー、グラパン、マルグリット、兵士達(7名)が残される。
  • ドラムロールの音が響く。
  • 兵士達の銃口が一斉にショーヴランに向けられる。
  • なんで!?
  • スカーレット・ピンパーネル軍団だからだよーん!

 チャンチャン(笑)。何度も何度も騙される、ちょっと可哀想なショーヴラン。最後は、グラパンの衣装を着せられて、スカーレット・ピンパーネルの紋章の入った指輪をはめさせられて、どこかへ連れていかれてしまった。今日が二人の本当の結婚式ね!パーシーとマルグリットは、デイドリーム号で「♪あなたこそ我が家」を熱唱。めでたしめでたし。

《第12場~第17場 フィナーレ》

 いよいよフィナーレに突入。下手花道に、キラキラスパンの濃紺燕尾に身を包んだ柚希さんがセリ上がる。銀橋を渡りながら「♪ひとかけらの勇気」を熱唱。じっくり聴かせます。続いてロケット。「♪炎の中へ」の曲に乗せて、可愛らしく元気よく踊ります。どの振りが好きかって、そりゃあやっぱり一列に並んでの足上げでしょう。ヤッ!頭の羽飾りも衣装もスカーレット・ピンパーネルをイメージした赤色で統一。

 続いて大階段。安蘭さんと娘役さん達が板付きで登場。安蘭さんが「♪あなたを見つめると」を優しく歌う。華やかで美しい娘役群舞が終わると大階段からサーベルを持った男役さん達が整然と降りてくる。そのまま舞台に残った安蘭さんは、サーベルを手に取り、優しい男から強い男へと雰囲気を変える。「♪栄光の日々」の曲に乗せた、男役達によるサーベルダンス。これ、かなりカッコイイです(笑)。エンジ色のコスチュームも素敵。サーベルダンスの一番最後に妙にセクシーな掛け声を掛けていたのは、やっぱり柚希さんですよね?「んっあぁ…」(文字化できず。笑)

 デュエットダンスは「♪愛の絆」。でも、本編のときとはアレンジが全然違っていて、すんごくアダルティーで、すんごくムーディーだった。シャンパンゴールドの衣装もとっても素敵でした。大人の男と女の恋の駆け引き…って感じかな?一旦別れた男と女は銀橋で再び出会い、愛のキメポーズ(笑)。一旦照明が落とされ、安蘭さんと遠野さんにスポットライトが当たる。二人が客席に向かってお辞儀をし、観客はそれに拍手で応える。この拍手がパレードへの合図となる。

 エトワールの音花ゆりさんが「♪物語のように」を高らかに歌い上げ、パレードがスタート。「♪男のお洒落」「♪謎解きのゲーム」「♪あなたこそ我が家」「♪君はどこに」「♪あなたを見つめると」と歌い継いでゆき、大羽根を背負った安蘭さんが「♪ひとかけらの勇気」を歌ってフィニッシュ!シャンシャンはスカーレット・ピンパーネルをデザインしたものでしたね。銀橋にスター勢揃いの場面では、安蘭さん、遠野さん、柚希さん、そして主に下手側にいる方々に熱視線を送っておりました(笑)。星組の皆さん、素晴らしい舞台をありがとう!ミュージカル最高!

◇おまけ

 ああ、なんて楽しい6時間だったんだ!2回も観劇することができて本当にラッキー!チケットの神様、どうか私に次の星組公演のチケットもお与えください!(祈)フランク・ワイルドホーンさんも天才だと思う。衣装が超豪華!三井住友VISA万歳!(笑)安蘭さんは、歌も上手いし、芝居も変幻自在だし、本当に面白かった!次の全ツ『外伝ベルサイユのばら-ベルナール編-』では、どんな熱い芝居を見せてくれるのか、とっても楽しみです!ロベスピエールはソロ場面も多く、実はかなりオイシイ役。にしきさんは、次の全ツでもロベスピエールをやるらしい。今回の公演で祐穂さとるさんが退団する。面白い役者さんだと思っていたので、とても残念。『ヘイズ・コード』のエドワード役が大好きだった。

 劇場からの帰り道で、他の道行く人々よりも明らかに頭一つ高い集団とすれ違った。一瞬のことだったのでよく覚えていないのだが、たぶん宙組の十輝いりすさんと凪七瑠海さんだったと思う。(もう一人いたような気がするのだが、そこまで確認する余裕がなかった。)明らかに一般人とは違うオーラを発していた。さすがジェンヌさん。午後公演を観に来たのかな?


赤と黒

2008年05月18日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

2008年4月6日(日)11:00開演 日本青年館 B席 2階E列40番台 宝塚歌劇星組東京特別公演

 『赤と黒』のチケット争奪戦。私は、友の会先行にも、一般前売にも敗れた…(泣)。しかーし、ここで諦めるわけにはいかない!安蘭さんが、『宝塚おとめ』の「演じてみたい役」にずっと書き続けてきたという「『赤と黒』のジュリアン・ソレル」。安蘭ファン必見の舞台。これを観に行かなければ、後で絶対後悔する!というわけで、年度末のゴタゴタの中、探しに探してついにプラチナチケットを手に入れた!そして、年度始めの大混乱の間隙をぬって、遥々東京へとやって来たのだ!我ながらスゴイぞ!(笑)

 地下鉄で国立競技場まで行き、地上に出た。快晴。少し早めに会場に着いたので、前でやっていたフリーマーケットを覗いてみた。開場時刻になったので移動開始。入口でもたつかないようにチケットを出しておこうと思って、階段下の自販機が並んでいるところで立ち止まり、バッグを開けた。すると突然、周りにいた女の人達がササッと近寄ってきて、「チケット余ってませんか?」と話しかけてきた。私は一瞬呆気にとられたものの、次の瞬間には「あ、ありません!」と答えていた。するとその人達は、まるで波が引くようにサーッと引き下がり、何事もなかったかのように元いた場所に佇んでいた。私はちょっとドキドキしながら、自分のチケットを握り締めて、足早に階段を上った。これがいわゆる「サバキ待ち」っていうやつなのかな?初めての出来事に、かなり動揺した(笑)。

◆ミュージカル・ロマン『赤と黒』-原作 スタンダール-(脚本・柴田侑宏/演出:中村暁)

【第1幕 野望の鐘】

《第1場 赤と黒のバラード》

 ジュリアン・ソレル(安蘭けい)、レナール夫人(遠野あすか)、マチルド(夢咲ねね)。プロローグはシンプルなセット。三者三様の人生観と、ジュリアンを巡る愛憎劇を予感させるようなダンスが繰り広げられる。安蘭さん、足細っ。

《第2場 法廷》

 原作本は、中学生の頃に一度読んだはずだが、すっかり忘れた。(そういうのが多い) 再演決定後に、岩波文庫版『赤と黒』を購入。上巻はなんとか読み終えたが、下巻は間に合わず。(潔く諦める) CSで海外ドラマ版『赤と黒』を見たので、話の筋は分かった。(これでいいことにする) 限られた時間の中で、どのように舞台化するのだろうと思っていたが、現在の時間軸を法廷に置いて、証言から過去を回想するという構成になっているんですね。

《第3場 ヴェリエール》

 町長レナール氏(立樹遥)と、助役ヴァルノ氏(にしき愛)は犬猿の仲。レナール氏は、息子達にラテン語の家庭教師をつけることで、ヴァルノ氏に差をつけようと考えた。シェラン司祭(英真なおき)はレナール氏に、ラテン語の達人ジュリアンを紹介した。英真シェランは、なかなかしたたかな人物で、見返りとして教会への寄付を要求していた(笑)。アーメン。「私は誰と一緒に食事をするのですか?」(byジュリアン) ジュリアンの関心事は、給料の額ではなく、自分の扱い。召使扱いは自尊心が許さない。レナール一家と食事を共にすると聞いて納得するジュリアン。

《第4場 ナポレオン賛歌》

 ナポレオンがいかに素晴らしいか、自分がどれだけナポレオンに心酔しているかを、なんだかものすごい早口で歌っていたような気がする…。ジュリアンの友人フーケ(柚希礼音)。ジュリアンとフーケが、どういういきさつで友達になったのかが知りたい。ジュリアンはフーケには心を許していて、素の自分を見せているらしい。フーケもジュリアンの能力を認めていて、自分の仕事のパートナーにならないかと、しつこく誘っているようだ。しかし、ジュリアンは金儲けには興味がない。ジュリアンが考えているのは、貴族社会に対抗し、名を上げること。ナポレオン精神を実践することなのだ。

《第5場 家庭教師》

 レナール夫人は、新しい家庭教師が息子達に厳しくあたったらどうしようと心配していた。しかし、やってきたのは、黒服でヒゲもじゃの老牧師ではなく、華奢な美男子の安蘭ジュリアン。しかも、聖書を丸暗記しており、聖書の章句をラテン語で諳んじてみせた。レナール夫人と息子達は感心しきり。レナール氏もご満悦だ。

《第6場 法廷》

 再び法廷。証人はエリザ(稀鳥まりや)。エリザは、レナール夫人とジュリアンのただならぬ関係について、険しい表情で語り始めた。

《第7場 避暑地》

 「私はこの女(=レナール夫人)の手を握らなければならない!キスしなければならない!……しなければならない!」(byジュリアン) ジュリアンのナポレオン精神は、レナール夫人を征服する(=平民が貴族を征服する?)という、よく分からない方向へ向かって猛進。レナール夫人とレナール氏は政略結婚だったらしい。吝嗇・自己中心的・高飛車・高慢…原作からイメージするレナール氏は、決して魅力的な男ではない。愛のない政略結婚。しかし、スマートでハンサムで陽気な立樹レナール氏となら、結婚後に愛が芽生えそう(笑)。レナール夫人は、ジュリアンの行動に困惑。でも、この胸のトキメキは何?これは…恋!?結婚なんて、皆こんなもの…。抗うことをせず、現状を受け入れ、穏やかでそれなりに幸せな人生を送ってきたレナール夫人。しかし、ジュリアンの行動が、レナール夫人の内に秘められていた女の情念に火を点けた。デルヴィール夫人(琴まりえ)は、レナール夫人の変化に敏感に気づき、友人として忠告するが…。

《第8場 恋》

 一旦火が点いたレナール夫人はスゴイ。その激しさはジュリアンを圧倒するほど。自分から仕掛けたはずの恋なのに…。レナール夫人との恋に溺れるジュリアン青年。レナール夫人とジュリアンのラブシーン。舞台には、薄い幕が下りていて、まるでレースのカーテン越しに、ジュリアンの部屋の中を覗いているような感じ。ちょっと恥ずかしい。いや、かなり恥ずかしい。でも、観たい(笑)。そんな2人を、舞台袖から憎々しげに見つめている人物が…。

