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休日は観劇に

さくの観劇メモランダム

エリザベート

2009年09月12日 | 宝塚月組1(瀬奈じゅん)

①2009年8月6日(木)18:30 東京宝塚劇場 S席 1階10列60番台 月組公演

②2009年8月8日(土)15:30 東京宝塚劇場 B席 2階14列1桁番台 月組公演

◆三井住友VISAミュージカル『エリザベート -愛と死の輪舞-』

 月組で『エリザベート』を再演するというニュースが飛び込んできた。ええっ!?ついこないだ、水さん率いる雪組で再演したばっかりじゃん!爬虫類を思わせる水トートは妖艶で衝撃的だったなぁ、などという考えが真っ先に浮かんだ。しかし、次の瞬間には、瀬奈トートは一体どんな感じになるのだろう?と考えていた。はい、根っからのヅカファンです(笑)。それにしても、やはり『エリザベート』の再演サイクルが速すぎるような気がする。次に再演するなら、順番的には星組だろうと思っていたし。歌劇団としては、「瀬奈じゅん」というスターを「『エリザベート』の主要3役を演じたスター」にしたかったんだろうなぁ…。

 続いて飛び込んできたニュースは、ルドルフ3人役替わり。うわぁ~、これは3人とも観たい。でも、チケット取れないだろうなぁ~。そして、やってくるチケット争奪戦の日々(笑)。まずは友の会抽選。8月上旬に的を絞って申し込んだところ、8月6日の18:30公演に見事当選!やったー!ルドルフ役は青樹泉さん。よしよし。でも、遼河はるひさんのルドルフも観てみたい~。というわけで、粘り強く探し回って、8月8日の15:30公演のチケットも見事ゲット!やったー!

  • トート…瀬奈じゅん
  • エリザベート…凪七瑠海
  • フランツ・ヨーゼフ…霧矢大夢
  • ルイジ・ルキーニ…龍真咲
  • ルドルフ…8/6青樹泉、8/8遼河はるひ
  • エルマー・バチャニー…8/6遼河はるひ、8/8青樹泉
  • シュテファン・カロリィ…明日海りお
  • 皇太后ゾフィー…城咲あい
  • マックス公爵…越乃リュウ
  • スターレイ夫人…花瀬みずか
  • ツェップス…一色瑠加
  • 黒天使…桐生園加
  • ルドヴィカ公爵夫人…美鳳あや
  • グリュンネ伯爵…研ルイス
  • シュヴァルツェンベルク公爵…星条海斗
  • リヒテンシュタイン伯爵夫人…憧花ゆりの
  • ルドルフ(少年)…羽桜しずく
  • ジュラ…光月るう
  • ヘレネ…萌花ゆりあ
  • ラウシャー大司教…綾月せり
  • ヴィンディッシュ嬢…夏月都
  • 黒天使(マデレーネ)…蘭乃はな
  • マダム・ヴォルフ…沢希理寿

【瀬奈トート&黒天使達】

 公式HPに瀬奈トートの画像が公開されたときは、その美しさに衝撃を受けた。髪色はシルバーに赤のメッシュ。左側にのみ編み込みを加えるというヘアアレンジ。う、美しい…。ACTⅠ第4場「冥界」の演出が新しくなった。綱渡りのロープから落っこちたシシィ(たぶん仮死状態)が、冥界でトートと出逢うというシーン。以前は、黒天使達がトート閣下の椅子を押して登場していたが、今回は下手側から盆回り&セリ上がりで登場!しかも上手側に来たときに、椅子がクルッと回転した!(トート閣下自身が手元で操縦しているように見えたのだが、見間違いか?)そう、まるで遊園地にあるコーヒーカップのように!トート閣下の椅子も、以前のものより大きく、装飾的(おどろおどろしい感じ?)になっていたような気がする。黒天使達のダンスも新バージョンになっていた。ロック・コンサート「♪最後のダンス」は瀬奈トートも黒天使達もノリノリだった。

【凪七エリザベート】

 宙組からの特別出演、しかも男役という驚きの大抜擢キャスティング。どうなるのかなぁ~と思っていたのだが、実際観劇してみたら、とても良かった!小顔でスタイルも良く、見た目も美しい。最大の見せ場「♪私だけに」も高音を響かせて歌い上げていた。大健闘だと思う。今後の活躍が楽しみ。

【霧矢フランツ】

 落ち着きのある渋い男だった。やっぱり「♪夜のボート」は名場面だなぁ。一番衝撃的だったのは、フィナーレで銀橋にメインキャストが整列するところ。センターポジションにいたのは、トートとエリザベートではなく、トートとフランツだった!これが今回の月組エリザの全てを物語っているなぁと思った。

【龍ルキーニ】

 歴代の宝塚エリザでは、ルキーニは男役三番手スターの役どころだった。ということは、龍さんもまた抜擢ということか。龍ルキーニは、げっそりやつれた感じとか、目がいっちゃってる感じが、テロリスト役としてすごくハマッていたと思う。煉獄の裁判所や皇后暗殺の場面では、狂気が漂っていた。

【遼河ルドルフ&青樹ルドルフ】

 今回は、遼河はるひさん、青樹泉さん、明日海りおさん、の3人が役替わりでルドルフを演じた。その中で私は遼河ルドルフと青樹ルドルフの2パターンを観ることができた。ACTⅡの「♪闇が広がる」から始まるルドルフ劇場は一瞬たりとも目が離せない大好きな場面。どちらもそれぞれに素敵なルドルフだったのだが、どちらかというと、私は遼河ルドルフのほうが好みかなぁ(笑)。二人とも背が高いので、瀬奈トートとの身長差は同じくらいだと思うのだが、遼河ルドルフには独特の弱々しさが漂っていて、そこが私のイメージするルドルフ像にピタリと一致したのだ。それにしても、同じ場面に出ているルドルフとエルマーを役替わりで演じるのは、大変だったろうなぁ。しかも、青樹さんに至ってはシュテファンも含めた3役役替わり。す、すごい。

【城咲ゾフィ】

 美しく厳しいゾフィだった。ACTⅠの「♪皇后の務め」のかけ合いなども良かったのだが、城咲ゾフィは歳をとるにつれて、どんどん芝居が上手くなっていくような気がした。ACTⅡの「♪皇后の勝利」のあたりの老け芝居(メイク・姿勢・歩き方)なんかは、すごく良かった!

