①2009年4月1日(水)13:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階24列50番台 星組公演
②2009年4月1日(水)18:30開演 東京宝塚劇場 S席 2階2列30番台 星組公演
③2009年4月2日(木)13:30開演 東京宝塚劇場 S席 1階15列30番台 星組公演
安蘭けいさんが退団する。…寂しい(泣)。初めて観たのはアイーダだった。次に観たときはオスカルだった。その次に観たときはアンドレだった。私は「安蘭けい」にハマってしまった。そして安蘭さんは「星組主演男役」になった!あの日の驚きと喜び、感動と興奮は今でも忘れない。あの日から今日まで、ヅカファン街道まっしぐら(笑)。自分でもびっくりするようなハマりっぷり。私は「宝塚」という名の「生きる喜び」を知ってしまった。もう知らなかった昔に戻ることはできない(笑)。安蘭さんに興味を持ち始めた頃、安蘭さんの主演作品を見てみたくて『龍星』のDVDを買った。部屋を暗くして劇場にいるような気分で見た。ストーリーが面白い、戦闘シーンのダンスがカッコイイ、ラブシーンに胸キュン(←自分に驚いた。笑)、歌詞も曲もイイ、そして何より安蘭さんの鬼気迫る演技が凄かった!私は「安蘭けい」に完璧におちた(笑)。だから私にとって『龍星』は特別な作品。その後、南海まりさん・柚希礼音さん・陽月華さん・彩海早矢さん・夢乃聖夏さん・紅ゆずるさんなどの『龍星』チームの若手メンバーが舞台で活躍している姿を見つけるとうれしくなった。
遠野あすかさんが退団する。…寂しい(泣)。リビィ、ジェニファー、ギルダ、レナール夫人、マルグリット、ロザリー。遠野さんは演じる役によって毎公演ガラッと雰囲気が変わる。どんな女性も的確に魅力的に演じていて凄いと思った。安蘭さんと遠野さんは二人とも歌も芝居も上手なミュージカル俳優同士。相乗効果でどんな芝居もドラマティックな作品になった。ファンとしてこれ以上の喜びはない。安蘭・遠野コンビの出会いに感謝。
立樹遥さんが退団する。…寂しい(泣)。あのスマイルと立樹さんから伝わってくる穏やかであったかい空気が大好きだった。『ヘイズ・コード』のラルフ役がとても良かった。ラルフは親友レイモンドを尊敬し信頼し優しく見守っている。その関係性が立樹さんと安蘭さんの関係性と重なって見えた。立樹さんの歌で安蘭さんがタップを踏むシーンが新鮮だった。立樹さんが悪者達に襲われる一連のタップシーンがものすごくカッコよかった。
朝峰ひかりさんも、紫蘭ますみさんも、涼乃かつきさんも、星風エレナさんも、和涼華さんも、一輝慎さんも、麻尋しゅんさんも退団する。…寂しい(泣)。一気に10人も大切な大切な星組メンバーがいなくなってしまう。皆それぞれ個性的で星組に欠くことのできない存在だった。
サヨナラ公演。なんとか3回分のチケットを確保することができた。今の星組の夢舞台を観劇できるのは、泣いても笑っても、あと3回。大切にしっかりと観てこよう。2009年4月26日。一つの時代が終わる。
◆musical『My Dear New Orleans』-愛する我が街-(作・演出:植田景子/作曲・編曲:甲斐正人)
第1場 序 ニューオリンズ・1928年夏
舞台中央にぽつんと置かれた一台のピアノ。スポットライトに照らされている。「すべてはそこから始まった」「音楽こそ人生」、そういうメッセージなのかな、と思った。やがて舞台中央奥の扉を開けて安蘭さんが登場。客席から自然と拍手が沸き起こる。ドラマの始まりだ。彼の名はジョイ・ビー(安蘭けい)。ブラックミュージックの先駆者であるジョイは、水害で被害を受けたニューオリンズの復興チャリティーコンサートのため、故郷の街へ戻ってきた。ジョイは音楽プロモーターのアルバート・ジョーダン(涼紫央)と共に、スティーヴン牧師(汝鳥伶)とシスター・サラ(美穂圭子)がいる黒人教会“St. Peter's Church”を訪ねた。ジョイは少年時代にそこの聖歌隊で歌っていたのだ。10年ぶりの再会を喜ぶ3人。取材のため待ち構えていたニューヨークの音楽ジャーナリストのエリック・ジョンソン(紅ゆずる)と恋人のアイリーン・ハート(妃咲せあら)は、ジョイを成功へと導くことになった名曲「♪Sweet Black Bird」に歌われている女性について尋ねた。ジョイはそれには答えず、静かにピアノに向かった。困った様子のエリックにアルバートが教えた。ジョイがピアノに向かったとき、それはOKという意味さ!