《第9場 密告》

 実は、女中のエリザもジュリアンに恋をしていた。そのことについて、レナール夫人に相談もしてした。それなのに、恋の相手と、相談の相手が、不倫!?恋しさ余って、憎さ百倍。怒り心頭のエリザは、レナール氏のライバルであるヴァルノ氏に、このネタを密告した。実は、下男のサン=ジャン(水輝涼)もエリザに恋をしていた。だから、エリザの命令には逆らえない。稀鳥エリザの女王様ぶり(命令口調)が面白かったな(笑)。

《第10場 別離(A)ヴェルジーの別荘(庭)》

 妻と家庭教師の不倫を密告する手紙に激しく動揺するレナール氏。どうするどうする。考えた末、シェラン司祭に相談することに。シェラン司祭はジュリアンに、即刻ブザンソンの神学校へ行くよう命じた。

《第10場 別離(B)レナール夫人の部屋》

 ジュリアンと出会う前のレナール夫人は、信心深く貞淑な妻だった。ジュリアンとの恋に落ちた後は、「貞淑な妻」ではなくなったかもしれないが、本質的には何も変わっていない。年齢的には大人でも、少女のような純粋な心を持った女性。ジュリアンに対する思いも、純粋なだけに、強く、深く、激しい。ジュリアンの性格については、正直なところ、理解(共感)しがたい部分が多いのだが、たぶん基本的には純粋なんだろう。自分が正しいと思うことを発言し、信念に基づいて行動する。そこに嘘はない。動機は不純だったが、結局のところ、ジュリアンとレナール夫人の間に生まれた感情は、お互いに初めて知った純粋な愛だった…ということなのではないだろうか?予想外の出来事(密告)で多少時期が早まったものの、神学校行きは、もともとジュリアンのナポレオン計画の中にあったもの。ジュリアンは、頭をパッと切り替えて、新しい世界での成功を目指す。(原作では、もっとズルズルひきずっていたような気もするが)

《第11場 ブザンソン行き》

 ここはブザンソンの神学校の廊下(たぶん)。黒服に身を包んだ神学生達が通り過ぎてゆく。美稀千種さん、涼紫央さん、柚希礼音さん、和涼華さん、彩海早矢さん、は確認できた…と思う(笑)。

《第12場 神学校(A)礼拝堂》

 黒服ジュリアン登場。外見は至極真面目な神学生。しかし、その内心は…。レナール夫人への断ちがたい想いを表現するような、レナール夫人との幻想のダンスシーンが展開される。

《第12場 神学校(B)ピラール校長の部屋》

 ここの展開の速さに驚いた。神学校時代のエピソードは一切カットなんですね。確かに時間もないし、早くマチルドとの話にもっていくためには、ここをばっさりカットするしかないのかもしれない。でも、レナール夫人への想いを手紙にしたためるジュリアンとか、レナール夫人からの手紙を待って悶々とするジュリアンとか、手紙をくれない(本当は送ってくれていたけど、ピラール校長が隠していた)レナール夫人を恨むジュリアンとかも、観たかったな。ピラール校長は、神学校内の派閥争いに破れ、校長の座を追われようとしていた。次期校長になる人物から見れば、ピラール校長に目をかけられていたジュリアンもまた、煙たい人物に違いない。このまま神学校にいても未来がないと悟ったジュリアンは、ピラール校長に付いてパリへ行く決心をする。

《第12場 神学校(C)礼拝堂》

 再び友人フーケ登場。実は何度も面会に来ていたが、なかなかジュリアンに会えなかったらしい。今回やっと門番(美城れん)の買収に成功して、はれて面会が叶ったというわけ。ちょっと時間が経つと、すぐに袖の下を要求に来る美城さんが面白い(笑)。仕事のパートナーにならないかというフーケの誘いを、今回もあっさり断わるジュリアン。金儲けには興味がないのだ。ジュリアンは、パリのラ・モール公爵(萬あきら)の下で、秘書のような仕事をすることになった。果たしてパリとはどんなところなのか?貴族の生活とはどんなものなのか?そこで自分は、どこまでのし上がっていくことができるのか?待っていろ、パリ!

【第2幕 嵐の中で】

《第13場 ラ・モール侯爵邸(パリのサロン)》

 休憩終わって第2幕。舞台は一気に華やかな雰囲気に。ザ・タカラヅカ!第2幕の主要登場人物達の顔合わせ場面。コラゾフ公爵(柚希礼音、フーケと2役)=ノルベール伯爵の友人。ロシア貴族。(やたらと元気。おおらか。) ノルベール伯爵(涼紫央)=ラ・モール侯爵子息。マチルドの兄。(儚げ。誠実そう。) クロワズノワ侯爵(和涼華)=マチルドの婚約者。(優しい。いまいち押しが弱い。) マチルド(夢咲ねね)=ラ・モール侯爵令嬢。(かわいい。ひとクセもふたクセもありそう。) なんとなく場違いなジュリアン青年登場。着飾って集い、無為なおしゃべりを繰り返すだけの貴族達。その堕落した生活ぶりに幻滅を隠せないジュリアン青年。

《第14場 喪服のマチルド》

 マチルドもまた、取り巻きの青年貴族達に物足りなさを感じていた。マチルドが理想とする男性は中世の英雄ボニファス・ドゥ・ラ・モール。エネルギッシュでロマンティックなご先祖様だったらしい。毎年、命日には、英雄の死を偲んで、喪に服しているのだという。ジュリアンは、マチルドが喪服を着ている理由を知っても、「ふーん」という感じ(笑)。

《第15場 ラブ・レター(ラ・モール邸 書斎)》

 マチルドはジュリアンに、今まで出逢った男性達と違う匂いを感じた。用もないのに書斎に出入りし、ジュリアンの仕事の邪魔をする。書棚の本は全部本物なのか?それとも、取り出す本だけ本物なのか?ちょっと気になってしまった。マチルドが借りた本を返しに来た。ジュリアンは、その本の間に手紙が挟んであることに気づいた。なんと、マチルドからジュリアンに宛てたラブ・レターだった!

《第16場 疑惑》

 皆が憧れている(ジュリアンは憧れていないが)美女が自分に恋!?しかも、夜中に部屋に忍んでこいだって!?罠だ。絶対罠だ。でも、本当だったら?マチルドは確かに美しい女性だ。どうするどうする。結局、手紙の指示どおり、夜中にマチルドの部屋へ行くことにするが、それは恋の情熱からではない。自尊心。もしもそれが罠だったとして、敵に怖気づいて逃げたと思われたら、自尊心が許さない。

《第17場 逢いびき(マチルドの部屋)》

 梯子を使って窓から入ってきた安蘭ジュリアン。敵はいないか、罠はないか、部屋中隈なく探し回る。えーっとぉ…、コメディでした(笑)。まさかこんなコメディシーンになるとは思っていなかったので、私は終始苦笑い状態でした。いや、原作を読んでいるときから、ジュリアンの思考回路はオカシイと感じていたので、具現化されたものを観て笑った、というのはむしろ自然な反応なのかもしれない。本人が真剣にやればやるほど、第三者から見れば可笑しく見えるっていうのは、よくあることだ。どうやら罠ではなかったようだ。ということは…マチルドは本当に自分に恋してるってことか!?「私を…抱いて!」(byマチルド) 女から言われて断るのは男の自尊心が許さない。というわけで、マチルドの肩を抱いて下手側に消えるジュリアン。再び戻ってきた2人の表情が好対照。ジュリアンは非常に満足げ(笑)。一方のマチルドは暗い表情。「二度と私に話しかけないで!」(byマチルド) ジュリアンは、何が何だか訳がわからず、自尊心を傷つけられたと感じているもよう。マチルドは、夢と現実とのギャップにショックを受けた。もしくは、ジュリアンが英雄でもなんでもなく、ごく普通の男にすぎなかったということに気づき傷ついた。というところか。しかし、この件に関してだけは、ジュリアンは一切悪くない。(と弁護しておこう) でも、この場面のマチルドの演技には、とっても惹きつけられた。夢咲ねねさんは月組から星組に組替えしてきて、この『赤と黒』が星組生としての最初の出演作品。今後の活躍に期待大ですね。

《第18場 大臣就任》

 ラ・モール侯爵が大臣に就任。貴族の方々が総出演。

《第19場 恋の指南(ラ・モール邸 庭園)》

 庭のベンチで読書をするジュリアン。そこへコラゾフ公爵がやってくる。ジュリアンの表情から、恋の悩みとズバリ見抜き、必殺ラブ・レターやきもち大作戦を伝授する。ジュリアンは半信半疑ながら、コラゾフ公爵直伝のラブ・レター作戦を実践してみることに。ジュリアンはフェルヴァック元帥夫人(華美ゆうか)に次々とラブ・レターを送った。

《第20場 激情そして破局(A)ラ・モール邸 書斎》

 ジュリアンとフェルヴァック元帥夫人の親密そうな様子を見て、心穏やかでないマチルド。自分のほうが若くて美しくて魅力的なはずなのに、なぜ!?自分から拒否したにもかかわらず、ジュリアンの行動に傷つくマチルド。マチルドは、書斎に忍び込み、ジュリアンがフェルヴァック元帥夫人に宛てて書いたラブ・レターを盗み見てしまう。ジュリアンVSマチルド。自尊心VS自尊心。激しい罵り合い。ジュリアンは剣を手に取り、マチルドに剣先を向けた!相手の一挙手一投足がいちいち気にかかる。相手の気を引くための奇妙な駆け引き。いつの間にか本気で互いを求め合うようになっていた。

《第20場 激情そして破局(B)ヴェリエール教会の一隅》

 パリのラ・モール侯爵からヴェリエール教会に、ジュリアンの素性調査の依頼がくる。レナール夫人は、フリレール副司教(美稀千種)らに脅され、「ジュリアンは女を手に入れ、その家の財産を乗っ取る男である」という内容の文書に署名してしまう。

《第20場 激情そして破局(C)書斎》

 マチルド懐妊!マチルドはジュリアンとの結婚を父親に願い出た。ラ・モール侯爵は、案外簡単にOKを出した。喜びを分かち合う2人。幸せの絶頂。そこへヴェリエールからの返信が届く…。

《第21場 怒り》

 なぜだ?なぜだ?なぜだ!?レナール夫人があんな手紙を書くなんて…信じられない。あの愛は嘘だったのか?許せない許せない。決して許せない!