【羽桜ルドルフ少年】

 星組から旅立っていった羽桜しずくさんは、本公演ではルドルフ少年役を、新人公演ではエリザベート役を演じた。ルドルフ少年役を熱演する羽桜さんは、とーっても可愛かった(笑)。私はプロローグが大好きなのだが、ルドルフ少年の「ひ~とりぼ~っち~♪」は結構重要なパートだと思う。

【沢希マダム・ヴォルフ】

 すごく良かった!セクシーな見た目、パンチのある声、ねっとりとした歌い方。こんなふうにやってほしいなぁと思うマダム・ヴォルフだった。プログラムで探したのだが、扮装写真のページにマダム・ヴォルフはいなかった。下級生だった。「沢希理寿」。覚えておこう。

【フィナーレ】

 瀬奈さんと娘役達のダンスナンバー「♪私が踊る時」は変わったアレンジになっていた。ああいうのは何バージョンと言うのかなぁ?瀬奈さんと男役達のダンスナンバー「♪闇が広がる」は大好物(笑)。あの斜め前方に両手を伸ばして後ろに仰け反る振りを繰り返すところ(←説明不足)がツボ。瀬奈さんと凪七さんのデュエットダンス「♪最後のダンス」では、凪七さんのヘアスタイルが違った!1回目はショートカットの鬘で、2回目はまとめ髪を赤い髪飾りで覆った感じの鬘だったような気がする。エトワールは音姫すなおさんだった。

【貸切公演はおまけ付き】

 8月8日の15:30公演はVISA貸切だった。抽選会は例によって何も当たらず(笑)。終演後に、組長・越乃リュウさんと、トップスター・瀬奈じゅんさんのご挨拶を聞けたので、それでよしとしよう。実は、東京宝塚劇場でB席から観劇したのは、この日が初。B席からでも銀橋がバッチリ見えるんですねぇ~。驚いた。ものすごい傾斜がついているということですよね。「♪闇が広がる」からのルドルフ劇場では、オペラグラスは遼河ルドルフにロックオン(笑)。今回は1階席と2階席の両方から観劇できたので、とても良かった。脚本も素晴らしいし、音楽も素晴らしい。『エリザベート』は本当に良くできたミュージカルだなぁと改めて思う。次に再演するなら、ぜひ星組で!(と、さりげなくアピールして終わる………柚希トート、夢咲エリザベート、凰稀フランツ………素敵だ!どうしよう、なんだかものすごく観たくなってきちゃったぞー!)


グレート・ギャツビー

2008年11月24日 | 宝塚月組1(瀬奈じゅん)

2008年9月14日(日)11:00開演 日生劇場 S席 1階K列20番台 宝塚歌劇月組日生劇場公演

◆ミュージカル『グレート・ギャツビー』-F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より-(脚本・演出:小池修一郎)

【第1幕】

《第1場 ギャツビー邸前庭》

 まずは、旅行用トランクを持ったニック・キャラウェイ(遼河はるひ)が登場。品の良い寅さん風。1922年、ニューヨーク郊外、ロングアイランド。証券マンのニックは、引っ越し先の新居の前にたった今着いたところ。おや?隣の家が賑やかだぞ。どれどれ行ってみよう。隣の大邸宅はパーティーの真っ最中。招待状なしで誰でも参加できるとのこと。ニックは、自分の家にもまだ足を踏み入れていないのに、流されるまま隣家のパーティに合流。もうこのあたりで、ニックの人物像が見えてきた感じ(笑)。大らかで育ちの良いぼんぼんニックは、この大邸宅の主であるジェイ・ギャツビーに引越のご挨拶をしたいのだが、誰も主の顔を知らないらしい。パーティーでは本物のシャンパンが振舞われていた。そこへ警察官たちがやってきて、禁酒法違反を取り締まろうとして大騒ぎになる。主はどこだ!ジェイ・ギャツビー出てこい!ジャジャジャジャ~ン!邸の扉をバーンと開けて華々しく登場したのは、謎の資産家ジェイ・ギャツビー(瀬奈じゅん)。ようやく主役の登場だ。お友達の警視総監(汝鳥伶)もそのパーティーに参加していたため、警察官たちは手を出すことができず、仕方なく退散していった。ギャツビーは裏社会に顔が利く男、という感じ。

《第2場 ギャツビー邸続きの突堤》

 翌朝。庭続きの突堤。対岸をじっと見つめるギャツビーの後姿。男は背中で語るもの。そこへニックがやってくる。隣人として挨拶を交わす二人。そこにギャツビーがいたことは、ニックには意外なことだったんじゃないかな。おそらくニックは基本早起き(笑)。昨日はバタバタしていて、庭からの景色を眺める暇もなかった。よし、爽やかな朝の空気を吸いに庭に出てみよう。そんな感じで庭に出てみたら、突堤に佇むギャツビーが目に入った。あれ?ギャツビーさんかな?でも、昨夜と雰囲気が少し違うような…?対岸に住む大富豪トム・ブキャナンは友人であり、その妻デイジーは親戚(またいとこ)である。ニックの自己紹介の中で、ギャツビーが反応を示した部分。そう、この大邸宅も、毎夜のパーティーも、全ては「デイジー」との偶然の再会を期しての演出だったのだ。「愛していたと言うべきか。愛していると言うべきか。永遠に…と答えておきましょう…。」(byギャツビー)←うろ覚え。でも、クサイまでのキザ名台詞だ!と記憶に残っている(笑)。

《第3場 デイジーの邸の居室》

 ニックはイースト・エッグにあるブキャナン夫妻宅を訪問。デイジー(城咲あい)はニックとの再会を手放しで喜んだ。ハンサムな金持ち男と結婚し、第一子(娘)を授かり、何不自由のない暮らしをしているように見えるデイジー。娘時代と変わらない美貌を保ちつつも、デイジーの表情はどこか優れない。トム(青樹泉)もまた友人ニックとの再会を喜んだ。仕事は順調そうだが、家族サービスは不足しているもよう。子供をあやす仕草がぎこちない。どこかの誰かさんから電話がかかってきて…。トムとデイジーの夫婦仲は正直微妙。原因はトムの浮気よ。デイジーの友人でプロゴルファーのジョーダン・ベイカー(涼城まりな)がニックに教えた。この時代に女性プロゴルファーが存在したということに驚き。ファッションも最新モードという感じだったし、流行の最先端を行く、働く女性だったのかな?

 女の子はバカな方が幸せなのね/女の子は何も知らないほうがいい/女の子が人の世を知ってしまうと不幸になるというのね~♪ 「♪女の子はバカな方がいい」は太田健先生作曲なので、今回の再演のために書き下ろされた新ナンバーということかな。最初は「バカ」の連発に衝撃を受けた(笑)が、今思い出してみると、一番印象に残っている曲かもしれない。デイジーはバカじゃない。愛することを知り、愛されることを知り、裏切りを知った。私は本当に幸せなの?このままでいいの?そんな心の中に湧き上がる疑問を、自らの強い意志で押さえ込むデイジー。愛娘を抱きかかえながら歌う。この子もバカな女の子に育てるわ。その方が幸せになれるから…。デイジーは、ニックの隣人の名が「ジェイ・ギャツビー」だと聞き、密かに動揺する。

《第4場 街路~ウィルソンのガソリンスタンド》

 夫選びを間違えた。イイ男はみ~んな戦争に行っちまった。残った男はカスばかり!トムの愛人マートル・ウィルソン(憧花ゆりの)がフラッパーたちと、失敗した自分の結婚と不倫の愛を、にぎやかに歌いあげる。何だか分からないけど、このナンバーがすっごく楽しかった(笑)。「フラッパー」=「おてんば娘」(英語「a tomboy」/※「flapper」は1920年代の俗語らしい。) トムがニックを連れ、マートルの夫ジョージ・ウィルソン(磯野千尋)が経営するガソリンスタンドにやってくる。ウィルソンは真面目だけが取柄の冴えない男。ウィルソンが席を外すと、トムとマートルは逢引の約束をするが、デイジーの話を巡っていさかいになる。ニックは、これが噂の浮気相手かぁ、という顔で傍観。

《第5場 ニックの部屋とジョーダンの部屋~デイジーの家の前庭》

 上手花道にジョーダン、下手花道にニックが登場。寝巻き姿の二人が受話器を手に会話を始める。あなたの隣人がデイジーの昔の恋人なんですって!隣人って…ギャツビーさんのこと?