第2場~第15場 ストーリーヴィル・1917年晩夏
南部一の歓楽街といわれるストーリーヴィルには酒場や娼館、ダンスホールが立ち並んでいた。アンクル・ジェリー(紫蘭ますみ)とフローラ(朝峰ひかり)が営む安酒場“Jelly's Saloon”に、ジョイの弾くラグタイムのピアノが響く。人々はジョイのバンド“ストーリーヴィル・キッズ”の演奏に酔いしれた。バディ(和涼華)はトランペット、ゲイブ(夢乃聖夏)はドラム、オリヴァー(彩海早矢)はコントラバス、マーティン(麻尋しゅん)はクラリネット、ピート(美弥るりか)はギター、かな?大勢で歌って踊るラグタイムの場面は前半最大の山場だったなぁ。安蘭ジョイの歌声は人々の心を魅了してやまない。ところで、安蘭さんは本当にピアノを弾いているのだろうか?2階席から観劇した時に、ピアノの演奏はオーケストラピットでやっているんだな、と確認したつもりだったのだが、やはり安蘭ジョイを観ていると、安蘭さん本人が弾いているとしか思えない!もしも弾く「フリ」なのだとしたら、安蘭さん上手過ぎ!
高級ダンスホール“Elysian Hall”での演奏を依頼された“ストーリーヴィル・キッズ”の面々は、一張羅を着て意気揚々と出かけていく。贅を尽くした装いの招待者達が最新流行のタンゴを楽しんでいると、ダンスホールの女主人ジョセフィン(万里柚美)の娘、“ニューオリンズ一美しいクレオール女”と評判の美女ルル(ルイーズ・デュアン/遠野あすか)が現れる。ルルの豪華な衣装はどこか着物風でゴージャスオリエンタルとでもいう感じ。当時の流行だったのかな?ストーリーヴィルを牛耳る実力者ジュール・アンダーソン(立樹遥)のエスコートで踊るルルを見て、ジョイは驚いた。彼女こそ10年前の事件でジョイが助けた少女だったのだ。ジョイはかつて彼女のために歌ったバラードを歌う。そのメッセージにルルが気づいた。そこへルルの弟のレニー(レオナード・デュアン/柚希礼音)が酔っ払って乱入してきた。追いかけてきた男達はアンダーソンを見ると恐れをなして退散していったが、この騒ぎでパーティーは台無し。ジョセフィンの提案でパーティーの続きは場所を変えて行われることになり、人々は出て行った。ルルから小遣いをもらったレニーも出て行き、ジョイとルルは二人きりになった。10年ぶりに言葉を交わす二人。突然ルルはジョイにキスをした。10年前のお礼よ。
銀橋芝居。ゲイブとメイ(蒼乃夕妃)、スタンリー(壱城あずさ)とセリー(琴まりえ)は教会へ向かっていた。大きなお腹を抱えたメイの手を引いてゆっくり歩く優しいゲイブ。もうすぐ赤ん坊が生まれることを心待ちにしているゲイブが、メイのお腹に向かって大声で語りかける場面が微笑ましかった。黒人教会の集会所には“ストーリーヴィル・キッズ”の仲間や家族が集まっていた。貧しい暮らしではあったが、彼らは信心深く、労わりあって生きてきた。大きな一つの家族のように。ジョイの母エマ(英真なおき)は逞しくて優しい肝っ玉母さん。ネティ(夢咲ねね)はジョイの幼なじみで元恋人。どんな理由で破局したのか分からないが、ネティのほうは未練タラタラのよう。
