めざせ!信州のカーネギーホール

信州・田舎の温泉地、鹿教湯温泉に毎週ロビーコンサートを行なっているホテルがある。さて、そのロビーコンサートとは!?

カギ。

2007-11-11 13:04:04 | Weblog
11月11日(日)

こんにちは。赤羽泉美です。

ロビーのピアノに、カギがかかりました。
↓↓↓↓



昨日は土曜日。
200名様以上の方に、ご来館いただき、
お子様もたくさんでした。

私も経験ありますが、
出かけた先にピアノが置いてあると、
弾きたくなっちゃうんですよね。

けさも、
きっとピアノを習っているお子様だと思いますが、
ロビーのピアノを弾いていました。

すると、あるお客様から


「あのピアノは、オモチャじゃないよね??
 あなたも、音楽をやっている人だから分かると思うけど、
 楽器ってもっと神聖なものじゃない?
 たとえ子供とはいえ、
 もっと真剣な姿勢で弾いてほしいと思うけど?」

と、お言葉をいただきました。




私が斎藤ホテルに入社したころ…
3年半くらい前ですね、
その頃は、ロビーのピアノにはカギがかかっていました。

だから、
ピアノを弾きたいお客様がいても、


弾けなかった。



「音楽を、もっと身近なものにしたい」

って、ロビーコンサートもやっているのに、
ピアノにカギをかけてしまっているのは
ちょっと違うんじゃないか??

と、
ピアノにカギをかけなくなりました。


誰でも自由に弾けるようになると、
今度は秩序がなくなる…。


“勝手に(ホテル側に断りなく)弾く”

“弾いたあと、フタも閉めない”

“子供さんが好き勝手弾いていても、
       親御さんが何も言わない”

(もしくは、弾いている子供さんの横にもいない)





私の本当の気持ちとしては…


音楽をやっている子供さんに
あのピアノを触ってほしい、と思います。

でも、
触っているときに、
考えてほしい。



「音楽と真剣に向き合い、
 たくさんのお客様に感動を与える…

 そういうピアニストが、
 毎週このピアノの音を奏でている」

                ということを。



このピアノを触ったお子さんが、
心から音楽を好きになってくれて、
生涯を通じて、音楽を大切にできる人になってくれたら、
本当にうれしく思います。





ちなみに…
ピアノのカギって、こういうの、です。
↓↓↓↓



ピアノのカギを見ると、
思い出します。


昔(たしか中学生くらいかな…)
自分のピアノにカギをかけて、
練習を拒否したことがありました。



音楽って、
お金がかかるんです。

音楽大学(以下、音大に略)に行かなくても、
音楽はできます。
実際、音大卒じゃなくても、
すごく活躍しているピアニストの方を、
私は知っています。
素晴らしいピアノを弾きます。

でも、
私は音大に行きたかった。

私が音楽をやるために、
音大に行くために、
父も、母も、一生懸命働いてくれた。


だから、
家に帰ってくるのが遅くなって…

家族がケンカを始めてしまった。


「なんでもっと早く家に帰ってこれないの??」


ケンカはいつも、そのネタばっかり。



で…


私は、
こういう自動思考になったわけです。

私ピアノ弾く
 ↓
お金かかる
 ↓
お母さん家にいない
 ↓
家族ケンカする
 ↓
じゃあ
 ↓
私ピアノやめる
 ↓
お金かからない
 ↓
お母さん家にいる
 ↓
家族仲良し
 ↓
ピアノにカギかけちゃえ



どうやって和解(?)して、
ピアノのカギが開いたかは…

じつは私も覚えていません。


10年以上前の話ですしね。



いろんな思いがあって、
続けてきた、


   音楽。





おこがましいかもしれませんが…

自分の演奏で、聴いている人に
(その人が大人でも、子供でも)
なにか「思い」が伝わったら

うれしいです。





おわり。