 時代は一気に遡って、1917年、ケンタッキー州ルイヴィル。デイジーの父アンソニー・フェイ判事主催の(第一次)世界大戦参戦記念パーティーが今まさに開催されようとしていた。兵士たちは客席からの登場だった。下手側の横扉から入場し、客席の間を行進して舞台に上がった。客席の照明は薄暗かったし、皆同じ茶色の兵服を着ていたので、あぁ兵隊さんの行進だなぁ、と思って眺めていたのだが、途中でハッとした。もしかしてあの中に瀬奈さんがいるのか!?兵士たちの後姿を凝視。一番後ろを歩いていた人物が瀬奈さんだと、舞台に上がる寸前に気づいた(笑)。名家の娘であり、ルイヴィルでも名高い美貌の持ち主であるデイジーは若い男たちの憧れの的。天真爛漫な18歳のデイジーは、そのパーティーで運命の出会いをする。相手はもちろん、歩兵第67連隊ジェイ・ギャツビー中尉!

《第6場 ルイヴィルの森》

 確か白いベンチがあって、それに並んで座ったり、ベンチの上に立ち上がったり、飛び降りたりしながら歌っていたような。お姫様は白馬の王子様を待っているの。主役の二人は出会った瞬間に恋に落ちた。デイジーは周囲の青年とは違う、自立心旺盛なギャツビーの中に「アメリカの男」を見出した。二人は将来を誓い合うのだった。

《第7場 デイジーの家の前庭~ニックの部屋とジョーダンの部屋》

 デイジーとギャツビーは毎晩デートを繰り返していた。ギャツビーの出征が決まった夜、デイジーの母エリザベス(梨花ますみ)は、ギャツビーに別れを迫った。理由①:家柄が釣り合わない。理由②:経歴詐称。梨花エリザベスの迫力に圧倒されてしまった瀬奈ジェイは、承諾せざるをえなかった。デイジーが手紙を出しても、絶対に返事を寄こさないでちょうだい!ダメ押しの一言が胸に突き刺さる。旅支度をして現れたデイジー。行動派デイジーはギャツビーを追いかけるために、家出を決心していた。しかし、梨花エリザベスがそれを見逃すはずがない。金持ちの娘はふさわしい相手とでなくては幸せになれない、と無理やり引き止める。ギャツビーとの愛を否定され、仲を引き裂かれたデイジーは、その場に泣き崩れる。なるわ/なってみせる/ただのバカな女の子に/この愛を閉じ込め/生きていくわ私/その方が幸せだと言うなら~♪ デイジーの「女の子はバカな方がいい」論は、このときに生まれたわけですね。

 場面は再び、1922年、ニューヨークに戻る。ニックとジョーダンの電話の続き。デイジーが思い出の恋人と、あなたの隣人が同一人物なのかどうか知りたがっているわ。僕、ギャツビーさんから「アイス・キャッスル」に招待されてるよ。

《第8場 アイス・キャッスルの前~中~奥》

 謎の資産家ジェイ・ギャツビーの正体は、高級もぐり酒場「アイス・キャッスル」のオーナー。禁酒法の網の目をかいくぐって、一財産築いたのだ。オーナーはなぜかカウンターの上から登場(笑)。カウンターの上で激しいダンスを繰り広げる瀬奈ギャツビー。酒は売るが、カード詐欺は許さない。麻薬の売買なんてもってのほかだ。ギャツビーはどうやら本物のワルではないらしい。ギャツビーはニックにデイジーのことを打ち明け、偶然を装ってデイジーを家に連れてきてほしいと頼んだ。ニックは協力を承諾した。

 「あいつ(ギャツビー)がこの店に友達を連れてきたのはこれが初めてだぜぇ~。」(byウルフシェイム) 暗黒街の顔役ウルフシェイム(越乃リュウ組長)のキャラが面白すぎる(笑)。タカラヅカでは、マフィアは縦縞ストライプのスーツで、白い巻物(スカーフ?)を首にかけるというのが、セオリーなんですかね(笑)。ギャツビーは、その度胸と一途さをウルフシェイムに買われて、無一文からのし上がってきたのだ。例えどんな汚い手を使っても金持ちになってやるゼ。ウルフシェイムを筆頭にクラブの男たちが歌い踊る場面が、男クサくてシブくてサイコー(笑)。

《第9場 ニックの家の前~ギャツビーの家の中》

 ニックの仲介で、ギャツビーとデイジーは5年ぶりの再会を果たした。ギャツビーの家の中に入ったデイジーは、ギャツビーが本当にお金持ちになっていたことに感激。ギャツビーはクローゼットを開けて、上等のシャツを次々取り出し、デイジーに向かってポンポン投げた。全ては君(デイジー)のために買ったものさ。過去を取り戻すことはできないと嘆くデイジー。過ぎた日は乗り越えることができると説得するギャツビー。二人はギャツビー邸のパーティーでの再会を約束した。

《第10場 ニックの家の近所》

 ニックはジョーダンにゴルフのレッスンを受けていた。その時突然、ニックがジョーダンにキスをした。遼河さんと涼城さんの身長差がものすごい。ビックリするくらいの凸凹カップルだ。キスの後のジョーダンの第一声は「待ってたのよ、あたし。人の世話ばっかりやいてないで、もっと我侭になりなさいよ。じゃないと、女は捕まえられないわよ。」ニック坊やにはジョーダン姉さんは手強すぎる相手なのでは…。二人は、再燃したギャツビーとデイジーの愛の行方を気にかけていた。

《第11場 ギャツビー邸前庭》

 ギャツビーのパーティー。デイジーと踊るギャツビーを見たトムは、二人の間に漂うただならぬ空気を感じ、自分の妻に手を出すなと、ゴルフでの勝負を挑むのだった。トムは自分も不倫している(そのパーティーでマートルと踊ってたし!)くせに、自分のことは棚に上げて、デイジーのことに口出しするなんて、絶対オカシイと思う!ウルフシェイムは、人妻との恋愛に身をやつすギャツビーを非難。麻薬の取引は絶対にしないというギャツビーに見切りをつけ、ギャツビーのなわばりを取り上げ、ビロクシー(光月るう)とラウル(彩央寿音)に譲ってしまう。しかし、ギャツビーは、暗い過去から抜け出して、明るい未来を取り戻せる、という希望を感じていた。

【第2幕】

《第1場 ウィルソンのガソリンスタンド~愛の楽園》

 ウィルソンは妻の浮気に気づいていた。カリフォルニアに行ってやり直そう。しかし、マートルは激しく拒否。ウィルソン、マートル、トム、デイジー、ニック、ジョーダン、そしてギャツビー。それぞれの愛が交錯する。

《第2場 ウィルソンのガソリンスタンド》

 ゴルフ場へ向かう途中、一同はガソリンスタンドで鉢合わせする。「ギャツビーの車に乗りたいか?」(byトム) 人の気持ちを逆なでする質問。やっぱ嫌なヤツだ。ギャツビーの車に乗りたいと答えたデイジー。トムは、それならゴルフ場まで車を交換しよう、とギャツビーにもちかける。ここで若かりし頃のデイジーの天真爛漫ぶりが発揮される。トムの青い車に乗り込んだギャツビーの脇にさっと乗り込むと、私はこっちで行くわ~、と言って先に出発してしまった。ギャツビーの黄色い車に乗り込んだトムは、後から慌てて追いかける。ウィルソン家の2階の窓からは、車で走り去るトムを呼ぶマートルの絶叫が聞こえていた。