10年ぶりに再会したルルの面影がジョイの心から離れず、ジョイはルルのアパートを訪ねていく。よくここが分かったわね。驚くルル。10年前。白人の金持ち男(にしき愛)に襲われそうになった少女ルル(稀鳥まりや)を助けた少年ジョイ(天寿光希)は、クレオールであるという理由で理不尽な人種差別を受け留置所に送られてしまう(確か3年間と言っていたような…)。実父に金で売られたことを知り、生きる望みを失いかけた少女ルルに、少年ジョイは言った。「生きてて良かったと思える時が必ず来る!」それから10年。ずっとお互いの存在が気にかかっていた。ジョイはルルの部屋に置いてあったピアノの前に座り、ルルのために即興のラブソング「♪Sweet Black Bird」を口ずさむ。甘く誘惑的な黒い小鳥。歌をくれた男は初めてだわ…。
レニーはネティに、ジョイがルルにこれ以上接近しないように警告した。ネティはジョイに、ムッシュ・アンダーソンの女に関わるのは良くないと忠告した。もちろん自分の方を振り向いてもらいたいからだ。しかし、ジョイの目はルルしか見ていなかった。レニーの嫌がらせは“ストーリーヴィル・キッズ”にも及び、バンドの仕事が次々とキャンセルになる。ジョイは“Elysian Hall”へ走った。
自分の娘や姉を金持ちの愛人にして、その収入を当てにして生活しているなんて、恥ずかしくないのか!?ジョセフィンとレニーに怒りを爆発させるジョイ。しかし、自らの生活を維持するためアンダーソンの庇護を必要とするジョセフィンは、それがルル自身の望みだとジョイを一蹴。アンダーソンと共に現れたルル本人も、ジョイに冷たい態度を見せる。
貧しさから家族が離れ離れになってしまうことを嘆く聖歌隊の少年ビッグノーズ・ジョー(如月蓮)、リトル・サム(優香りこ)、メリー(華雅りりか)の兄妹達。貧しさから家族が離れ離れになってしまうことは、幼い兄妹達にもジョイにもどうすることもできない現実だった。自分も子供の頃には辛いことがいっぱいあったけれど、決して諦めることなく頑張った。「3人で一緒に頑張れ」ではなく、「それぞれの新しい場所で頑張るんだ」というジョイの励まし方が印象的だったな。僕知ってるよ。金を稼ぐならミュージシャンか女のヒモだって。僕はジョイみたいなミュージシャンになりたいなぁ!無邪気なビッグノーズ・ジョーの台詞に思わず泣いた。
海軍の圧力によりストーリーヴィルに閉鎖命令が下される。生活の糧を奪われた人々はニューオリンズを離れていった。身重のメイはインフルエンザにかかり命が危ないが、医者に診てもらうこともできない。黒人を診てくれる医者なんかいないんだよ!ゲイブの悲痛な叫びが胸に刺さった。そんな時、音楽プロモーターのアルバート・ジョーダンがジョイを訪ねてやってくる。ニューヨークでミュージシャンとして活動してみませんか!