《第22場 行動(教会)》

 ジュリアンは故郷ヴェリエールの教会へ駆けつけた。ジュリアンの視線の先には…静かに祈りを捧げるレナール夫人の姿が。ジュリアンはゆっくりと銃口をレナール夫人に向けた。レナール夫人はジュリアンに気づいた。しかし、逃げようとはしなかった。こうなることは分かっていた。一人の青年の、心から愛する青年の未来を打ち砕く文書にサインをしたその時から。レナール夫人は神の前に自分の恥ずべき卑しい行いを懺悔していたのかもしれない。ジュリアンは撃った。無表情で。レナール夫人は銃弾を受けた。静かに。

《第23場 牢獄》

 一時の怒りと興奮が鎮まると、ジュリアンは激しく後悔した。レナール夫人を愛していた。そのことに改めて気づかされたのだ。愛する人を自らの手で葬ってしまった…。ジュリアンは死刑を待った。マチルドはジュリアンを助け出すために、あらゆる手を尽くしていた。マチルドの愛もまた本物だ。レナール夫人が生きている!その知らせを聞いたジュリアンは心の底から喜んだ。しかし、レナール夫人自身は、自分の命が助かったことを知ったとき、どう思っただろうか。

《第24場 判決》

 場面は再び法廷。最後の証人はヴァルノ氏。いよいよ最終判決が下される。判決は…死刑。ジュリアンは静かに判決を聞いていた。

《第25場 死刑》

 プロローグ同様、セットは特になし。ジュリアン、レナール夫人、マチルドの3人が最後のダンスを繰り広げる。死刑=ギロチン。どのように演出されるのだろうと思っていたが、ギロチンを思わせるような具体的なものは何もなかった。ただ、処刑の瞬間、ギロチンの刃が落とされるような音がして、照明が赤くなり、幕が下りた。処刑後の後日談については、宝塚版では触れられていなかったが、遠野さんのレナール夫人と、夢咲さんのマチルドは、十分その後の展開を予想させる役作りだったと思う。

◇おまけ

 『赤と黒』の作者スタンダールの墓碑銘には「生きた、書いた、恋した」と書かれているらしい。それになぞらえると、安蘭さんは「生きた、演じた、恋した」ということになるだろうか。「演じる」というのは、実に面白いものだとつくづく思う。実際、安蘭ジュリアンは、遠野レナール夫人や、柚希コラゾフ公爵よりも、年若く人間的に未熟な青年に見えた。

 『赤と黒』の「赤」と「黒」はそれぞれ何を表しているのだろうか。「赤」は血かな。生まれ・素性・身分を決めるという意味での血。そして、革命やギロチンによって流された血。または、恋の情熱を表す「赤」、血気盛んなという意味での「赤」かもしれない。「黒」は僧服・神学校などを象徴しているのかもしれない。マチルドの喪服もそうかな。または、人を騙す、陥れる、出し抜くなど、人間の心に潜む暗部を表しているのかもしれない。「赤」は華美=貴族、「黒」は地味=平民、とも考えられるかな。

 ところで、この『赤と黒』のプログラムには、歌詞が1つも載っていない。非常に残念だ。これはやはりDVDを買うしかないな(笑)。


エル・アルコン/レビュー・オルキス

2008年01月30日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

①2008年1月5日(土)15:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階13列60番台 星組公演

②2008年1月6日(日)15:30開演 東京宝塚劇場 SS席 2階3列40番台 星組公演

 2007年のお正月は、安蘭・遠野コンビのプレお披露目公演『ヘイズ・コード』を観に行った。あれから、もう1年かぁ…。月日が経つのは本当に早いなぁ…。そして、2008年の東京宝塚劇場のお正月公演は星組。よぉ~し、今年のお正月も星組を観に行っちゃうぞぉ~!勝負の一般前売日。私は5日(土)15:30の1階S席狙いでアクセス!いきなりの完売表示に動揺するも、「んなわけないだろ!」と再アクセス!見事1階13列をゲットした。ふぅ。それにしても、最初の完売表示は何だったんだろう???アクセス集中によるトラブルだったのかな???何はともあれ無事にチケットが確保できたことを友人に報告。すると、友人も6日(日)15:30の2階SS席のチケットが取れたと言う。友人:「どうしよう。」、私:「2日連続で観に行こうよ!」、友人:「そうしよう!」。やったぁー!あこがれの(笑)2回観劇、ついに実現だーーー!

◆NTT西日本・NTT東日本フレッツシアター グラン・ステージ『エル・アルコン-鷹-』~青池保子原作『エル・アルコン-鷹-』『七つの海七つの空』より~(脚本・演出:齋藤吉正)

 大きな鷹が描かれた青い幕。劇場にはもうすっかり慣れたが、開演前はいつも期待と興奮で胸が高鳴り、落ち着かない(笑)。お正月らしく「あけましておめでとうございます」という安蘭さんのアナウンスで幕が開いた。さぁ、1時間半の海洋活劇ロマンの始まりだ!

【第1場 誓い】

 舞台は16世紀後半のイギリス。カトリック教寺院。シュルベリー司教(美稀千種)と、スペイン生まれのイギリス海軍中佐ジェラード・ペルー(立樹遥)が、何やら難しそうな話を早口で言っている。そこへティリアン少年(天寿光希)が駆け込んできた。ジェラード逃げて!実はジェラードはスペインのスパイであり、ティリアン少年は追手が迫っていることを知らせに来たのだ。スペイン貴族の血を引く母から生まれたティリアン少年は、母の従弟であるジェラードに強い憧れを抱いていた。別れを嘆くティリアン少年。「野心のままに生きてごらん、ティリアン、君にはそれができるはずだ。」ジェラードは去っていった。そこへティリアン少年を追ってきた父エドリントン(にしき愛)が現れる。逃がしたのか!ティリアン少年の容貌にはスペインの血が濃く表れていたため、父は妻とジェラードの仲を疑い、日頃からティリアン少年に辛く当たっていたのだ。そして、今回の逃亡手助け事件。疑いと嫉妬と怒りが頂点に達した父は、ついにティリアン少年に手を上げた。揉み合いの最中、真っ赤な照明が刺して、二人の動きが一瞬止まった。ティリアンが父の懐剣で父を刺したのだ。悪魔めぇーーー!絶叫と共に父はセリ下がっていった。原作では、父を刺す瞬間、ティリアン少年は明確な殺意を持っていたような気がしたけど、ヅカ版では、偶然父の懐剣に手が触れ、身を守るためとっさに剣を構えたら刺さってしまった、という感じに見えたな。

【第2場 エル・アルコン-鷹- ~ 群青の夢】

 セリ下がる父と入れ替わるようにして、舞台中央にティリアン・パーシモン(安蘭けい)がセリ上がってくる。次々とメインキャストが登場して主題歌「♪エル・アルコン-鷹-」を歌い継ぎ、最後はほぼ総出演な感じで大合唱。舞台装置を駆使した勇壮で華麗なプロローグだ。『ベルサイユのばら』のプロローグみたいな感じで、気分が高揚する(笑)。漆黒の翼を翻し/鷹は海をめざし/海に生き/海へと還る~♪ 舞台奥には荒れ狂う海の映像。そして、安蘭ティリアンの顔が大写しになり、「KEI ARAN」の文字が浮かぶ。…カッコイイ(笑)。まるで映画のオープニングみたい。染め上がる大海原を/照らし出す太陽の色は/あの日私を染め上げた罪の色/その真紅に彩られた私の夢/その名を野望と呼ぼう~♪ ティリアンのキーワードは「野望」だ。続いて、回転する盆からセリ上がりで登場するのは、フランス貴族の称号を持つ女海賊ギルダ・ラバンヌ(遠野あすか)。この登場の仕方が好きー(笑)。大空翔るお前を/私の海に落とすまで/その翼を追い続けるのさ~♪ ギルダのキーワードは「愛憎」とのこと。やはりバックには遠野ギルダのアップ映像と「ASUKA TONO」の文字。…ステキ(笑)。続いて、舞台後方から仲間達と共にセリ上がりで登場するのは、正義の海賊ルミナス・レッド・ベネディクト(柚希礼音)。憎いその黒い翼/この手で引き裂くまで/地獄の底まで追い続けよう~♪ レッドのキーワードは「復讐」。もちろん背景には柚希レッドの男前映像&「REON YUZUKI」の文字。そして再びティリアンの歌となり、銀橋に出てきた安蘭さんが、七つの海七つの空を手に入れるというティリアンの野望を熱唱する。その後ろの本舞台では、ギルダやレッドやその他大勢の人々が、ティリアン同様に熱い大合唱を繰り広げる。エエ~ル アア~ル コ~~~ン Oh~~~♪ 私も心の中で一緒に歌い、一緒に手振りをした(笑)。このプロローグ、最高です!寺嶋民哉氏、ありがとう!

 大盛り上がりのプロローグが終わり、一転して静かな空間。興奮冷めやらぬ表情で銀橋に一人佇むティリアン。そこへ水夫長ニコラス・ジェイド(綺華れい)が静かに歩み寄る。ティリアンはニコラスに向かって、七つの海に賭ける果てしない野望を熱く語る。ニコラスはそんなティリアンの夢に想いを馳せ、どこまでも付いて行くと忠誠を誓うのだった。

【第3場 欲望と野望のプリマス(はじまり~出会い~ミッション~罠)】

 イギリスの港町プリマス。花を売る人あり、魚を売る人あり。多くの人々が行き交うにぎやかな町。いいとこのボンボンらしい雰囲気を漂わせたレッドが登場し、人々と爽やかに挨拶を交わしながら通り過ぎていく。イギリス海軍中佐としての任務に就く一方で、スペインと通じるティリアンは、ある目的を果たすため、部下であるマスターズ(彩海早矢)やスコット(麻尋しゅん)らと共にプリマスの町に降り立った。そこで偶然、陸軍大佐エドウィン・グレイム(涼紫央)と、彼の婚約者でイギリス海軍提督の令嬢ペネロープ・ギャレット(琴まりえ)と出会う。ティリアンもエドウィンも、お互いのことを友人だとは思っていないと思うなぁ。ティリアンはペネロープのことを嫌な女だと思ったが、ある利用法を思いつくのだった。

 やがてティリアンは、プリマスの大商人グレゴリー・ベネディクト(英真なおき)の邸を訪れる。スペインからの独立を目指すネーデルランドを支援していることでスペインの厄介者と疎まれているグレゴリーを、ティリアンは陥れようと考えていたのだ。そこへ息子のレッドが現れる。善良なグレゴリーはティリアンをすっかり信用し、息子のレッドを紹介した。柚希レッドは目をキラキラと輝かせながら、法律家を目指しているのだと言う。海賊になってスペイン船を打ち払うほうがよっぽどイギリスのためになるのでは?冗談とも本気ともつかない発言をするティリアン。ティリアンの目に宿る冷徹な光。レッドは言い知れぬ不安を抱くのだった。

 ティリアンは商人エドワード・コールサック(美城れん)と連絡を取る。町に出たティリアンはスペイン酒場へ。『バレンシアの熱い花』にタイムスリップしたかのような錯覚(笑)。そこでコールサックと落ち合ったティリアンは、一刻も早くグレゴリーを始末しようと策を講じる。商売敵であるグレゴリーがいなくなれば大きな利を得られると喜ぶコールサックは、すぐさまティリアンの指示を受けネーデルランドへ向かった。この場面では、コールサック役の美城さんの演技に目が行った。動き方や話し方に、卑屈さやずる賢さがよく表れていて、いかにも悪徳商人という感じだった。そして、ミ~ッショ~ン/ミ~ッショ~ン♪ この歌、ものすごく耳に残る(笑)。次なるミッションは、先ほど思いついたペネロープに関する件。ナチュラルウェーブ黒髪ロングのティリアンが、さらさらストレート金髪ロングのマスターズと、くるくる外はねカール金髪ショートのスコットを従え、ミッションはクールに決めろとキザりながら銀橋を渡る。…ステキ(笑)。