《第3場 ゴルフ場》

 ゴルフコンペに勝ったら自分に人生を預けてほしい。ギャツビーはデイジーにプロポーズした。デイジーはそれを了承した。コンペの結果は、ギャツビーの勝利。これでデイジーと結婚することができる…わけがない。逆上したトムは、ギャツビーの正体をぶちまけ、嘘で塗り固めた経歴だと、激しく罵った。ショックを受けたデイジーはその場から飛び出して行ってしまう。ギャツビーはデイジーの後を追いかけた。

《第4場 ウィルソンのガソリンスタンドの前》

 マートルが車に撥ねられて亡くなってしまった。ウィルソンは、走り去る黄色い車を見たという目撃情報を聞き、ゴルフ場へ行くときに黄色い車に乗っていたトムを責める。しかし、トムは自分ではないと否定した。ウィルソンはマートルをひき逃げした犯人への復讐心で半狂乱になってゆく。

《第5場 デイジーの家の前》

 ガタガタと震えるデイジー。車を運転していたのはデイジーだったのだ。黄色い車が走ってくるのを見たマートルは、おそらく運転手がトムだと勘違いしたのだろう。停めようとして車の前に飛び出し、デイジーの運転する車に撥ねられてしまった。「運転していたのは…僕だ。いいね。」(byギャツビー) ギャツビーはデイジーの罪を代わりに引き受けようとしていた。ニックは犯人が誰か気づき、ギャツビーを問いただす。しかし、ギャツビーは口止めして、一人海を見に行く。

《第6場 神の目》

 背景セットの「目」(看板?)がずっと気になっていた。この場面になったとき、例の「目」だけが残されたので、やっぱり重要な意味のあるものだったんだなと思った。もう一つ気になっていたことは、ウィルソン役がなぜ磯野さんなのか、ということ。マートルの夫役にしては、やはり年齢差があるように感じて…。でも、この場面に来てようやくウィルソンが超重要な役であることに気づいた。そうか、そういうことだったのか。神は見ている/人が何をしたのか/正しい者と間違った者の違いを正しく知っている/神の目は誤魔化せない/欺けはしない/邪な行いに裁きを下す/もし神の手が足りなければ/人が代わりを果たす/神の代わりを俺が果たす~♪ ウィルソンの目には狂気の色が浮かんでいた。

《第7場 ギャツビー邸続きの突堤》

 突堤に佇み、対岸を見つめるギャツビーの後姿。ウィルソンがやってくる。あの黄色い車はおまえのだな?おまえがマートルをひいたんだな?ああ。ギャツビーは静かに認めた。ウィルソンは拳銃を取り出した。神の手が足りなければ、俺が代わりを果たす…。一発の銃声が響き渡り、ギャツビーが倒れた。ウィルソンは銃口を自分のこめかみに当てた。マートル…。二発目の銃声が響いた。

《第8場 ニックの部屋~街路》

 ニックが、ギャツビーの死を皆に知らせるのだが、皆手の平を返したようにそっけない態度を取る。ジョーダンまでも、愛は終わったと告げて、彼の元から去っていった。だから、ジョーダン姉さんはダメだって言ったのに…。

《第9場 墓地》

 結局、ニックは一人でギャツビーの埋葬に立ち会うことになった。そこへ、一人の男性が近付いてくる。新聞記事でジェイ・ギャツビーの死を知って駆けつけたという。彼の名はヘンリー・C・ギャッツ(汝鳥伶)。ギャツビーの父親だ。そこへ、一台の車がやってくる。車から現れたのはデイジー。無言で花を手向け、再び車に乗って去っていった。プログラムの中で、演出家の小池修一郎氏自身が、脚色上の最大の違いはデイジーがギャツビーの墓を訪ねる点だと言っている。デイジーという女性は万人受けする理想の女性ではない。でも、完璧な人間など、この世の中にいるのだろうか?デイジーは、マートルの死と自分の身替りになって死んでいったギャツビーの死という重い十字架を背負って生きていくのだ。デイジーは心の中で、ギャツビーにどんな言葉をかけたのだろうか?父ギャッツは、息子ギャツビーの日記を読み上げ、彼の人生を回想する。父の回想の中、少年ギャツビー(彩星りおん)が日記を書き綴る。ジェイはいい子だったよ…なんでこんな結末になっちゃったんだろう…(泣)。

《第10場 ギャツビー邸続きの突堤》

 少年ギャツビーが、成人ギャツビーと入れ替わる。僕は取り戻そう/二人のあの夢/輝ける未来あふれる/朝日の昇る前に~♪

《第11場 カーテン・コール》

 出演者全員によるカーテン・コール。紳士S(瀬奈じゅん)、淑女S(城咲あい)。

◇おまけ

 瀬奈さんが超キメキメでカッコつけまくりだった。ポスターやプログラムで使用されている写真がとっても素敵。黄昏時のような色合い。照明の感じで、表情に絶妙な影ができていて、1920年代ジャズ・エイジの享楽的で刹那的な雰囲気がよくでていると思う。二人(ギャツビーとデイジー)はきっとうまくいかないんだろうな…と予感させる。青樹さんは「いい人」というイメージがあったので、今回のトム役は意外な感じがした。本当に本当に超イヤ~な男だった(褒め言葉)。日生劇場3回目にして、初めての見やすい席だった(笑)。

 今回の観劇ツアーは、『スカーレット・ピンパーネル』と『グレート・ギャツビー』の豪華2本立て。どちらも小池修一郎氏の演出。お忙しいですねぇ。11月末に東宝『エリザベート』を見に行く予定で、これまた小池氏演出。大好きな作品なので、とーっても楽しみです!


ME AND MY GIRL

2008年07月21日 | 宝塚月組1(瀬奈じゅん)

2008年6月13日(金)13:30開演 東京宝塚劇場 S席 2階1列70番台 月組公演

◆UCC&シャディミュージカル『ME AND MY GIRL』(作詞・脚本:L・アーサー・ローズ&ダグラス・ファーバー/作曲:ノエル・ゲイ/脚色:小原弘稔/脚色・演出:三木章雄)

 ミーマイは人気演目の一つだと聞いていたので、確実にチケットをゲットするため、5月31日(土)の阪急交通社貸切公演に申し込んでみた。結果は見事当選!やったー!いそいそと代金を送金し、チケットの到着を指折り数えて待っていた。が、そんなウキウキ気分はいつまでも続かなかった。よりにもよって、その日に仕事が入ってしまったのだ。あぁ、なんたる不運。結局、そのチケットは泣く泣く友人に譲った。さようなら、貸切公演…(泣)。その後、友の会先行抽選に敗北(再び泣)。しかし、ミーマイ観劇を全く諦めていない私。次なる一手はauチケットのプレオーダー。auチケットのプレオーダーには過去一度も当たった例がないので、あまり期待していなかったのだが、結果は見事当選!わぉー!神様、ありがとうー!