ジョイ、ルル、アンダーソン、ネティ。4人の交錯する想いを歌い上げる場面。どうして私じゃダメなのさ!ネティはジョイへの想いを未だに捨てきれない。おまえは私に相応しい女だ。ストーリーヴィル閉鎖を受けて、サンフランシスコで新事業を始めるアンダーソンは、肺病にかかっているルルに共に来ることを求める。立樹さんが銀橋を渡りながら、ストーリーヴィル~♪と歌うのはこの場面の最初だったかなぁ。立樹さんにスポットライトが当たった瞬間に拍手が起こるんだよねぇ。あったかい拍手が。
ルルへの想いを抑えきれないジョイは、ルルのアパートを訪ねた。ジョイはルルの本心が知りたいと詰め寄る。心のままに生きることなんて許されない。貧しさの中で生きる意味を見出せなかった少女時代、ジョイの励ましで、惨めな暮らしを抜け出そうと誓ったけれど、方法を間違えてしまった…。そう打ち明けるルルをジョイは抱きしめた。今からでもやり直そう…。
ここから出入りの激しい二元中継になる。クスリの横流しに手を出したレニーが警察に逮捕された。→ゲイブはメイの診察を拒否した医者の許へピストルを手に乗り込んでいく。→レニーを救うため、ルルはアンダーソンに助けを求めた。そして、サンフランシスコへ同行することを承諾した。
アンダーソンの力で命拾いし、帰ってきたレニー。ルルは黙ってレニーを抱きしめた。レニーはたぶん怒られると思ったんだろうな。それなのにギュッと抱きしめられたから、一気に素直な弟モードになっちゃったんだと思う。大金が手に入れば、姉ちゃんの病気も治せると思ったんだ!外からこの二人がどう見えていようと、ルルとレニーの間には、貧しい中、姉弟肩寄せ合って生きてきたなかで育まれた確かな絆と愛情があるんだなということが、ひしひしと伝わってきた。
黒人であるメイを助ける必要はない、と言い放った医者の家へ押し入ったゲイブが警官に射殺された。ゲイブの死への哀悼や人種差別への憤りが、神の救済と希望を求める歌声となって人々に湧き上がる。なぜゲイブは射殺されなければならなかったのか?人種差別という理不尽な問題を目の前に突きつけられて、私は泣くことしかできなかった。シスターの美穂さんが静かに歌いだし、やがて人々の救いを求める声は大合唱へと発展する。ジーザスの大合唱に涙が溢れた。音楽には力がある。神は与えてくれた/俺に音楽を/音楽こそ生きる喜び~♪ ジョイは、ニューオリンズに生まれた自分達の音楽を肌の色や国の違いを超えて人々に届け、音楽の力で自分の道を切り開きたい、と決意する。
ジョイはルルのアパートを訪ねた。ニューヨークで一緒に生きて行こう。「♪Sweet Black Bird」を歌ってちょうだい。俺の腕の中/震えてる黒い小鳥/琥珀色の肌/マグノリアよりも甘い/魅惑の香り~♪ ジョイはルルを想って歌った。うっとりと聴くルル。歌はまだ途中までしかできていなかった。いつか完成させてね。あぁ。ちょっとそこまで外出するという雰囲気でルルは部屋を出た。ついに別れの言葉を交わすことができないまま、ルルはアンダーソンと共にサンフランシスコへ旅立っていった。ルルの帰りを待つジョイの許に現れたのはレニーだった。ジョイはルルがこの部屋には二度と戻ってこないことを知った。レニーは、自分の保釈のために姉が恋を諦めたことを知っていたのだろうか?いや、それを知っていたか知らなかったは別にして、ルルにとってはレニーを護ることの方が自分自身の恋よりも大切なことだったのかもしれない。それとも自分の命が長くないことを知っていて、別れる道を選んだのだろうか。いずれにしろ、ルルはジョイの許を去った。ルルはアンダーソンを選んだ、おまえのことなんか愛しちゃいなかったのさ。レニーは、ルルがジョイのことを本当に愛していたことを知った上で、ジョイに嘘をついた。俺の方が彼女を愛してしまったのさ…。ルルを失った喪失感と尽きせぬ想いを歌に込め、ジョイは「♪Sweet Black Bird」を完成させる。