 この辺から右を見たり、左を見たりとかなり忙しくなる。上手花道。エドウィンが暴漢に襲われた。実はこれはティリアンの罠。下手花道。エドウィンが酒に酔って不祥事を起したと聞かされたペネロープは腹を立て、婚約を破棄すると言い出した。そんなペネロープにティリアンは優しく言い寄り、自分がロンドンへ送り届けると申し出るのだった。

【第4場 女達の海】

 ロンドンへ向かう途中、ティリアンの船は、女海賊ギルダが率いるブランシュ・フルールに襲撃される。ブ~ラ~ンシュ・フル~ル~/美しき海の~女達~♪ 女海賊達の剣を持ったダンスがめちゃめちゃカッコイイ!女海賊達が登場する場面では、なぜか絶対アデリーヌ(朝峰ひかり)に目が行ってしまう。アデリーヌはサブリーダーっぽかったので、いつもギルダのそばにいたから、自然と目に入っただけかもしれない。2日目は意識的に他の女海賊達も見ようと努力した。でも結局、一番印象に残っているのは朝峰さんだったりする(笑)。私の海を侵す者は誰一人として許さない!ティリアン・パーシモン、お前もよ!この海域を知り尽くしているギルダは、ティリアンの船を浅瀬に引き込もうと猛攻撃を開始した。やがてティリアンの船は浅瀬に乗り上げ、舵が利かなくなってしまう。ギルダの狙いどおり、このまま座礁してしまうのか?その時、全砲を発射しその振動で浅瀬を脱出しようというティリアンの作戦が成功し、形勢逆転。ティリアンの機転を利かせた反撃によって、ギルダの船は退却を余儀なくされてしまう。この砲撃合戦のズガーン!ドガーン!という音と、それに連動した照明の明滅が、もの凄かった。何というかUSJのアトラクションにでも入ってしまったような感じ。軍人なら名提督と謳われるほどの戦術を持つギルダに、ティリアンは心惹かれていく。一方、ティリアンの船に同乗していたペネロープは、危険な状況から救ってくれたティリアンに感謝を述べるため、艦長室へ赴く。ティリアンに対して抗い難い魅力を感じてしまうペネロープ。女は黙って男に抱かれていればいい…。これもモノローグだよね?こうしてペネロープはティリアンの仕組んだ罠に落ちてしまうのだった。

【第5場 ルーツ】

 パーシモン卿の邸。病床の母イザベラ(万里柚美)は息子の帰りを今か今かと待ちわびている。そこへペネロープを利用してイギリス海軍大佐へと昇進したティリアンが帰ってきた。出迎えたパーシモン卿(紫蘭ますみ)は、ティリアンと上辺だけの儀礼的な挨拶を交わす。親子の情などお互いに始めから無いのだ。スペイン人め!パーシモン卿は苦々しい表情でそう吐き捨てると、上手花道に消えた。一方、久しぶりの息子との対面を喜ぶイザベラ。成長した息子にジェラードの面影を重ね懐かしむ母に触れ、ティリアンは幼い頃の記憶を甦らせる。かつてティリアン少年はジェラードを父のように感じていた。彼が語るスペイン海軍の話を聞く度に、ティリアン少年の夢は膨らんでいったのだ。ティリアンにとってイギリス海軍において名声を高める事は、スペインへ亡命を計る手段に過ぎなかった。やがてティリアンは交渉するため密かにギルダを呼び出す。ティリアンはギルダの領地であるウェサン島やその周辺の海は侵すつもりは無いと話し、自分達の進路を妨げないで欲しいとギルダに頼んだ。しかし、ティリアンがイギリス海軍大佐でありながら、憎むべきスペインのスパイだと知るギルダは、この交渉には応じられないと告げ、去って行く。この場面のいわゆる「ムッシュー」「マドモアゼル」対決(笑)は見所の一つですね。ところで、最後のフランス語は何と言っていたんだろう?原作を読み返せばわかるのかな?そこへシグリット・シェンナ(南海まり)が現れる。私、あなたのことなら何でも知っているのよ。うふふ。南海さん、綺麗だ…。この公演で退団なんて、寂しすぎる…(泣)。シグリットは、パーシモン卿から最も寵愛を受けている愛人であり、ティリアン少年の最初の女性でもある(ここの部分はヅカ版では触れられていないけど)。美貌と情報網を駆使して、したたかに生きる女性なのだ。

【第6場 復讐の導火線(エドウィンの場合~捏造の親書)】

 女王エリザベス(星風エレナ)は、ネーデルランドをスペインの圧制から救うよう、軍に命令を下す。1日目は舞台全体を眺めて笑い、2日目は星風エリザベスにオペラグラスロックオンで笑った。この場面は笑う場面ですよね?一方、ペネロープとの婚約を突然解消されたエドウィンは、最近海軍大佐に昇進したというティリアンとペネロープの仲を疑い始める。

 グレゴリーの船から、スペイン軍パルマ公からの親書とスペイン軍宛ての武器弾薬が見つかる。これは勿論ティリアンがコールサックを利用して仕組んだ罠。グレゴリーは国家への反逆罪に問われ、死刑を宣告されてしまう。国家権力をふるい、無実の父を死に追いやったティリアンに憤慨したレッド。テ:「(ものすごーく馬鹿にした感じで)あなたの武器は何ですか?」、レ:「(ものすごーく真剣な感じで)正義と良心です!」、テ:「フッ…(そんなもが一体何の役に立つんだ?)」。こんな小僧の相手をしていている暇はないとばかりに去ってゆくティリアン。事ここに至って、世の不条理を身に沁みて思い知らされるレッド。ティリアン、いつか必ずお前の悪事を曝け出してやる!

【第7場 嵐の予感】

 ティリアンに母の死の知らせが届く。ティリアンにとって、母の死はどんな意味を持っていたんだろう?深い悲しみに沈んでいるようには見えなかったけど。やはり自分の野望を達成することが最優先ということか。プログラムによると、パーシモン卿には正妻イザベラの他に17人もの愛人がいるらしい。このおじいちゃん、何者?(笑)ティリアンは、愛人達が大きな力を持つことを恐れ、グリンウッド卿の娘ジュリエット(稀鳥まりや)を呼び寄せた。ジュリエットは自分の結婚相手がティリアンだと思い込んでおり、乙女心はピンクでハートでドキドキなのーと大はしゃぎ(笑)。パーシモン邸にやって来たジュリエット。このおばさん達は誰?状況が飲み込めないジュリエットのKY発言によって、愛人達は大騒ぎ(笑)。一方、ティリアンが、若い娘をパーシモン卿の後妻とし、愛人達を一掃しようと企んでいると知ったシグリットは、激しい憎悪を彼に向ける。

【第8場 愛憎のグランメール】

 再びブランシュ・フルールとイギリス海軍のバトル。ティリアンはギルダと激しく剣を交え、ついに彼女を捕らえた。幕が上がるとそこは艦長室。私をどうする気?まず服を脱いでもらいましょう。そんなティリアンのストレート発言にもギルダは動じない。自ら上着の前をパッとはだけ、胸元の醜い傷跡を露にする。こんな傷を持つ女を抱ける?女性の身で何故過酷な海に出るのか?船乗りには海が全てです。ギルダのこの発言と毅然とした態度に、ティリアンは敬意と愛情を感じたのだろう。ティリアンは抵抗するギルダを強引に抱こうとする。ティリアンがギルダの上着を剥ぎ取った後のダンスシーンは、結構ドキドキする(笑)。『ダル・レークの恋』的な…(笑)。最終的にはティリアンがギルダを強引に押し倒すんだけど、ベッドがセリ下がる直前、ギルダからティリアンに抱きついていったのを見逃しませんでしたよ。憎い男なのに、なぜか魅せられてしまう。まさに「愛憎のグランメール」。

【第9場 キャプテン・レッド】

 正義と良心だけではティリアンに勝てないと悟ったレッドは、なんと海賊キャプテン・レッドになっていた。ある時、レッドはキャプテン・ブラック(和涼華)の縄張りを侵し、彼の船に襲撃される。ブラックは下手花道からのセリ上がりで登場し、振り返ると薔薇を口にくわえているという趣向。顔の傷跡は、かえって和ブラックの美しさを際立たせる結果になったようだ。だが、そこへスペイン軍が現れ、ブラックが銃弾を受けてしまう。傷ついたブラックを助けるレッド。なぜ俺を助ける?俺の敵は一人だけだからさ。たった一人の敵を追うために海賊となったというレッドの話に共感するブラック。そいつは随分大きくて獰猛な鷹なんだろうなぁ~(台詞適当)という台詞の言い方(イントネーション?強弱?)がとても不思議な感じだった(笑)。ブラックはこの借りはいつか必ず返すと約束した。

【第10場 スパイ疑惑 ~ リヴェンジ】

 ある日、シュルベリー司教を訪ねたティリアンは、イギリス政府のスパイ狩りが激しくなっているという噂を聞き、スペインへ亡命する時期を早めるべきだと感じる。その密会現場を目撃していた人物が二人。シグリットから情報を得て彼を追ってきたエドウィンとペネロープだ。愛するティリアンがスパイ容疑で捕まる事を恐れたペネロープは、彼を殺して自分だけのものにしようと思い詰める。ティリアンに向かって剣を突き出すペネロープ。一見しっかり抱き合っているように見える二人。一瞬の静止の後、がくっと仰け反るペネロープ。1日目は上手側にいたのでよく見えなかったが、2日目は2階センターにいたのでティリアンの表情がよく見えた。ペネロープの命を奪うことに、何のためらいも罪悪感も感じていないようなティリアンの目。ゾゾッ。

 偶然にもジュリエットは、ティリアンがペネロープを殺す現場を目撃してしまう。そこへティリアンを倒すため邸に忍び込んだレッドが姿を現す。ここのジュリエットとレッドのやり取りがまた面白い(笑)。ジュリエットはレッドに事情を話し、一緒に連れて逃げて欲しいと頼んだ。そこへティリアンが現れ、復讐心に燃えるレッドと激しく剣を交える。愛人達を巻き込んでのドタバタ劇。レッド危うしという場面で、ブラックの助けが入り、レッドとジュリエットはパーシモン邸を脱出した。

【第11場 過去…絆…】

 ギルダが銀橋を渡りながら「♪愛と憎しみの狭間に」を歌う。本舞台では、黒髪の無口な少年(天寿光希)と少女時代のギルダ(羽桜しずく)の出会いとふれあいの回想シーンが描かれる。「少女は少年に宝物の短剣を手渡したわ」。プログラムには、ティリアンとギルダと書いてあるけど、芝居を観た限りでは、この時点ではギルダはその少年がティリアンだとは気づいていない感じ。ティリアンの憎らしいほどの冷酷さと切ないまでの情熱。ギルダは彼を心から愛してしまった事に戸惑いを隠せない。そこへティリアンが現れ、一緒にスペインへ行こうと誘う。ギルダはウェサン島だけは侵さないで欲しい頼み、ティリアンは約束は必ず守ると答えた。だがそこへ、ジェラードがウェサン島を占拠したという知らせが入る。ギルダはティリアンが自分を裏切ったのだと思い、愕然とする。

【第12場 悲しい再会 ~ 野望…復讐…愛憎…】

 ウェサン島へ上陸したティリアンはジェラードと再会する。ジェラードはティリアンに、このままスペインへ亡命し自分の力になって欲しいと話す。しかしティリアンは時期尚早だと断った。野心のままに生きてきたティリアンは、ジェラードを遥かに超える人物へと成長してしまっていた。ティリアンは、実の父であろうジェラードを、イギリスへの反逆罪で絞首刑に処す。お前の首にも絞首刑のロープがかけられているのが見えるぞ~!知っている…だが私は誰にも引かせはしない!冷酷非道ではあるけれど、ティリアンの野望に賭ける覚悟の程が伺える場面ですね。この場面でも後ろのスクリーンが大いに活用される。最初、絞首刑のロープが映し出されていて、処刑の瞬間、そのロープが滑り落ち、十字架が現れるというもの。「ハンギング!」というティリアンの台詞がものすごく残酷に響いた。

 何もセットがない広い舞台空間。盆が回り、その上でティリアン、レッド、ギルダが歌い踊る。大海原を舞台に、野望と復讐と愛憎が交錯する…ということですね?