【第1幕】

《第1場 ロンドンからヘアフォードの邸》

 開演直前の幕。『ME AND MY GIRL』のロゴの周りをピンクのハートがくるくると回っていてカワイイ(笑)。オーケストラによる主題歌の演奏で雰囲気を盛り上げて、いよいよ開幕。ロンドンのヘアフォード伯爵邸はパーティの真最中。話題の中心は、最近見つかったというヘアフォード家の「世継ぎ」について。その話題に最も熱心なのは、ジャクリーン・カーストン(ジャッキー=明日海りお)だ。ジェラルド・ボリングボーク(遼河はるひ)との婚約を解消してでも、まだ見ぬ次期当主候補をモノにしてみせると息巻いている(笑)。ヘアフォード家の弁護士セドリック・パーチェスター(未沙のえる)が、世継ぎウイリアム・スナイブスン(ビル=瀬奈じゅん)を連れてきた。瀬奈ビルのテンションが異常に高い(笑)。その下町っ子気質丸出しの話し方や立ち居振る舞いに、親戚一同は唖然。遺言執行人の一人ジョン・トレメイン卿(霧矢大夢)は、これはダメだね、という表情。もう一人の遺言執行人であり、前当主の妹で、兄亡き後、ヘアフォード家の一切を取り仕切っているディーン・マリア公爵夫人(出雲綾)は、やっと見つけた世継ぎを立派に再教育してみせると心に誓う。ジャッキーは獲物に狙いを定めて、やる気満々(笑)。

 ビルは恋人サリー・スミス(彩乃かなみ)を邸の中に呼び入れた。サリーもビル同様ちゃきちゃきの下町っ子。2人で大テーブルを囲んで大はしゃぎ(笑)。彩乃サリー、カワイイなぁ。淑女気取りで大胆にスカートを持ち上げて挨拶する場面とか、丸焼きチキンを新聞紙に包んで持ち帰ろうとする場面とか、最高にキュート(笑)。魚臭いサリーなんて想像できない(笑)。離れられない離さないもう駄目だ/ME AND MY GIRL/昔から知ってたさどうなるか~♪ 離れられない離さないもう駄目よ/ME AND MY GIRL/昔から知ってたわどうなるか~♪ ビルは最初からサリーと2人でハッピーになることしか考えていない。勿論サリーだって同じ気持ちだ。しかし、サリーは2人の未来にかすかな不安を抱き始めていた。

《第2場 調理場(台所)》

 調理場に現れたビルに、執事チャールズ・ヘザーセット(越乃リュウ)や召使いたちは驚きを隠せない。これが良家のお坊ちゃまとは合点が参りません~♪ どうみてもわからない貴族のタマじゃない~♪ 召使いたちが歌う「♪英国紳士」が面白い(笑)。ビルはどっからどう見てもただの下町小僧なんだけど、どうやら新ご当主様らいしので、取り合えず言われたことには従っておこう、でも…っていう召使たちの戸惑い感がすごく伝わってきた。それにしてもビルは、物怖じしないと言うか、積極的と言うか、楽天的と言うか…本当、自由(笑)。

《第3場 応接間》

 ジャッキーのビル誘惑作戦。セクシーなブルーのナイトガウン姿でソファに横たわり、美しいおみ足をチラ見せじゃなく、大胆見せしながら、執拗にビルを誘惑する魔性の女ジャッキー(笑)。美しいジャッキーの誘惑に負けそうになりつつも、愛するサリーのために必死で理性を呼び起こし、本能と戦うビル(笑)。そこへサリーが登場。ガンを飛ばし合う女2人。それぞれがビルに話しかける形での、女同士のとげとげしい言葉の応酬が可笑しかった。サリーはこのお邸に住むことは許されておらず、近くのホテル(アパート?)に住んで、遊びに来ているらしい。そして来てみればこの有様。ビル自身は以前と変わらない様子だけれども、ビルの周りの環境が大きく変化したことで、サリーとしては不安がいっぱいだったろうなと想像。一方、マリア公爵夫人は、ビルの伯爵家継承祝いのパーティーに向けて、ビルにパーティーの心得を教えるのだった。ソファに置いた帽子目掛けて飛び込み前転をするのは、この場面だったかな?帽子を被ることに見事成功して、ものすごく得意気な表情をしていた(笑)。

《第4場 パブ「ヘアフォード・アームズ」》

 ビルは伯爵家継承祝いのパーティーにサリーを誘うが、サリーはそれを断った。そして自分はランベスに帰ると告げた。ビルがヘアフォード家の人間として社交界で成功を収めるためには、自分の存在は迷惑にしかならないだろうと悟ったからだ。サリーは口はちょっと悪いけど、聡明で心の優しい女性だ。そんなサリーの心を知ってか知らずか、それなら自分も一緒にランベスへ帰ると言ってパブを去るビル。お互いを大切に想うばかりに、気持ちがすれ違うビルとサリーが見ていて切ない。2人の会話を聞いていたジョン卿はサリーに、なぜ自分の気持ちを偽ってビルのもとから去ろうとするのか尋ねた。ここでサリーが「♪あなたの心を一度なくすと」を歌うのだが、パブのピアニスト(朝桐紫乃)にスポットライトがあたったので、「お!」と思ったら、そのまま生伴奏が始まった。こういう演出って緊張するだろうなぁ~。

《第5場 ヘアフォード・ホールのテラス》

 ビルの伯爵家継承祝いのパーティー当日。人々の前に姿を現した新当主ビルは、マリア直伝の手首をくるくると回す挨拶を披露した。私にはどうしてもふざけているようにしか見えないのだが、あれが正式な貴族の挨拶の仕方なのだろうか?もともと度胸があるのか、ただの怖いもの知らずなのか。それともやはり、ビルの中に流れる「ヘアフォード家の血」がそうさせたのか。ビルは意外にも堂々とした新当主ぶりを披露する。ただし、挨拶以外はまだまだ修行中のため、あまり長居をするとボロがでる(笑)。そこへ、ランベスの仲間を引き連れたサリーが現れる。ビルが今住む世界(メイフェア)と、サリーが住む世界(ランベス)の違いを見せつけるため。そして、パーティーをめちゃくちゃにして嫌われるため。でも、ビルは全然動じなかった。サリーがパーティーに来てくれた!どうだい俺の彼女イカしてるだろ?ランベスこそが自分とサリーの住む世界!ランベス最高!ランベス大好き!メイフェアにはメイフェアの歩き方があるように、ランベスにはランベスの歩き方があるんだ!いいかい、今から見せてやるよ!宝塚大劇場では初舞台生が2階に来て、「♪ランベス・ウォーク」をやってくれたらしい。東京宝塚劇場でもやってほしいなぁ~と思っていたところ、どうやら東京でもやっているらしいとの情報を入手し、とても楽しみにしていたのだ。今回の座席は2階最前列の上手側。舞台を観つめて手拍子を打ちながら、後方にも気を配っていた。すると、2階席の灯りが点き、数人のジェンヌさんが入ってきた。キターッ!前を観て、後ろを観て、手拍子を打って。しっかりランベス・ウォークに参加してきました(笑)。