第16場 エピローグ ニューオリンズ・1928年夏
故郷ニューオリンズへの想いを込めたジョイの曲「♪My Dear New Orleans-愛する我が街-」が、ジョイと街の人々によって歌われ、ラジオで放送される。時は流れ/全ては想い出に変わり/愛しい日々/遠ざかっても/My Home/ここが故郷/My Dear New Orleans/My Dear New Orleans~♪ チャリティコンサートは無事に終わった。スティーヴン牧師が最後に一言ジョイに言う。また帰っておいで。これはダメだ。泣く。聴衆の中からレニーが現れ、ジョイに1枚のレコード手渡した。ルルは最期の瞬間まで、そのレコードを聴いていたよ。手渡されたレコードは「♪Sweet Black Bird」だった。ジョイがレコードをケースから出そうとしたその時、1枚の紙片が床に落ちた。それはルルからジョイへ宛てた短い手紙だった。歌、完成させてくれたのね…。ありがとう…。私、生きてて良かった…。ジョイは、数え切れない想い出と故郷への尽きせぬ想いを胸に、さらなる音楽の道を目指して旅立っていくのだった。
◆レビュー・ファンタスティーク『ア ビヤント』(作・演出:藤井大介)
序 アミューズ・グール(ようこそ)
古びた一軒のレビュー劇場。壊れたシャンデリア、破れたカーテン、中央には1本の常夜灯。老掃除夫シェリール(英真)が掃除をしていると、そこへ突然、時間の妖精モントル(柚希)が現れる。午前零時の鐘が鳴り、モントルが魔法をかけると、常夜灯の灯が消える。星風エレナさんの役はエスプリブリーズ。モントルの子分みたいなものかな?カゲソロの人のフランス語の「r(アール)」の発音がやたらとイイなぁと思ったら、音花ゆりさんだった。
第1章 オードブル(午前零時)
薄暗がりの中、劇場のあちこちから、レビューの妖精・エスプリオム、エスプリファム達が集まってくる。いわゆる「チョンパ」のオープニング。舞台は一瞬にして輝かしいレビューのステージになる。エスプリファムのふわふわとしたスカートがとっても可愛かった。ゴールドのド派手な衣装に身を包んだレビューの王様ル・ロワ・レーブ(安蘭)が一夜限りのレビューの開幕を告げると、歓喜に満ちたエスプリ達が踊りだす。はい、もう号泣です。キラキラと光輝く舞台を観ていたら、キラキラ笑顔で踊る皆を観ていたら、キラキラ笑顔で歌う安蘭さんを観ていたら…ただもうそれだけで…どうしようもない感情が溢れてきて…涙涙涙涙…。
大女優エトワルアムール(遠野)が現れ、高らかにカデンツァを歌う。エトワルアムールのドレスはシルバー。スカートは輪っかのドレスの足がみえちゃうバージョン(『宙ファンタジスタ』の金星の場面でジャンボ3が穿いていたスカートと似ている)。遠野さんは、頭の形がはっきり分かるようにピタッと被る鬘(『レビューオルキス』の極楽鳥の場面で頭に被っていたような鬘)がよく似合うと思う。エスプリオムA(立樹、涼)、エスプリファムA(琴、夢咲)、エスプリシャン(美穂)達が華やかに歌い踊る。続いて、名ダンサー(エスプリオムS)に扮したモントルが、命の喜びを踊る。