【第13場 太陽の帝国へ】

 シュルベリー司教が捕まった。自分にもスパイ容疑がかけられている事を感じたティリアンは、スペイン亡命を即決。ギルダを同乗させ、遂にスペインへと船を出港させた。しかし、その途中で不意にレッド達に襲撃され、ティリアンはあっさりとレッドに捕らえられてしまった。だがしかーし、そこへスペイン無敵艦隊が現れ、形勢逆転。ジャジャーン!どうだー参ったかー!という感じの無敵艦隊のセリ上がりが大好きです(笑)。

【第14場 仲間達】

 ティリアンを再び捕まえるためスペイン無敵艦隊を追撃しようとするレッドを、ブラックがたしなめる場面。レッドとブラックの青春友情場面に友人は涙していたようだが、私は終始ニヤニヤしていた。私は何か間違った見方をしているのだろうか???

【第15場 約束】

 ティリアンはスペイン海軍提督サンタクルス(英真なおき)のもとを訪れる。マルティネス・ド・リカルド(にしき愛)やドン・ディエゴ・ド・バルデス(銀河亜未)など名高い海将達が顔を揃える中、ティリアンはイギリスに対する戦術について意見を述べ、新たな軍艦の建造許可を得る。やがて部屋に戻ったティリアンは、突然ギルダに襲われる。ギルダはウェサン島の件で裏切られたと思い、ティリアンの命を奪う機会を狙っていたのだ。だが、ニコラスの説明で、亡命直前にウェサン島を奪還していたことが明らかになる。ティリアンは自分を裏切ってはいなかった?混乱するギルダの前に、ティリアンはある短剣を差し出した。ギルダは見覚えのある短剣を手に全てを悟る。子供時代に二人が出会っていたという設定はヅカ版のオリジナル。ということは、ヅカ版的にはギルダがティリアンの初恋の人?ティリアンはどの時点で短剣をくれた少女がギルダだと分かったんだろう?ブランシュ・フルールと最初に激突した時に、ギルダの顔に少女の面影を見たとか?それとも短剣にラバンヌ家の紋章が描かれていて、ウェサン島に上陸した時に紋章を見て気づいたとか?…妄想炸裂(苦笑)。

【第16場 決戦前夜 ~ 宿命のグランメール】

 ティリアンが自ら設計し名付けた旗艦がついに完成した。その名は…「エル・アルコン-鷹-」!一方、レッド達はイギリス軍が募る義勇軍として海戦に参加することに。

 スペイン軍とイギリス軍の戦いが始まった。レッドは自分達の船に火をつけ、「エル・アルコン」に突っ込み、乗り移った。ティリアンとレッドの一騎打ち。体勢を崩したティリアンにレッドが襲い掛かろうとした瞬間、ティリアンを庇うようにギルダが飛び出し、レッドの剣はギルダの胸を貫いてしまう。七つの海を見ることは貴方に託すわ…。ティリアンの胸に抱かれて息を引き取るギルダ。ティリアンは悲しみをこらえて立ち上がる。銀橋に出てきて、再びレッドとの一騎打ち。お互いに手応えはあった感じ。どっちが勝ったのか?先にくずおれたのはレッド。だが、ブラックが助け起し、炎上する「エル・アルコン」から連れ出した。銀橋中央に仁王立ちしているティリアン。でも様子が変。やはりレッドの刃で傷を負ったらしい。ニコラスがティリアンの体を支えながら、舞台中央までゆっくりと歩いていく。二人は「エル・アルコン」と運命を共にする覚悟を決めた。「エル・アルコン」爆発の瞬間、照明がパッとオレンジ色に変わった。カッと目を見開いたティリアンと、ティリアンが倒れないように最後まで下からがっしりと支え続けるニコラス。ティリアンの野望はここに潰えた…。客席からは見えないけれど、この場面で綺華さんはいつも本当に泣いているらしい…。あぁ、本当に退団しちゃうんですね…(泣)。

【第17場 結末の果て…】

 激戦を終えた後、レッド達は再び海上に姿を見せる。レッドは、凄絶な最期を遂げたティリアンへ想いを馳せる。

【第18場 オレンジの香り-ルーツ- ~ 七つの海七つの空】

 ティリアンが幼い日に、母イザベラやジェラードと共に過ごした穏やかな光景が再び甦る。前の回想シーンと違うところは、オレンジが生っていること。母の死を伝え聞いた後のティリアンの台詞に「ここにオレンジの木を植えたらどうですか?」というのがあった。冷酷非道なティリアンの人間的な部分とか、野望に賭けた生き方の原点とかを「オレンジ」に象徴させたかったのかな?

 七つの海が待つ物語/七つの空が誘う奇跡/グランブルー/グランメール/グランスカ~イ♪ 純白の衣装に身を包んだティリアンとギルダ。ティリアンの野望は果てることがない。ティリアンはギルダと共に純白の帆船に乗り、永遠の旅へと飛び立っていくのだった…。

◇幕間

 …終わった。まさにジェットコースター活劇。1時間半の中に様々なエピソードがギュギュギュッと詰め込まれていて、その間にドガーン!ズガーン!の大音量戦闘シーン。右を見たり、左を見たり、とにかく忙しかったけど、話の流れは分かったし、面白かった。うん。すんごく楽しかった!それにしても、安蘭ティリアンの目力はスゴイ。プログラムの中にあった原作ティリアンの目力に全然負けてない。恐るべし、安蘭けい。『赤と黒』も非常に楽しみだ。 

◆NTT西日本・NTT東日本フレッツシアター グラン・ファンタジー『レビュー・オルキス-蘭の星-』(作・演出:草野旦)

【第1場 美しき日】

 今から数百年未来のこと。ある惑星に住む老夫婦、ラゲララ(安蘭けい)とカトレア(遠野あすか)が“蘭の星―オルキス星―”について語る。/チコ(男の子)とチカ(女の子)が老人男女に、「オルキス星(蘭の星)ってどんな星?」と聞く。それに答える老人男女。

 ラゲララお爺ちゃんとカトレアお婆ちゃんがオルキスブランコに乗って降りてくる。この爺婆がとってもカワイイ(笑)。爺婆の銀橋アドリブ合戦。1日目のラゲ爺は相当面白い顔をしていたらしく、こらえきれずに笑ってしまったカト婆。それを観て観客も笑う。2日目のラゲ爺はカト婆の顔面に向かってくしゃみ一発(笑)。困った爺さんだねぇ…という表情をしながら、顔にかかった唾を拭く仕草をするカト婆を観て、観客が笑っていた。

【第2場~第3場 蘭の星-プロローグ-】

 若い日のラゲララの姿。ラゲララはパロマ(白い鳩)と戯れる。カトレアの姿もある。でも二人はまだ出会ってはいない。/故郷では、蘭の花が咲き乱れる。ラゲララもカトレアもパロマと共に歌い踊る。

 ピンクが眩しい(笑)。はちきれんばかりの若さをピンクで表現したのかな?周りで踊る白い人達は鳩だったのかー。口に花(蘭かな?)をくわえていたねー。

【第4場 オルキス通り】

 街の一角。若者(男)達が夜の街へ遊びに行こうと歌い踊る。

 柚希さん・和さん・彩海さんの3人のやんちゃな若者達が歌い踊りながら、銀橋を渡る。もしかして、銀橋自体が「オルキス通り」という設定なのかな?

【第5場 クラブ蘭】

 男達が遊びに来る店。クラブのマダム(涼紫央)が女達を使って男から金を巻き上げている。前場の男達もやって来る。ラゲララも店に入って来る。ラゲララと他の男との争い。

 涼さん、キレーイ!安蘭さんも涼さんも華奢な体つきだから、女役(女装?)も似合うよねー。立樹さんや柚希さんは大柄だから、私の中では湖月さんタイプに分類されている。どっちが好きとか嫌いとか、そういうことではない。皆好き(笑)。涼さんと柚希さんのダンスが素敵だったなー。

【第6場~第7場 夢】

 ラゲララは前場の争いの中、傷付き倒れる。その時、彼は夢を見る。男達の世界で遊ぶラゲララ。/ラゲララは仲間から抜け出て、愛と出会う予感を歌う。

 安蘭さんと和さんのダンス(争い)は、安蘭さんが負けて終わる。最後の二人のポーズが不思議だ。観ていたときは、安蘭さんがむっくり起き上がった後の場面の意味がよく分からなかったんだけど、あれは夢だったんですね?しかも男達の世界で遊んでいたんですね?なるほどー、そういうことだったのかー。やっと今、あの変わったダンスの意味が分かったような気がする(笑)。夢の中なら何でもアリだもんね。安蘭さんと立樹さんが組んで遊んでた(踊ってた)。椅子の数と人の数が合わないから、座るときどうするのかなーと思って観てたんだけど、結局座らなかった…(苦笑)。

【第8場 踊るカトレア】

 男と踊るカトレアの姿がある。歌手によって、人に逆らって生きるカトレアの生き方が歌われる。

 遠野さんと柚希さんのダンス。英真組長と朝峰さんの歌に操られるように踊る二人。操り人形みたいだね。かなり変わった振り付けで面白い。表情も仕草も動きも滑稽な感じ。若き日のカトレアはちょっとあまのじゃくだった…ということかな?