【第2幕】

《第1場 ヘアフォード・ホールの庭》

 パーティーの翌日。クロケーゲームを楽しむマリア公爵夫人たち。ところで、このクロケーなるゲーム、股の下から振り下ろしたスティックでボールを打つというルールらしいのだが、その打ち方、ちとハシタナイような気がするのは私だけだろうか?マリア公爵夫人はサリーに言った。あなたにはビルに諦めさせることができるはずですよ。つまり、サリーに「あなた(ビル)を愛していない」と言えというのだ。このあたり、マリア公爵夫人が非常に冷酷で無神経な人に見えてしまうのだが、おそらく本人にはそんなつもりはないのだろう。身分を越えた結婚はありえない。サリーが身を引くのがお互いの幸せのためになると本気で信じているだけなのだ。ビルの幸せを願って、それを承諾したものの、涙を抑えられないサリー。ジャスパー卿(北嶋麻実)から泣いているのかと尋ねられたサリーは、笑っているのだと答える。ちょっとした知恵/悲しみ受け流す知恵/アゴで受け止めてニガい顔してスマイル~♪ 「♪顎で受けなさい」は面白い歌だ。イギリスの諺か何かに、そういう表現があるのだろうか?全体としては「くよくよするな、辛いことはサラッと受け流して、前向きに生きよう!」という意味だと思う。でも、「アゴ」で受け止めるって…どういうこと?(笑)

《第2場 図書室》

 貴族の正装である白貂の毛皮を着て、宝冠をかぶり、図書館で調べ物をしているビル。そこへサリーがやってくる。思いつめた表情のサリーに対して、すっとぼけていてとらえどころのない瀬奈ビル(笑)。珍しいマントをおもちゃにして遊んでいる。ヘアフォード家の当主は貴族の娘と結婚しなければならないと説くサリー。マリア公爵夫人に言わせられているのだと察したビルは、すぐにマリア公爵夫人のもとへ直談判に行った。しかし、マリア公爵夫人は、そんなビルに対してジャッキーとの結婚を命令した。ん?するとジャッキーは一人であんなに頑張らないで、最初からマリア公爵夫人と組んで作戦を立てればよかったんじゃないのかな?いやいや、どんな作戦を立てても、結局ビルとサリーの仲を裂くことは不可能か。マリア公爵夫人はビルに、ヘアフォード家の家訓を読んで聞かせる。すると、図書室の壁に掛けられていた、ヘアフォード家の先祖達の肖像画から先祖達の霊が現れ、「貴族には義務がある!」と歌いだした。肖像画が掛かっているなーとは思っていたけど、そうくるとは思っていなかったので、ちょっとビックリした。演出家の思う壺(笑)。マリア公爵夫人を説得できずに自棄酒を飲んでいたビルは、ジョン卿と意気投合。いつの間にかジョン卿はビルとサリーの味方になっていた。ジョン卿はビルに会うたびに懐中時計をスラれているが、それはビル流の愛情表現(コミュニケーション)の一つなのかも。そういえば、図書室の床に虎の毛皮の敷物が置いてあって、マリア公爵夫人との会話の最中に、ビルはそれでかなり遊んでた(笑)。

《第3場 ランベスの街角》

 ランベスに戻ったサリーは、ビルが追いかけてくる前にランベスを出て行こうとしていた。自分がここにいないことを知れば、きっと諦めてくれるだろうという思いからだ。それもこれもビルの幸せを思えばこそ。切ないー(泣)。そこへジョン卿が尋ねてきた。アナスタシア・ブラウン夫人(美鳳あや)は、ジョン卿を不審者だと疑い、なかなかサリーに取り次いでくれない(笑)。やがてサリーが出てきて問題解決。ジョン卿は良い考えがあるから自分を信じて付いてきなさいと言って、サリーを連れてどこかへ消えた。そこへビルがやってきた。だが、もうそこにサリーはいない。あの娘こそワンダフルでマーベラスでビューティフル/誰にだってわかるさ/なぜぼくが街の灯にたたずむか/ぼくは彼女を待つのさ~♪ ビルは、サリーが自分のもとからいなくなるなんて、きっと考えたこともないだろう。サリーがいないサリーの家の前で、サリーが戻ることを信じていつまでもいつまでも待ち続けるビル。

《第4場 ホール》

 ビルはヘアフォード家の財産をバンバン使ってサリーの行方を捜したが、一向に見つからない。一体サリーはどこへ消えてしまったのだろう?ビルのあまりの意気消沈ぶりに、さすがのマリア公爵夫人も心配をし始める。さぁ、そろそろ物語も終盤。告白合戦のはじまりはじまり~。まずはジョン卿。30年間の熱い想いをマリア公爵夫人にぶつけた。想像するに、この2人はお互いに好意を抱きながらも、それぞれの親が決めた相手と(政略)結婚したんだよね?時が流れて、今は2人とも独身同士。今度こそ2人で…ということか?お次はジェラルド。ジェラルドとジャッキーはいとこ同士で、親同士が決めた許婚なのかもしれないけど、ジェラルドは純粋にジャッキーに惚れている感じ。ジェラルドは強くてわがままな女に振り回されるのが好きなのか?ビルから、時にはバシッと叩いて男の強さ(威厳?)を見せたほうがいいとアドバイスされ、うん、ぼく、やってみるよ!と素直に従うジェラルド(笑)。上手袖に消えたジェラルド。バシッ!「きゃっ」バシッ!「うぅ~ん」バシッ!「あはぁ~ん」(笑)。やがて上手袖から、仲良く腕を組んで登場したジェラルドとジャッキー。どうやらビルのアドバイスが見事的中したらしい。これで2組のカップルが成立。3組目を成立させるべく、ジョン卿が1人の貴婦人を連れてきた。それは生まれ変わったサリーだった。そこへ、2つのトランクを抱え、ヘアフォード家を出て行こうとするビルがやって来る。サリーはとっさに扇で顔を隠し、出て行こうとするビルに話しかけた。もしその娘が戻ってきたら、何と声を掛けますか?その質問にビルが答えようとした、まさにその時。サリーはそっと扇を下ろした。貴婦人の顔を驚きの表情で見つめるビル。サ、サリーーー!!!抱き合って再会を喜ぶ2人。この2人を引き離そうとは、マリア公爵夫人も、もう思わないだろう。

《第5場 フィナーレ》

 淑女(城咲あい)と紳士(青樹泉、龍真咲)が銀橋で主題歌を歌い、フィナーレがスタート。続いて、ランベスギャル達のロケットへと展開。歌手男(霧矢大夢)と歌手女(明日海りお)が「♪私の手を握って」を歌い、それに合わせて8組のカップルが踊る。その日、ジャッキーを演じた人が「歌手女」をやるらしい。最後は、大階段に紳士(瀬奈じゅん)が登場し、「♪あなたの心を一度失くすと」を歌い、淑女(彩乃かなみ)がセリ上がる。やがて、紳士と淑女のデュエットダンスになる。デュエットダンスは薄い黄色の衣装。瀬奈さんと彩乃さんのデュエットダンスもこれが見納めなんだなぁ…と、しみじみした気持ちで観た。

《第6場 パレード》

 エトワールは月組組長の出雲綾さん。出雲さんも彩乃さん同様、今公演で退団してしまう。残念だ…。劇中のナンバーを歌い継ぐ全員のパレード。ジャッキーとマリア公爵夫人とサリーはウエディングドレス姿で登場した。ジェラルド&ジャッキー、ジョン卿&マリア公爵夫人、ビル&サリー、舞台上は3組の合同結婚式状態。こうしてハッピーミュージカルは幕を閉じた。客席の灯りが点いてから、最後のオーケストラ演奏があった。私もその演奏に耳を傾けて、芝居の余韻に浸った。3時間の夢の世界が終わったのだ。