ル・ロワ・レーブが再び登場、賑やかなパレードが繰り広げられる。エトワルアムールも、モントルも、エスプリ達も皆、手にハープ型のシャンシャンを持っていて、まさに宝塚のフィナーレそのもの。そう、コレなのよ、コレ。宝塚にあって、外部の舞台にないもの。それは「フィナーレ」!これがないと「宝塚を観た!」っていう気がしないんだよねぇ。
ボードビリアンに扮したル・ロワ・レーブとエスプリオムAが銀橋でコミカルに歌う。安蘭さん、立樹さん、涼さんの息の合ったやりとりが楽しかったなぁ。若い頃はただのアラン~♪ とかいう歌詞があったような…(笑)。
第2章 サラード(午前1時)
地下の稽古場。シェリールが掃除をしていると、一人の若手ダンサー、フロワ(和)が稽古場に現れ、いつかレビューの王様ル・ロワ・レーブのように、ライトを浴びてスターになりたいと歌う。振付師ルミエール(朝峰)の厳しいレッスンに失敗ばかりのフロワは落ち込むが、恋人のフルール(夢咲)が彼を励ます。朝峰さんが大活躍。ドンドンドン!(笑)
稽古場の鏡が割れると、ライトアップされた輝かしいダンスステージが広がる。一流の若手ダンサー達がエネルギッシュに踊る。お、センターでもの凄くカッコよく踊ってる人がいるぞ。はて、誰だろう?と思ってオペラを覗いたら、壱城あずささんだった。スターダンサーとなったフロワは、相手役フルールとダンサー達を引き連れて激しく踊る。
第3章 ポタージュ(午前2時)
スターダンサーのモントルが現れ、一人静かに踊りだす。すると鏡の中から妖しげな声が聞こえてくる。鏡の中からモントルに恋した影・オンブル達(彩海、一輝、鶴美、夢乃、麻尋、碧海、美弥)が浮かび上がり、モントルを誘惑する。踊り続けるモントルだが、誘惑から逃れられず、鏡の中に連れ去られていく…。このショーの中で最大の衝撃場面(笑)。今最もホットな星男・彩海さんが場面2番手(オンブルA)として柚希さんに妖しく絡むというだけでもたまらない(笑)のに、あの「ファンタアァァァァァアスティィィィィィック!!!!!」の不気味な連呼(笑)。もう、衝撃以外の何物でもない。後からプログラムに目を通したところ、「カゲソロ」ならぬ「カゲ台詞」の文字が。「カゲ台詞」!アレか!アレなんだな!アレに違いない!稀鳥まりやさんの声だったのか…(笑)。
第4章 ポワソン(午前3時)
ル・ロワ・レーブの青年時代(アラン)の回想。劇場前。一人のジゴロ、アランが登場し、歌手ジザベルを想い、恋心を歌う。夜の女パピヨン達が情熱的にアランと絡む。3人ずつスポットライトを浴びて、夜の暗闇に9人のパピヨン達(涼乃、美穂、音花、百花、梅園、花愛、純花、白妙、南風)の姿が浮かび上がる。暗闇の中、一際セクシーなダンスをしているパピヨンがいて目を奪われた(笑)。灯りが点いたら、美穂さん(パピヨン歌手)だった。流石だ…。アランは女達を振り切って劇場に入っていく。
名歌手ジザベル(遠野)がアダルトに歌っている。パトロンのメトル(立樹)がガード(紅)を伴いBOX席で舞台を観ている。ステージが最高潮に盛り上がったとき、アランがステージに割って入り、強引にジザベルの腕を取る。二人の狂おしいアパッシュダンスに嫉妬するメトル。ジザベルは次第にアランに惹かれていく。メトルとアランのジザベル争い。アランを庇ったジザベルは、メトルの銃弾に倒れた。この場面、芝居の設定と似てるね(安蘭と立樹の遠野奪い合いの図)。