【第9場~第14場 密林に咲く蘭】

 怪鳥の鳴き声に立ち止まるカトレア。カトレアは密林に迷い込む。極楽鳥が4羽、彼女を迎える。/密林の奥に現れた幻の宮殿。鳥達が楽しく歌い踊る。/ラゲララが現れる。愛を求めてさまようラゲララの姿。カトレアの姿もある。二人はまだ巡り会わない。/ラゲララを中心に鳥達が大勢、歌い踊る。/前景がそのままロケット・ダンスへとつながっていく。黒い鳥によるライン・ダンス。

 4羽の極楽鳥がブランコに乗って降りてくる。極楽鳥の中に綺華さんを発見!う、美しい…。あっ、夢乃さんもいる!オペラグラスは大忙し(笑)。他の鳥達も一杯出てきて、ジャングルの中はカラフルな鳥だらけ。南海さんの羽が他の鳥とはちょっと違うなと思っていたら、密林の女王って書いてあった。やっぱり!宮殿の奥に消えたカトレアも素敵な鳥の姿(スペシャル極楽鳥?)に変身して再び登場。ラゲララを中心に銀橋にスター鳥がずらりと勢揃い。これがいわゆる「中詰め」ですよね?そして、黒い鳥によるロケット。これがまた迫力があってとてもイイ!ヅカファンの期待通りの展開と盛り上がりが嬉しい場面。

【第15場 オルキス・ダンス】

 オルキス・ダンスは男と女で踊るもの。そのステップをラゲララがコミカルに教える。

 1日目のラゲララさんは普通に自己紹介をして始めたが、2日目のラゲララさんは客席に向かって「私は誰でしょう?」と質問した。客席から返事が返ってくると、ラゲララさんは「バラバラだね」と言って笑っていた。2日目はちょうど組総見の日だったので、ファンの方々が返事をしたのではないかと想像。1階後方席付近から声が聞こえたような気がしたので、その辺に星組ファンの方々が固まって座っていたのかな?ウノ・ドス・トレス~♪ 安蘭さんが琴さんを相手役に、我々観客にオルキス・ダンスを教えてくれる。コミカルなダンスでとっても面白い。でも、私がオルキス・ダンスを披露する機会はなさそう(笑)。

【第16場 愛の場所】

 どこかに愛はないかと群集は歌う。群衆の中からカトレアが現れる。都会の中の孤独。ラゲララは彼女を見つける。

 どこ・どこ・どこ・どこ/愛・愛・愛・愛~♪ これまた面白い振り付けですねー。最初は四角く密集隊形。手で双眼鏡の形を作ってた。愛を探してるんだねー(笑)。帽子を被っている人達が娘役で、その中心にいたのが遠野さんだということに、帽子を取るまで気づかなかった。パンツスタイルで踊る娘役さん達。あの気だるげな振り付けが好き(笑)。特に、長い髪の毛をバサッと前に垂らして手をクロスする振りとか、手をトントンと打ちつける振りとか。続いて男役のダンス。安蘭さんが歩いてきて、野郎共に出て来いよの合図を出す。最初は上手側に向かって左手で合図を出し、続いて下手側に向かってあごをクイッとして合図を出す。この「あごクイッ」がツボ(笑)。

【第17場 愛】

 カトレアを想ってラゲララは一人歌う。

 いい声ですねぇ~。君のために死んでもいい、とか歌ってませんでした?ラゲララの一目惚れだったのか?

【第18場~第19場 愛の蘭】

 蘭の星で結ばれる男と女達。その中にラゲララとカトレアの姿がある。/愛の星-オルキス星。ラゲララとカトレアの愛の成就。二人の美しい愛のダンス。

 娘役は顔を両手で隠している。男役はただ一人の相手を探し歩く。違う相手だと開かれた手が閉じられてしまう。やがて皆がただ一人の相手と巡り会う。ラゲララとカトレアの衣装の色はエメラルドグリーン。初々しい二人の爽やかさを象徴しているような気がする。やがて、舞台奥に白い大きな蘭の花が浮かび上がり、純白の衣装に身を包んだラゲララとカトレアが現れる。広い舞台空間は二人だけの世界。愛のデュエットダンス。二人の表情に信頼感や幸福感が溢れていて、観ていて幸せな気分になった。

【第20場 オルキス通り】

 第4場と同じく、街の通りの一角。かつてこの街でラゲララとカトレアという男女が恋をしたと若者が歌う。

 どんなにエキセントリックな配色の衣装でもスマートに着こなしてしまうタカラジェンヌは素晴らしい(笑)。

【第21場 美しき日】

 冒頭の老夫婦が出る。ラゲララとカトレアである。彼らは地球で出会い愛しあったのだ。“蘭の星”だった地球を懐かしんで二人は歌う。/大勢の老夫婦が現れる。かつて“蘭の星”と呼ばれた地球に帰りたいと歌い踊る。歌の中、舞台奥に蘭の花が浮かび上がってくる。

 爺婆再び。ラゲ爺はひっくり返って起き上がれなくなり、足をバタバタさせていた(笑)。登場のときも思ったけど、オルキスブランコは意外に動きが早く、危険な乗り物のような気がする(笑)。宝塚大劇場の千秋楽では、安蘭さんと遠野さんが爺婆を入れ替わったらしい。観たかったなー。DVDの特典映像に入れてほしいなー。

【第22場~第24場 オルキス讃歌-フィナーレ-】

 大階段。タンゴを踊る男女。/ラゲララ、愛の歌を歌う。それに響応するカトレア。/大階段でのパレード。

 黒燕尾だー、カッコイイー(と、いつも言っている)。私が一番好きな黒燕尾は、『ベルサイユのばら』フィナーレの「オマージュ」。娘役の場面と男役の場面のバランス。斜めに大階段を降りてくるアシンメトリーな入場。1音刻みの計算されつくした振り付け。群舞の最後のキメポーズ。何もかもが印象的で美しくて感動した。その振り付けをしたのが羽山先生だと分かってからは、出演者や演出家だけでなく、振付家もチェックするようになった。「オルキス讃歌」の振り付けも羽山先生。オスカル先生の振り付けは斬新でとても面白かったけど、最後はやはり羽山ダンスで宝塚らしく華麗にキメッ!パレードのエトワールは南海さん。あぁ、ほんっとうに惜しい。辞めないでー(泣)。南海さんの柔らかな美声でパレードが始まる。安蘭さんは、あの大きな羽根の重さにもう慣れたでしょうか。誰かに逢いたくて/何かに逢いたくて/そんな気がして/旅に出たのです~♪ 星組さんに逢いたくて、私もまたきっと旅に出ます(笑)。

◇終演

 終わっちゃった…。2回も観れるー!と大喜びしたのも束の間、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのだ。今回は1日目は1階上手から、2日目は2階センターからと角度を変えて観劇することができたので、いつもの2倍楽しめた。それから、2日目があると思うと、1日目の観劇姿勢に余裕が生まれるということを実感した(笑)。あー、どうしよう、ますます宝塚にハマっていく(笑)。そういえば、1日目の終演後、劇場内で君島十和子夫妻とすれ違った!芸能界きっての宝塚ファンだということは知っていたけど、本当に観に来てるんだねー。驚いたー。


KEAN

2007年09月19日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

2007年9月15日(土)11:00開演 日生劇場 SS席 1階XA列30番台 宝塚歌劇星組日生劇場公演

◆ミュージカル『KEAN』(作詞・作曲:ロバート・ライト、ジョージ・フォレスト/脚本:ピーター・ストーン/潤色・演出:谷正純/翻訳:青鹿宏二)

 現役バリバリ理事の轟悠さんと、大好きな星組からの選抜メンバーによる日生劇場公演。スケジュールが発表になった時から、ものすごーく観に行きたいと思っていた。しかし今年は、安蘭けいさんのトップ就任とエリザベートの再演に浮かれて遠征続きのため、少しは自重しなければ…と『KEAN』観劇は半ば諦めていた。だがしかし、宙組『バレンシアの熱い花/宙 FANTASISTA!!』のカード会社貸切公演に当たってしまった!どうせ当たらないだろうけど、せっかくの抽選権を行使しないのはもったいない。とりあえず応募しておこう…と思って申し込んでおいたのだ。それが当たってしまった。あぁ、これは、9月15日に東京へ行きなさい、という神様の思し召しに違いない!行く!私は東京へ行くぞ!どうせ行くなら、『KEAN』もだ!チケット取るぞー!おー!という訳で、一般前売開始日に見事SS席をゲット。そしたらなんと最前列だったー!すごいー!初めてだー!どうしようー!で、もっとよく見たら、一番右端の席だったー!ビミョーに見にくそうー!(苦笑)でも、最前列観劇なんて、今後二度とないかもしれない。気合を入れて行くぞー!おぅ!

 えっと…舞台近っ!(笑)目の前にはでっかい緞帳がドーン。右側にはでっかいスピーカーがドーン。いつもならオペラグラスの調整とかしながら開演を待つのだが、今回は明らかにその必要なし。どうしていいかわからず、座席でモジモジしていた(苦笑)。それにしても、本当に一番前だよ。思わず、後ろを振り返って客席を眺めちゃった。日生劇場に来るのは2回目だけど、前回は一番後ろの席で、今回は一番前の席。極端だな(笑)。緞帳の表面が凸凹したデザインになっているのを興味深く観察した後、プログラムをちらちら眺めていたら時間になった。

《第1幕》

 舞台はロンドンの街角。アクロバット一座が人気俳優エドモンド・キーンの肖像画を売っている。近い!すごい近いよ!手を伸ばせばジェンヌさんに届きそうだよ!目の前でくるくると踊りまくるジェンヌさんに目が釘付け。表情や衣装の細かいところまでちゃんと見えるよ。すごいー!感動ー!