◇出待ち

 観劇後、友人との待ち合わせまで、しばらく時間があったので、遠巻きに(笑)出待ちに参加してみた。どの辺りがベストポジション(笑)なのかよく分からなかったので、とりあえず劇場正面入口付近に陣取った。私が見始めてから最初に出てきたのは、桐生園加さん。たくさんの人達が並んで見ているのに、「わぁー!」とか「きゃー!」とかいう歓声が全然上がらないので、私の見間違いかと思ったが、あれは確かに桐生さんだった。しばらく出待ち風景を眺めていて、静かに手紙を渡し、静かに手を振り、静かに見送るのがヅカファンスタイルなのだと理解した。次に出てきたのは、元月組主演男役の久世星佳さんと、スカステの番組でよくお見かけするアナウンサーの女性(名前が分からない)。何かの番組収録で来ていたのか、それともミーマイ観劇で来ていたのか。どちらにしても、ここで久世さんにお会いできるとはラッキー。未沙のえるさんは、出待ちの人々が並ぶ通りを避けるようにして、劇場正面入口前を通ってお帰りになったので、偶然にも至近距離で美沙さんを目撃してしまった。これまたラッキー。その他、私が顔を判別できたのは、遼河はるひさん、星条海斗さん、青樹泉さんなど。楽屋口から有楽町駅方面に向かって歩き去ってしまうジェンヌさんも多く、誰なのか分からなくてちょっと残念。シャンテ前で待ち受ける1台の黒塗りの車。あれに乗るのは瀬奈じゅんさんに違いない。というわけで、その後もしばらく粘ってみた(笑)。しばらくして、白系のパンツスタイルで超キメキメ(笑)の瀬奈さんが颯爽と現れた。爽やかに手紙を受け取り、爽やかに手を振り、爽やかに車に乗り込み去っていった。


ダル・レークの恋

2007年07月04日 | 宝塚月組1(瀬奈じゅん)

2007年6月17日(日)12:00開演 神奈川県民ホール A席 3階14列1桁番台 宝塚歌劇月組全国ツアー横浜公演

◆グランド・ミュージカル『ダル・レークの恋』(作:菊田一夫/潤色・演出:酒井澄夫)

 15日に『さくら/シークレット・ハンター』を観劇した後、そのまま横浜へ移動。そう、今回は星&月の2本立て。ついでに横浜観光も楽しんじゃおうという横浜満喫プラン。15日の夜は早速中華街に繰り出して「点心コース」を食しました。が、点心を甘く見ていました。最初のほうこそおいしいおいしいとパクパク食べていましたが、最後のほうはかなりお腹が苦しかった…。でも残すのはもったいないので、頑張って完食しました(笑)。16日は元町でショッピングを楽しんだ後、あかいくつバスでみなとみらいへ。クイーンズスクエア内を見て歩き、夜は「橙家」で夜景を眺めながらの夕食を楽しみました。そして、17日。ツアーの締めくくりは『ダル・レークの恋』観劇。正午開演ということで、午前中は中華街を散策。ここぞとばかりに食べ歩きを楽しみました(笑)。山下公園で一休み。海風に吹かれていい気持ち。そうこうしているうちにちょうどいい時間になったので、いざ神奈川県民ホールへ!

 入口の前は人・人・人。すごい…宝塚ってすごい人気だ…などと感心しながら入場。座席は3階。えぇ、席なんてどこだっていいんです。生で舞台を観ることさえできれば。さぁ、席に行こう行こう。階段を登り始める…ここかな?まだか…(登り続ける)…ここかな?え、まだ?…(さらに登る)…ハァハァ…(ちょっと疲れを感じる)…ここでいいの?本当に?やったー!観劇前にかなり汗をかいてしまいました(苦笑)。月組観劇は今回で2回目。昨年10月の全国ツアー『あかねさす紫の花/レ・ビジュー・ブリアン』以来なので、8ヶ月ぶりということになります。 

《第1幕》

 プロローグで印象に残っているのは、水の青年A(桐生)とヒンドゥーの神S(大空)。水の青年Aが舞台に飛び出してきた瞬間に「桐生さんでは?」と思いました。後でプログラムを確認して「当たった」とニンマリ。そんな自分に、ヅカへのハマリ具合を感じ、苦笑い。そして、ヒンドゥーの神S。大空さんには不思議な魅力があります。何か目が離せない(笑)。

 インドの避暑地にあるホテル・カシミール。インド諸州の王族や各国大使らが集う、サマー・ファイナル・パーティーが開催されていた。支配人(一色)からの提案で、互いに好意を持つカップルが踊ることに。ベナレスのマハ・ラジア、チャンドラ・クマールの孫娘カマラ(彩乃)の前に大勢の若者が進み出るが、そこへ騎兵大尉ラッチマン(瀬奈)が颯爽と登場し、カマラの手を取り踊り始める。この場面でも、私の目は貴婦人3・4を見逃しませんでした。貴婦人4は一樹千尋さんだとすぐにわかりました。声に特徴があるし、『王家に捧ぐ歌』や『ヘイズ・コード』にも出演なさっていたので。そして、貴婦人3。観た瞬間に「越乃さんでは?」と思いました。前述の桐生さん同様、後でチェックしてニンマリ。何か楽しいぞ~。

 祖母インディラ(出雲)は、身分違いの恋愛は許されないとカマラに釘を刺し、今宵ラッチマンに別れを告げるように諭す。いつかは別れなければならないと自覚していたカマラは、揺れる心を抑え、彼の愛を拒絶。傷つき去ってゆくラッチマン。その直後、ラッチマンが前科12犯のラジエンドラではないかという疑惑が発覚。ラッチマンがそれを認めたため大変なことに。二度とクマール一族の前に姿を現さないと約束するなら報酬を与えようというインディラに対して、ラッチマンは愛するカマラとの一夜を要求。カマラは悩んだ末、自分と一族の名誉を守るため、彼の要求を受け入れる…。

 「第10場 ダル・レークの恋(流れる赤い花 愛のバレエ)」。事前に少しだけ予習をしていったので、大体どんな場面かは分かっていましたが…ドキドキしました(笑)。こういうの…エロカッコイイっていうんですか?(笑)本当はこんな形じゃなく愛し合いたかったのに…でも抑えられないこの情熱…みたいな?(笑)何だか書いてて自分で恥ずかしいですが、たぶんそんな気持ちで瀬奈さんは演じてたんじゃないのかなぁと思いました。あと、ゆっくりターバンをほどく瀬奈さんや、長髪を振り乱す瀬奈さんにもちょっぴりドキドキしました(笑)。一方の彩乃さんもこれまたセクシー。一族の名誉のためと自分の行動を正当化しながらも、本当の自分は初めからこうなることを望んでたんじゃないのか?などと煩悶している感じが伝わってきました。ダル・レーク祭りで、村人に混ざって恋人同士として踊る二人。束の間の幸福。やがて村人がカマラの素性に気づく。いたたまれなくなったカマラはその場を立ち去ってしまう。その後姿を悲しげに見つめるラッチマン…。

 ペペル(大空)登場!明らかに胡散臭いです(笑)。カマラの妹リタ(白咲)と恋人同士だとか。祖父チャンドラ(越乃)は猛反対するも、結局二人に押し切られる。孫に弱いおじいちゃん(笑)。クリスナ(遼河)の領地であるハイダラバードに全員集合!ここでチャンドラとラッチマンが偶然の再会。実は二人は旧知の仲で、チャンドラはラッチマンに厚い信頼を寄せていた。これ幸いと、リタとペペルのことを相談。ペペルの名にピンと来たラッチマンは、急ぎその場を去る。

 チャンドラがラッチマンを伴って来たことに驚き、この緊急事態をクマール一家にどう伝えればいいのかわからず、オロオロと焦りまくる憲兵隊長ジャスビル(研)たちが面白い。『ダル・レークの恋』は基本的にシリアスなお話だと思うのですが、そんな中、お笑い部門を担当しているのがジャスビルら憲兵たち。非常にオイシイ役だと思う。

 ラッチマンの姿を見て逃げ出すペペル。ラッチマンはペペルの目的がクマール家の財産であることを暴く。乱闘。憲兵が二人を取り囲む。そこでラッチマンが宣言する。ペペルこそラジエンドラであると!