再び劇場前。傷心のアランを夜の女が慰めるように誘うが、アランは一人孤独に去っていく。安蘭さんの後ろを一人通り過ぎる赤ドレスの涼乃さん。どういう意味なんだろう?と思って観ていたのだが、そういう意味だったのね。だから「パピヨンA」なんだ。
間奏曲 グランテ
劇場前。二人のドアボーイ(シャザー/十碧、麻央)が扉を開けると、可愛い道化ピトル(大輝、華雅、早乙女)が現れる。「百年ぶりの新作レビューが始まるよ!」大貴族ヴィオレ(涼)を筆頭に、エスプリムシュー(にしき、紫蘭、美稀)、エスプリマドモワゼル(万里、朝峰、毬乃)ら豪華に着飾った客達が劇場へ入っていく。紫蘭さんと朝峰さんがソロを歌っていたなぁ。
第5章 ビアンド(午前4時)
華やかなレビューの開幕!現代風にアレンジされたシャンソンを次々と歌い継いでいく。
- 太陽の章:オランジュ男S(立樹)&女A(琴)
- フルフルの章:スリーズ女S(夢咲)&男(美城、天霧、天緒、水輝、如月、海、芹香、漣)
- シャバダバシャバダバの章:ポム男S(和)&女S(蒼乃)
- 星男星娘の章:バナヌ男S(涼)&女A(百花)
- 若者達の章:シトロン男(麻尋、紅、壱城、美弥、真風)
- マドモアゼルの章:マドモアゼルフレーズ(遠野)&ポム男S
- 黒鳥の章:ミルティル男S(柚希)&歌手(美穂)&女(彩海、夢乃)
紳士達が迎える中、究極に美しいレビューの華、ベル・アマント(安蘭)が舞台中央にセリ上がり、魅惑的に歌う。一夜限りのレビューが盛り上がる。ベル・アマントの鬘は赤髪と金髪の2パターンあるんですね。1回目は赤髪、2・3回目は金髪だった。どちらも素敵。
その素敵な鬘をベル・アマントは不敵な笑みを見せながら脱ぎ捨て、究極の色男、オム・デラ・ニュイ1(安蘭)に変わる。オム・デラ・ニュイ2(柚希)が現れ、男二人きりのアダルトな駆け引きとなる。安蘭さんが柚希さんの肩をポンッとたたく振りとか、安蘭さんが柚希さんの身体を不意にグッと抱き寄せる振りとか、バトンタッチを思わせる泣かせる演出アリ。
レビューの華、フレンチカンカン。カンカンS(遠野)がセリ上がり、賑やかなカンカンへと発展。8人のカンカンボーイ(立樹、涼、和、彩海、鶴美、夢乃、麻尋、真風)を含む総勢72人によるフレンチカンカンは壮観!こういう場面、大好きだなぁ!
第6章 フロマージュ(午前5時・午前6時)
時の妖精モントルが、午前5時の鐘を鳴らす。シェリールがどこか寂しげに掃除をしている。一夜限りのステージももうすぐ終わる。楽屋にガウン姿のアランが現れ、鏡台の前に座り、静かに歌いだす。舞台への想い、情熱、苦しみ、悲しみ、喜び、幸せ…様々な思いを重ねて。モントルが静かに踊り始めると、アランの心、クール達(彩海、鶴美、夢乃、美弥、海、天寿)が現れ、アランの気持ちを踊る。
午後6時。アランは何かを決意して立ち上がる。ステージに電飾が甦る。アランは最後の力を振り絞るかのごとく力強く歌い、ステップを踏み出す。ありがとう/このひとことしか/やっぱり出てこないけど/伝わると信じてる/いつも暖かく見守ってくれたね/熱い気持ちを忘れない~♪ モントルがカーテンを開けると、そこには再びレビューの妖精エスプリ達が集まっていた。やがて全員の大合唱に。またね/またね/きっと必ず出逢える/信じているから/だから言える/さようならと/いつもそばにいるから~♪ ダメだ…涙がとめどなく流れる…。