 ドルーリー・レーン劇場では、『ハムレット』の終幕が上演されている。毒を塗ったレアティーズ(バーナビー=彩海早矢)の剣で傷を追ったハムレット(エドモンド・キーン=轟悠)は、苦しみながらも父の亡霊に促され、デンマーク国王(ベン=鶴美舞夕)を刺し貫く。亡くなった恋人オフェーリアの側へ行こうと歌うハムレット。ハムレットが息絶える中、劇場の緞帳が下りる…

 と、それまでのシリアスな雰囲気は一転。むくっと起き上がったキーンが、後輩役者のバーナビー達にいろいろ文句(アドバイス?)を言ったり、指示を出したりしている。そしてキーンは観客達のカーテンコールに応えるために、カーテンの向こう側に消える。舞台の奥(カーテンの向こう側)に客席があるという設定。つまり舞台上が緞帳裏。キーンがこちら側に背を向けてお辞儀をするのが面白い。

 舞台を終えたキーンは、付き人のソロモン(紫蘭ますみ)から、今夜、プリンス・オブ・ウェールズ(柚希礼音)を迎えて行われるデンマーク大使コーバーグ公爵(にしき愛)主催の舞踏会に招待されていることや、キーンの公演を欠かさず観ているアンナ・ダンビーという若い婦人から手紙が来ていることを聞く。そこへアンナの婚約者のネヴィル卿(一輝慎)が、アンナとキーンが駆け落ちすると聞き、乗り込んでくる。プリンスはキーンのパトロンであり、友人でもある。2人はともにエレナ・デ・コーバーグ公爵夫人(南海まり)に好意を抱いていた。アンナとの噂は、恋敵を陥れようとプリンスが流したものだと察したキーンは、舞踏会へ赴く。

 キーンは、アンナからの手紙を読めば、自分の疑いが晴れるはずだと言って、一通の手紙をエレナに渡した。エレナが読むのを止めようとすると、キーンは2枚目も読むようにと促す。するとそこにはキーンのエレナへの愛の言葉が綴られており、明日5時に秘密の扉から劇場に来て欲しいと書かれていた。感激したエレナは、キーンの疑いは完全に晴れた、と皆の前で宣言。にくい演出で、まんまとプリンスを出し抜き、してやったりのキーン。

 ドルーリー・レーン劇場の切符売場には、キーン主演の『ロミオとジュリエット』を観ようと、人々が列をなしている。貧しいファンのためにキーンが自腹で100席を提供した。それを聞いた人々は喜びの声を上げ、彼こそがキング・オブ・ロンドンだと讃えた。

 キーンの楽屋。エレナが来る~♪エレナが来る~♪とルンルン気分のキーン(笑)。秘密の扉をチェックしたり、クッションの位置を調整したりと落ち着かない。そこへソロモンがやってきて、溜まった借金を返さないと大変なことになりますよー!と忠告するも、キーンは全~然気にしない。変な衣装じゃエレナに会えないも~ん、てな感じ(笑)。

 そこへプリンスがやってきて、借金の肩代わりをしてやるから、その代わりにエレナを諦めるという内容の書類に署名をしろと言う。そんなの絶~対ヤダ!とキーンは断固拒否。エレナは絶対ここ(キーンの楽屋)には来ない、とプリンスも譲らない。そこで2人は賭けをすることに。もしエレナが来れば、プリンスは無条件でキーンの借金を返済する。もし来なければ、キーンは書類に署名する。つまり、どっちにしてもプリンスがキーンの借金の肩代わりをするという、キーンにとってはちょっとお得な賭け(笑)。すると、秘密の扉から黒いヴェールを被った女性が現れた。この賭け、キーンの勝ちか…!?

 ヴェールの女性は、噂の追っかけファン、アンナ・ダンビー(蒼乃夕妃)だった!エレナじゃないとわかってガッカリのキーン(笑)。どうやらネヴィル卿との結婚が嫌で、家を飛び出してきたらしい。自立するため女優になりたいのだ、とキーンに弟子入りを志願。面白い娘だ(笑)。最初は明らかに迷惑顔だったキーンも、アンナの熱意と勢いに押されて、次第に応対が優しくなっていった。

 キーンの後輩役者仲間のバーナビー達は、ロンドンの街角でネヴィル卿に遭遇。グリーン・フロッグでちょっとした仕事をして欲しい…と金を渡される。

 安酒場グリーン・フロッグ。キーンは、自分を実の子供のように育ててくれたアクロバット一座を率いるヴィクターが足を折って入院したことを聞き、ヴィクターへの慈善のために『オセロー』の終幕を上演することにする。そこへアンナがやって来た。どうやら偽の手紙でおびき出されたらしい。キーンが、ネヴィル卿の罠じゃないか、と言っても、アンナはお構いなし。私はキーンの妻になるの~♪と1人ウキウキなのだ(笑)。そんなアンナにキーンが根負け。不在の相手役の代わりに、アンナにデズデモーナ役を演じさせることにする。大喜びのアンナ。

 この場面でちょっとしたハプニングがあった。アンナのコートが背中のピンか何かに引っかかって脱げなくなってしまったのだ。多分、いつもは、脱いだコートをテーブルの上に置くか、椅子に掛けるかして、芝居を続ける場面なんじゃないだろうか?私は、どうするんだろう?と、ちょっとドキドキしながら観ていた。蒼乃さんは一瞬、どうしよう、と考えたようだったが、結局脱ぎかけのコートを手に持ったまま、その場面、最後まで演じきった。気にするまい…芝居に集中しよう…と思っても、ついつい目が背中の引っかかっている部分に行ってしまった。だって最前列なんだもん(苦笑)。でも、その場面の最後で、轟さんが、「もぅ…背中にコートなんか引っ掛けちゃって…しょうがないヤツだなぁ…」みたいなアドリブをさらっと言ってくれたおかげで、会場から笑いが起こり、なんだかちょっとホッとした。場内に、一瞬、優しい空気が流れた。さすが、轟さん。

 しばらくして、ネヴィル卿と手下達がやって来た。頼まれた仕事がキーンをやっつける(アンナを誘拐する?)ことだったと知って慌てふためくバーナビー達(笑)。ネヴィル卿は、下賎な役者とは戦わない、とキーンを突っぱねる。キーンは、自分の称号は貴族のように与えられたものではなく、自分自身で築き上げたものだと啖呵を切り、人々の喝采を浴びる。

《第2幕》

 このミュージカル、幕の初めはアクロバットと決まっているらしい(笑)。クリスティ(如月蓮)が竹馬(ズボンの中に隠して履くタイプ。足が異常に長く見える)を履いていたのはこの場面だったかな?転びやしないかとハラハラしながら観ていたが、大丈夫だった。

 楽屋。キーンとアンナが『オセロー』の稽古を始めた。観劇前にあらすじを読んだ段階では、アンナは自分勝手で思い込みの激しい女性であり、キーンとプリンスとエレナの間に割り込んで話を引っ掻き回す、ちょっと嫌な役だと思っていた。だが、実際に観劇してみると、蒼乃さんがアンナをとてもチャーミングに演じていて、全く嫌味がない。実はアンナはとてもいい役だった。

 そこへエレナが現れた。女同士で火花が散る!ミュージカルナンバーの中でも「♪教養ある淑女」の掛け合いは最高に面白かった!楽屋から追い出されたアンナが「あらハンカチを(忘れたわ)」と言って戻ってくると、キーンがハンカチを手渡す。出て行きかけたアンナが再び「あらハンドバッグを(忘れたわ)」と言って戻ろうとすると、間髪入れず、エレナがハンドバッグを投げてよこす!(笑)絶妙のタイミング、しかもナイスコントロール(笑)。あんなことするなんて知らなかったから、マジで笑った!南海さん、最高!(笑)

 キーンはエレナに、ボックス席でプリンスを無視して欲しいと頼んだ。それに対してエレナは、キーンがアンナと共演しないなら、という条件を出した。また、キーンはプリンスに、ボックス席でエレナと同席しないで欲しいと頼んだ。それに対してプリンスは、キーンが二度とエレナと会わないなら、という条件を出した。どちらの条件も受け入れられないまま、『オセロー』の幕が開いた…

 デズデモーナ役のアンナは何度も台詞に詰まってしまう。そりゃ、初めての大舞台。緊張するなって言うほうが無理な話。デズデモーナは困ったときの決め台詞「愛しています!」を連発する(笑)。すると、突然、プロンプターボックスからソロモンが頭を出し、アンナにデズデモーナの台詞を叫んだ(教えた)!まさかそんなところに隠れていたとは!本当に驚いたよ(笑)。紫蘭さんは今回大活躍。ある意味、轟さんの相手役だ。滑稽な役を真面目に演じる紫蘭さんがとっても面白い!

 ボックス席の2人の様子が気になって仕方ないキーン。エレナやプリンスの容赦ない批評が続く。やがて、プリンス達の笑い声に耐えられなくなったキーンは、芝居をやめ、素のキーンに戻って、静かにしろと威嚇した。キーンは、罵声や野次を飛ばす観客に、それは誰に対しての怒りなのかと問いかけた。

 劇場の外では、キーンを非難する群集と、彼こそがキング・オブ・ロンドンだというクリスティ達との喧嘩が始まった。

 翌日。秘密の回転扉の椅子にうずくまって、いじけるキーン(笑)。キーンはソロモンに二度と舞台には立たないと語るが、椅子に座る態度ひとつにもシェイクスピアの演技が抜けずに苛立っている。そこへアンナやって来た。なんでも昨日の舞台を観た演劇関係者に評価され、アメリカへ行くことになったとか。一体何を観てたんだ?その演劇関係者は(笑)。おまえだけ幸せになるのかー!ずるいぞー!と怒り心頭のキーン。

 そこへエレナがやって来た。とりあえずアンナは衣裳部屋に隠しておこう。衛兵達があなた(キーン)を捕まえに来るわ!早く逃げて!とエレナ。そこでキーンは、自分と一緒に来て欲しい、とエレナに頼んだ。だがエレナの答えはノー。えー!なんでー!?と困惑するキーン。どうやらプリンスの読みが正しかったらしい。エレナはキーンとの束の間の情事を楽しみたかっただけで、今の生活を投げ打って駆け落ちするほどの情熱はなかったようだ。逃げる前に今までつきあった女性達に捧げたような愛の言葉を私にも言ってちょうだい、なんておねだりしてるし。

 そこへコーバーグ公爵がやって来た。とりあえずエレナは秘密の回転扉に隠しておこう。ここにエレナがいるはずだ!隠しても無駄だぞ!とコーバーグ公爵。機転を利かせたアンナが、衣裳部屋からセクシー脚線美を披露。それを見た公爵は、自分の誤解だったと言って、楽屋を退散。

 ついに衛兵達がキーンの楽屋へやって来た。衛兵達は、キーンをドルーリー・レーン劇場の緞帳裏へ連れて行った。そこにはプリンスが待っていた。公の場で侮辱された以上、何らかの処置をしなければならない。幕前に出て謝罪をしろ!