《第2幕》

 第1幕から遡ること7年前。所はパリの高級ナイトクラブ、シャ・ノワール。実はラッチマンは、ベンガルのマハ・ラジア、ハリラム・カプール(一樹)の息子だった!今度はいつもの短髪の瀬奈さんで少しホッ(笑)。ハリラムは、パリで放蕩生活を続ける息子ラッチマンに、故郷に帰って王位を継ぐよう言い聞かせていた。が、ラッチマンは全然その気なし。そこへ突然飛び込んできたチャンドラ。ラジエンドラ(通称:ペペル)の罠にかかって困っているらしい。ハリラムの命令でチャンドラを助けることになったラッチマンは、ラジエンドラとサイコロ勝負をする。たぶんラッチマンは、普通のサイコロと日頃からご愛用のインチキサイコロをすり替えて、思い通りの目を出したのだと思う。それとも最初から自分のサイコロを使ったんだったかな?とにかくラッチマンが勝負に勝って、見事チャンドラの危機を救ったのである。

 場面は、再びインド。第1幕からの続きです。憲兵隊長ジャスビルに引っ立てられていくペペル。勝手気ままにやればいい~♪と歌いながら歩き、いつの間にか自分にかけられた縄を解き、反対にジャスビルを縛ってしまう。ここって大空さんの見せ場の一つなんだろうなぁ。

 傷心のリタをカマラが慰める。自分も大切な人を傷つけたと語るカマラ。もし自由に生きる勇気があれば、こんなに自分を苦しめることは無かっただろう。二度と同じ間違いを起さないために、これからは自分の心に正直に生きて行こうと決意する。

 一度覚めた夢は戻らないと、帰らぬ日々に想いを馳せるラッチマン。今思うと、この場面は最後のスモークへの前フリだったんだよなぁ。

 ラジエンドラを警察へ引き渡したラッチマンが、カマラに逢うため城に戻ってきた。クマール家の人々は、ラッチマンは今もなおカマラを愛しているのだと心から安堵した。そう、問題だったのは身分の違いと、ラッチマン=ラジエンドラ疑惑。そのどちらも解決した今、二人の関係を妨げるものは何も無い。ラッチマンの言葉を、期待に胸を震わせて待つカマラ。しかしラッチマンは、突然別れの言葉を告げた…。

 場面は、数年後のパリ。祭りに沸く街の中に、ラッチマンの行方を尋ね歩くカマラの姿があった。カマラは偶然、あの高級ナイトクラブ、シャ・ノワールのマダム・ミシェル(美鳳)にも声をかけるが、ミシェルは「さぁ…聞いたこと無いわ…」とか何とか行って通り過ぎてしまう。絶対知ってるくせにぃ~、教えてあげればいいじゃ~ん、とか思いながら観ていました(笑)。おそらく、シャ・ノワールも往時の華やぎは無くなり、ミシェルは寂れたクラブのマダムを続けているか、場末のクラブの雇われマダムをしているかだろう…と勝手に想像。

 ラッチマン登場。スモーク…スモーク…スモーク!ちょっとスモーク出過ぎじゃない!?と思うほどのスモークがステージを覆う(笑)。まことの愛を求め彷徨うラッチマン。やがてスモーク=夜霧の彼方へと去っていく…。

 大空さんが出てきて歌う。この時点では、大空さんはまだペペルを演じていると思っていました。瀬奈さん・彩乃さん・遼河さん・桐生さんなどが出てきて踊る。この時点で初めて、フィナーレに入っていたことに気づきました(恥)。エーッ、ラッチマンとカマラは結ばれないのー!?と思いながら「踊り曼荼羅」を観ていました。でも、彩乃カマラは何年も何年も瀬奈ラッチマンを探し続けて、いつか必ず結ばれるような気がする…。うん。絶対そうに違いない。

 予習の時、彩乃さんがペソピをしているらしいという情報を入手していたので、オペラで注目していたのですが、フィナーレまでは付けているのかどうかよくわかりませんでした。しかし、真珠の男(瀬奈)と真珠の女(彩乃)が踊り、真珠の歌手(大空)が唄う「グラン・スカリエ」の場面で、キラリと光るペソピに気がつきました!よし!

 パレードの後、瀬奈さんがご当地出身ジェンヌさんたちを紹介してくれました。そーかー、桐生さんは横浜出身だったのかー。ちょっと得した気分(笑)。

 『ダル・レークの恋』終演。ホテルへの帰途、再び中華街へ立ち寄り、最後のショッピング。これにて2泊3日のヅカ観劇&横浜観光ツアーは終了です。あ~本当に楽しかったよ~。日常生活に戻るのが辛い…(泣)。でも、やめられないんだよなぁ、観劇生活! 


あかねさす紫の花/レ・ビジュー・ブリアン

2007年02月04日 | 宝塚月組1(瀬奈じゅん)

2006年10月15日(日)16:00開演 イズミティ21(仙台市泉文化創造センター) S席 22列50番台 宝塚歌劇月組全国ツアー仙台公演

 『ベルばら』観劇をきっかけに宝塚に目覚めた私は、全国ツアーにも行ってみることにしました。過去3回の宝塚観劇は、たまたま全て1幕もの。ショーは初めてだったので、とても楽しみでした。今までの観劇は友人と一緒でしたが、今回は母と2人で観劇。座席は22列50番台。

◆万葉ロマン『あかねさす紫の花』(作・演出:柴田侑宏/演出・振付:尾上菊之丞)

 大海人皇子=瀬奈じゅん、額田女王=彩乃かなみ、中大兄皇子=大空祐飛

 額田女王は、はじめ大海人皇子に嫁して十市皇女を生み、後に天智天皇(中大兄皇子)の寵を受けたと伝えられている人物。女流歌人でもあり、「あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る」は有名。額田が綺麗でした。大海人と中大兄の間で揺れる女心。どう考えても中大兄の横恋慕ですが、それに逆らえないほどの権力とオーラを持っていたんだろうと想像しました。「えっ、そこで終わりなの?」という感じの最後に、私も母も思わず「続きは?」と言ってしまいました(笑)。

◆レビュー『レ・ビジュー・ブリアン』-きらめく宝石の詩-(作・演出:酒井澄夫)

 瀬奈さん・彩乃さんはもちろん素敵でしたが、一番印象に残っているのは、エメラルドの大空さんと、ピンクダイヤの遼河さん。大空さんは宝石箱の中から登場して、掛声をかけながら、ものすごくカッコつけて激しく踊っているのが素敵でした(笑)。遼河さんは背が高いので、とても目立ちました。遼河さんの周りを羽根扇でぐるっと取り囲んで、横に移動しながら踊る場面が素敵でした。ショーは初めてでしたが、とても楽しかったので、次は大劇場でショーを観劇してみたいと思います。