大女優エトワルアムールが花束を持って駆けつけるが、時すでに遅く、アランの姿はもうない。アランを想って銀橋で歌うエトワルアムール。エトワルアムールが舞台に花束を置いて去ろうとする時、シェリールが「もう一度だけ…」とモントルにせがむ。
第7章 デセール
レビュー劇場に再び明かりが甦る!華やかな前奏で黒燕尾姿のル・ロワ・レーブが大階段に登場。感激したエトワルアムールは大階段を駆け上がり、ル・ロワ・レーブと強く抱き合い、永遠の愛を誓う。優しく見つめ合う二人。手に手を取ってゆっくりと大階段を降りてくる。デュエットダンスは、美穂さんが歌う「♪愛の賛歌」で。出逢えた喜び、互いへの感謝と労いの気持ちが伝わってくる、優しい優しいデュエットダンスだった。
アムールオムとアムールファムが両手に白い羽根扇を持って登場。ル・ロワ・レーブと共に、優雅に小粋に、美しく神聖に踊る。羽根扇って、とっても宝塚らしいですよね。私、大好きです。やがて男役による大階段黒燕尾群舞となる。柚希さんの歌で、安蘭さんが踊る。
ル・ロワ・レーブが一人残る。心からありがとう/愛と夢を~♪
鐘が鳴り響き、究極のエトワルシャンテ(遠野)が大階段に登場。ア ビヤント/いつかまた/ア ビヤント/巡りあう/約束の合言葉~♪ 遠野さんの高らかなカデンツァが劇場中に響き渡る。遠野さんの歌唱力を遺憾なく発揮した素晴らしいカデンツァ。最後のエトワール、そして最高のエトワール。
華やかなパレード。もはや涙腺決壊です。あぁ、皆の姿をしっかりと目に焼き付けておきたいのに、涙に目が霞んで、はっきり見えない…。涙でぼやけた視界の中、大階段にエトワルグランデ(安蘭けい)が登場した。あぁ、これが最後なんだ。「宝塚男役・安蘭けい」の見納めなんだ。本当に本当に最後なんだ…(号泣)。素敵な舞台をありがとうー!
◇千秋楽
千秋楽を観に行きたかった。サヨナラショーを観に行きたかった。サヨナラパレードを観に行きたかった。でも、それは叶わなかった…。ラスト3daysはCSを見て過ごした。どの時間帯にテレビを点けても、必ず退団者が映っていた。
千秋楽当日。「一瞬でしたが、とっても素敵な笑顔でした。」サヨナラパレードを観に行った友人が、そう報告してくれた。そうか、麻尋さんも、一輝さんも、和さんも、星風さんも、涼乃さんも、紫蘭さんも、朝峰さんも、立樹さんも、遠野さんも、そして安蘭さんも、笑顔で宝塚を卒業したんだなぁ、と一人感慨に耽っていたのでありました。
翌日。CSのニュースで千秋楽・サヨナラショーの映像を見た。退団者の挨拶を聴きながら、楽しかった公演の数々を思い出し、涙した。最後に安蘭さんが緑の袴姿で大階段を降りてきた。安蘭さんの挨拶を聴いていたら、涙した、どころではなく、嗚咽した(笑)。告白します。何度も何度も繰り返されたアンコールの末、緞帳前に一人で姿を現した安蘭さんが客席に向かって「皆さん、いっぺんに叫んでください。『とうこさん、愛してる。』」と振った時、私はテレビの中の安蘭さんに向かって、泣き笑いしながら言ってしまいました。「とうこさん、愛してる。」と(笑)。
宝塚に、星組に、安蘭けいさんに出逢えたことは、私にとって宝物です。「安蘭けい・第1章」の終わりは、私の観劇生活においても1つの節目だな、と感じています。2006年から突っ走ってきて本当に良かった。背中を押してくれた師匠に、共に突っ走ってくれた友人に感謝感謝です。それでは、「新生星組」と「安蘭けい・第2章」に出逢えるその日まで…ア ビヤント!(←お決まりです。笑)