 確かこのキーンの謝罪の場面だったと思う。じーっと轟キーンを見つめていたら、視界の隅に何か動くものを感じた。何だ?と思ってそちらをよく見てみると、舞台の下手側の袖の壁にテレビが取り付けてあり、指揮者の先生が指揮をしている映像が映し出されていた。まさかそんな仕掛けがあるとは知らなかったので、一瞬、轟さんを忘れて、テレビに見入ってしまった(笑)。そうかー、この映像を見ながら歌っていたのかー、などと感心してしまった(笑)。最前列端席、いろいろな発見があって、なかなか面白いぞ。

 キーンは舞台上に一人たたずみ考える。背景のスクリーンには、轟キーン扮する『オセロー』『ハムレット』『マクベス』『ロミオ』の映像が大写しに。やがてキーンは謝罪の言葉を述べ始めた。が、それらは全てシェイクスピアの台詞の引用だった。それらの謝罪の言葉は意識して引用したというよりは、むしろ無意識のうちに引用してしまっていた、という印象を受けた。それほどまでに、キーンの体の中にはシェイクスピアの演技が染み込んでしまっていた、ということなのだろう。現実と虚構の狭間で揺れ動く、狂気の天才俳優キーン。結局、本当の自分が何かなんてわからない。だから、演じ続けるしかない…。

 あ~、ここで大階段が欲しい、とヅカファンなら思うはず(笑)。舞台上に出演者が勢揃い。中央付近にいる轟さんや柚希さんや南海さんや蒼乃さんのほうに目をやりつつも、やはり目の前に立っているジェンヌさん達を凝視してしまった(笑)。だって最前列…(笑)。目の前のジェンヌさん達に向かって、盛大に拍手してきた。

 プログラムの中で演出の谷先生が 「轟悠の存在なくしては不可能だった」「この作品の見所は、紛れもなく轟悠」とおっしゃっているように、この公演はまさに「轟劇場」だった。それにしても、プログラムの巻末に付いている稽古場写真集。轟さんの写真だけは、どのショットも完璧な写り具合で驚いてしまった。1枚1枚の写真が全て違う表情で、しかもどれも美しい。う~ん、さすが理事。年季が違う(笑)。

 それから、どの場面だったか忘れてしまったが、彩海さんが薄紫色の衣装にシルクハットを被って出てきた場面があった。それを見た瞬間、ジョエル・ロビュションを思い出してしまったのは、私だけだろうか…(笑)。


さくら/シークレット・ハンター

2007年07月02日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

2007年6月15日(金)13:00開演 東京宝塚劇場 S席 2階6列50番台 星組公演

◆宝塚舞踊詩『さくら』-妖しいまでに美しいおまえ-(作・演出/谷正純)

 入場後、まずは「一竹辻が花」展示コーナーをチェック。日本モノのショーは初めてなので、ドキドキワクワク。プログラムを読みながら開演を待つ。開演を告げるアナウンス。照明が徐々に落ちてゆき、やがて真っ暗に。ドキドキ。チョン!一丁柝で照明が入ると、舞台の上には桜花の若衆と美女がずらりと居並んでいる。眩しく輝く舞台に、客席からは歓声と拍手が沸き起こる。あ~あ~あ~あ~さくら~♪舞台中央から扇子で顔を隠した桜花の若衆S(安蘭)がせり上がってくる。扇子を外して安蘭さんが顔を現した瞬間、一際盛大な拍手が沸き起こる。トップおめでとうー!私も盛大に拍手してきました。何だかジーン。本当におめでとうー!

 感動しているうちに、場面はどんどん進行。「プロローグ」は全4場。妖しいまでに美しいおまえ~朱に染まる桜~墨染めの桜~さくら絢爛。安蘭さんは本当に妖しいまでに美しかった(笑)。遠野さんもとても可愛かった。松本悠里先生はきっとそれなりのお歳だと思うのですが、驚きの美しさ&可愛らしさ。踊りの上手さといい和化粧の美しさといい、まさにベテランのなせる業。

 「節句人形」は面白い発想。お内裏様(柚希)の通年雛祭り計画は、武者人形(安蘭)の活躍によりあえなく失敗。しかもお雛様(遠野)は武者人形と雛壇に並んでいい感じ(笑)。ネズミは下級生だとばかり思っていたら、後でプラグラムを読んでビックリ。組長(英真)を筆頭に上級生の名が…さすが星組。

 「竹灯籠」は甦った平家の落人(安蘭)と白拍子(松本)の悲恋物語。『長崎しぐれ坂』の精霊流しの場面と似た感じ。しっとりした場面です。

 そして涼さん大活躍の「オペレッタ狂言 花折」。寺の桜を花見客たちから守るために門を閉ざした山法師(涼)。しかし檀那(立樹)たちに乗せられて門を開けてしまう。すっかり酔っ払った山法師は舞を披露。挙句の果てに、桜の枝を折って土産にあげてしまう。桜は背景の絵だと思って観ていたので、枝を折ったときはちょっと驚きました。

 最後の「さくら」は、深山の桜(安蘭)が風に運ばれてきた桜(遠野)とともに旅し、大勢の仲間たちがいることを知り、短くも美しく生き抜こうと歌い舞うというもの。この場面の桜のセットが本当に綺麗。掌からはらはらと舞い落ちる桜の花びら。扇子を動かすとパッと舞い散る桜の花びら。天井から降ってくる桜の花びら。この一連の桜の花びらの演出、大好きです。

 『さくら』はあっという間に終わってしまった感じ。本当に楽しかったなー。もっともっと観ていたかった。『さくら』最高!もちろん休憩時間には公演限定スイーツ「桜餅」を食べました(笑)。あー楽しかった!

◆ミュージカル『シークレット・ハンター』-この世で、俺に盗めぬものはない-(作・演出:児玉明子)

 カリブが舞台ということで、白塗り化粧から一転、黒塗り化粧でダゴベール(安蘭)登場。ダグは泥棒。セルジオ(柚希)から「赤いドレスの女」を誘拐するよう依頼される。ダグは誘拐した女ジェニファー(遠野)がパラス・アテナ国の王女だと知りビックリ仰天。ダグの驚いた様子と、それにお構いなしの王女然としたジェニファーの様子が、対照的で可笑しい。フライングフィッシュのジェスチャーが可愛くて思わず笑った。

 そこから二人の奇妙な逃亡生活が始まる。ローマの休日ならぬカリブの休日。途中、変なやつらに襲われる。どうやら狙いは王女らしい。これは息子アルバート(麻尋)をパラス・アテナ国の次期国王に就けようと企むニコラス(にしき)の仕業だった。ニコラスは男爵ことジョエル・ロビュション(立樹)に王女暗殺を依頼。立樹さんは悪役だけど、どこか爽やか(笑)。怪しげな衣装のせいか?それとも怪しげなフランス語のせいか?二人は男爵一味に襲われるものの、神父や画家が都合よく通りかかり助けてくれる。

 カーニバル!スチールドラムなどのパーカッションの音がお腹にズンズン響いた。この場面は1階席で観たかったなぁ。男爵一味はカーニバルの仮装行列に紛れて二人を襲うが、ダグの活躍によりまたもや失敗。逃げた二人は礼拝堂へ。そこでダグは子供時代のことや両親のことについてジェニファーに語る。同じ舞台上で、現在と回想シーンが展開。ダグ父(英真)登場!ダグ母も組長がやるとわかっているので、ここはオペラでじっくり観察(笑)。

 いい感じの二人の前に、男爵現る!アナ・マリア(南海)も現る!大追いかけっこの始まり始まり。ついにアナ・マリアに追い詰められるも、ダグは自首を約束し、暗殺者男爵からジェニファーを守って欲しいと頼む。再び男爵登場!銃撃戦。弾切れで絶体絶命のダグ。1発の銃声。倒れる男爵。それはマックス(涼)が撃った弾だった。ダグに駆け寄るジェニファー。一瞬の隙に王女に向かって男爵が銃を発射。とっさに庇って撃たれるダグ…。

 病院。目を覚ましたダグにセルジオはパラス・アテナ国からの召喚状を手渡す。行ってビックリ!病床にいるはずのフランシス国王(汝鳥)はピンピン元気だし、暗殺者一味のはずのマックスはボディーガードだし、神父や画家たちはエージェントだって!?極めつけは、ジェニファーは王女ではなくブリジットという名でマックスの実の妹だって!?エー!?ってめちゃめちゃ驚いているダグが可愛かった(笑)。愛するダグを騙し続けることに心を痛めていたジェニファー改めブリジット。ダグはそんなブリジットの気持ちを理解して、結婚を決意する。ここでダグ母(英真)登場!オペラオペラっと…え~っと…やっぱり組長だった(笑)。とにかく、ハッピーウエディングで、めでたしめでたし!やっぱりハッピーエンドはいい。うん。

 フィナーレ!まずは柚希さんが歌い踊り、カリビアン・フィッシュたちによるロケットへ。そして大階段の中央に、白と水色の燕尾服に身を包んだ安蘭さんの後姿が。スポットライトがあたり、安蘭さんが振り向くと客席から拍手が。あ~トップだ~。クンバン、チェ~ロォ~♪大階段を使った燕尾群舞はやっぱりかっこいい。これがなくっちゃ宝塚じゃないって感じ。お次は真っ赤な衣装に着替えての情熱的なデュエットダンス。遠野さんのキリリとした表情が、お芝居のときの優しげな表情とは全く違って、これまた魅力的。最後はパレード。安蘭さんは真っ白な大きな羽根を背負って、一番最後に大階段を降りてきた。劇場全体があったかい空気に包まれていました。本当に本当におめでとう!星組大好き!


ヘイズ・コード

2007年02月07日 | 宝塚星組2(安蘭けい)

2007年1月6日(土)15:00開演 日本青年館 B席 2階H列40番台 宝塚歌劇星組東京特別公演

◆『ヘイズ・コード』(作・演出:大野拓史)

 レイモンド=安蘭けい、リビィ=遠野あすか、ラルフ=立樹遥、ヘンリー=涼紫央、ミルドレッド=琴まりえ、ラレイン=南海まり、エドワード=祐穂さとる

 『王家に捧ぐ歌』のアイーダ、『ベルサイユのばら』のオスカルとアンドレを演じていた安蘭さんの出演作をもっと観てみたい。ということで、『雨に唄えば』と『龍星』のDVDを購入。どちらも良かったのですが、私の一押しは『龍星』。安蘭さんに魅了されてしまいました(笑)。安蘭さん・遠野さんの新トップコンビのプレお披露目公演はお正月。新年早々、いざ東京へ!

 当日は爆弾低気圧の影響で大荒れの空模様。雨にも負けず、JR千駄ヶ谷駅から日本青年館まで、てくてく歩いて行きました。座席は2階H列40番台。ドラマシティ公演では、安蘭さんの喉の調子が悪くて、歌部分をカットしたと聞き、心配していたのですが、安蘭さんの歌声を聴いて、ほっと一安心。安蘭さん・遠野さんのコンビはとても自然な感じで、お似合いのカップルでした。スクリューボール・コメディという名のとおり、面白い場面の連続。強烈な印象を残したのは、エドワード&ラレイン。祐穂さとる&南海まりのラブラブバカップルお披露目公演と言っても過言ではないような面白さでした。思い込んだら一直線、素直で可愛いけど、ちょっと間抜けなお嬢様、琴ミルドレッドも面白かったなぁ。新年早々、たくさん笑わせてもらいました。タップダンスのシーンもたっぷり入っていて、こちらも楽しませていただきました。やっぱりハッピーエンドのお話はいいですね。観ているこちら側まで幸せな気持ちになります。新生星組のスタートに相応しい素敵な作品でした。

◇『安蘭けいお茶会』19:30開演 帝国ホテル 孔雀の間

 宝塚を観劇するようになって、お茶会というものの存在を知りました。今回は安蘭さんトップ就任後初のお茶会。友人と相談した結果、記念に参加してみようということになりました。なにぶん初参加のため、勝手が分からず、妙に緊張しました(笑)。間近に見る安蘭さんは、スマートでカッコいい小顔美人でした。歌えなくなるというアクシデントにより、自分は一人ではないということに改めて気づかされた。結果的に、自分が理想としていた、皆で作り上げる舞台になった。『ヘイズ・コード』完全版を披露することができて嬉しい。というようなことを飾らない言葉で語っていた安蘭さんの姿が印象的でした。